昭和の日とは、日本国民の祝日の一つです。そのため、保育園や幼稚園ではお休みのところも多く、昭和の日について子どもたちに説明することがあるのではないでしょうか。昭和の日とはなにか、意味や由来に加えて、みどりの日との違い、子ども向けにわかりやすく簡単に伝える方法を紹介します。
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昭和の日とは。由来や意味
昭和の日とは、法律によって定められた日本国民の祝日の一つです。
内閣府「国民の祝日」についての資料によると、昭和の日とは「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」と説明しています。
昭和の日とはどのような日なのか、由来や意味を交えてくわしく紹介します。
昭和の日とはもともと「昭和天皇の誕生日」だった
まずは、昭和の日の由来について見ていきましょう。
昭和の日はもともと、昭和天皇の誕生日です。戦前は「天長節」と呼ばれ、戦後に「天皇誕生日」となりました。しかし、1989年に昭和天皇が崩御され、年号が昭和から平成へ変更になったことなど、さまざまな要因によって現在の天皇誕生日は別の日付となっています。
その後「天皇誕生日」は「みどりの日」に名称が変更されたものの、昭和という激動の時代を忘れないために、国民の祝日に関する法律が改定され、2007年から4月29日は「昭和の日」という名称に変わり、新たに日本の祝日として制定されました。
このように昭和の日は、昭和天皇の誕生日に由来しているようですが、「昭和の日はあるのに、どうして明治の日や大正の日はないの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
その理由として、祝日に関する法律が変わったことが背景として挙げられるようです。
昭和の日を含む祝日はその昔、神道のお祭りを行ったり、皇室の大切な行事をお祝いしたりする日でした。しかし、戦後の法律改正によって、日本の美しい風習を育み、より良い社会、より豊かな生活を送れるようにする日となったそうです。
そのため、明治天皇の誕生日である11月3日は、明治時代には天皇の誕生日を祝う日でしたが、現在は「文化の日」の祝日となっています。大正天皇の誕生日は8月31日なので、夏休み中ということもあり、あえて祝日にしなかったのかもしれませんね。
法律が改正になったことで、天皇の誕生日が必ずしも日本の祝日になるわけではないようです。
昭和の日とは「昭和の出来事を思い出して、国の未来を考える日」
昭和の日とは、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」という意味があります。つまり、昭和時代に起こった出来事を思い出して、国の未来を考える日といえるでしょう。
昭和時代は、長く苦しかった戦後を過ぎて、高度経済成長期を迎えたことにより、日本は大きく飛躍し、政治だけでなく人々の生活にも変化があった時代でもあります。
そのため、「昭和」に特別な思いを持つ方も多く、昭和の日には、昭和という激動の時代を忘れないという意味もあるようです。
昭和の日の当日は、昭和にあった出来事を思い出し、日本の未来について思いをはせるのもいいかもしれませんね。
このように、昭和の日にはさまざまな意味や由来があり、今でも国民の祝日として親しまれているのですね。
昭和の日とみどりの日の違い
先ほど、昭和の日が以前みどりの日であったと説明しましたが、昭和の日とみどりの日にはどんな違いがあるのでしょうか。
その違いについてくわしく説明します。
法律の改正によって制定された日付が異なる
昭和の日とみどりの日は、法律の改正によって制定された日付が異なり、現在は昭和の日が4月29日、みどりの日が5月4日となっています。
これは、国民の祝日に関する法律の一部を改正したことが関係しているようです。
内閣府「天皇陛下の御活動の状況 及び摂政等の過去の事例」の資料によると、昭和の日は昭和天皇の誕生日である4月29日であるものの、1989年1月7日に昭和天皇の崩御があったことから、当時の在位中の天皇が即位されたと説明しています。
そのため、天皇誕生日でなくなった4月29日の祝日は、本来であれば平日になるところ、国は祝日を廃止せずに、国民の祝日に関する法律の一部を改正して、4月29日をみどりの日として施行したようです。
そして、国民の祝日に関する法律はさらに改正され、2007年1月に「昭和の日」という名称に変わります。それと同時にみどりの日は、ゴールデンウイークが飛び石連休にならないようにとの国の配慮により、5月3日の憲法記念日、5月4日はみどりの日、5月5日のこどもの日として祝日に施行されたそうです。
祝日の意味や由来が異なる
昭和の日とみどりの日では、意味や由来が異なります。
昭和の日とは、昭和の出来事を思い出して、国の未来を考える日といえるでしょう。
一方、みどりの日とは、「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」という意味があり、自然を愛した昭和天皇に由来して名付けられたともいわれています。
つまり、みどりの日は自然と触れ合い、自然の恵みに感謝しながら大切にする日といえるでしょう。5月4日のみどりの日には、自然や動物と気軽に触れ合えるようにと、動物園、水族館、庭園など入園料を無料にしている施設もあるようです。
このように、昭和の日は以前みどりの日という名前でしたが、現在では日付が異なるだけでなく、意味や由来、過ごし方も異なるようですね。
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昭和の日とはなにかを子どもに分かりやすく伝える方法
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保育園や幼稚園では、昭和の日とはなにかを子どもに説明するときに、昭和時代に行っていた遊びを子どもといっしょに体験したり、昭和の日とはなにかを分かりやすく言い換えたりして、子どもたちにわかりやすく伝えることもあるのではないでしょうか。
ここでは、昭和の日とはなにかを子どもに簡単に説明するときに活用できる言い換えの例を見ていきましょう。
昭和の日とはなにか、子どもに質問されたときを想定した例文を紹介するので、参考にしてみてくださいね。
昭和の日ってどんな日なの?
「昭和の日は、昭和のときに起こった出来事を忘れないようにできた日なんだよ。みんなが過ごしているいまの時代が令和っていう名前で、1つ前が平成、2つ前の時代が昭和って呼ばれていたんだよ」
昭和の日はどんな風に過ごすの?
「昭和の日は、昭和の出来事を思い出す日だから、おうちに昭和生まれの人がいたら、そのときのことを聞いてみたり、昭和の遊びをいっしょにやったりして過ごすと面白そうだね」
上記のように、子どもたちには簡単な言葉に言い換えてわかりやすく伝えるといいでしょう。そうすることで、日本国民の祝日の一つである昭和の日がどんなものかを知ることができ、子どもたちにも親しみを持ってもらうことができそうですね。
昭和の日とは、昭和の出来事を思い出して未来のことを考える日
今回は、昭和の日とはなにか、由来や意味、みどりの日との違い、子ども向けの伝え方を紹介しました。
昭和の日とは、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」という意味を持つ、日本国民の祝日です。
昭和天皇の誕生日のため以前は「天皇誕生日」でしたが、そこから時代の移り変わりにより「みどりの日」と名前が変わり、さらに昭和という激動の時代を忘れないため新たに「昭和の日」として制定されたのですね。
昭和の日について、子ども向けにわかりやすく説明するときは、簡単な言葉に言い換えると伝わりやすいでしょう。そして、昭和に起きた出来事を思い出して、日本の未来について子どもたちといっしょに考える日にしてもいいかもしれませんね。