保育園や幼稚園で、「土用の丑の日」について伝えたいと考える保育士さんもいるでしょう。子どもたちにわかりやすく説明するうえで、意味や由来などを知ることができれば、簡単に伝えることができるかもしれません。今回は、土用の丑の日の意味について、手遊びや製作遊びを通して伝える方法とあわせて紹介します。
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土用の丑の日はいつ?
土用の丑の日は、「うなぎを食べる日」「夏頃」ということは何となく知っていても、実際の日づけについて知っている方は少ないのかもしれません。
そもそも、土用の丑の日はいつなのでしょうか?
実は、「土用の丑の日」というのは、毎年同じ日というわけではなく、その年によって日づけが変わるようです。
【2024年の土用の丑の日】
1月26日、4月19日、5月1日、7月24日、8月5日、10月28日
毎年、カレンダーで毎年確認するようにしましょう。
では、なぜこのように土用の丑の日は各年で異なるのでしょうか。その理由は、土用の丑の日の意味が関係しているようです。
土用の丑の日の意味とは
「土用」と「丑の日」のそれぞれの意味やうなぎを食べるようになった由来について、紹介します。
土用とは
「土用」とは「土曜」と考える方もいるかもしれませんが、土曜日という意味ではありません。
土用とは、日本の古来の「二十四節気」という季節を分けた暦の区分により、立夏・立秋・立冬・立春直前の約18日間の「期間」を表す言葉です。つまり、土用の丑の日というのは、二十四節気の中で数えた18日間の内の「丑の日」を指します。
そのため、年に一度ということはなく、年によって土用の丑の日の回数や日づけに違いがあるのです。
丑の日とは
丑の日の「丑」というのは、十二支である「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の中の「丑」をいいます。
一般的には、それぞれの干支は年が変わることごとに使われるものですが、日づけ、方角、時間などを数えるときにも用いられています。
例えば、午前0時のことを「子(ね)の刻」と呼び、東西南北を方位に分けた際に東を「卯」と呼ぶなど、古くから使われているようです。
干支は日にちについて12周期で数えるため「土用の丑の日」は、
「二十四節気で数えられた18日間の『土用』という期間において、干支の周期として数えた12日目を『丑の日』」といいます。
また、日本で「土用の丑の日」が言い伝えられたのはどのような起源があるのでしょうか。
土用の丑の日にうなぎを食べるのはなぜ?
日本古来から土用の丑の日はうなぎを食べる日だといわれています。
さまざまな諸説があるものの、有力なのは平賀源内という蘭学者が、江戸時代にうなぎ屋の店主から商売について相談されたのが始まりのようです。
また、日本の昔からの言い伝えの中に、「土用の丑の日にうから始まる食べものを食べると夏バテ防止に役立つ」というものがあったそうです。
その言い伝えを利用した平賀源内がうなぎ屋の店主への商売繁盛のアドバイスとして、「土用の丑の日にうなぎを食うべし」といった看板を出すように勧めたことで、現代の日本でも「土用の丑の日」はうなぎを食べるという習慣が伝えられたといわれています。
土用の丑の日が年に数回あるにも関わらず、夏にいわれることが多いのも、この説からきたものだと考えられています。
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土用の丑の日を子どもたちにわかりやすく伝える方法
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土用の丑の日の意味がわかったところで、保育園や幼稚園で子どもたちにわかりやすく伝える方法を紹介します。
クイズ形式で伝える
「土用の丑の日」について子どもたちの興味や関心を高めるためにも、クイズ形式で伝えてみましょう。
子どもたちから「聞いたことないな」、「土曜日の牛の日?」、「うなぎを食べる日かな」などさまざまな答えが返ってくるでしょう。子どもたちの返答に耳を傾けてみましょう。
