絵本などの読み聞かせのコツが知りたいと思う保育士さんもいるでしょう。集団保育と個別保育とでは、読み方に違いがあるかもしれません。今回は子どもを惹きつける読み聞かせのコツを紹介します。あわせて、読み聞かせによって期待される赤ちゃんや幼児への効果や練習方法もまとめました。
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保育園で読み聞かせが活躍する場面
保育園では、読み聞かせを行うことも多いのではないでしょうか。
おやつや昼食、午睡の前などの集団保育や子どもの自由遊びの時間など場面はさまざまかもしれません。
活動の導入として絵本を活用して子どもに分かりやすく伝えるときもありますが、そもそも読み聞かせにはどんな特徴があり、子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。
まずは、読み聞かせによって期待される子どもへの効果をまとめてみました。
読み聞かせで期待される子どもへの効果
子どもに読み聞かせをすることで、次のような効果が期待できるようです。
- 心を豊かにする
- 想像力を鍛える
- 言葉や表現方法を覚える
- コミュニケーション能力が高まる
- 精神状態が落ち着く
- 幸福感を得る
- いろいろなことを学べる
- 好奇心を刺激する
まだ話すことのできない赤ちゃんも、絵本を通してさまざまな刺激を受けているようです。
膝にのせて絵本を読むことで赤ちゃんに安心感を与えたり、実際に手に触れて遊べるような絵本では感触を楽しんだりと、赤ちゃんの成長にもあらゆる効果が期待できそうですね。
乳児や幼児の子どもは読み聞かせを通して物語の主人公になりきったり、知らなかったことに興味をもったりするかもしれません。
保育士さんと子どもとのスキンシップやコミュニケーションを育むきっかけにもなりそうですね。
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保育園での読み聞かせのコツ
では、どのように読み聞かせをすると、子どもを惹きつけることができるのでしょうか。
保育士さん自身も楽しみながら読む
保育士さんも子どもといっしょに、本の世界観を楽しみながら読み進めましょう。
ただしあまりオーバーな表現をすると、子どもは保育士さんのほうに気が向いて本に集中できなくなってしまうかもしれません。
アドリブは控え、本そのままの内容を伝えるように意識して読み聞かせしてみましょう。
途中で中断しない
子どもが現実に引き戻されてしまうことがないよう、物語を中断しないように気をつけましょう。
読み聞かせの途中で質問したり保育士さんの感想を言ったりせずに最後まで読み進めることで、子どもは本の世界に浸ることができるかもしれません。
頁をめくるタイミングやスピードに変化をつける
物語の内容に合わせ、頁のめくりかたに変化をつけてみましょう。
頁をめくる速度を早めたりタイミングを遅らせたりというちょっとした演出により、子どもは物語の世界へひきこまれることがあるかもしれません。
表紙や裏表紙も見せる
表紙や裏表紙も物語の大切な一場面なこともあるようです。
表紙をしっかりと見せ、読み聞かせが終わったら裏表紙もきちんと見せると、より物語の世界観が伝わったり、子ども自身のなかで想像したりするかもしれません。
読み方に変化をつける
抑揚をつける
最初から最後まで淡々とした読み方だと、子どもは飽きてしまうかもしれません。
早口で読むとスピード感が出たり、ゆったり読むとおだやかな雰囲気になったりするでしょう。
抑揚をつけて読み聞かせることで、物語の世界観を伝えることができるかもしれません。
声量・声色を変える
小さな声や大きな声、細い声や太い声など、声量や声色に変化をつけてみましょう。
楽しそうな場面では元気に、怖そうな場面では声をひそめて読むなど、物語の雰囲気に合わせて読み方を工夫するとよいかもしれません。
登場人物になりきる
セリフの部分では性別や年齢を意識し、登場人物になりきって演じるように読んでみましょう。
とくに登場人物の多いときには区別がつくように、高い声や低い声を使うなどして声色を変えられるとよいですね。
擬音の表現を工夫する
物語のなかで、ドンドン、コンコンなど擬音がでてくることもあるでしょう。
擬音に合わせて実際に机を叩いたり、楽器の音を使ったりして表現をすると、より物語の世界に近づくことができるかもしれませんね。
読み聞かせをするときのポイント・練習方法
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以上のコツをもとに、聞かせをするときのポイントについて紹介します。
年齢に合った本を選ぶ
乳児と幼児、それぞれどのような本を選ぶとよいのかをまとめました。
- <乳児>
- 繰り返しの表現やリズミカルな言葉、擬声語や擬態語が使われている本
- 色彩や絵の輪郭がシンプルにくっきりとえがかれている本
- スキンシップが楽しめる内容になっている本
- 仕掛けがあり子どもが触れても楽しめる本
- <乳児>
- メッセージ性のある内容の本
- 身近なことがテーマになっている本
- 起承転結がある本
- 主人公の感情を共感できるような本
乳児クラスでは、いっしょに笑ったり体を動かしたり遊んだりできるような本を選ぶと、楽しく読み聞かせができそうですね。
幼児クラスでは、3歳児から5歳児に向けて集中力も高まるので、徐々に長めの物語にも挑戦するとよいかもしれません。
読み聞かせの練習をしておく
本を読む練習をせずに集団保育でいきなり読み聞かせをすると、戸惑ってしまうことがあるかもしれません。
ここでは、どのように読み聞かせの練習をするとよいのかをまとめました。
映像や音声で確認する
集団保育で子どもが目の前にいることを想定しながら、本を読み聞かせている自分自身を録画してみましょう。
子どもにどのように読むのかを確認することで、改善点がみえるかもしれません。
読み聞かせの声を録音して音声で聞いてみても、どのような声色で読めばよいのかなど気づきやすくなりそうです。
ほかの保育士さんの前で練習する
ほかの保育士さんを子どもに見立てて、本の読み聞かせをしてみましょう。
読み進め方のアドバイスなど、いろいろな意見が聞けて参考になるかもしれません。
みんなに見えるような工夫をする
集団保育のなかで絵本を読み聞かせをする場合は、子どもたちみんなが見えるような工夫をしましょう。
たとえば子どもたちを配置するときは扇状に、絵本を持つときは、下の部分を持って絵本を横切らないようにページをめくるなどです。
みんなが見える高さに調整することも大切になるので、子どもたち全員がみえるように工夫するようにしましょう。
読み聞かせのコツをおさえて自信をもって読んでみよう
保育士さんは日々集団保育のさまざまな場面で読み聞かせを行うことがあるかもしれません。
子どもを落ち着かせたいときなど、読み聞かせにより子どもが集中してくれることもありますよね。
しかし、淡々と読み進めても子どもは興味を持ってくれないかもしれません。
かといって大袈裟な表現では、物語より保育士さんの言動に意識が向いてしまいそうです。
頁をめくるスピードを変えたり、登場人物の多いときにはとくに声色を変えたりして、読み方を工夫しながら子どもを惹きつけてみましょう。
読むときのコツやポイントをおさえて、自信をもって読み聞かせができるとよいですね。