【2024年最新版】待機児童問題はなぜなくならない?背景には保育士不足の原因も

    近年、取り沙汰されている「待機児童問題」。背景には深刻な保育士不足や施設の整備の遅れなどが挙げられますが、なぜなくならないのでしょうか。このコラムでは、厚生労働省の調査をもとに、待機児童問題の現状、原因、解決方法などを詳しくまとめました。採用活動を行う際の人材確保や定着に向けて役立ててみてください。


    子どもたちの様子

    milatas/shutterstock.com


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    待機児童問題は解決されていない?

    待機児童とは、保育の必要性があるにもかかわらず、入所できていない児童のことを指します。

     

    厚生労働省の調査によると、2023年4月時点の待機児童数は2,680人。前年と比較して264人減っており、徐々に待機児童数は減少している傾向にあります。

     

    待機児童数が前年から減少した自治体へのアンケート調査によると、保育の受け皿拡大のほか、申込者数が見込みを下回ったことが減少の要因として多く挙がりました。

     

    待機児童が減少した要因とその背景

     

    出典:令和5年4月の待機児童数調査のポイント/こども家庭庁から抜粋

     

    一方で、少子化による子どもの人数の根本的な減少新型コロナウイルスによる保育所の利用控えによる影響も無視できません。

     

    また、自治体によってはいまだ300人以上の待機児童を抱える都道府県もあったり、「希望する園に入所できていない」「入所できず不本意ながら育休を延長している」隠れ待機児童の問題も潜んでいたりと、保育の受け皿が十分に確保しているとはいいがたい状況です。

     

    その背景には近年問題視されている、 保育士不足も考えられます。

     

    待機児童問題の解決に向けて、それぞれの園ではどのような対策が必要なのでしょうか。

     

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      待機児童問題の現状

      そもそも待機児童問題が懸念され始めたのはいつからなのでしょう。

       

      以前から水面下では取り沙汰されていましたが、2016年頃から都市部を中心に問題視され始め、「子どもを預けて働きたくても働けない」というご家庭が多く、SNSなどで話題となりました。

       

      政府も解決策として「認可子ども園の設立」や「0歳~2歳向けの地域型保育事業の増設」などに取り組んでいるものの、待機児童問題がなぜなくならないのか疑問や不安を感じている保護者の方も少なくありません。

       

      まずは、厚生労働省の資料をもとに待機児童数の現状を見ていきましょう。

       

      全国の待機児童の推移

       

      全国の待機児童の推移は以下の通りです。


      待機児童推移

      出典:2020(令和2)年4月1日時点の待機児童数について2/厚生労働省から抜粋

       

      2020年4月1日時点の待機児童は12,439人と、近年で最も待機児童が多かった2017年に比べて、13,642人も減少しています。

       

      数年で半数以下と減少傾向にあるものの、首都圏を中心に多くの子どもたちが入所できていない状況にあることから、待機児童「ゼロ」に向けて取り組む必要があるでしょう。

       

      都道府県別の待機児童数

       

      厚生労働省の「保育所等関連状況取りまとめp15」での都道府県別の待機児童数は、以下の通りです。


      全国の待機児童数

      出典:保育所等関連状況取りまとめp15/厚生労働省から抜粋

       

      多くの地域で2019年度よりも待機児童が減少しているものの、東京都や埼玉県、兵庫県といった都市部を中心に保育所を利用できていない子どもが1000人以上います。

       

      地域によって待機児童数に大きく差があるため、各自治体が現状を把握し、問題解決に向けて取り組むことが重要かもしれません。

       

      年齢別待機児童数

       

      2020年4月1時点の待機児童数12,439人に対して、年齢別の児童数について紹介します。

      年齢別の待機児童

      全体の待機児童数のうち、1歳児~2歳児の割合が77.2%であり、入所したくても入所できていない状況にあります。

       

      家庭の中には育休制度を利用している方も多く、基本的に育休は子どもが1歳となる前日までの適用となるため、その時期に復職を希望される方は多いことでしょう。

       

      保護者が安心して働くことができるように環境を整備し、早急な対応が求められています。

       

      出典:保育所等関連状況取りまとめp4/厚生労働省

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      待機児童問題はなぜなくならない?

      厚生労働省の資料では全国的に待機児童数は減少傾向にあるものの、問題はなぜなくならないのでしょうか。

       

      原因を詳しく紹介します。

       

      1歳~2歳児向けの受け皿の整備が必要

       

      厚生労働省の調査でも発表しているように、1歳~2歳児の保育の受け皿が不足していることが問題の解決に至らない要因のひとつです。

       

      0歳~2歳児向けの地域事業型保育事業も展開されていますが、子どもたちに安全な環境を提供するために定員数が19名以下などの規定があることから、都市部を中心にさらなる増設が求められるでしょう。

       

      また、首都圏を中心に人口が集中していることから、保育所への申込児童数が増加傾向にありながら、受け皿の整備が追いついていない状況であることも考えられます。

       

      自治体それぞれが申込数に応じた保育施設を拡充できるように空き家を活用するなど、具体的な対策方法を立てることも大切でしょう。

       

      隠れ待機児童がいる

       

      先述した通り、待機児童問題の原因の一つに「隠れ待機児童」の存在が取り沙汰されています。

       

      隠れ待機児童とは、認可保育所などに入所を希望しても利用できていない中で、国や自治体での待機児童数を数えられない子どものことをいいます。

       

