お泊り保育の計画を立てるとき、どのような遊びを取り入れたらいいか悩む保育士さんも多いのではないでしょうか。このコラムでは、お泊り保育をするねらいから、当日に取り入れやすいゲームやその遊び方をまとめてみました。雨の日に室内ゲームとして行えるものや、朝ごはんや夜ごはん前後などのすきま時間に使えるレクレーションもあわせて紹介します。
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目次
お泊り保育のゲームにはどんなものがある?
お泊り保育は、年長さんが夏に行う保育園の一大行事。保護者の元を離れて過ごす時間の中では、自主性や協調性が育つことが期待されます。ゲームにもその要素が含まれています。
お泊り保育でゲームをするねらい
お泊り保育のスケジュールにゲームを採用しているねらいは、いくつかあります。まずひとつは、子どもたちの協調性を養うこと。お泊り保育で行うゲームは、園にもよりますが、複数人のグループでチームを組んで行うものを多く取り入れています。子ども同士が自分だけではなく、グループの目標達成を目指して努力することや協力する姿勢を身につけるねらいがあります。
もうひとつのねらいは、夜にしっかり眠れるようにするためです。普段の環境と異なることや、保護者がいないことなどで、子どもたちが寝つきにくい環境であることは明らかです。それでも、しっかり寝ることもこのお泊り保育の目的です。そのため、日中の活動で目いっぱい体を動かしてもらい、スムーズに入眠してもらうことはゲームを行うことのねらいでしょう。
ゲームをやるのはどのタイミング?
お泊り保育では、だいたい午後3時ぐらいに集合して開会式などを済ませたあとから、夕食の準備が始まるまでの1~2時間が日中の活動の時間となります。この時間を使って、子どもたちとハイキングに出かけたり、ざまざまなレクレーションを行って楽しみます。
また、夜ごはんのあとにもちょっとした空き時間ができるので、すきま時間でできる遊びを取り入れつつ、睡眠を妨げないような活動内容にしましょう。
お泊り保育でできる室内ゲーム
ここでまずは、屋内でやることを想定した室内ゲームを紹介します。雨天の際にもぴったりです。
ジェスチャーゲーム
ジェスチャーゲームも定番の遊びの一つとして盛り上がります。最初は先生のジェスチャーをみんなで当てて準備運動をしたら、グループ分けをしてリレー形式で遊びましょう。グループ全員が正解して、早くゴールできたチームの勝ちです。
数回に分けて、この回のテーマは動物、次は職業、その次はスポーツなど、大枠のテーマを決めてある程度正解しやすくすることで、ゲームを円滑に進めることができそうです。お題は例えば、動物なら犬、うさぎ、ゴリラ、ゾウなどで、スポーツなら野球やサッカー、卓球、水泳などがよいでしょう。
ルールとして、例えば制限時間30秒以内に答えられなかったら自動的にパスにするなどを決めておくと、グダグダにならずスムーズに進められますね。
伝言ゲーム
伝言ゲームは誰もが知っている定番のゲームですね。数人のグループに分かれたら縦一列になり、先生から聞いたキーワードを先頭の子が後ろへと言葉のリレーをしていきます。最後に列の一番後ろの人が言った言葉と、最初に伝達されたキーワードが同じ言葉だったらOKです。途中の聞き間違いなどで言葉が変わってしまったら負けです。一度では勝敗が決まらないので、お題を変えて複数回行い、ポイント制にするなどして競うと盛り上がりそうですね。
バルーンゲーム
陣地を2つに分けたら、その境界線あたりに風船を用意して、うちわでパタパタあおいで遊ぶゲーム。制限時間1分間で、より相手の陣地に多く風船を入れられたチームが勝ちです。適当にあおいでしまうと収拾がつかなくなってしまうので、相手側の陣地の線の中に入った風船のみをポイントとしてカウントしましょう。
少し慣れてきたら、風船を2色に分け、黄色の風船は自分の陣地に入れて、赤の風船だけ相手の陣地に入れるというルールを加えると、難易度が高まって盛り上がるかもしれません。
ピンポン玉リレー
おたまにピンポン玉を乗せながらチームでリレーをする遊び。速く走ることだけを考えるとピンポン玉が落ちてしまうので、バランスを取りながらも早く次の人にバトンを渡して競争します。ピンポン玉が落ちたら、落ちたところに戻ってレースを再開します。
風船リレー
2人組になって背中合わせで風船をはさみ、落とさないようにしながらチームで競争するリレー遊びです。背中合わせで腕を組むと風船が落ちにくく走りやすいですよ。また、風船を落とさないように、ポンポン手で打ちながら進むリレーも楽しめます。この場合は一人ずつのリレーになります。
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お泊り保育でやりたい屋外のゲーム
