病児保育士になるには?必要な資格や資格の合格率、給料事情を解説

体調の優れない子どもを保護者の代わりに預かる病児保育士。そんな病児保育士になるには、一体どうすればよいのでしょうか。今回は病児保育士になるために必要な資格などを紹介しつつ、病児保育士として働ける職場や働く際のメリット・デメリットを解説します。また、病児保育士の月給・年収などの給料事情についても確認しておきましょう。

寝かしつけをする保育士kapinon / stock.adobe.com

病児保育士とは

病児保育士とは、体調の優れない子どもを保護者の代わりに預かって保育をする人のことです。主に、病児保育専門の施設や家庭で、検温や病院の診察、食事の提供などを行ないながら子どものお世話をします。

病児保育士の仕事内容

子どもの体調にもよりますが、激しい活動や外遊びなどは基本的に避け、室内で安静に過ごすような配慮が必要です。

たとえば、絵本を読んだり子どもの好きなビデオを観たりするなど、子どもができる限り落ち着けるように心がけることが重要です。

また、保育中の子どもの様子や体温・体調の変化など、できる限り細かい情報を保護者に伝えることも大切な仕事です。

病児保育士と通常の保育士との違い

通常の保育士の場合、元気な子どもを相手に、保育園や認定こども園などの保育施設で、さまざまな遊びや活動を行ないながら保育をします。

病児保育士の場合は、病気にかかっている子ども、もしくは病気から回復傾向にある子どもを相手にします。

また、病児保育専門施設や医療機関、利用者の自宅などで、子どもの病状に注意しながら保育をするのが特徴です。

いずれも子どもを相手に保育をする仕事という点では共通していますが、保育をするときの子どもの健康状態と保育を行なう場所に大きな違いがあるようです。

病児保育士になるために必要な資格とは?

資格ELUTAS / stock.adobe.com

病児保育士になるためには、保育士または看護師の資格を取得している必要があります。非施設型で働く場合は特に資格は必要ありませんが、病児保育をするための事前の研修制度を設けているところもあるようです。

なお、病児保育には「認定病児保育専門士」という民間の資格があります。詳しく見ていきましょう。

認定病児保育専門士

認定病児保育専門士は、全国病児保育協議会が認定する資格です。

  • 病児・病後児保育室に勤務する保育士・看護師である
  • 全国病児保育協議会加盟施設に常勤として2年以上勤務している
    (もしくは非常勤で3年以上病児保育施設にて週20時間以上勤務している)
  • 病児保育専門士認定講座をすべて受講できる
  • 全国病児保育協議会所定の施設長推薦状を持っている

上記の条件をすべて満たしていれば、認定病児保育専門士の認定試験の受験資格が与えられます。試験は面接と口頭試問の2種類があります。

なお、この試験の合格率については特に公表されていないようです。しかしながら、病児・病後児保育に関する専門的な知識と実践的なスキルを保有していることを証明するための資格であることは間違いないので、取得には一定のハードルがあることを理解しておいた方がよいでしょう。