子どもたちから「魚の名前なんて知らないよ」、「さけ?」などさまざまな反応が返ってくることでしょう。
うなぎを知らない子どもたちもいるかもしれません。絵などを用いて分かりやすく伝えられるように工夫しましょう。
終わりに
「『土用の丑の日』夏にこのうなぎを食べると元気になるといわれています。みんなも好き嫌いせずに、いろいろなものを食べて大きくなろうね。」と伝えてみましょう。
土用の丑の日の意味については、保育園や幼稚園の子どもに伝えるのは難しい場合もあるかもしれません。子どもたちが興味をもちやすいように、簡単なクイズなどを出題して、工夫できるとよいですね。
絵本やお話で伝える
「土用の丑の日」について伝えるときに、うなぎが登場する絵本やお話を活用するのもよいでしょう。保育士さんが、うなぎを用いた壁面製作や絵を作成して飾ることで、子どもたちが興味をもつきっかけになるかもしれません。
「うなぎの中には電気をもっているうなぎもいるんだよ!」などうなぎに関する豆知識なども紹介できるとよいですね。
手遊びやリズム遊びで伝える
「土用の丑の日」は、子どもたちが元気にすごせるようにうなぎを食べる日ということを伝えたうえで、遊びに展開するのもよいかもしれません。うなぎの手遊びやリズム遊びを紹介します。
うなぎの手遊び
「土用の丑の日」にちなんで、うなぎに見立てた手遊びをしてみましょう。
<用意するもの>
- 長めの黒い手袋(手袋がない場合は、ちょうどよい長さに切った黒いストッキングを活用してもよいでしょう)
- 画用紙やシールで作ったうなぎの目
黒い手袋に画用紙やシールで作ったうなぎの目を貼り、うなぎに見立てましょう。
<手遊び例>
「みんなこんにちは。ぼくはうなぎの〇〇だよ。(好きな名前をつけましょう) ニョロニョロ動くのが大好き。みんなも指をそろえてニョロニョロ手を動かしてみよう。」
とみんなで手をうなぎのように動かして、手遊びを楽しみましょう。
<工夫ポイント>
うなぎを知らない子どもたちもいるかもしれません。慣れ親しんだ手遊びを活用して手や指を動かし、「土用の丑の日」を楽しめるとよいですね。「ニョロニョロうなぎがやって来た~!」など子どもたちが興味をひくような言葉がけを考えてみるのもよさそうですね。
うなぎに変身!リズム遊び
うなぎへの変身を楽しめる、リズム遊びを紹介します。
<用意するもの>
- ピアノ
- ブルーシート
- スズランテープ
<場の設定>
- ブルーシートをひいて、河に見立てます。
- スズランテープを使い、流れる河を表現します。
<遊び方>
保育士さんが「うなぎ」のように、ピアノに合わせてニョロニョロと動いてリズム遊びの楽しさを伝えましょう。
普段からぞうやきりんなど動物に変身するリズム遊びを取り入れている場合は、「今日はうなぎに変身~!」といってうなぎのように泳ぐ姿を子どもたちに見せましょう。
<工夫ポイント>
子どもがニョロニョロとうなぎの変身を楽しめるように、ピアノを工夫して弾くとよいかもしれません。うなぎをイメージできない子もいるかもしれないので、リズム遊びの前にあらかじめ絵などを用意しておくのもよさそうです。
製作を通して伝える
「土用の丑の日」は子どもたちが元気にすごせるように、うなぎを食べる日ということを伝えたうえで、手や指を動かす製作遊びに展開するのもよいでしょう。
新聞紙でうなぎを制作して、うなぎ釣りを楽しもう
新聞紙でうなぎを作り、お魚釣りを楽しみましょう。
<用意するもの>
- 新聞紙
- セロハンテープ
- タコ糸
- 磁石
<作り方>
- 釣り竿は、新聞紙を巻いて、棒状にしてセロハンテープで止めて、磁石をつけたタコ糸をたらします。
- 新聞紙をくしゃくしゃにしてやわらかくしたものをねじりながら、細長くしてうなぎに見立て、磁石をつけましょう。
<遊び方>
うなぎの磁石と釣り竿の磁石をがくっけて、釣りを楽しみましょう。
広げたブルーシートを河に見立て、新聞で作ったうなぎを置くといっそう遊びが盛り上がるかもしれません。
<工夫ポイント>
新聞紙を使った簡単なうなぎ釣りの遊びなので、幅広い年齢の子どもたちが楽しめるでしょう。子どもが新聞紙を巻くのが難しい場合は、保育士さんが作っておくなどして工夫するとよさそうです。
うな重を製作してみよう
