エプロンシアターをしたいけど、指導案の書き方がわからないと不安に思う若手保育士さんは多いのではないでしょうか。このコラムではエプロンシアターの指導案の書き方、ねらいや導入などの書き方の具体例を通して、エプロンシアターを保育園でするときの注意点や工夫できる点、使える効果などを解説していきます。
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エプロンシアターの指導案の書き方
まずは、エプロンシアターをやりたいときにどのように指導案を書けばいいのか具体例を交えて、見ていきます。指導案の形式は園によって異なりますが、書くべき内容は大きく変わらないもの。ここでは「ねらい」「導入」「演じ方」「保育士の対応」の4つに分けてみていきます。
ねらい
まずは、エプロンシアターのねらいです。ねらいは日々の保育活動には欠かせない考えで、その保育活動を通して子どもたちに何を達成してほしいかということ。
エプロンシアターのねらいはその取り扱うテーマによって大きく変わってきます。日常保育の一環としてエプロンシアターを用いるのであれば、「静かに話を聞く姿勢を養う」など、子どもの発達段階にあわせて伸ばしていきたい内容をねらいに設定しましょう。
また、エプロンシアターを食育や歯磨きのような生活習慣の導入、クリスマスや誕生会などの行事の導入に用いることができます。こうした場合は「食をテーマにしたエプロンシアターを通して、食べ物の成り立ちを理解する」など行事を通して学んでほしいことを書くようにしましょう。
まずは、エプロンシアターの大きな方向性を決めて、それを指導案に落とし込めるねらいとして書くことがポイントです。
導入
次はどのようにエプロンシアターを導入するかという部分です。
突然エプロンシアターを始めるのは難しいのではないでしょうか。できることなら適当な導入を通して、前の保育活動からスムーズにエプロンシアターを始めたいもの。
手遊びの「はじまるよ」で子どもの注目を集めてもいいですし、クラス全体に関心を持ってもらえるように子どもが想像をふくらませやすい質問を投げかけて子どもの興味を引き出すような導入をしてみてもいいでしょう。
手遊び「はじまるよ」の振り付けはこちらから
演じ方
エプロンシアターを保育士がどのように演じるかも指導案に書くべきポイントです。
保育士が何を意識して演じることでねらいが達成できるのか、どのような演技をすれば子どもの興味を引き、楽しんでもらえるのか、など保育士の実際の演じ方も指導案に含めるようにしましょう。
例えば、子どもに期待感を持ってもらえるように間を置いたり、適当な場面で子どもに応答を求めたり、イメージしやすいように子どもとのやり取りを通して身近な話題に置き換えながら演じる、などがあります。
保育士の対応
保育士のねらい通りに進むときもあれば、そうでない時もあります。子どもが楽しんでいる様子、楽しんでいない時の様子などを想像してそんな時、保育士としてどういう援助、対応ができるのかを考えて指導案にも書きましょう。
エプロンシアターに集中できない子どもの場合であれば、声掛けを通して、子どもが物語を集中して聞けるように対応する、などが考えられますね。
指導案の書き方例
例1)4歳児へエプロンシアターを演じる場合
<ねらい>
・物語の内容に集中する。
・保育士とのやりとりを楽しむ。
<導入>
・自由遊び中のクラスの子どもに「はじまるよ」の手遊びを通して集まってもらう。
<演じ方>
・子どもに期待感を持ってもらえるように間を置いたり、適当な場面で子どもに応答を求める。
<想定される保育士の対応>
・シアターに集中できない子どもがいる場合は、お話に注目できるように展開を変えたり、やりとりする場面を増やして、物語の世界に入れるように促す。
例2)5歳児へエプロンシアターを演じる場合
<ねらい>
・保育士との応答の中で、食に関心をもったり、食べ物の成り立ちを知る。
<導入>
・クラス全体に食に関わる質問を投げかけ、子どもとのやり取りの中でスムーズにエプロンシアターに移る。
<演じ方>
・子どもがイメージしやすいように子どもとのやり取りから具体例を引き出し、身近な話題に置き換えて考えられるように演じる。
<想定される保育士の対応>
・子どもがどう対応していいかわからない顔をしている場合には、繰り返しのセリフの場面で「みんなも一緒に声を出してね」と対応する。
エプロンシアターをより盛り上げるための工夫、注意点
指導案に書くべき大枠はわかったと思います。では、保育士がエプロンシアターをより盛り上げるために何をすればいいのでしょうか。ここでは、エプロンシアターをするうえでの工夫や注意点をまとめました。
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子どもとの掛け合いを楽しむ
エプロンシアターの特徴の一つは子どもとの掛け合いを楽しむことができるということ。
物語に興味を持ってもらう工夫として、質問をして子どもの反応を見てみたり、物語が盛り上がる場面で子どもと一緒にセリフを言ってもらうのもいいですね。
こうした掛け合いを適度に入れることで、クラスの一体感を感じることができたり、子どもが物語の世界観に入る込めるような楽しさを味わえるでしょう。
仕掛けや演じ方でシアターを盛り上げる
エプロンの仕掛けや、演じ方もエプロンシアターを盛り上げるために工夫できる点の一つです。
エプロンの仕掛けにもさまざまな種類があり、ポケットから人形を出す、隠しポケットを作っておく、マジックテープで取り外しできるようにする、などがあります。ポケットから何が出てくるかわからないワクワク感や予想外の場面展開で子どもの期待感を高めることにつながるでしょう。
演じ方も、場面展開やセリフなどの間を工夫して子どもが次の展開にドキドキしながら待つ時間を作ったりなどの工夫ができるでしょう。こうした演じ方の工夫すれば、年長さんでも1度だけでなく、2度、3度楽しめるものになるでしょう。
年齢に応じたアレンジを入れる
聞かせる年齢に応じたアレンジを入れるというのは、エプロンシアターを盛り上げるための注意点です。
子どもは年齢によって楽しめるものや理解できる範囲が異なります。低年齢の場合は、子どもが声掛けに応じやすいように、「〇〇って一緒に言ってね」など物語に主体的に参加してほしい場面を教えてあげるなどの語り掛けが必要でしょう。
ポケットから何かを取り出す場合も、年長さんの場合は少し難易度を上げて「赤くてケーキにも乗っている果物は?」というようにより知識を問うような質問をしてみてもいいでしょう。
予定通りに進まないのは当然、対応力も必要
予定通りに進まないのはどの保育でも同じ。むしろ、エプロンシアターではその過程を楽しみながら物語を進めていきましょう。
エプロンシアターの特徴としては基本保育士が1人で物語を進めていくこと、物語のアドリブや子どもの掛け合いが楽しめることなどがあります。軌道修正をしやすいのはもちろんのこと、結末を勝手に変えてしまうこともできます。いつもの絵本とは異なる予想外の展開に子どもは楽しんでくれることでしょう。
想定される子どものマイナスの反応なども劇の一部として対応してしまうような、対応力が必要かもしれませんね。
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指導案を書くことでエプロンシアターを見直すきっかけに
指導案の書き方を中心に、エプロンシアターを見てきました。指導案にはねらいをはじめ、導入や、演じ方、保育士の対応など書くべき項目が多いです。こうした指導案は書くのに時間がかかりますが、どれも日々の保育には欠かせない項目です。むしろ、指導案を書くことを通して、演じようと考えているエプロンシアターを見直すきっかけになるかもしれません。
エプロンシアターには工夫できる点、注意するべき点もありますから、こうしたポイントを踏まえて子どもが楽しめるより良いエプロンシアターを作れるといいですね。
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