保育士さんがよく使う保育教材「ペープサート」。イベント時や導入時などに取り入れることが多く、披露すれば子どもたちの興味をグッとひきつけることができますよね。今回はペープサートとはどのようなものなのか、保育に取り入れるねらいについて紹介します。ペープサートの作り方や題材の選び方、子どもが夢中になる演じ方のコツもまとめました。
Anna/stock.adobe.com
ペープサートとはどんなもの?
ペープサートとは、画用紙と割りばしなどを使って手作りすることができる紙の人形劇のことです。
紙の表と裏に異なる絵を描いて貼り合わせ、その間に割りばしを挟み、手で操作しながら表現豊かに演じることが特徴です。ペープサートは、紙人形劇を表す英語「paper puppet theatre」を簡略化した造語だといわれています。
保育士さんは、イベント時や日常保育の導入などのさまざまな場面でペープサートを披露することがあるでしょう。
ペープサートは紙の表や裏に絵を描いて両面を使うため、さまざまな題材を表現できるというメリットがあります。
取り入れる題材は昔話、童話、保育士さんが作るオリジナルストーリーなどさまざま。
子どもたちにより充実した保育を提供するために、ペープサートを積極的に活用してみましょう。
ペープサートを使うねらい
まずは、保育現場でペープサートを使うねらいを紹介します。指導案や日案を作成するときなどの参考にしてくださいね。
子どもの興味をひく
保育にペープサートを取り入れると子どもたちの興味をひくことができます。日常の保育で次の活動に移りたい場面や静かに話を聞いてほしい場面にペープサートが登場すると「これから何がはじまるのだろう?」と関心を持ってくれそうです。
また、遊びに夢中で子どもたちがなかなか次の活動に気持ちを切り替えられないときに、ペープサートが出てくると、動く紙の人形やストーリーが気になって集中してくれるでしょう。
話の理解がしやすくなる
絵本や紙芝居では既にある絵を見せながらお話を読んでいきますが、ペープサートは登場人物が紙人形となって動くので、動きのあるストーリー展開が持ち味です。
子どもたちが登場人物の動きを集中して追うとストーリーに没頭しやすく、物語への理解も深まります。
子どもの想像力・表現力を育てる
ペープサートを披露するときは舞台を用意することがありますが、即興で取り入れる場合は絵本のような背景がありません。
その際、子どもたちが背景を想像しながら物語の展開を楽しめるため、一人ひとりの創造力を高めることができるでしょう。
また、ペープサートは工程が簡単なので、保育士さんだけでなく、子ども自身で作ることもできるでしょう。自分が作ったペープサートを使って劇ごっこをしたり物語の創作を楽しんだりすると、子どもの表現力が育ちそうです。
ペープサートの題材の選び方
ここでは、ペープサートの劇にする題材の選び方を紹介します。子どもの年齢を考慮して、楽しめるテーマを選ぶことがポイントになります。
おすすめのペープサートの題材を乳児・幼児別に紹介します。
乳児(0歳児・1歳児・2歳児)
乳児クラスでは、物語を披露しても内容がわからないと飽きてしまう子どもがいるかもしれません。
シルエットクイズや歌遊びなどシンプルな題材を選ぶとよいでしょう。
シルエットクイズでは、身近な食べ物や乗り物、動物などをクイズにして出題するとよさそうです。
また、歌遊びでは童謡や手遊びなど短い歌を中心に取り入れて、その世界をペープサートで表現してみるとよいですね。
幼児クラス(3歳児・4歳児・5歳児)
幼児クラスでペープサートを披露するときは、以下のポイントを意識して題材を選ぶとよさそうです。
- 登場人物が少ない
- 物語の展開がシンプル
- 表情や動きなどの変化が大きい
ペープサートは手に紙人形を持って演じるため、登場人物が多いと手で持てなくなってしまいます。登場人物が少ないことで保育士さんが演じやすくなるでしょう。
また、基本的に劇中では登場人物同士の会話でストーリーが進んでいきます。そのため、ナレーターがいなくても展開がわかりやすいものを題材にするとよいでしょう。
昔話の「桃太郎」や「大きなかぶ」、童話の「3匹のこぶた」や「ブレーメンの音楽隊」といったシンプルな物語を選ぶとよいかもしれません。
