集団遊びのひとつであるフルーツバスケットは、保育園や幼稚園などの保育施設でよく取り入れられている人気の遊びです。今回は保育活動中に子どもたちとフルーツバスケットをしようと考えている保育士さんに向けて、フルーツバスケットを子どもに説明する方法と遊びのアイデアを紹介します。また、実際に遊ぶときの注意点も一緒に確認しておきましょう。
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目次
フルーツバスケットってどんな遊び?
フルーツバスケットは、集団で楽しめるルールのある遊びです。自分のグループが呼ばれたら別の椅子に移動するというルールに沿って、クラス全員で取り組むことができます。
雨の日や夏の暑い日など、外遊びができないときに室内遊びで行なわれることが多く、保育園でも定番の遊びのひとつといえるでしょう。
基本的な遊び方であれば2歳児後半から3歳児くらいから楽しめるようですが、フルーツバスケットのルールを理解してもらうには、遊ぶ前に丁寧な説明が必要になるでしょう。
フルーツバスケットを遊べる年齢
フルーツバスケットは幅広い年齢の子どもが楽しめる遊びですが、簡単なルールを理解する必要があるため、3歳児以上の遊びとして取り入れたほうがよいでしょう。
一方、4~5歳児の場合は基本的なルールに慣れているはずなので少し複雑な遊び方にアレンジを加えてみてもいいかもしれません。いずれにしても、子どもたちにフルーツバスケットのルールを理解してもらうためには遊ぶ前に丁寧な説明をすることが大切です。
フルーツバスケットのねらい
保育園で生活をする上では、ねらいを持って遊びに取り組むことが大切です。保育活動中にフルーツバスケットを行なう際は、年齢別に以下のようなねらいを持つとよいでしょう。
- 3歳児:くだもののイメージと名前が理解できる、友達との遊びで協調性を育む
- 4歳児:ルールを理解して行動する、遊びを通じて友だちと関わる
- 5歳児:自らルールを考えて遊ぶ、ルールを守りながら友だちと協力して遊ぶ
なお、フルーツバスケットを保育活動中に行なう際の詳しい環境構成や援助の仕方などは以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
フルーツバスケットの基本的なルール
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フルーツバスケットの基本的なルールを確認しておきましょう。
遊ぶ前の準備
ゲームを始める前に子どもの人数より1つ少ない椅子を用意し、内側を向けて円形に並べておきます。並べ終わったら、子どもたちをフルーツの名前のグループに分けましょう。
子どもたちが自分のグループのフルーツを忘れてしまう可能性があることも考慮して、グループごとの名簿を用意し、ホワイトボードや黒板などの見やすいところに貼っておくと安心です。
遊び方
1.円の真ん中に立つ鬼を決めます。※はじめは先生が真ん中に立ちます。
2.鬼はグループの名前になっているフルーツの名前を1つ呼びます。
3.自分のフルーツを言われた子どもは立って移動し、座っている椅子とは別の椅子を探して座ります。このとき、鬼も空いている椅子を探して座ってください。
4.椅子に座れなかった子どもが次の鬼となり、鬼はフルーツの名前を呼びます。
5.(2)~(4)を繰り返して遊びます。
6.鬼が「フルーツバスケット」と言ったときには、全員が移動します。
終わり方
フルーツバスケットには特に決まった終わり方がありません。そのため、基本的に繰り返して何度でも楽しめる遊びです。
何度も遊んでいると飽きてくる子どもも出てくる可能性があるので、回数を決めたり時間を決めたりと先生があらかじめ終わり方を決めておくとよいでしょう。
ほかにも、「同じ子が〇回連続で鬼になったらおしまい」などとルールを設定しておくのもよいですね。
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フルーツバスケットのルールを子どもにわかりやすく説明する方法
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幼児クラスの子どもたちにルールを伝える際、口頭のみの説明では理解しづらいこともあるでしょう。そこで、実際にフルーツバスケットをするときに役立つ子ども向けの簡単なルール説明の仕方を紹介します。
ペープサートや人形劇を用いる
子どもがゲームの内容や動きをイメージしやすいように、ペープサートや人形劇を活用してルール説明をしてみましょう。フルーツの絵が描かれた画用紙を黒板などに貼り、実際に絵を動かしながら説明するとわかりやすいかもしれません。
また、フルーツをモチーフにした小さな人形を使って、劇のようにセリフをつけてルールを紹介してみるのもよいでしょう。実際にキャラクターが動くことで、子どもたちは視覚的に遊びの流れを理解してくれる可能性があります。
ルールをわかっている子どもに実演してもらう
4~5歳児クラスの子どもたちの場合、一度フルーツバスケットをやったことがある子もいるかもしれません。ルールを知っている子どもに、ルールを知らない子どもの前で実演してもらうのもひとつの方法でしょう。
友だちが実際にやっている姿を見れば、ルールを知らない子や忘れてしまった子でも理解しやすくなるかもしれません。また、友だち同士で教え合うことで、遊びを通して協力し合うことを学んだり、子ども同士の仲を深めたりすることにつながりそうですね。
実際にやってみる
先生が一通りルール説明をしたら、実際に動きながらゲームをやってみるという方法もあります。まだ完璧にルールを理解できていない子どもでも、友だちと一緒に動いてみることで、身体を使って覚えられることもあるからです。
ゲームの本番前に時間を設けて何回か練習し、先生が「〇〇のフルーツの人は移動だよ、よーいどん」などと声をかけて、子どもたちが動きながらルールを理解できるようサポートしてみてくださいね。
