保育園でもお正月に凧揚げをしたいと思う保育士さんもいるでしょう。凧揚げをする意味が分かると子どもは興味をもって遊べるかもしれません。今回はお正月遊びのひとつである凧揚げについて、手作り製作のアイデアなどをまとめました。あわせて凧揚げをするときのコツや、遊ぶ場所など注意する点についても説明します。
Liudmila Shchaeva/shutterstock.com
お正月に凧揚げをする由来と意味
お正月遊びの定番のひとつである凧揚げ。
由来や意味を理解して。保育園の子どもに日本の風物詩を簡単に伝えてみましょう。
凧揚げの歴史と語源
凧揚げの起原は中国といわれています。
最初の凧には鳳凰、龍、鳥、獣などが描かれており、軍事目的として使われていたという説があります。
日本に初めて凧が伝わってきたのは平安時代とされており、当時は貴族の遊びとして鳶の形をした凧を揚げていたようです。
そののち戦国時代になると、武士が通信手段として凧を活用していたこともあったといわれています。
ほかにも、菱形の凧が中近東やインドを発祥としてヨーロッパなど諸国をも経て、外国と交わりのあった長崎へも伝わったという説もあります。
日本に伝わった凧揚げは、江戸時代に入ると貴族や武士だけでなく庶民の間でも流行したようで、もともとイカに形が似ていることから「イカ」という名称だったようです。
しかし幕府により事故につながり危険だと凧揚げが禁止された際に、庶民は「イカではなくタコだ」と言い訳をしたことから、「タコ」と呼ばれるようになったといわれています。
凧の語源がもともとイカというのは、おもしろいですよね。
凧揚げをする意味と由来
それでは、なぜ凧揚げはお正月の風物詩になったのでしょうか。
立春の時季に空を見上げることは健康に良いという意味の言葉があり、そのため新年を迎えると健康を祈るために凧揚げをするようになったといわれています。
また、年の最初に男の子の誕生を祝う儀礼として、無事に成長することを祈りつつ凧揚げをしていたという説もあるようです。
お正月に遊ぶ凧揚げの手作り製作のアイデア
由来や意味について把握したところで、保育園で手作りできる凧の作り方を紹介します。
折り紙凧
用意するもの
- 折り紙(2枚)
- たこ糸(1m)
- のり
- セロハンテープ
- 竹串(2本)
- ペン(穴を開けるため)
- シール(装飾用)
製作のポイント
ペンで穴を開けたりたこ糸を通す作業は保育士さんが行うとよいでしょう。
また、竹串を固定する際には子ども同士の席を離すなどしてケガにつながらないよう配慮が必要です。
たこ糸は身長の2~3倍の長さにすると、凧を飛ばしやすいかもしれません。
園庭など広い場所で遊んでみましょう。 (詳しい作り方はこちら)
ビニール凧
用意するもの
- ビニール袋
- 竹ひご(2本)
- たこ糸(1m、2本)
- 紙皿
- はさみ
- セロテープ
- クレヨン
- シール
作り方
1.ビニール袋を六角形に切ります。
2.(1)にシールを自由に貼ります。
3.ビニール袋を細長く2本切って凧の足を作り、(1)に貼りつけます。
4.竹ひごで凧の骨組みを作り、(3)の上下の頂点を結ぶように固定します。
5.(4)の左右それぞれの頂点をたこ糸1本でつなぎます。
6.(5)のたこ糸の中心にもう1本のたこ糸の端を結びます。
7.紙皿を半分に折り、クレヨンで好きな模様を描いて持ち手にします。
8.(7)に(5)で結んだたこ糸の先端を貼りつけます。
9.紙皿にたこ糸を巻きつけるとできあがりです。
製作のポイント
ビニール袋の代わりに、ポリ袋や買い物袋などの廃材を活用してもよいでしょう。
また、竹ひごがない場合はストローで代用しても凧の形状を固定することができます。
年長クラスではシールの代わりに、油性ペンを使って凧に好きな絵や模様をかいて仕上げてもよいですね。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
保育士資格を活かせる在宅ワークのお仕事特集!保育関係の自宅でできる仕事を徹底解説
