小学校入学後に見られる「小1プロブレム」の原因を知りたい保育士さんもいるでしょう。子どもがスムーズに小学校ですごせるようにするために、保育園側でどのような対策を行えばよいのでしょうか。今回は、小1プロブレムとは何か、また考えられる原因を解説します。あわせて、幼保小連携などの対策をまとめました。

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「小1プロブレム」とは?
保育園の卒園後、小学校入学という節目を迎える年長児さん。
新しいランドセルを買ってもらうなどして、入学を心待ちにしている子どもは多いかもしれません。
そんななか、小学校入学後に起こる「小1プロブレム」が、近年問題視されているようです。
小1プロブレムとは、保育園や幼稚園を卒園した後に、子どもたちが小学校での生活や雰囲気になかなか馴染めず、落ち着かない状態が数カ月続く状態を言います。
授業中にも関わらず複数の子どもが教室内を歩き回ったり、先生の指示通りに行動できなかったりするため、正常に授業を進行できない事態に陥ってしまうことがあるようです。
小1プロブレムは、子どもが学校生活という慣れない環境への不安からとってしまう行動だとも考えられるでしょう。
卒園前に小学校へあがる準備などを行うことで、小1プロブレムの軽減につなげることができるかもしれません。
まずは、なぜ小1プロブレムが起こるのか、原因について見ていきましょう。
「小1プロブレム」が起こる原因
小1プロブレムが起こる原因として考えられるものをまとめました。
過ごし方にギャップが生まれる
小1プロブレムは、保育園と小学校での過ごし方のギャップが根本的な原因とされているようです。
具体的には次のようなことが挙げられるでしょう。
遊びから勉強中心に変化する
ほとんどの保育園では、友だちや先生と遊ぶことが中心の生活を送っているでしょう。
しかし、小学校へあがると時間割に沿った勉強が中心のスケジュールへと変化します。
そのようなギャップに子どもは戸惑い、落ち着いて生活を送ることが困難になると考えられているようです。
指導者の目が行き届きにくくなる
保育園に比べ、小学校では担任1人に対しての子どもの数が増えるケースもあるでしょう。
保育園よりも先生の目が行き届きにくくなるため、子どもが自由な行動を取りやすい環境に陥ってしまうことがあるのかもしれません。
集団行動が増える
小学校では、休み時間以外のほとんどは子どもが一斉に授業を受けるなど、集団行動がメインとなるでしょう。
保育園で自由遊びを行う場面が多かった場合、子どもは小学校で先生の指示やルールに従って行動することに抵抗を感じてしまうのかもしれません。
自分で判断して行動をする力が身についていない
保育園では、「次は〇〇をしましょう。」と保育士さんが子どもを促したり誘導したりする場面が多いでしょう。
対して小学校では、子どもが自ら授業の準備を済ませるなど、自分で判断しながら行動する場面が増えることが考えられます。
これまで以上に自主的に行動する力が求められることも、子どもが学校生活に慣れない要因の一つといえるでしょう。
コミュニケーション力の低下
以前と比べて核家族化が進み、家族内でコミュニケーションをとるのが親や兄弟姉妹だけであったり、地域の人と交流する機会が減ったりして、子どもがさまざまな人と関わる機会が減少しているようです。
そのため、子どものコミュニケーション力が低下し、小学校で集団行動に馴染めず、小1プロブレムを引き起こす要因となっているのかもしれません。
このように「小1プロブレム」は、保育園と小学校との生活のギャップが根本的な原因であることが伺えます。
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保育園でできる「小1プロブレム」への対策

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では、子どもがスムーズに小学校生活へ移行できるよう、入学までに保育園でできる対策を考えてみましょう。
小学校と連携を図る
小1プロブレムの解消を目的とした取り組みとして、幼稚園や保育園と小学校が連携をとる、いわゆる「幼保小連携」に注目してみます。
小学生と交流する機会を設ける
小学校入学前に、小学生が参加できるイベントを計画して保育園に招待し、園児と交わる機会を作ってみましょう。
園児と小学生が交流できる場を設けることで、子どもが学校生活に馴染むきっかけになることが期待できそうです。
小学校教師と連携を図る
小学校の先生と保育士さんがいっしょに参加できる研究会などを開催すれば、指導者同士でコミュニケーションを図る機会となるでしょう。
相互に意見を交換しながら、それぞれの現場について理解したり対策を練ったりすることができるかもしれません。
子どもの成長記録を小学校へ送付する
卒園児担当の保育士さんが、子どもの保育園での育ちを振り返り、発達の状況などをまとめて「保育所児童保育要録」に記入し小学校へ送付します。
子ども一人ひとりの成長記録を小学校と共有することで、子どもの入学後の生活や学びに活かすことができるでしょう。
家庭と連携を図る
保育士さんが連絡帳を活用するなどして、日々積極的に保護者とコミュニケーションをとることも大切です。
保育園での子どもの状況を丁寧に伝えることで、保護者が入学後の子どもの様子をイメージしやすくなり、家庭でも子どもに寄り添った対応を意識することにつながるかもしれません。
基本的生活習慣を身につけさせる
小学校へあがるまでに、日常生活の基本である「食事・睡眠・排泄・清潔・衣服の着脱」の5つの生活習慣の基礎を養いましょう。
基本的な生活習慣が身についていないまま入学すると、トイレの時間や着替えの際に周りの子どもから遅れが生じ、スムーズに授業に入る準備ができなくなるかもしれません。
そのことにより、子どもが授業に集中できなくなることも考えられるでしょう。
着替えや玩具の片付けなど、誰の手も借りずに子どもが自主的にできるように指導できるとよいですね。
時間を意識しながら生活できるようにする
小学校では、自分で時間を確認しながら行動する場面が多くなることが考えられます。
保育園においても、「〇〇時になったらやめようね。」などと、時間を意識しながら活動する機会を増やすとよいかもしれません。
学習の基礎を学ぶ時間を設ける
保育園の遊びを中心とする教育と、小学校での座学や学びを中心とする教育とのギャップを少なくするために、幼児教育から小学校教育への円滑な移行を目指す必要があるでしょう。
年長クラスでは、小学校入学までの準備期間としてカリキュラムを組み、例えば、数や形、ひらがなに触れる機会を積極的に設けるとよいかもしれません。
また、小学校では一定の時間を椅子に座る必要があるため、保育園でも机上で学ぶ経験を積んでおけば、授業を受ける際に戸惑いが少なくなりそうです。
このように小1プロブレムを防ぐ対策として、幼保小連携を図ることが大切であることなどが分かりました。
保育園では、子どもに自立する力を少しずつ身につけさせ、就学に向けて慣らしていくことが大切かもしれませんね。
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今回は、小学校入学後に起こる「小1プロブレム」について、考えられる原因と保育園でできる対策についてまとめました。
小1プロブレムはさまざまな要因が重なって起こる現象と言われています。
乗り越えるためには「幼保小連携」を意識し、園生活とのギャップを最小限に留めることができるよう、小学校や家庭などと連携し合うことが必要です。
子どもが楽しい学校生活を送れるよう、保育士さんは子どもが自立する力や学ぶ姿勢などを身につけられるようサポートし、入学後の子どもの不安や戸惑いを少しでも拭えるとよいですね。
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