土用の丑の日を楽しめるように、うなぎをおいしく食べられる「うな重」を作りましょう。
<用意するもの>
- トイレットペーパーの芯を2個
- キッチンペーパー2枚
- 真綿適量
- 空き箱
- ラップ
- 茶色、焦げ茶色のカラーペン
<作り方>
- トイレットペーパーの芯を2個とも平らにつぶして、真ん中に折り線をつけます。
- トイレットペーパーの芯の1個をはさみで上部を三角に切ります。
- トイレットペーパーの芯を2個ともキッチンペーパーでふんわりと包み、セロハンテープで止めます。
- (3)をうなぎのように茶色や、焦げ茶色をカラーペンで色づけして、ラップで包み、セロハンテープで止めます。
- 空き箱に綿を入れてご飯のように見立て(4)をのせるとうな重のできあがりです。
<工夫ポイント>
「うな重屋さん」を作ってお店屋さんごっこに展開すると、いっそう遊びが盛り上がりそうですね。ご飯の部分に使う真綿がない場合は、ティッシュやキッチンペーパーを丸めるなどすると工夫するとよいかもしれません。
ゲームを通して伝える
「土用の丑の日」は子どもたちが元気にすごせるようにうなぎを食べる日ということを伝えたうえで、身体を動かす遊びに展開するとよいかもしれません。うなぎにちなんだゲームを紹介します。
縄跳びうなぎを飛び越えて!
うなぎに見立てた縄跳びを飛び越えるゲームです。
<用意するもの>
黒い縄跳び(黒い縄跳びがない場合は、黒いビニールテープで縄跳びを巻くなどうなぎに見えるように工夫するとよいかもしれません。
<場の設定>
- 子どもたちに並んで座ってもらいます。
- 保育士さんは2人で縄跳びをもちます。
<遊び方>
ニョロニョロと動かして、子どもたちに順番に飛び越えてもらいます。
<工夫ポイント>
うなぎがどんな風に動くか知らない子どももいるでしょう。縄跳びなどを活用すると、ニョロニョロとしたうなぎの動きを知り、楽しめそうですね。
土用の丑の日バスケット!
うな重をメインとしたフルーツバスケットのゲームを紹介します。
<用意するもの>
- 椅子
- うなぎ、ごはん、お弁当の箱、箸のイラストが描いたメダル
<場の設定>
椅子を子どもたちの人数分用意し、丸く並べます。
ゲームの説明をするときは、子どもたちに椅子に座ってもらいましょう。
<遊び方>
オニになる人をひとり決め、オニになった人は円の真ん中に立ち、その他の子は椅子に座ります。
例としてオニが「ごはんの人」というと、ごはんのメダルをもった人が他の椅子に移動します。
オニは空いた椅子に座り、椅子に座れなかったごはんのメダルをもった人がオニとなります。(オニが他のメダルを言った場合は、そのメダルの子どもたちが椅子を移動します。)
「土用は丑の日!」というとみんなが移動して、椅子に座ります。座れなかった子がオニになります。何度か繰り返して楽しみましょう。
<工夫ポイント>
普段はくだものや食べものを使ったフルーツバスケットのゲームをすることが多いようですが、「土用の丑の日」にちなんだメダルを用意して展開してみるとよいかもしれません。子どもたちが、行事に興味や関心をもつことにつながるでしょう。
食育の中で絵などを活用して伝える
保育園や幼稚園の中には、土用の丑の日にちなんで給食にうなぎをだすところもあるかもしれません。
うなぎを食べたことがない子もいるかもしれないので、絵などを活用して「うなぎを食べると元気になるんだよ」など、食育の観点から伝えられるとよいですね。
また、保育園では子どもたちが食に興味をもてるよう、食育に関する活動を行なっていることでしょう。食育に関するアイデア集はこちらをご覧ください。
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土用の丑の日の意味を子どもたちに伝えて、日本の行事を楽しもう
土用の丑の日の意味や由来、子どもたちに伝える方法などを紹介しました。
土用の丑の日は、子どもたちが元気にすごすことができるように、うなぎを食べる日です。保育園や幼稚園の中で、手遊びや製作遊びを活用して、「土用の丑の日」を楽しめるように工夫できるとよいですね。
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