近年、大切な家族へ日ごろの感謝を伝えることをねらいとした「ファミリーデー」を取り入れる保育園が増えてきているようです。由来は何なのか、子どもたちとどのように過ごせばよいのかを知って、行事に親しみを持てるとよいですね。今回は、ファミリーデーの由来とねらい、製作など過ごし方のアイデアを紹介します。
StanislavSukhin/shutterstock.com
目次
保育園でのファミリーデーってどんな行事?
保育園や幼稚園でのファミリーデーは、子どもがお家の人に対して感謝を伝える行事です。
園によっては、保育参観とあわせて行ったり、子どものみでプレゼント製作をしたりと実施方法はさまざまなようです。
では、ファミリーデーにはどのような由来やねらいがあるのでしょうか。
由来
ファミリーデーは、5月の「母の日」と、6月の「父の日」がもとになっているようです。
近年の家庭状況の多様化から、父親や母親だけに限定するイベントを行うのではなく、大切な家族に対して感謝の気持ちを伝えるためにファミリーデーが設けられるようになったと言われています。
明確な日にちや行事の内容は決まっていないため、5月の親子遠足や6月頃の保育参観など、園によって取り組み方はさまざまかもしれません。
ねらい
ファミリーデーのねらいとして、以下の例が挙げられます。
- ファミリーデーについて知り、自分を大事にしてくれている家族へ感謝の気持ちを伝える
- ファミリーデーに家族へのプレゼントを製作したり、ふれあい遊びをしたりして楽しむ
- ファミリーデーの行事を通して、家族とのコミュニケーションを深める
このように、ファミリーデーについて知り、行事を通して家族とコミュニケーションをとることをねらいとしているようです。
子どもが「自分を大切に思ってくれる人がいること」を再認識し、感謝の気持ちをもって臨めるような行事を計画できるとよいですね。
保育園でファミリーデーを行うときに配慮するポイント
次に、保育園や幼稚園で行事としてファミリーデーを取り入れるときに配慮するポイントを紹介します。
事前に子どもの家庭状況を把握する
保育士さんは、ひとり親家庭などクラスの子ども一人ひとりの家庭状況を把握しておきましょう。
子どもが楽しく行事に取り組めるよう、個別のケースにあわせた適切な声かけやフォローをすることが大切です。
また、ファミリーデーの行事があることについて、おたよりなどで保護者に先に知らせておくのもポイントです。
その際、もし保護者から相談や要望を受けた場合には個別に対応しましょう。
一人で判断することが難しい場合は、園長先生などに確認をとりながら対応するとよいかもしれませんね。
家族と楽しく過ごせるアイデアを取り入れる
ファミリーデーの計画をするときは、家族と楽しく過ごせるアイデアを取り入れましょう。
贈る相手を限定しないプレゼントの製作や、家族といっしょに遊べる手作りおもちゃの製作、大人といっしょにできるふれあい遊びなど、家族とのコミュニケーションのきっかけになるようなアイデアを選ぶとよいですね。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
在宅ワークで保育士資格を活かせる仕事とは?自宅でできる保育関係の仕事を徹底解説
通勤時間なく働ける在宅ワークをしたいと考えても「保育士は無理なんじゃないか……」とあきらめている方はいませんか?保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど、保育士の経験や資格を活かして自宅でで...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
保育園でのファミリーデーの導入方法
ここでは、実際に保育園でファミリーデーの行事を行うときの導入方法を紹介します。
子どもたちに意味や目的を話す
ファミリーデーの導入として、以下のように意味や目的などを説明してみましょう。
みんなは、ファミリーデーって知ってるかな?
ファミリーデーは、いつもみんなのことを大切に思ってくれているお家の人に、「ありがとう」を伝える日なんだ。
お母さんやお父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、きっといろんな人がいると思います。
お家の人は、みんなのために、どんなことをしてくれているかな?お料理やお掃除、洗濯、お仕事……いろいろなことをしてくれているね。
そのおかげで、みんなはお家や保育園で楽しく過ごすことができるんだね。
だから、今日はお家の人がよろこぶところを思い浮かべながらプレゼントを作って、「ありがとう」って言って渡してみよう!
