乳幼児期から始まる「殴り書き」とはどのようなものなのでしょうか。また、いつから子どもが果物や人の顔などの形をかきはじめるのだろうと、気になる方もいるかもしれません。今回は、殴り書きの概要やお絵かきの発達過程について詳しく紹介します。保育士さんが子どもを見守る中で気をつけるポイントもまとめました。

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【乳児~幼児期】殴り書きとはお絵かきの第一歩
なぐり書きとは、赤ちゃんがクレヨンやペンで線を乱雑にかいたり、紙に打ちつけたりすることをいいます。
なぐり書きはお絵かきの第一歩ともいわれています。中にはその様子を見て「いつから果物や動物をかくようになるのだろう?」「ずっと円や線しかかいていないけれど大丈夫かな?」と疑問をもつ方もいるでしょう。
実際に子どもの絵の発達過程の目安を確認して、遊びを見守る中でどのような点に気をつければよいのか知っておきましょう。
【乳児~幼児期】殴り書きから絵の発達過程
まずは乳児期から幼児期にかけての絵の発達過程について詳しく紹介します。絵の発達過程には個人差があるため、目安として参考にしてみてくださいね。
1.なぐり書きの時期
クレヨンやペンを持ち始める1歳半を目安に「なぐり書き」が始まるといわれています。
最初は何かを表現しているというよりも、手の運動をしていると考えるとよいかもしれません。
手首が動くようになれば点や横線、縦線をかき、次第に肩もいっしょに動くようになるとグルグルと渦巻きや円などもかけるようになるといわれています。
2歳頃になると子ども自身が頭の中でイメージしたものをつぶやきながら、線や円で表現する姿が見られるでしょう。
2.象徴期
2歳半頃〜3歳半頃には、おもちゃや果物などさまざまな形を表す「象徴期」にはいるといわれています。
中には、ママと遊んでいる様子やクリスマス会の様子など心に残った場面を思い出してかく子もいるかもしれません。
絵を見ても「これは何の絵なのかな?」と子どもに内容を聞かないとわからないことも多いようです。
そんなときは絵の内容を子どもに聞いて余白にメモしておくとよいですね。
また、3歳〜4歳にかけて似顔絵の中に鼻や口をかいたり、動物の模様をかいたりと細かな部分もかくようになるでしょう。
この時期に入ると子ども一人ひとりの絵のかき方や色使いに違いが見られ、個性豊かな作品が並びそうです。
3.図式期
5歳頃になると「図式期」といわれる時期に入り、表現の幅も広がっていきます。
花や人、家などを組み合わせてひとつの絵をかいたり、空や庭、公園などの空間をかいたりと自分が印象に残ったものを表す時期でしょう。
このように子どものお絵かきはなぐり書きから始まり、手や指先を器用に動かせるようになれば、自分の好きなものや思い出に残った場面などを表現するようになるでしょう。
絵をかくことは子どもの想像力や観察力などの能力を伸ばすのに効果的だといわれています。
周囲の大人は子どもが楽しくお絵かきできるように、環境を整えられるとよいですね。
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【乳児~幼児期】保育士がお絵かきを見守る中で気をつけること

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続いて、保育士さんが子どものお絵かきを見守る中で気をつけるポイントをチェックしていきましょう。
絵をかきやすい環境を整える
まず、子どもたちがお絵かきに集中できるように環境を整えることが大切です。
保育士さんは、事前に周りのものを片づけたり道具を用意したりしましょう。
2歳頃までは力を入れずにかくことができるクレヨンを準備して、3歳以上は水性ペンや色えんぴつなどを取り入れるとよさそうです。
また、絵の台紙は画用紙以外にも模造紙や紙皿、紙コップなどさまざまな材料を用意するとよいですね。
さまざまな道具を使ったお絵かきの例はこちら。
毛糸でお絵かき
毛糸をコロコロと動かして画用紙に色がつく様子を楽しんでみましょう。事前に、子どもたちにはスモックを着用してもらうとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
色つき氷でお絵かき
ひんやりとした氷の感触を楽しみながら、お絵かきにチャレンジしてみましょう。
夏にぴったりな活動です。(詳しい作り方はこちら)
自主性を大切にする
お絵かきの活動では、保育士さん自らがお手本を示し過ぎないように注意しましょう。
子ども自身が「観察しよう」「想像してかいてみよう」という気持ちになれるよう、状況や子どもの年齢に合わせてお手本が必要かどうか判断するとよいですね。
否定しない
子どもの作品に対して否定的な声かけをするのはNGです。
「この形は違う」「〇〇には見えないよ」などと伝えてしまうと、お絵かきの行為自体に劣等感をもってしまうことがあるかもしれません。
他の子の作品と比べるようなことは避けて、子どもそれぞれの感性が育つように見守ることが大切です。

保育士さんへ
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殴り書きからお絵かきを楽しむ様子を見守ろう
なぐり書きは、お絵かきのスタートといわれる大切な発達過程のひとつです。
周囲の大人はいっしょに楽しんだり環境を整えたりして、その様子を見守っていきましょう。
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