フルーツバスケットのルールをアレンジした遊び方
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フルーツバスケットは何度も遊べる遊びのため、ずっと同じルールで遊んでいると子どもの集中力が切れてしまうかもしれません。ここでは、子どもが飽きずに楽しめるフルーツバスケットのアレンジした遊び方を紹介します。
なんでもバスケットをする
フルーツバスケットの定番のアレンジルールとして、なんでもバスケットがあります。これは、最初にグループ分けをせず、鬼が自由にお題を設定できるという簡単な遊び方です。
鬼は、友だちの特徴や着ている服など、何人かの子どもに当てはまりそうなお題を考えます。たとえば、「朝ごはんにパンを食べた人」「赤色の服を着ている人」など。3~4歳児にとってはとっさにお題を考えるのは難しいかもしれないので、年長さん向けのアレンジといえるでしょう。
フルーツ以外のお題を設定する
フルーツ以外のカテゴリーをお題に設定するという、簡単なアレンジ方法です。たとえば、以下のようなカテゴリーだと子どもたちにもわかりやすいでしょう。
- 野菜
- 動物
- 魚
- 花
- 色
ほかにも季節に合わせてハロウィンやクリスマス、お正月にちなんだものなど、子どもたちが覚えやすく身近なものをお題にするのもよいかもしれません。
1回で2種類のフルーツを呼ぶ
フルーツの名前を一度に2つ呼ぶというアレンジをした遊びです。基本的なルールでは1回につき1つのフルーツしか呼ばれませんが、このアレンジルールでは「みかんとりんご」など、2種類のフルーツの名前を一度に呼ぶことができます。
このルールを取り入れると、一度により多くの子どもたちが移動できるため、たくさん動き回りたい子どもにはぴったりでしょう。また、たくさんの子どもが一斉に移動することで、鬼が椅子に座れるチャンスが増えるという特徴もあります。
椅子なしでやる
椅子を使わないでフルーツバスケットをするというアレンジで、これは室内だけでなく外でも楽しむことができるという特徴があります。
最初に子どもたちのグループ分けをして、地面に円形の目印をつけておきます。そしてランダムで2人1組のグループを作り、ペアになって座りましょう。
鬼はフルーツの名前を言い、呼ばれた子どもと鬼は移動し、いち早く隣が空いている人とペアを組みます。ペアを組めずに残ってしまった人は鬼になります。
鬼の回数を決める
子どもたちの中には、何度も鬼をやりたくてあえて椅子に座らない子どもや意図せずに何回も鬼になってしまう子どももいるでしょう。
みんながまんべんなく鬼になってフルーツバスケットを楽しめるように、あらかじめ連続で鬼になる回数に上限を設けておくというアレンジルールもあります。
「3回鬼をやったから、次の鬼は別の子ね」というように、誰かに代わってもらうとよいかもしれません。このようなルールを設定すれば、クラスの全員が平等に楽しめるでしょう。
子どもたちにルールを考えてもらう
4歳児や5歳児であれば、子どもたちにルールを考えてもらうのもよいでしょう。子どもならではの発想で、よりフルーツバスケットが盛り上がる斬新なアイデアが生まれるかもしれません。
また、オリジナルのルール作りを通して、どうやったらみんなで楽しめるかを子ども一人ひとりが考えるきっかけになり、友だちといっしょに遊ぶ楽しさを知ることもできるでしょう。
フルーツバスケットをするときの注意点
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フルーツバスケットの基本的な遊び方やアレンジを踏まえた上で、実際に保育園で遊ぶときの注意点や配慮のポイントを紹介します。
初めて遊ぶときは時間を短めにする
新しい遊びを取り入れるときは、子どもたちも楽しみにしている可能性が高いです。しかしその反面、ルールを理解しようと集中するために疲れやすくなってしまうこともあるといいます。
そんなときに長々と遊び続けてしまうと、フルーツバスケットにイヤな印象を持ってしまう可能性があるので注意しなければなりません。そのため、初めて遊ぶときは時間を短めにするようにしましょう。
遊びに慣れるまでは保育士が鬼を担当する
遊びに慣れていないうちは、うまく遊べない可能性があります。イスに座れなかった子どもには「残念だったね」と声をかけるだけにして、保育士さんが鬼を繰り返してもよいでしょう。
フルーツバスケットに慣れてきたら、保育士さんが鬼になった子どもに寄り添いながら、一緒にお題を言うのもよいかもしれません。
トラブルを想定してルールを決めておく
幼児クラスになると、自主性が高まることで自己主張をするようになり、遊びのなかで子ども同士が衝突してしまうこともあるでしょう。フルーツバスケットの場合は、椅子の取り合いによるケンカなどが考えられます。
先生はこうしたトラブルが起こることを想定し、「同じ椅子に集まったらじゃんけんで決める」など、あらかじめケンカに発展しないように約束事を決めて、子どもたちに伝えておくことが大切です。
ケガをしないように周りを見ることを伝える
遊びに夢中になり、周りや友だちの状況をきちんと見ていない子どももいるかもしれません。周囲への注意力が欠けていると、移動する最中に友だちとぶつかったり椅子に足を引っかけたりと、ケガをしてしまう恐れもあります。
先生は、「周りをよく見て、ケガをしないように動く」ことを子どもたちにしっかりと呼びかけるようにしましょう。
ルールをわかりやすく説明して子どもたちとフルーツバスケットを楽しもう
今回は、フルーツバスケットの基本の遊び方やアレンジルール、子どもにわかりやすく伝える方法を紹介しました。
フルーツバスケットはルールのある集団遊びのため、一般的に3歳児、4歳児、5歳児の幼児クラスの子どもが楽しめるゲームとされているようです。
しかし、ルールの伝え方を工夫したり遊び方を簡単にしたりすれば、2歳児後半くらいの子どもでも取り組めるかもしれませんね。
わかりやすいルール説明の仕方を押さえて、保育にフルーツバスケットを取り入れてみてはいかがでしょうか。