導入としてこのような話をすれば、ファミリーデーがどんなものかや、身近な人のことを思い浮かべられるかもしれません。
子どもが感謝の気持ちをもって行事に臨めるような伝え方ができるとよいですね。
家族にまつわる絵本の読み聞かせ
導入として、家族にまつわる絵本を読み聞かせするのも一つの方法かもしれません。
赤ちゃんが生まれたときの親の気持ちを伝える内容や、子どもが保育園に行っている間に仕事を頑張る姿をえがいた内容など、さまざまな絵本があるでしょう。
子どもが自分を大切にしてくれている家族をイメージできるような絵本を選べば、ファミリーデーの行事に対して意欲が湧くかもしれません。
保育園でのファミリーデーの過ごし方アイデア~ふれあい遊び~
New Africa/shutterstock.com
ここでは、ファミリーデーの過ごし方として、ふれあい遊びをするときのアイデアを紹介します。保育参観などで取り入れる際は、参考にしてみてくださいね。
タッチ遊び
乳児クラスの子どもから楽しめる、タッチ遊びのアイデアです。
遊び方
1.子どもは立ち、大人は立ち膝になるなど、目線を合わせて向かい合います。
2.大人が両手を広げて「タッチ!」というかけ声を出し、子どもにタッチしてもらいます。
3.低い位置や、ギリギリ届く高い位置などに手を移動させ、いろいろな場所でタッチをして遊びます。
4.タッチできたことを、子どもといっしょによろこびながら繰り返します。
遊ぶときのポイント
子どもの年齢や月齢により、遊び方をアレンジして楽しみましょう。左右の高さをバラバラにしたり、足でタッチしたりするのもおもしろいかもしれませんね。
おんぶ競争
大人といっしょに楽しめる、おんぶ競争のアイデアです。
遊び方
1.保育室やホール内で子どものスタート位置とゴール位置、その中間でお家の人がスタンバイする位置を決めて、ビニールテープなどで印をつけておきます。
2.子どもたちはスタート位置に横一列に並びます。お家の人は、子どもの正面に立つようにしてスタンバイ位置に並びます。
3.「よーい、ドン!」の合図で、まず子どもたちだけがスタートし、お家の人を目指して走ります。
4.子どもがお家の人のところに着いたら、お家の人が子どもをおんぶしてゴールを目指して走ります。
5.先にゴールしたペアが勝ちです。
遊ぶときのポイント
子どもの年齢によって、お家の人のところまで走るのではなくハイハイしたり、おんぶではなく抱っこしたりと、ルールをアレンジすれば乳児クラスから取り入れられそうです。
幼児クラスでは、障害物を設置したり、おんぶして走る距離を長くしたりしても盛り上がりそうですね。
じゃんけん列車
大人も子どもも混じって楽しむことができる、じゃんけん列車のアイデアです。
遊び方
1.保育室内で、子どももお家の人も、バラバラの位置にスタンバイします。
2.音楽(ピアノで歩きやすい曲を弾くか、CDで曲をかける)を流し、その音楽に合わせて室内を自由に歩き回ります。
3.音楽が止まったら、近くにいる人とじゃんけんをします。
4.じゃんけんに負けた人は、勝った人の後ろにつき、肩または腰に両手をかけます。
5.(2)〜(4)を繰り返して列を長くしていき、最後に列の先頭になった人が勝ちです。
遊ぶときのポイント
じゃんけんのルールが理解できるようになる3歳児後半頃から取り入れられるかもしれません。走ったり早歩きをしたりすると列が乱れて転倒する危険性があるので、歩いて行うことを事前に約束事として伝えておきましょう。
保育園でのファミリーデーの過ごし方アイデア~製作~
最後に、ファミリーデーの過ごし方としてプレゼントを製作する場合の例を紹介します。贈る人を限定しないアイデアをまとめてみました。
子どもの写真入りのしおり
子どもの写真が入った、かわいらしいしおりの製作アイデアです。
用意するもの
- 子どもの写真
- 色画用紙
- ラミネータ―
- ラミネートフィルム
- リボン
- 色鉛筆またはクレヨン
- デコレーション用パーツ
- はさみ
- のり
- パンチ
作り方
1.子どもの顔写真や全身写真を撮って印刷し、余白をはさみで切り落とします。
2.好きな色の画用紙を、短冊形に切ります。
3.子どもの写真の裏側にのりをつけて(2)に貼り、周りにメッセージをかいたりデコレーションしたりします。
4.(3)をラミネートフィルムにはさみ、ラミネートします。
5.(4)の上部にパンチで1カ所穴をあけ、リボンを通して結んだらできあがりです。
製作のポイント
はさみが使えない年齢の子どもたちと行う場合は、保育士さんが何色かの短冊を用意しておき、好きな色を選んでもらうようにしましょう。
デコレーション素材としてシールや押し花などを用意し、子どもが自由にデザインできるようにすれば、よりオリジナリティのあるしおりができあがりますね。
飛び出すカード
飛び出す仕掛けのある、メッセージカードの製作アイデアです。
用意するもの
- 色画用紙
- デコレーション用パーツ
- ペン
- クレヨン
- 両面テープ
- はさみ
製作のポイント
はさみを扱うことが難しい年齢の子どもの場合は、保育士さんがあらかじめ画用紙に切り込みを入れておきましょう。子どもが切る工程も行う場合は、印のみかいてわかりやすくしておくのがポイントです。
飛び出す部分には「いつもありがとう」というメッセージや子どもの写真を貼ると、より素敵なカードになりそうですね。(詳しい説明はこちら)
小物入れ
ティッシュの空き箱を利用した、かわいい小物入れの製作アイデアです。
用意するもの
- ティッシュの空き箱
- 折り紙または色画用紙
- デコレーション用パーツ
- ペン
- テープ
- のり
- はさみ
製作のポイント
箱を作る工程でははさみを使うところもあるため、子どもの様子によってあらかじめ保育士さんがやっておくか、いっしょにやるかを考えましょう。
子どもがやる場合は、どこを切るのかわかりやすいよう線などをかき込んでおくことが大切です。
子どもが自由に折り紙や色画用紙、デコレーションパーツを貼ってアレンジできるように素材を容易しておくと、オリジナリティのある小物入れができそうですね。(詳しい説明はこちら)
行事の由来やねらいを知ったうえで、保育園でファミリーデーを楽しもう
今回は、ファミリーデーの由来やねらい、保育園での過ごし方のアイデアを紹介しました。
ファミリーデーは、お家の人へ感謝の気持ちを伝えるためのイベントです。
子どもがそれぞれ大切な人を思い浮かべながらプレゼントを製作したり、ふれあって遊べたりするようなアイデアを取り入れるとよいかもしれません。
今回紹介した過ごし方を参考にしながら、お家の人といっしょにファミリーデーを楽しめるとよいですね。