保育士資格を活かせる在宅ワークにはどのような仕事があるのでしょうか。保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど自宅でできる仕事は意外に多いもの。今回は、保育士資格を活かして働ける在宅ワークの仕...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
お正月遊びの凧揚げをするときのコツ
凧揚げのコツを覚えて、空高く揚げてみましょう。
風の強さに注意する
凧は風にのって揚がるため、風が全く吹いてないと凧揚げをするのは難しいかもしれません。
かといって風が強いなかで凧を揚げるのもテクニックが必要です。
風が少し吹いているタイミングが最も凧揚げしやすいといえるでしょう。
なお、天候は揚がっている凧がよく見えるよう、晴れている日がよさそうです。
凧が揚がるまで走る
凧が安定して風にのるまで、糸巻きを持って走り続けます。
最初はたこ糸を短くし、慣れてきたら徐々に伸ばしていくとよいかもしれません。
走ったときに凧が地面を引きずるようなら、たこ糸の長さを短く調整しましょう。
2人で協力する
1人でするよりも2人で協力をしたほうが凧揚げしやすいでしょう。
1人が凧を持って風下でスタンバイし、もう1人は糸巻きを持ちます。
2人で同時に走り、凧が風にのったら凧を持っている人は手を離します。
糸巻きを持っている人は糸を伸ばしながら走り続けると、凧が徐々に風にのって揚がるでしょう。
糸をピンと張る
凧が揚がったら糸をゆるめたり引っぱったりという調整が必要になります。
糸をゆるめ過ぎると凧が落下してしまうかもしれません。
揚がっている凧との距離を離したり糸を巻いたりして、糸の状態をピンと張った状態に保ちましょう。
お正月遊びの凧揚げの援助ポイントと注意点
stable/shutterstock.com
実際に保育園で凧揚げをするときに、保育士さんが援助することと気をつける点をまとめました。
保育士さんの援助
様子を見ながらアドバイスをする
子どもにとって凧を空高く飛ばすことは難しいことかもしれませんが、凧が少しでも地面から浮くだけで「飛んでいる!」とよろこぶかもしれません。
「風が吹いたら走ってみよう。」
「もっとスピード出して走らないと凧が落ちるよ。」
などと、凧を揚げるタイミングや走るスピードなどを具体的にアドバイスするとよいでしょう。
凧を持つ役になる
凧を揚げることに苦戦している子どもがいるかもしれません。
保育士さんが凧を持ってスタンバイするなどして手伝うとよいでしょう。
凧を揚げる見本を示す
実際に凧を揚げる姿を見せてみましょう。
子どもは保育士さんの真似をしながら、凧揚げのコツを覚えるかもしれません。
凧揚げをするときの注意点
ケガにつながらないよう配慮をする
凧揚げに夢中になると、前を向いて走れなくなるかもしれません。
子ども同士がぶつからないよう、子どもの走る方向にほかの子がいないか充分配慮することが大切です。
グループ分けをして少人数で行うなど、工夫するとよいかもしれません。
凧揚げができる場所を整備する
園庭
園庭に大きな石など、子どもが走ってつまずきそうなものが落ちていないか事前に確認しましょう。
また、植えられた木などの凧揚げに妨げるものがない場所で揚げるとよいかもしれません。
住宅地
住宅地では凧揚げの妨げになる電線がない場所を選びます。
また、人混みの少ない時間帯を選ぶと思う存分に凧を飛ばすことができそうです。
公園や河川敷
公園や河川では、鉄棒や滑り台など遊具のある方向を避け、子どもの走るスペースを確保しましょう。
なお、高さ制限が設けられていることがあるので、事前に確認することが大切です。
空港至近
空港の近くで凧揚げをする場合は、凧が飛行機の運航を妨げる恐れのあることから航空法により禁止されることもあるようです。
空港が近くにある場合には、活動前に必ずチェックしておきましょう。
保育園でもお正月遊びの凧揚げを楽しもう
今回は、お正月遊びの定番、凧揚げについて紹介しました。
凧揚げは年齢問わず楽しめる遊びです。
由来や語源を知って保育園でオリジナルの凧を手作りすると、子どもたちはより興味をもって楽しめそうですね。
お正月だけでなく、そよ風の吹く爽やかな日など、季節問わず楽しんでみてもよいかもしれませんね。