育休明けに保育士さんが復職するとき、どんなポイントを押さえるとよいのでしょうか。「子どもの預け先が見つかるのかわからない」、「家事と育児の両立が難しい」など復職に向けて不安を抱く方もいるでしょう。このコラムでは、保育士さんが職場復帰するためのポイントや家庭でできる復職への準備を紹介します。
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保育士の復職の現状
保育士不足が懸念される中、保育士の資格を保有しながら職場復帰を希望しない方もいるかもしれません。
2015年10月時点で保育資格を保有しつつ復職していない方(潜在保育士)は約76万人といわれ、国として、再就職の支援や保育士の待遇向上などに力を入れている状況となっています。
結婚や出産を機に一度離職し、育休明けに職場復帰を考えている方のなかには、復職に前向きになれない方もいるでしょう。
その理由として、一度現場を離れていることから、復職に対して「どんな準備をすればいいのかわからない」、「働くのが怖い」と感じる保育士さんも多いようです。
職場復帰に対する不安には、どのようなものがあるのか具体的に見ていきましょう。
保育士の復帰に対する不安とは
保育士の仕事を一度離れてしまうと、育休明けに「育児と仕事の両立ができるのか」という想いを抱く方もいるでしょう。
また、「労働時間が長い」「残業が多い」などのイメージから、復帰して家事や育児を行いながら勤務するのは難しいという気持ちを抱く方もいるようです。
他にも復職に対して不安を感じている理由には以下の内容が考えられます。
- 子どもを預ける施設を見つけることができるか
- 希望条件に合った就職先を見つけることができるか
- 職員や保護者との人間関係が上手く築くことができるか
- 年齢を重ねることで気力や体力を保てるのか
子どもと関わる仕事に携わりたいと考えながらも、上記のような理由からなかなか復職に対して積極的になれない保育士さんも多いかもしれません。
また、保育士さんは保育活動や行事の企画運営、指導案作成や事務作業など多種多様な仕事をこなす必要があります。
保育現場への復帰に向けて不安を感じている方は、復職するためのポイントを把握して就職・転職活動に臨みましょう。
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保育士が職場復帰するときのポイント
ここからは、育休明けの保育士さんが復帰するためのポイントについて解説します。
子どもの預け先を確認・決定する
育休明けに復職を考えた際にまず気になるのは、子どもの預け先かもしれません。
保育施設は、保育園や幼稚園、認定こども園、託児所などさまざまな種類があります。
お住いの地域の預け先の確認はもちろん、地域の入所状況について把握しておくとよいかもしれません。
また、地域の自治体の保育課や福祉課で情報を収集し、各保育施設の空き状況や資料などをチェックすることも大切です。
保育園の空き状況は常に変化するため、役所に足を運んだり、問い合わせしたりしましょう。
場合によっては、何度も相談することで担当者に名前を覚えてもらうことができ、仕事の復帰時期が決まった際に話が進みやすくなることもあるようです。
年度内の途中入所が可能な場合もありますが、一般的に4月から入所したい場合は10月や11月に園児募集を開始する園が多いため、希望園の募集時期についても確認するとよいでしょう。
申し込む際は園見学を行い、実際に通ったときの通園のしやすさや保育方針が賛同できるかなど、きちんと考えたうえで決定するとよさそうですね。
復職の希望条件を明確にする
保育士として職場復帰をする場合は、まず、自分が求めている「働き方」を明確にし、どのような勤務条件に沿って働くべきなのか考えていきましょう。
希望条件の項目としては以下の内容が挙げられます。
- 雇用形態(正社員・非常勤・パートなど)
- 勤務時間(9:00~17:00、9:00~14:00など)
- 通勤(車で通勤しやすさ、職場と家が近いなど)
- 勤務日数(週5、週4勤務など)
- 休日日数(有休取得の日数など)
- 給与(賞与の有無や残業代の有無など)
- 保育方針(自然活動が多い園に勤めたい、英語教育に積極的な園に勤めたいなど)
その他にも2人目の出産などを考えている方は、産休・育休制度が充実している園を希望するなど、保育士さんによって職場復帰に対する要望に違いがあるでしょう。
自身のライフスタイルを考え、希望条件の優先順位について明確にすると、求めている職場を探しやすいかもしれません。
随時求人情報を確認する
子育て中は子どものお世話が忙しいため、なかなかハローワークなどの職業紹介所に出向くには難しいかもしれません。
現在はインターネットの求人サイトや情報誌を確認し、応募する方も多いようです。
求人情報は頻繁に更新が行われるため、お住まいの地域の「保育士募集」の案件について随時、確認を行いましょう。
