「保育士になりたい!」と考え、どうやったら目指せるか調べていると、必ず目にする”一般社団法人・全国保育士養成協議会”という団体は、保育士を目指す上で、一体どのような役割を果たしているのかご存知でしょうか。保育士資格を取得した、または目指している人であれば、ほとんどの人が係わることになる団体の仕事と役割をまとめました。
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全国保育士養成協議会とは
指定保育士養成施設を会員とする日本の社団法人
「一般社団法人 全国保育士養成協議会」は昭和32年に正式設立しました。
少子高齢社会の中で、子どもの健全な成長発達を保護者とともに担う重要な専門職である保育士を養成する学校「指定保育士養成施設」を会員とする団体です。個人での入会できません。全国保育士養成協議会の会員は、保育士を養成する学校又は施設(学科単位で養成校の指定を受けている場合は、当該学科)単位での入会に限られています。
一般社団法人とは
一般社団法人とは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)」に基づいて設立された社団法人のこと。「社団法人」とは法人形態の一つであり、共通の目的を持って集まった非営利の団体のことです。ここでいう「非営利」とは、事業利益の配当は禁止されていますが、構成員への給与支払いは認められています。
全国保育士養成協議会の会員数
「指定保育士養成施設」が会員
「指定保育士養成施設」とは児童福祉法第18条の6第1号で規定されている施設です。この施設へ入学し、指定された科目の授業に出席することと、保育園と児童福祉施設での校外実習を両方とも全て終了し単位を取得して卒業すれば、保育士国家試験の受験が免除され、誰でも必ず保育士資格を取得することができます。平成28年から、厚生労働省から代わって各都道府県知事が指定及び監督に係る事務を行うことになりました。
出典:「指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について」/厚生労働省
会員数
全国の548校(平成30年12月17日現在)の指定保育士養成施設が現在会員として入会しています。
施設別でみると、大学227校・短大216校・専修学校101校・高専その他施設4校があり、通信教育課程や二部(夜間)コースなども含みます。
保育士養成施設の会員数は、年々大学の数が増加する反面、短期大学が減少しています。
施設数(会員数)自体は増加傾向にあります。
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全国保育士養成協議会の役割と事業内容
全国保育士養成協議会の主な業務内容と役割についてまとめました。
出典:「平成29年事業報告について」/一般社団法人全国保育士養成協議会
出典:「平成30年度事業計画 」/一般社団法人全国保育士養成協議会
主な事業内容
事業内容としては、次のような内容があります。
【全国保育士養成協議会の事業内容】
・保育士養成制度及び教育内容の調査、研究に関する事業
・保育士養成に関する研究大会及び各種研修会等の開催
・保育士養成に関する広報、出版に関する事業
・保育士養成の振興に関する諸活動
・保育士試験の実施に関する事務
・児童福祉施設等に係る第三者評価の調査研究及び実施に関する事業
・その他本会の目的を達成するために必要な事業
保育士試験の実施
全都道府県知事から「指定試験機関」の指定を受け、平成20年より保育士試験に関する全ての事務を実施しています。保育士試験の受験者数は年々増加傾向にあり、年2回の保育士国家試験を、いかにスムーズに運営するかの効率化や対策も審議されています。
【保育士試験の実施に関する事務】
・試験実施日時、場所その他必要な事項の広報等
・試験に対する受験者等からの問い合わせ対応等
・受験資格の確認
・受験申請書の受付、確認、受験票の送付等
・試験問題の作成・保管・管理
・試験の実施
・答案の採点
・合否の決定
・合否の通知
・受験の停止及び合格の無効の決定
・その他試験実施に関する必要な事務
保育士養成を目的とする研究会・セミナー・出版など
会員校の教職員らの参加による調査研究、研究誌の発行、研修会の開催などを通して、時代、社会の要請に応える”より質の高い保育士の養成”を補助する役割を担っていることを知っておきましょう。
年間事業計画には、次のような業務があります。
総会
年度の計算書類の承認、並びに理事の選任について審議し、承認をする会議です。
保育士養成に関する研究や研修会、セミナーの開催
「保育士養成及び保育制度に関する研修会」や「全国保育士養成セミナー」を開催し、保育士養成の研究や向上を目指しています。
広報、出版に関する事業
上記研修会・研究会・セミナー等の報告書や会報を制作・出版しています。
表彰
保育士養成施設の会員校を優秀な成績で卒業し、保育士として社会への貢献が見込まれる者を表彰し、後輩に希望を与えることを目的に授与されます。1会員校につき1名で、学校長の推薦と、卒業後、保育者(保育士、保育教諭等)として勤務することが見込まれる者に送られます。
児童福祉施設の福祉サービスの質の向上のための”第三者評価”事業
保育所(保育園)、児童養護施設、母子生活支援施設および乳児院で行われている福祉サービスを、公正で中立な第三者機関が、専門的で客観的な立場から評価するものです。
利用者本位の福祉を目指すため、
・それぞれの児童福祉施設で行われている福祉サービスの質を向上させること
・利用者が施設を選択する際に役立つ情報を提供すること
この2点を達成するために、平成14年度より児童福祉施設福祉サービス第三者評価機(HYK)を設置しています。施設の置かれている状況や職員の意見を聞き、専門的・客観的な立場で、各児童福祉施設で行われている福祉サービスの特徴と課題を明らかにしています。
出典:「第三者評価について」/一般社団法人全国保育士養成協議会
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