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屋外でしたい遊びは、広く場所を使う遊びです。外で広さを気にせずにのびのびと遊んで、しっかり体を動かしましょう。
じゃんけん列車
じゃんけん列車は、近くの人とじゃんけんをして、負けた方が勝った人の後ろにつくのを繰り返し、最後に全員が一つの列になったときに先頭に立っている人が勝ち、というゲームです。道具の用意がいらず、すぐに遊びに取り掛かることができ、ある程度の所要時間が予測できるため、指導案に取り入れやすいでしょう。
時間が余ってしまった場合は、2~3回繰り返したり、1回じゃんけんした人は避ける、真ん中から左側の人と右側の人でそれぞれじゃんけんをしていって最後に左チームと右チームの決勝戦としてじゃんけんをする、といったような小さなルールを加えながら遊ぶと、シンプルな遊びでも飽きずに楽しめるでしょう。
フラフープ競争
フラフープの中だけを移動できるというルールで、2本のフラフープを交互に移動させながらゴール地点を目指して競争するゲーム。三角コーナーやペットボトルを使って折り返し地点を決め、スタート地点まで帰ってきたら次の人に交代してリレーをしていきます。一番早くゴールできたチームが勝ちになります。
アレンジ案として、土足で踏んでも問題ないピクニックシートなどがあれば、それを代用しても楽しめるでしょう。
ビッグリバーシ
自分たちが小人になって大きなリバーシで遊ぶような感覚を楽しむゲームです。事前にダンボールで直径約30cm、表裏がそれぞれ白黒のプレートを20~30枚ほど作っておきます。白黒の数が均等になるように全体に並べたら準備完了。
子どもたちを白と黒の2つのグループに分け、白のグループは黒を白に、黒のグループは白を黒へとひっくり返して、自分のチームの色が多い方が勝ちとなります。接戦になった場合を考え、プレートの枚数は奇数にすると盛り上がるかもしれませんね。
すきま時間でできるゲーム
お泊り保育で1日が長いため、普段よりもすきま時間が生まれやすくなります。そういったときにぱっと始めてすぐに終われる、便利なゲームを集めました。夜ごはんや朝ごはんの前後のレクレーションとしてもぴったりです。
ストップゲーム
「だるまさんがころんだ」のように、ピアノや音楽がなっている間だけ動けて、音が止まったら自分も止まるというゲームです。これを利用してお片づけをすると、子どもたちも楽しみながら片づけに取り掛かることができますね。
暗号ゲーム
ランダムに並べられた50音の中から、お題として出された文字を探して言葉を完成させるゲームです。例えば、先生が「ほいくえん」と言ったら、子どもたちはひらがながたくさんある中からそれぞれの文字を探し出して、言葉を完成させたらクリア、という流れで遊びます。カードの準備を事前にしておけば、用意も片づけもすぐにできるので取り入れやすいでしょう。
詳しくはこちら
うしろ読みクイズ
透明のセロハンやクリアファイルなどに文字を描き、その裏側を子どもたちに見せて正解の言葉を当ててもらうクイズ。正解が出たら、裏返して答えを見せてあげましょう。最初は3文字ぐらいから始めて、徐々に文字数を増やして難易度を上げていきます。用意も簡単で、子どもたちにも気軽に楽しんでもらえます。1回1回が短いのですぐに撤収できる上に、別のタイミングで続きから始められるのも便利なゲームです。
旗揚げゲーム
「赤上げて、白下げる」の旗揚げゲームを、旗を使わずにその場で簡単に行うゲームです。色の代わりに「左手上げて、右手下げる」といったようにアレンジして遊んでみましょう。最初は「上げる」「下げる」だけを使って子どもたちにゲームに慣れてもらいます。
だんだんコツをつかめてきたら、少しずつまぎらわしい言葉を使ってみます。「左手下げないで」「右手上げないで」などを加えると、少し難しさがプラスされて盛り上がりそうです。間違えたら座っていき、最後に1位を決めるのも楽しそうですね。
手品
先生が披露する手品も短時間でできるものが多いので、すきま時間にぴったりです。コインが消えるマジックや、封筒の星が増えたりつながったりするマジックなど、2~3分ほどで完結できるので、うまく時間を埋めることができます。マジックと言っても練習はほとんど必要ないので気軽に取り入れやすいでしょう。道具の作り方などは以下のページで詳しく紹介しています。
コインが消えるマジックの詳細はこちら
星のマジックの詳細はこちら
ゲームでお泊り保育を盛り上げよう
お泊り保育で使える室内ゲームなど、さまざまなゲームを紹介しました。子どもたちにとって楽しみも不安も入り混じったお泊り保育。ゲームを上手にスケジュールに組むことで、楽しんでもらったり、思い出を作ってもらいたいですね。調理実習やごはん、お風呂など、1日の中でスケジュールがしっかり組まれているため、次の行動にスムーズに移りたいときにも、ゲームはとても便利です。うまく活用して、お泊り保育を成功させましょう。