秋になるとお月見会を開催する保育園や幼稚園もあるでしょう。お月見は秋を感じられる日本の伝統的な行事のひとつですが、どのような由来や意味があるのかまでを知っている人は少ないかもしれません。今回は、子どもたちと一緒にお月見を楽しむために知っておきたい由来を解説します。また、子どもにお月見のことを聞かれた場合の伝え方も確認しておきましょう。
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お月見の由来や歴史
そもそもお月見とは、縁側に月見団子を供え、ススキを飾って月を眺める行事のことです。月を眺める習慣は昔から続くものですが、日本でのお月見の原型は平安時代だといわれています。
当時は貴族文化として広まっており、管弦楽を楽しんだり、詩歌を詠んだり、お酒を飲んだりと、豪華な宴が催されていたようです。
その後、江戸時代に入ってから徐々に庶民にもお月見の文化が広まるようになったのだとか。
これはお月見の時期が農作物の収穫の時期と近かったために、秋に採れた農作物への感謝を伝える意味が込められるようになったからだと伝えられています。
お月見をする日はいつ?
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月は1年中眺められるものですが、お月見は十五夜(中秋の名月)の日である旧暦の8月15日に行なわれるのが一般的です。
現在の暦は新暦ですが、十五夜は月の満ち欠けを基準にした旧暦をもとに決められているので毎年日にちが変わるようになったという経緯があります。なお、2024年から2028年までの今後5年分の日程は以下のとおりです。
- 2024年9月17日(火曜日)
- 2025年10月6日(月曜日)
- 2026年9月25日(金曜日)
- 2027年9月15日(水曜日)
- 2028年10月4日(水曜日)
基本的に十五夜は、毎年9月中旬から10月上旬の間に訪れるものだと覚えておくとよいかもしれません。
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現在のお月見の風習
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月を眺めながら食べ物をお供えするという風習のあるお月見。ここでは、現在のお月見の風習を確認しておきましょう。
ススキを飾る
かつて庶民の間で行なわれていたお月見には、秋の豊作に感謝するという意味合いがあり、その年に採れた農作物を供えるという習慣がありました。
しかし、お月見の時期は稲穂が実る前の時期であったことから、ススキを稲穂に見立てて飾るようになったそうです。
また、ススキは切り口が鋭いことから魔除け効果があると考えられています。悪いものから収穫物を守り、翌年の豊作を願うという意味も込められているといいます。
月見団子を飾る
諸説ありますが、月見団子はもともと中国のお菓子である月餅を真似して作られたそうです。地域によって異なりますが、15個の団子をピラミッド型に高く積んでお供えするのが一般的です。
団子をピラミッド型に積み上げるのは、収穫の感謝や祈願の気持ちを月まで届けようという想いが込められているといいます。
なお、月見団子の形は地域によって異なるようで、関東地方では丸い形、関西地方では細長い形をしているそうです。
農作物をお供えする
十五夜は別名・芋名月とも呼ばれているため、その時期に収穫した里芋やさつまいもなどの旬の野菜や果物をお供えすることもあります。
お月見を子ども向けにわかりやすく伝える方法とは
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秋の行事であるお月見について、保育園や幼稚園に通う子どもたちにわかりやすく伝える方法を紹介します。
わかりやすい言葉に言い換えて伝える
お月見の由来を子どもたちに伝えるときは、簡単でわかりやすい言葉に言い換えて伝えることが大切です。たとえば、以下のように伝えるとよいでしょう。
- 「お月見はお月様がとってもきれいに見える日だから、今日の夜はお空を見てみてね」
- 「お月見の日は、おいしいものがたくさん採れたことにありがとうを伝える日だよ」
- 「お月見の日にはお団子を食べて、元気でいられるようにお願いしようね」
子どもたちにも伝わりやすい簡単な言葉に言い換えて説明することで、お月見がどのような行事なのかを理解しやすくなる可能性があります。
お月見がテーマの絵本や紙芝居の読み聞かせをする
お月見をテーマにした絵本や紙芝居の読み聞かせをするといいでしょう。たとえば、以下のような絵本と紙芝居があります。
- 【絵本】だんごたべたい おつきさま
(文:すとうあさえ 絵:中谷靖彦 出版社:ぽるぷ出版) - 【絵本】ぶたさんちのおつきみ
(作・絵:板橋敦子 出版社:ひさかたチャイルド) - 【紙芝居】なぜ、お月さまにおそなえをするの?
(脚本・絵:渡辺享子 監修:常光徹 出版社:童心社) - 【紙芝居】つきみだんごとまほうのぼうし
(作:山本和子 画:菊地清美 出版社:教育画劇)
お月見に何をするのかを絵本や紙芝居の物語を通して教えてくれるので、子どもたちにも伝えやすいでしょう。
ペープサートを用意して説明する
ペープサートを作ってお月見について子どもたちに説明してみましょう。
満月やお団子、うさぎやススキなど、お月見に関わるものをキャラクターにして、オリジナルストーリーを作ってみると面白いかもしれません。
他にも、「お月見をしているうさぎが月に飛び込んでいくと、満月の模様がうさぎに変わった」といったストーリーで作り、満月の模様について伝えてみてもよいでしょう。
ペープサートを使えば、子どもたちは視覚的に楽しみながらお月見の由来を知ることができるかもしれません。
お月見に関連するものの製作をする
子どもたちと一緒にお月見にちなんだ製作をしましょう。
粘土や画用紙、折り紙など身近な素材を使って、うさぎやお団子などを作るとよいでしょう。
製作を通して、お月見という行事への理解がより深まるかもしれませんよ。
子どもたちが理解しやすいように工夫してお月見の由来を伝えよう
お月見について子どもたちに伝えるためには、保育士さん自身がお月見の由来をしっかりと理解しておくことが大切です。そのうえでしっかりと説明できるように準備しておく必要があります。
子ども向けに嚙み砕いた表現にしてわかりやすい言葉で伝えるのもいいかもしれませんが、お月見がテーマになった絵本や紙芝居を読み聞かせると、より理解しやすいかもしれません。
子どもたちの年齢にもよりますが、子どもたちにとって最適な方法を考えたうえで、お月見の由来を伝えるようにしましょう。
また、事前に製作遊びなどで子どもたちとススキや月見団子を作っておき、実際にお月見の時期に飾るという体験をしてみるのもよいでしょう。
お月見の時期が来る前に、子どもたちにお月見の由来を伝える時間を設けてみてはいかがでしょうか。
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