認定こども園は幼児教育・保育無償化の対象ですが、どのような範囲で対象になるか、対象にならない範囲はどこからなのかご存じでしょうか。保育園や幼稚園と同じように、認定こども園でも上限金額はあるものの、保育料無償化が適用されます。しかし、なかには無償化の対象にならない項目や「保育の必要性」の認定によって無償化にならない場合もあります。例えば、給食費や延長保育料は実費で払う必要があります。認定こども園の保育無償化についてまとめました。
目次
認定こども園の無償化
まず、認定こども園の無償化の対象についてみていきましょう。
認定こども園は無償化の対象?
子どもたちが3~5歳であれば、認可保育園と同様に認定こども園でも無償化の対象です。また、保育の必要性の認定の有無に関わらず認定こども園であれば、無償化が適用されます。0~2歳児の子どもは、住民税非課税世帯の場合は無償化の対象になります。
以下の項目で、子どもの年齢と保育が必要となる理由によって認定が決定されます。
<子どもの認定>
1号認定:満3歳以上/保育の必要性なし
2号認定:満3歳以上/保育の必要性あり
3号認定:満3歳未満/保育の必要性あり
<保育が必要とされる基準例>
・就労している
・妊娠や出産
・保護者の病気や障害
・同居している人の介護が必要な場合
・災害のために復旧が必要
・求職中や就学中
・虐待やDVの疑いがある
・育児休暇取得中にすでに保育を利用する子どもがおり、その継続利用が必要な場合
出典:幼稚園、保育所、認定こども園等の無償化について/内閣府
無償化になった費用を受け取る方法
無償化がはじまった月から、認定こども園の利用者は保育施設に対しては保育料を支払わなくてもよくなります。
ちなみに、無償化によって給付されるお金は、市町村から直接、施設に利用料が支払われているため、利用者から保育料を施設に支払うことはありません。
お問合せ&資料ダウンロード
採用課題・経営課題に関する個別ご相談受付やサービスガイドなどの資料DLはこちらからどうぞ。
まずはお気軽にお問合せください!
認定こども園における無償化の対象範囲
認定こども園における無償化の対象範囲について、条件や年齢について確認しておきましょう。。
基本的にすべての子どもが対象
3~5歳の子どもと、住民税非課税対象の0~2歳の子どもは無償化の対象です。認定こども園とほかの保育施設を利用する場合でも、認定こども園の保育料自体は無償になります。
認定こども園を利用しながらほかの保育施設を利用した場合
認可保育所や認定こども園を利用しており、このほかに認可外保育施設を併用して利用したときの費用は無償化の対象外となります。認可外保育施設の無償化の条件には、認可保育所や認定子ども園を利用できていない方と定められています。
関連記事:幼児教育・保育無償化の対象とは。年齢や無償化のための家庭環境や条件
読んでおきたいおすすめ記事
【採用担当者向けコラム】保育士の新卒採用やることリスト。テンプレに使えるチェックシートを紹介
新卒採用は計画的に進めることが重要。保育士を目指す学生の動きは年々早期化しているとも言われるため、事前に「やることリスト」をまとめておくとスムーズです。そのうえで、早め早めに動くことが採用成功の近道で...
【採用担当必見】保育施設のお悩み対策診断。今、あなたの園に必要な対策は?
保育施設の運営にまつわる課題は、採用・定着・園児集客など、園によって本当にさまざまです。一体、自園にとって必要な対策は何なのか?「保育施設のお悩み対策診断」を使って調べてみましょう。 &n...
【採用担当者向けコラム】保育士の意向調査実施マニュアル。来年度に向けた準備のポイント
保育士さんに向けて来年度の就業意思を確認する意向調査では、どんなことに配慮して進めるとよいでしょうか。今後の園の運営や保育士さんの育成に関わることなので、慎重に行なうことが大切です。今回は、意向調査の...
【採用担当者向けコラム】意向調査で「退職希望」を示している保育士の引き止めはできる?
意向調査で退職の希望を示している保育士さんの引き止め方を知りたいと感じる採用担当者の方もいるでしょう。保育士不足が続く中、頼りにしていた保育士さんが抜けてしまうと運営が苦しくなりますよね。今回は、意向...
【2024最新】保育士不足が続く原因は?解消に向けた国・自治体・園の対策も解説
なぜ保育士不足が続くのでしょうか。子育て支援の重要性が増す中で、資格を持ちながらも保育士として就業する人が少ない状況を受け、国や自治体ではさまざまな対策を行なっています。今回は、深刻な社会問題でありな...
【2024年最新】学童保育の補助金はいくら?開業や運営に関わる助成金について
全国的に共働き家庭が増えたことで、小学生の居場所となる学童保育の拡充が求められています。実際に学童保育の開業や運営を目指す場合、国や自治体からいくらの補助金を受け取れるのでしょうか。今回は、学童保育の...
【採用担当者向けコラム】保育士の人材紹介手数料は高い?相場や会社による違いを解説!
保育士採用でも利用される「人材紹介」。手数料が何十万にも上ったという話を聞き、利用を迷っている採用担当者の方もいるかもしれません。今回は、保育士の人材紹介について、手数料の相場と費用が高いと言われる理...
【採用担当者向けコラム】真面目な人ほど急に辞めるのはなぜ?保育士が突然退職する理由と対策
真面目な人から急に辞めると告げられて、「何がよくなかったのか…」と頭を抱える採用担当者の方もいるのではないでしょうか。おとなしい人や優秀で勤勉な保育士さんほど、職場にストレスを抱えているかもしれません...
【採用担当者向けコラム】人材紹介会社が保育士さんを紹介してくれないのはなぜ?原因と対策
人材紹介会社を利用したにもかかわらず「保育士さんを紹介してくれない」と悩みを抱える方はいませんか?採用活動がスムーズに進まないと人材不足が解消されず、運営に支障をきたすケースも。今回は人材紹介会社から...