近年では、保育士の人材紹介会社や派遣会社を利用している方もおり、担当の方に復職時期や希望条件を伝え、その条件に見合った園の紹介を受ける方法もあります。
地域の保育士の募集状況などを把握するためにも、一度問い合わせをしてみるとよいかもしれません。
再就職に向けて研修に参加する
保育士としてブランクがあり、「再就職に前向きになれない」、「子どもの安全を守れるのか不安で、働くのが怖い」と感じる方も多いかもしれません。
そのような場合は就職前に自治体や民間企業などで行われる研修に参加し、保育士の知識や技術を身につけるとよいでしょう。
東京都や大分市などでは職場体験講習会を実施し、保育士さんの復職応援として研修を行っているようです。
また、研修の場で同じように保育士として復帰することに不安を抱えている方と出逢える可能性もあります。
保育士さん同士で悩みなどを共有し、分かち合うことで復職への不安を和らげるきっかけとなるかもしれません。
保育士証などの書類を確認する
復職する際に、保育士の証明書を園に提示する必要があるでしょう。
「自宅のどこにあるかわからない」、「証明書を紛失してしまった」という方もいるようなので、手元に書類が揃っているのかを確認することが大切です。
また2015年より、「保育士」として仕事をするためには、都道府県の「保育士登録簿」に登録することが義務づけられました。
幼稚園教諭免許を保有している際も、更新が必要な場合もあるため、登録や申請が必要なのかきちんと確認を行いましょう。
自身の保育士経験を整理する
保育士として復帰する際は、希望園に面接に行き、自己紹介や志望動機を伝える場面があるでしょう。
自身の保育士としての経験を整理して、アピールポイントをまとめるとよいかもしれません。
「子どもへの関わり方」、「保護者への対応の仕方で気をつけていたこと」など、以前の勤務中に大切にしていたことを文章にして、自分の保育経験を明確にしてみましょう。
整理していくうちに「この経験を生かして、もう一度保育士として働いてみたい」という意欲が高まることにもつながる可能性があるため、自身の経験について振り返るとよさそうですね。
保育士の職場復帰に向けて家庭で行う準備
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保育士さんが職場復帰するためのポイントを紹介しましたが、復職後はライフスタイルが変化することでしょう。
職場復帰後にスムーズに生活ができるように家庭で行う準備について紹介します。
生活リズムを整える
復職後は子どもを預け、定時に出勤する必要があり、今までの起床時間が早まったり、家事の時間の確保が必要となったりと生活サイクルに違いがあるかもしれません。
子どもが幼い場合は特に、食事の援助や衣服の着脱に時間がかかり、慌てて出勤・・・ということも考えられます。
復職前に規則正しい生活を心がけ、スムーズに職場復帰ができるように、生活リズムを整えて時間配分を考えていきましょう。
保育士施設によってはお弁当を用意しなければならない場合もあるため、どのようなスケジュールで家事をこなす必要があるのかイメージするとよいかもしれません。
仕事復帰の意思を身近の人に伝える
子どもが保育園に通う際に、急な発熱時や怪我などで親や親戚にお迎えを頼むこともあるかもしれません。
ときには職場で行事を行っていたり、園バスに搭乗していたりとすぐに子どものお迎えに駆けつけられない場合もあるでしょう。
仕事を復帰する際は、身近な人に復職することを伝えサポートを頼めるかと確認を行いましょう。
また、「親や親戚が近くに住んでいないため、サポートを頼めない」という方もいるかもしれません。
事前に、利用できるベビーシッターサービスなどを調べ、頼ることのできる機関を調べておくと、安心して職場復帰できそうですね。
家族で家事の分担などを話し合う
復職後には家事の時間がいままでよりも確保できないことから、掃除が行き届かない場合や食事の支度に時間がかけられないことなどもあるでしょう。
また、「シャンプーを補充する」、「回覧板を回す」など目に見えづらい名もなき家事といわれているものもあるようです。
各家族によって分担の仕方はそれぞれなので、自身の生活スタイルに合った分担方法を考え、負担が一人に偏らないように話し合いを行うとよいかもしれません。
夫婦でお互いの出勤時間や退勤時間を確認し、分担することで家事に対する不安の解消につなげていきましょう。
保育士の復職向けて不安を解消し、職場復帰を目指そう
保育士として育休明けに職場復帰をする際に「働くのが怖い」と不安を感じる方も少なくありません。
誰しも今までの生活スタイルが変化すると考えると、なかなか一歩踏み出せない場合もあるでしょう。
まずは、復帰するためにはどのようなことが必要なのか、何を不安に感じているのかを明確にして、自身のペースで職場復帰を目指していくとよいかもしれません。
保育士さんの復帰を心待ちにしている園は多く存在します。
子どもたちの未来を担う素晴らしい仕事のため、地域の保育士情報を把握しつつ、復職向けて動きだしていきましょう。