      保護者が求職活動を中止している場合や特定の保育園のみ希望しているなどの理由で入所していない状況にある子どもは、自治体の判断で待機児童として数えられないこともあるようです。

       

      そのため、このような隠れ待機児童をきちんとカウントし、実際の人数を把握しなければ、根本的な解決は難しいと言えます。

       

      保育士不足が起きている

       

      待機児童問題の背景には、子どもたちの保育活動を行う保育士が不足していることが挙げられます。

       

      厚生労働省の調査においても、経験年数が低い層の保育士が多いことが問題視されており、人材が長期的に働くことができるよう、職場環境の整備が求められています。

      保育の需要が高まる一方で、働く担い手である保育士の補充は待機児童問題を解決するうえで大きな課題でしょう。

       

      待機児童問題の解決策~保育士不足を防ぐ方法~

      待機児童問題の解決に向けて国は教育と保育を一体化した認可保育園の増設や1歳~2歳児の受け皿として、地域型事業の展開などに取り組んでいます。

       

      しかし、保育施設を作っても子どもを預ける保育士が存在しなければ、待機児童問題は解消されません。

       

      保育士の処遇改善に向けて昇給やキャリアアップ制度の導入などを行っている中で、それぞれの保育施設が人材の確保、定着化に取り組む必要があるでしょう。

       

      保育士不足を防ぐための具体的な対策を紹介します。

       

      潜在保育士の復職を支援する

       

      厚生労働省の2015年の調査によると、潜在保育士(資格を保有しながら現場で働いていない方)が約76万人いることがわかりました。

       

      このような人材を現場に呼び戻すことは、子どもを預かる担い手を増やすことにつながるでしょう。

       

      具体的な復職支援としては、潜在保育士向けの研修の設定、求人票の記載方法をなどが考えられます。

       

      特に求人票の記載については、各園で取り組みやすい内容となるため、復職を躊躇している方向けの文言を添えてみましょう。

       

      例えば、「ブランクがあっても大丈夫!丁寧に教えます。」や「現場復帰を応援します!子育て中の方もシフト調整について相談に応じます。」など、『ブランクOK』、『復職支援』といった言葉を用いたキャッチコピーを記載するとよいかもしれません。コラム:応募が集まる求人票の書き方のコツとは?

       

      保育士の育成体制を整備する

       

      人材の定着を目指すためにも、保育士として成長できるように、育成体制を整備することが重要です。

       

      政府においても「保育士のキャリアアップ制度」を導入し、職務分野別リーダーや副主任保育士などの役職を設定し、研修の受講による昇給などに取り組んでいます。

       

      このような制度を活用するだけでなく、各園の保育方針に沿った研修を実施することも大切です。

       

      各園によって「英語に特化した保育活動」、「運動やリトミックを取り入れた活動」など方針が異なるため、人材の育成方法にも違いがあるでしょう。

       

      そのため、各園の方針を重視した教育体制を整え、保育士としてやりがいをもって働くことができるような環境を作り上げていきましょう。

       

      ICTシステムを活用する

       

      保育士の仕事量が多いことから、離職してしまうケースも少なくありません。

      人手不足を解消するためにも、ICTシステムを導入し、業務量の軽減に取り組むとよいかもしれません。

       

      ICTシステムとは、タブレットやパソコンを活用して児童の情報管理や保護者に向けたお知らせ配信など、さまざまな機能が備わった電子システムです。

       

      例えば、児童の出席確認などを手書きで行っている場合にICTシステムを活用すると、カードリーダーを通すだけで簡単に記録することができ、集計作業の簡略化にも役立ちます。

       

      また、保護者に向けて必要な情報を一斉送信できる機能も搭載されていることから、一人ひとりに連絡する作業も省略されるでしょう。

       

      政府においてもICTシステムの導入において、補助金制度を設定しているため、活用しやすいでしょう。

       

      園独自の昇給制度を確立する

       

      保育士の処遇改善に向けて、政府は役職に応じた5000円~4万5000円の昇給制度を確立しています。

       

      しかし、手当を受け取るためには、「経験年数概ね3年以上」、「国が設定した研修に参加すること」など条件があります。

       

      そのため、経験年数が1、2年の方や多忙で研修に参加できない方などは昇給制度を活用することが難しいでしょう。

       

      このような方が給与をアップできるように、園独自の制度を確立することも必要かもしれません。

       

      明確な昇給制度があることで、仕事に対してのモチベーションも上がり、人材の定着にも役立ちそうです。

       


       

      出典:保育士等に関する関係資料p11、p34/厚生労働省

      出典:令和5年4月の待機児童数調査のポイント/こども家庭庁

      出典:2021年保育関係予算概算要求の概要/厚生労働省

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      待機児童問題の解決に向けて人材確保に努めよう

      待機児童問題の解決に向けて、保育士の確保や人材の定着に取り組むことは重要になります。

       

      各園の職員が保育士という仕事に対してやりがいをもって働くことができるように、育成体制の見直しや昇給制度の確立などに目を向け、労働環境を整備することが大切です。

       

      また、採用活動を行う際は求人票の書き方を工夫したり、研修制度を設けたりと潜在保育士の方の現場復帰を支援できる方法を考えてみましょう。

       

      待機児童問題の解決は「現場からの取り組み」が必要となります。

       

      子どもたちを安心して預けられる社会を目指し、環境を整えていきましょう。


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