詳しい合格率が気になる場合は、資格の認定を行なっている全国病児保育協議会に直接問い合わせてみるのがよいかもしれません。

この資格を取得することで、病児保育に関する知識やスキルを持ち合わせていることをアピールできるでしょう。

認定病児保育スペシャリスト

以前は、「認定病児保育専門士」以外にも病児保育に関する資格がありました。日本病児保育協会が認定していた「認定病児保育スペシャリスト」です。

保育士資格を持っていなくても、高校卒業済みの18歳以上であれば、Web講座の受講と実習を修了することで取得できた資格です。

しかし、2022年より日本病児保育協会が資格認定事業を終了としたため、以降は新規の取得ができないようになっています。

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病児保育士の給料事情

給料明細DESIGN ARTS / stock.adobe.com

病児保育士として働くことを考えた場合、気になるのは実際の求人状況や給料などではないでしょうか。

保育士バンク!に掲載されている病児保育の求人状況を調べてみたところ、クリニックや小児科、病児保育専門施設といったさまざまな施設で求人の募集が行なわれていました。

いずれも少人数の子どもの保育を行なっているところが多いようで、お子さん一人ひとりと丁寧に関われる環境が整っているようです。

求人情報から給料を見てみると、正社員として働く場合の月給は約20~28万円前後が相場となっていました。

上記の月給から算出すると、約240~336万円前後が病児保育士の年収ということになります。

なお、この数字はあくまで保育士バンク!に掲載している求人をもとに算出したものなので、実際は年齢や経験年数、施設などによって支給される金額は違うようです。

また、施設によってはボーナスが支給されたり資格手当や役職手当などが加算されたりすることもあるので、あくまで参考程度にとどめておくようにしましょう。

保育士バンク!に掲載されている病児保育の求人情報を知りたい方は、以下のボタンからチェックしてみてくださいね。

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    病児保育士が働ける職場

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    病児保育士が働ける職場は、大きく分けると以下の4つに分類されます。ここでは、それぞれの職場の特徴を確認しておきましょう。

    医療機関併設型

    医療機関併設型の場合、病院や診療所などに付設された専用スペースで子どもの保育を行ないます

    医師や看護師が常駐しているため、子どもの体調に異変が起きたときなどにすぐに処置してもらえるでしょう。

    保育所併設型

    保育所併設型の場合、保育園内に設けられた医務室や専用スペースで、比較的症状の軽い子どもを対象に保育を行ないます

    普段から通い慣れている保育園でそのまま子どもたちを見られますが、看護師1名以上が常駐している必要があるため、導入している保育所はあまり多くありません。

    単独型

    単独型の場合は、民間企業やNPO法人などが運営する病児保育を専門とする施設で保育を行ないます

    現状の施設数は全国的に少ないものの、共働き世帯やひとり親世帯の増加に伴い、ニーズが高まっているため、増加傾向にあります。

    非施設型(訪問型)

    非施設型の場合は、医療機関や保育所に併設されている施設とは異なり、子どもが住んでいる自宅で保育を行ないます

    医師や看護師などがいないため、病児保育士は子どもの様子をよく観察し、状況に応じて病院に付き添うなどの対応をする必要があるようです。

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    病児保育士として働くメリット・デメリット

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    ここでは、病児保育士として働くメリットとデメリットを確認しておきましょう。

    メリット

    • 少人数制なので子ども一人ひとりと向き合える
    • 身体を動かす遊びをしない
    • 行事などの事前準備が不要

    病児保育は一人もしくは少人数の子どもを相手に保育を行なうので、子ども一人ひとりとじっくり向き合えます

    また、看病したり療養したりすることがほとんどのため、身体を動かす遊びはしません。室内遊びで静かに過ごすことが主流であり、体力的な負担も少ないでしょう。

    さらに一般的な保育のように行事を行なうこともないので、製作物などの事前準備が不要です。このことから、業務上の負担も少ないでしょう。

    デメリット

    • 毎回預かる子どもが異なる
    • 子どもの体調が急変したときに臨機応変な対応が求められる
    • 感染症が流行っている時期は忙しくなりがち

    病児保育は突発的に子どもを預かることが多いので、毎回預かるこどもが違います。そのため、一般的な保育士と違って長期的な成長を見届けることができません。

    さらに、病気の容体や症状は子どもによってさまざまです。万が一体調が急変したときなどには、臨機応変な対応が求められるでしょう。

    インフルエンザや溶連菌などといった感染症が流行る時期は病児保育のニーズが高まるため、忙しくなりがちです。自分の体調管理にも気を配る必要があります。

    保育士資格を持っているなら病児保育士としての働き方を検討してみよう

    体調の優れない子どもに寄り添う病児保育士は、保育士や看護師の資格を持っていれば、専門の資格を取得する必要なく働くことができます。

    活躍できる職場には、医療機関併設型や保育所併設型、単独型、非施設型などの種類があり、いずれも病気の子どもたちを一時的に預かる施設です。

    病児保育自体が、共働き世帯やひとり親世帯の保護者からのニーズが高まってきている保育サービスのひとつなので、今後も病児保育士の需要は高まっていくでしょう。

    病児保育士という仕事に興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ保育士バンク!までご相談ください。専門のキャリアアドバイザーがあなたの条件に合う求人を提案いたします。

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