その他にも食育や歯磨きといった子どもたちの生活習慣に関する題材を取り入れて、オリジナルストーリーを考えるのもひとつの方法です。ペープサートを用いて、食べ物の大切さや歯磨きの仕方などを伝えると興味を持ってくれそうですね。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
保育士資格を活かせる在宅ワークのお仕事特集!保育関係の自宅でできる仕事を徹底解説
保育士資格を活かせる在宅ワークにはどのような仕事があるのでしょうか。保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど自宅でできる仕事は意外に多いもの。今回は、保育士資格を活かして働ける在宅ワークの仕...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
ペープサートの作り方
ペープサートの基本的な作り方の流れを紹介します。
材料
題材が決まったら、ペープサートを作るための材料を用意しましょう。基本的な材料は以下の通りです。
- 画用紙
- 割りばし
- テープ
- のり
- ペンやクレヨン
この他に動物や人、食べ物などが記載されたイラスト集や保育教材を用意すると、絵を描くときの参考になるでしょう。
基本のペープサートの作り方
1.画用紙に、登場人物や食べ物、動物などの絵を表と裏になるように2枚描き、ペンやクレヨンなどで色を塗ります。
2.(1)を適度なサイズにカットします。
3.2枚の絵で割りばしを間に挟むようにして固定すれば完成です。
絵にシールやリボンをつけて装飾したり、フェルトを貼って立体的な絵にしたりと、さまざまな工夫をするのもよいでしょう。
子どもが夢中になる!ペープサートの演じ方のコツ
hanack/stock.adobe.com
ペープサートの演じ方にはコツがあります。以下のコツを意識すると、より子どもたちがペープサート劇を楽しんでくれるでしょう。
絵をひっくり返す
ペープサートの棒には、一般的に表裏に絵を貼ります。それを利用して、登場人物の表情の変化を表現したり身体の向きを変えたりする演出ができます。指先でくるっと素早く回すのがポイントです。
トコトコ走りを取り入れる
登場する人物が移動するときに、ペープサートを少し左右に傾けながら移動させる方法があります。シンプルに横移動をするよりも、傾けて動きをつけることで、歩いたり走ったりしている様子を表現できるでしょう。
こんにちはのおじぎを取り入れる
登場人物同士が出会って「こんにちは」とあいさつするとき、言葉だけではなく、2つの人形を軽くおじぎさせてあげるとよいでしょう。その際、「こんにち」で人形を傾け、「は」のタイミングでさっと起こすとテンポがよく見えそうです。
登場人物が話すときに動かす
登場人物が話しているときに小さく人形を動かすことで、今誰が話しているかがわかりやすくなります。また、話を聞いている側の人形を「うんうん」とうなずくタイミングで小さく傾けると会話をしている様子が表現できるでしょう。
登場人物によって声色を変える
登場人物によって声色を変えると、子どもたちが物語の世界に引き込まれやすくなるでしょう。高い声や低い声を使い分けながらセリフを言うと、誰が話しているのかがわかりやすくなりますね。
注目を集めたいときは間を大切にする
重要な展開やオチの場面では、セリフや人形の動きに間を持たせることで注目を集められます。登場人物が話すときにぐっとタメを作るなどの工夫をすると、「何だろう?」と気になってさらに物語の展開を楽しみにしてくれそうです。
ペープサートを上手に保育に取り入れよう
絵本や劇などとは異なる魅力を持つペープサート。
登場人物が動くことで臨場感が味わえ、背景の情報が少ない分、子どもたちの想像力をくすぐるのが大きな魅力です。
また、準備が簡単で日常保育の導入時に取り入れやすいアイテムですよね。
実習や日常保育で使えるペープサートを作り、子どもたちがよろこぶ出し物を披露してみてくださいね。
保育士バンク!では、保育に役立つイベントの出し物の壁面製作アイデアなどを配信中!
保育士さんの転職のサポートも実施しているので「もっと保育に集中したい」などのご希望がありましたら、ご相談くださいね。あなたが働きやすい職場をいっしょにみつけていきましょう。