転職フェア出展は意味がない?採用できない?保育士を集客するためのポイント
多くの保育士さんと出会い、自園の魅力を直接伝えられる「転職フェア」。人材確保のチャンスになる機会ですが、出展しても意味がないのでは、採用できないのではと不安を抱く方もいるでしょう。今回は、転職フェアで...
放課後等デイサービスの職員採用の方法は?求める人材に出会うコツ
保育・福祉業界では人材不足が深刻化しており、放課後等デイサービスについても採用に苦戦する施設があるでしょう。特に児童発達支援管理責任者(児発管)の不足は、全国的に大きな課題となっています。今回は、放課...
時短勤務とは?保育園が導入するメリット・デメリットや注意点
2009年度の育児・介護休業法によって制度化された「時短勤務」。正式には短時間勤務制度と呼ばれ、3歳に満たない子を療育する労働者を対象に多くの方が利用しています。今回は時短勤務の概要や対象者、導入状況...
学童保育の経営に必要な基礎知識!開業の流れや必要コスト、成功のポイント
学童保育の開業を考えている方は、開業の流れやランニングコストの目安を把握しておくことが大切です。学童保育を経営するうえで必要な基礎知識をチェックしていきましょう。今回は、学童保育の経営に関する内容や成...
【採用担当者向けコラム】保育士採用で合同説明会に出展するメリット。成功の秘訣
保育事業者にとって合同説明会への出展には、どのようなメリットがあるのでしょうか。採用の成功率をアップするために、出展を検討する採用担当者の方もいるかもしれません。今回は保育士さん向けの合同説明会の活用...
学童保育の採用に人材紹介サービスを利用するメリットと注意点。活用するポイント
学童保育の採用に人材紹介サービスを利用するべきかと悩む事業者の方はいませんか。「手数料が高いのでは?」「希望する人材の紹介が受けられるのか」と不安を抱くこともあるでしょう。今回は、学童保育の採用に人材...
【採用担当者向けコラム】退職代行を使われた時はどうする?保育園に連絡が来た時の対処法
職員から退職代行サービスを利用して退職の申し入れがあった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。連絡が来た時点で直接該当の職員とやり取りすることが難しいため、戸惑ってしまいますよね。今回は退職代行...
ジョハリの窓とは?4つの窓の内容や注意点、具体例をわかりやすく解説
「ジョハリの窓」という自己分析ツールはご存じですか。「開放」「秘密」「盲点」「未知」の4つの窓を用いて、自分や他者からの印象を認識していく手法です。今回は、ジョハリの窓の概要や企業内での導入時の注意点...
今、重要視される「学び直し」は保育士に必要?園側が取り組む具体例
社会人の学び直しが注目されている昨今、雇用側の環境整備が求められます。今回は、保育士の学び直しが必要なのか、園側の取り組みや具体例についてわかりやすく解説します。保育士がやりがいをもって働ける職場を作...
人的資本経営とは?保育園経営に活用するメリットや保育士育成のポイント
人的資本経営とは、企業の人材を「資本」と捉え、人材の価値を高めることで企業価値の向上を目指す経営手法です。近年注目されている経営手法のひとつで、さまざまな企業で導入されています。今回は、人的資本経営の...
学童保育を開業するために必要な資格・条件・補助金制度について徹底解説!
全国的に学童保育の拡充が求められている今、学童保育施設を開業するためには何が必要なのでしょうか。今回は学童保育の開業に必要な条件や手続き、補助金制度などを紹介します。学童保育の開業は主に自治体から業務...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
認定こども園の費用で無償化にならないもの
ここでは、無償化の対象にならない費用項目を挙げてみました。基本的に保育料のみが無償化の対象になっています。
給食費
保育園、幼稚園ともに、給食費は実費での徴収になっています。しかし、おやつなどの副食費については住民税非課税家庭や第3子以降の子どもであれば無償化の対象になります。
延長保育料
子どもの「保育の必要性の認定」有無に関わらず、延長保育料は無償化の対象になりません。
PTA会費や制服費が含まれる入園料
保育料以外は基本的に無償化の対象外となるため、家庭負担になります。
送迎費など
認定こども園に向かう際のバスの送迎費などは無償化の対象外になります。
出典:幼稚園、保育所、認定こども園等の無償化について/内閣府
認定こども園の教育時間部分の利用と預かり保育を併用する場合
認定こども園の教育時間部分の利用と預かり保育を併用する場合は、保育の必要性を認定されながら、待機児童として幼稚園と同じ教育時間部分の利用と預かり保育を併用していると無償化が適用されます。
しかし、その補助額は3~5歳児は3.7万円、住民税非課税世帯の0~2歳児の場合は4.2万円が上限です。
認定こども園の1号認定の子どもと、新制度を取り入れた幼稚園などにおける預かり保育を利用している場合、教育・保育給付においては1号認定を、施設などの利用給付認定においては新2号認定を受けることとなります。
出典:幼児教育・保育の無償化の実施に伴う主な事務について/内閣府
metamorworks/shutterstock.com
認定こども園も無償化の対象になります
認定こども園の無償化の対象範囲についてまとめてみました。利用する保育施設の無償化を受けるには、子どもの年齢と親の状況、家庭環境の状況によって変化していき、その対象範囲が変わります。
今回の幼保無償化は子育てにかかる費用を改善し、国全体で子育てをしやすい環境づくりを行っています。制度をよく理解した上で、幼児教育・保育無償化への理解を深めておきましょう。
お問合せ&資料ダウンロード
採用課題・経営課題に関する個別ご相談、お問合せはこちらからお願い致します。