クリスマス会やプール、入園式に運動会、お正月には年賀状作り……保育園では、1年間にさまざまな行事が行われています。保育士にとって、「準備が大変!」というイメージのあるこれらの行事ですが、子どもに四季を知らせ、目標に向かって友だちと協力する楽しさや大切さを学ぶきっかけになりそうです。保育園の行事や保育士の役割を解説します。
(1)保育園の1年の流れ
保育園には、1年でこんなにたくさんの行事・イベントがある!
保育園によって異なりますが、一般的に以下のような行事があるでしょう。
4月 入園式・進級式
7月 プール、お泊まり保育
10月 運動会、芋掘り、ハロウィン
11月 遠足、お遊戯会
12月 クリスマス
1月 もちつき大会
2月 節分・豆まき
3月 ひな祭り、お別れ会、卒園式
このほかに、毎月誕生会がある保育園が多いようです。
(2)春
保育園の入園式は、1番小さい子どもは0歳なので、幼稚園や小学校のようなホールで並んで行うような大がかりな式典ではなく、
子どもをお祝いする式として行います。
日にちも、4月の1週目に行う場合もあれば、子どもたちが落ち着いた4月上旬に行ったり保育園によってさまざまです。
4月1日に仕事復帰をする保護者の方もいるため、保護者の参加は希望者のみであったり、近頃は入園式のない保育園もあるようです。
入園式で保育士が気をつけること
0歳児は、小さな子どもを初めて預けることになるご家庭も多いので、心配する保護者の方も少なくありません。
担任になったら、保護者の方ともこれから信頼関係を築いていけるように、
しっかりと挨拶をし、正しい言葉遣いやきちんとした服装を意識しましょう。
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(3)夏
プールの時間について
子どもたちも大好きなプールですが、プールでは事故やケガ、感染症などの危険もあるので、いつも以上に注意が必要です。
子どもたちの安全を守るために、子どもの健康状態を保護者の方と情報共有することがとても大切です。
プールでの注意点
・子どもにプールでのルールをしっかりと伝える
プールで楽しく遊ぶためには、「プールサイドでは走らない」「水の中でお友だちを押したり、引っ張ったりしない」
「プールには飛び込まず、足からゆっくり入る」などルールを子どもとしっかりと共有することが大切です。
ルールを守らないと事故につながったり、
ケガをする危険があると理由もきちんと伝えると子どもも理解できるでしょう。
・子どもの状態を把握して判断する
プールでは、溺れたり、熱中症になる危険もあります。
子どもの様子がいつもと違ったり、元気がないときにはプールは控えましょう。
少しの体調不良がケガや事故につながる可能性もあるので、
子ども一人ひとりの状態を把握して対応することが大切です。
・保育士同士で連携をとる
プールは普段の起こらない事故やケガにつながる恐れがあるため、いつも以上の配慮が必要です。
1人でクラス全員を見ようとせず、保育士同士で連携をとって、いろいろな角度から子どもたちを見ていきましょう。
水遊びが好きな子どももいれば、苦手な子どももいるので、
個々に合った対応で子どもが「水遊びが楽しい!」と思えるような工夫をして指導していくことが重要です。
(4)秋
運動会について
運動会は、保護者も参加する行事です。
プログラムに親子競技がある保育園もあるでしょう。
幼稚園と異なる点として、家庭や仕事の事情で参加できない保護者の方も少なくありませんので、
その子どもへのフォローや親子競技の対応も考えておく必要があります。
運動会について
運動が好きで運動会を楽しみに張り切る子もいれば、運動が苦手な子どももいます。
なかには、運動会が近くなると、練習が嫌で「行きたくない」と保育園を休みたがる子どももいます。
得意不得意があるので、その子のできる最大限の能力を引き出せるように個々に合ったアプローチをして、
競技を楽しめるように援助していくことが大事です。
また、運動会当日は子どもたちの競技を支えつつ、次の種目の準備もしていきます。
困っている子どもや転んだりケガをした子への対応など、全体を見て臨機応変に動いていく必要があります。
(5)冬
クリスマス会について
保育園のクリスマス会は、サンタクロースからプレゼントをもらったり、職員が劇などの出し物を披露したり、
子どもたちも楽しみにしている行事です。
クリスマス会の保育士の出し物の例
紙芝居やパネルシアター、劇などを行う保育園が多いようですが、普段とは違いクリスマスの特別感を子どもたちが味わえるように、意識をして出し物を考えているようです。
・劇
・紙芝居
・パネルシアター
・ペープサート
・クリスマスソングを楽器で演奏
普段の保育では、ダンスや歌など子どもたちに教える立場の保育士が役になりきって劇を披露すると子どもたちは大喜びです。
衣装や小物などにもこだわると、雰囲気も出てより盛り上がるでしょう。
楽器での演奏もピアノだけでなく、鈴やリコーダー、タンバリンなどさまざまな楽器を使って演奏すると、
子どももいろいろな楽器に興味を持ち、楽しめるのでおすすめです。
年賀状を園児に出すときは
園によっては、担任の保育士が冬休み中にクラスの子どもたちに年賀状を出すところもあります。
保育園で楽しんでいた遊びを取り上げて、「○○で遊んで楽しかったね!また保育園でいっしょにやろうね」など、子ども一人ひとりに合ったコメントを書くと子どもは嬉しいでしょう。
あて名は、子どもあてなら名前に「さん」「くん」をつけてひらがなで書きます。
保護者と連名にするときは、保護者の名前を書いて、隣に子どもの名前を書くのが一般的です。
職場の先輩への年賀状の書き方
同僚をはじめ、園長など目上の方に年賀状を書く機会は、社会人として大切にしたいもの。
家族や子どもの写真入りの年賀状は避け、落ち着いたデザインの年賀状を選ぶのが無難です。
新年の挨拶、昨年お世話になったお礼、新年のお付き合いや支援をお願いする言葉を文章にして伝えます。
同じクラスや学年を受け持った先生には、プラスしてそのことへのお礼を書くと良いでしょう。
(6)卒園
卒園式について
保育園の卒園式は、3月中旬から下旬に行われる園が多いです。
卒園式の曜日は、自治体や地域、保育園によって変わり、土日、平日どちらの場合もあります。
卒園式の後の日にちも、保護者の方は仕事がある場合が多いので、3月31日までは子どもを預かる保育園がほとんどです。
卒園式で保育士が気をつけること
保育士は、スーツで卒園式に参加する場合が多いです。
お祝いなので、スーツにコサージュをつけて少し華やかにしても良いでしょう。
また、子どもの成長が目に見えて感動で涙する場面もあるかもしれませんが、式を進めることを優先しましょう。
まとめ
保育園の1年間には、子どもに多くの経験をさせ、大きく成長させたい思いからさまざまな行事があります。
行事前は、普段の保育に加えて行事の準備で保育士さんは、より一層忙しくなりますが、
いつもの保育とは違った特別感が感じられる行事は子どもにとって、とても楽しみなものでもあります。
子どもの成長や笑顔を思い浮かべて行事を充実させましょう。