7歳くらいまでの子どもにかかることが多いおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)。もし、兄弟のどちらかがかかってしまったら、保育園や幼稚園などは休ませるべきなのでしょうか。今回は、おたふくかぜをはじめとする感染症の出席停止期間を解説します。さらに、兄弟・姉妹がかかってしまったときの保護者側と保育士側の対処法も解説しますので、参考にしてくださいね。
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子どもがおたふくかぜに感染!気になる症状を解説
耳や頬のあたりに痛みや違和感を覚えたり、頭痛・発熱などの症状を引き起こしたりするおたふくかぜ。一般的に、3歳から7歳くらいまでの子どもがかかることが多い病気です。
顔がおたふくのように腫れてしまうことからおたふくかぜと呼ばれていますが、正式には流行性耳下腺炎という名がついています。
この病気は、顔が腫れはじめる数日前から、腫れだして5日後くらいまでが特に感染力が強い期間となっており、咳やくしゃみなどによって周囲に感染が広がる可能性があります。
このことから、子どもが集団で生活している保育園や幼稚園などの教育施設では、どうしても感染が広がりやすい傾向にあるようです。
おたふくかぜにかかると一定期間の出席停止になる
感染しやすいといわれるおたふくかぜは、学校保健安全法で第二種感染症に指定されている病気のため、子どもがかかると一定期間の出席停止になります。
出席停止期間は腫れが現れてから5日経過しており、なおかつ全身の状態が良好になるまでです。つまり、おたふくかぜにかかった場合は、少なくとも発症から5日間は保育園や幼稚園などの保育施設を休まなければなりません。
兄弟・姉妹のうち一人だけがおたふくかぜになってしまった場合は?
おたふくかぜにかかった子どもに、兄弟や姉妹がいるケースもあるでしょう。このとき、一人はぐったりしているけど、もう一人は元気な可能性がありますよね。
こういった場合、おたふくかぜにかかっていない子どもが保育園や幼稚園に行ってもいいか気になると思いますが、登園が可能かどうかは施設によって対応が異なります。
そのため、兄弟・姉妹のどちらかがおたふくかぜに感染した場合、必ず保育園や幼稚園に登園してもいいかどうかを確認するようにしてください。
しかし、前述したとおり、おたふくかぜは腫れや痛みなどの症状が出る前から人に感染させる可能性のある病気です。
すぐに症状が出ていなかったとしても、すでに感染しているリスクが高いので、周囲に感染を広げないためにも家族の誰かがかかった場合は外出を控えるようにしましょう。
出席停止となる主な学校感染症
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おたふくかぜ以外にも、出席停止となる感染症がいくつかあります。出席停止とみなされる学校感染症を確認しておきましょう。
- インフルエンザ:発症後5日間経過し、解熱後2日経過するまで
- 麻しん(はしか):解熱後3日経過するまで
- 水ぼうそう:すべての発疹がかさぶたになるまで
- プール熱(咽頭結膜炎):主要症状消失後2日経過するまで
- はやり目(流行性角結膜炎):感染のおそれがないと認められるまで
- 新型コロナウイルス感染症:発症後5日間経過し、症状が軽快後1日経過するまで
これらの感染症にかかった場合は、出席停止措置がとられます。家族の中に一人でも感染した人がいる場合は、おたふくかぜ同様症状が現れていなくても感染しているおそれがあるので、登園は避けるようにしましょう。
出席停止にはならなくても症状が出たら休ませるべき病気
出席停止にはならなくても、症状が出ている場合は休ませるべき病気があります。たとえば、以下の病気が該当するようです。
- 感染性胃腸炎:下痢・嘔吐症状が回復し、全身状態が改善されるまで
- 溶連菌感染症:抗菌薬内服後24時間以上経過し、全身状態が改善されるまで
- アデノウイルス感染症:全身状態が改善されるまで(咽頭炎の場合のみ)
これらの病気はその他の感染症として分類されるため、出席停止扱いにはなりません。ただし、周囲に感染する可能性が高いので、発症した場合は休ませたほうがよいでしょう。
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保育士さん向け!保育園や幼稚園でできる感染症対策
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複数の子どもを預かる保育園や幼稚園では、保護者から連絡がきて子どもが感染症にかかったと連絡が入ることがよくあるのではないでしょうか。
その子が前日まで元気に登園していた場合は、これ以上の感染を広げないためにも、できるかぎりの予防対策をすることが大切です。ここでは、保育園や幼稚園ですぐにできる感染症対策を紹介します。
手洗い・うがいを徹底させる
あたりまえのことですが、手洗い・うがいを徹底させることも感染症予防には大切なことです。
食事の前や外遊びのあとといった園にいる時間帯はもちろんのこと、家に帰ってからも徹底してもらうようにしましょう。
アルコール消毒をする
子どもたちが触れる機会の多い机やドア、共有して使うことの多いおもちゃなどはこまめにアルコール消毒をするようにしましょう。
定期的に換気をする
感染症対策では、室内を換気することでも予防効果を期待できます。1時間に1回など定期的に園内の窓を開けるなどして、空気の入れ替えを積極的に行ないましょう。
感染症にかかった子どもがいる場合は兄弟・姉妹も一緒に休ませよう
おたふくかぜなどの感染症にかかってしまった子どもに兄弟や姉妹がいる場合は、感染症に罹患した子どもだけではなく、その兄弟や姉妹も一緒に休ませるようにしましょう。
なぜなら、すぐに発症しなくとも、すでに潜伏期間に入っている可能性があるからです。潜伏期間に入っていると周囲に感染させる可能性があるので、さらに感染症を広げてしまう可能性があります。
また、保育園や幼稚園などの園側でできる対策としては、アルコール消毒をしたり、定期的に換気をしたりするなどがあります。
これ以上、園での感染を広げないためにも、保護者も園も協力して感染症対策をすることが大切です。