五領域の「表現」を育むには、どのような遊びを展開すればよいのでしょうか。「表現」は子どもの感性や創造性を育むうえで大切となるため、声かけや援助の仕方を知って保育に役立てたいですよね。今回は、保育所保育指針をもとに五領域「表現」のねらいと内容を解説します。また、保育で使える遊びの実践例と援助の方法もまとめました。
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五領域「表現」とは
五領域の「表現」とは、子どもが感じたことを自分なりに表現することで、感性を豊かにし、子どもの創造性を育んでいくことを目的とした視点とされています。
そもそも五領域は、保育を通して子どもに育てたい能力を「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5つの領域に分けて示したものです。
今回は、五領域の「表現」に着目してねらいや内容を見ていきましょう。
ねらい
文部科学省「幼稚園教育要領」では、五領域「表現」のねらいについて以下のように示しています。
(1)いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ。
(2)感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ。
(3)生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ。
出典:幼稚園教育要領/文部科学省より抜粋
子どもたちが身の回りの自然や保育室の環境に興味を持って、感じたことを表現して楽しめるとよいようです。
保育士さんは、子どもが主体的に関わりたくなる環境作りや、子どもの素朴な表現を受け止める関わりができるとねらいの達成につながるかもしれません。
内容
内容とは、ねらいを達成するために、子どもが保育の中でどのような経験ができるとよいかを表したものです。
幼稚園教育要領や保育所保育指針では以下のように分類されてはいませんが、表のように考えると理解しやすいかもしれません。
保育園で過ごす中で、五感を働かせてイメージを膨らませること、音楽や描画、工作、ダンスなどを通して表現を楽しむことができるとよいですね。
保育士さんは、身の回りものの音や形、手触りなどへの気づきを促すと、子どもはそのよさを味わえるかもしれません。
また、表現遊びでは、さまざまな素材や楽器などを使い、子どもがのびのびと表現できるような環境を整えることが大切と言えるでしょう。
五領域「表現」を育む遊びと援助の具体例
ここでは、五領域の「表現」を育む保育の事例をまとめました。
乳児の遊び具体例:どろんこ遊び
乳児の遊びや援助は、厚生労働省「保育所保育指針」をもとに紹介します。
乳児(0歳児、1歳児、2歳児)での、どろんこ遊びの援助の具体例をみていきましょう。
活動例
年齢別の援助
<0歳児>
0歳児の子どもは、感触を味わうことを楽しめるとよいかもしれません。
子どものペースで遊べるよう、ゆったりと関われる環境を作りましょう。
保育士さんが子どもの表情や言葉を観察し、代弁したり共感したりしていけるとよさそうです。
<1歳児>
1歳児では全身を使った感触遊びや、見立て遊びを楽しめるようになる子どももいるようです。
ふれたときのひんやりとした感触や、水を混ぜていったときの感触の変化の面白さを味わえるよう関われるとよいですね。
保育園ならではの遊びを通し、五感を働かせることで、豊かな感性が育っていくでしょう。
<2歳児>
2歳児では、道具を使った形作りや見立て遊びが盛んになるかもしれません。
さまざまな粘度の泥にふれたり、木の実や葉っぱを使ったりすることでイメージが膨らみそうです。
見立ての世界に入り込んで遊ぶ姿を受け止め、保育士さんの言葉や関わりでさらに想像を広げていきましょう。
幼児の遊び具体例:なりきり遊び
幼児(3歳児、4歳児、5歳児)が海の生き物ごっこを通して表現を楽しむ、なりきり遊びでの援助の具体例を考えていきましょう。
活動例
<環境構成>
海のイメージを感じられるよう、スズランテープで作ったカーテンを窓に貼ります。
巧技台にわかめやサンゴなどの絵を貼り付け、海の中を演出するとともに遊びで使えるようにしておきます。
音楽から情景を味わえるように、ラジカセで海の曲、サメの曲を用意しておき、場面に応じて掛けます。
年齢別の援助
<3歳児>
3歳児の子どもは、保育士さんを模倣することや、自由に身体を動かすことが楽しい時期かもしれません。
保育士さんが遊びのモデルとなり、いきいきと表現することで子どもも「やってみよう」「楽しそう」と思ってくれそうです。
魚のお面などの身につけられるものがあると、さらに子どものイメージを引き出すことにつながるでしょう。
<4歳児>
4歳児は、友だちとイメージを共有して遊びたい子どもが多いようです。
「大好きな友だちとおそろいがいい」「いっしょに踊るのが楽しい」という気持ちに寄り添い、「2匹のいるかさん、こんにちは」「とってもすばやくて強そうな魚だね」などと声をかけ、子どもの表現を認めていけるとよいですね。
<5歳児>
5歳児では、表現したいイメージがより明確になり、それを実現しようと試行錯誤する子どももいるでしょう。
保育園の生き物や、図鑑、絵本などを見る時間、友だちと表現の方法を話し合えるような機会を作ると、イメージを表現するのに役立つかもしれません。
また、音楽や身体の動きを工夫し、緊張と解放を使い分けることで、表現にメリハリが生まれるようです。
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五領域「表現」を育む援助のポイント
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子どもの表現を認める
保育士さんは、子どもの表現を認めながら、表現の楽しさを味わえるようにすることが大切になります。
子どもは身の回りのものから感じたことを、つぶやきや身体の動きなどで率直に表現することがあるでしょう。
その素朴な表現を保育士さんが受け止め、共感したり認めたりしていくことで、子どもは表現の喜びを味わえるようになるようです。
さまざまな素材や道具を用意する
子どもがさまざまな素材や道具などにふれ合える環境を作ることで、豊かな表現を育んでいけそうです。
それらに子どもが興味を持って関わることで、豊かな感性や表現への意欲が育まれていくようです。
また、素材や道具の面白さから子どものイメージが刺激され、さらに表現が広がっていくかもしれません。
友だちの表現にふれる機会を作る
保育士さんが友だちの表現のよさを発信したり、みんなの前で発表したりする機会を作り、子どもが友だちの表現にふれられるようにするとよいでしょう。
子どもは、保育士さんや友だちと表現を通して関わることで、さらに表現への意欲が生まれるかもしれません。
子どもたちがお互いの表現のよさに気づき、認め合ったり模倣したりできるとよいですね。
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今回は五領域「表現」とは何か、主に幼稚園教育要領をもとに紹介しました。
五領域「表現」では、子どもが身の回りのさまざまなことと関わるなかで感性を育み、自分なりに表現を楽しむためのねらいと内容が示されています。
遊びの援助では、子どもの思いに共感すること、子どもの素朴な表現を受け止めることが大切となるようです。
他にも、さまざまな素材や道具を用意したり、友だちの表現にふれる機会を作ったりといったことも実践していきたいですね。
具体例を参考に、五領域「表現」をしっかり理解して、保育園での子どもの関わりに活かしていきましょう。
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