お泊り保育は年長さんにとっては一大イベント。その分保育士も十分準備が必要です。このコラムでは、お泊り保育の大まかな内容やスケジュールの例を紹介するとともに、お風呂や就寝時の対応など、子ども、保護者の不安を軽くするために保育士が気をつけるべきポイントについても解説していきます。
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お泊り保育の流れと内容
まずは、お泊り保育の流れやどのような活動をするのか、大まかに見ていきましょう。
お泊り保育の期間や長さ
まずは、お泊り保育の長さについてです。
お泊り保育は夏に実施することが多く、一泊二日のスケジュールで開催されるのが一般的なようです。1日目の午前中集合の場合や、夕方から集合の場合などその長さは園によって異なります。
イベント中心で進むお泊り保育
お泊り会はその内容としてイベント中心で進んでいきます。事前にテーマを決めたりして、イベントの内容をテーマに沿うように設定していきます。スタンプラリーや宝探し、料理体験やキャンプファイヤーなど、不安も伴うお泊り保育を楽しい時間にして、お泊り保育のねらいを達成できるようにイベントを企画していきます。
お泊り保育のスケジュール例
お泊り保育の大まかなスケジュール例を紹介します。ここでは、午前10時集合、朝9時解散の場合についてみていきます。実際の時間設定は園ごとに異なります。
<1日目>
10:00 保護者とともに子どもが登園、開催式
10:30 午前中のレクリエーション活動(スタンプラリーなど)
12:00 昼食
13:00 午後のレクリエーション活動(屋内でゲーム遊び、宝探し、夏ならプールなど)
15:00 夕食の準備
17:00 お楽しみ会(先生の劇や出し物、スイカ割りなど)
18:00 夕食
19:00 夜のレクリエーション(キャンプファイヤーや花火など)
20:00 お風呂、歯磨き、着替えなどの就寝準備
21:00 就寝
<2日目>
6:00 起床、着替え
7:00 朝ごはん、歯磨き
8:00 表彰式・解散式
9:00 お迎え
日々の基本的な生活習慣の間に、保育士が企画したイベントが入るイメージです。
スケジュールや段取りは事前にしっかり確認
イベント中心で、さまざまなレクリエーションを入れるとなると企画する保育士にとっては準備や段取りが重要になってきます。レクリエーションの準備も子どもが食事をしているうちや前の日に用意しておいたり、一部の保育士が子どもを見ている間、ほかの保育士が次のイベントの準備をしてしおくなど、お泊り保育を成功させるためにしっかり事前の準備や段取りの確認が必要です。
保護者が不安に思う点と保育士のできる対応
お泊り保育についてのイメージがつかめたかと思います。お泊り保育中は子どもと離れて過ごすということで不安に思う保護者も多いことでしょう。お泊り保育直前は保育士に質問が多く寄せられます。こうした不安を少しでも軽くするために保育士ができる事前の準備や注意事項などをまとめました。
お泊り保育について口頭で説明する機会を設ける
お泊り保育については担任の保育士から内容やスケジュール、お泊り保育のねらいについて説明する機会を設けましょう。
保護者会などの保護者がそろいやすい場面で、保育士が口頭で説明することで保護者もイメージがしやすくなるでしょう。参考資料として、昨年実施したお泊り保育の様子の写真などを見せたり、保育士が経験した子どもとのやりとりや子どもの変化をどのように感じたのかを話すことができれば保護者もイメージしやすくなり、お泊り保育への不安も少なくなるのではないでしょうか。
事前に持ち物や注意点をまとめたプリントを配布する
事前の準備として、保護者向けにお泊り保育の持ち物や注意点をまとめたプリントを配布しましょう。
チェックリストのように、保護者が何を準備したのかしていないのか確認ができるような内容がいいですね。また、注意点をまとめておけば、不安な部分は親子で確認したり、準備することができるでしょう。
子どもへの導入を念入りにする
子どもの不安をなくすためにも普段の保育からの念入りな導入、そして導入を通しての準備が必要です。お泊り会の最中の約束事や事前に必要となる準備や練習をしておくことで、子どもの泊り保育への期待を高めて、不安を減らすことにもつながるでしょう。
こうした準備をしっかり進めていくと、子どもの保育園での様子を聞いた保護者も安心できるのではないでしょうか。
お泊り保育中の具体的場面での不安をなくすために
お泊り保育の中で具体的に保護者が不安に思う場面もあるでしょう。こうした具体的な場面について保育士ができる対応を紹介していきます。
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お風呂、入浴
お風呂や入浴の場面は保護者が不安に思う場面の一つでしょう。ケガなどの危険性が多いお風呂ですから、お泊り会前の導入や準備のときから、入浴の際の注意事項の説明を子どもと確認しておくことが大切です。
また、こうした事前の注意事項を説明しておいても、友だちと一緒の入浴やお泊りというシチュエーションに興奮してしまう子どもがいると思います。入浴前、入浴中の注意喚起も怠らず、安全には常に気をつけて臨むようにしましょう。
おねしょ
まだ子どもがオムツが外れていないことを不安に思う保護者もいるでしょう。こうした場合は、保護者から事前に情報を収集し、おねしょの不安がある場合には子どもにも配慮して別室でおむつ履かせたり、万が一おねしょをしてしまった際にもこっそり着替えさせてあげるとよいでしょう。
保護者と相談したうえでオムツを念のために用意してもらうのもよいかもしれません。
1人で寝れるか
就寝時、いつもと違う環境で保護者と離れて寝られるかも心配するでしょう。そのため、寝るときにいつも使っている枕やお気に入りのタオルやぬいぐるみを持ちこみ可にしている園もあるようです。荷物が多くなりすぎないように、個数などの制限はありますが、こうした対応をすることで、保護者も子どもも就寝時の不安を和らげることができるかもしれません。
病気やケガ
病気やケガもお泊り保育で特に注意しなければならない点です。お泊り保育はお泊りの不安や興奮から普段は元気な子でも予期せぬ体調不良になったり、ケガをしてしまうもの。体調や病気に関しては、当日の朝保護者に健康調査票を記入して持ってきてもらうなど対応をしましょう。持病やアレルギーがある場合は具体的な対応方法や薬をどうするかについて保護者と確認しておきましょう。
また、ケガについては保育士が安全に配慮すると同時に、レクリエーションの前には注意喚起を忘れないなど、適宜対応するようにしましょう。
泣いてしまったり帰りたくなる
保護者と離れるとき泣いてしまう子、ふとした瞬間に寂しくなり帰ると言い出す子はいるものです。こうした場合は、子どもの気持ちを受け止め、保育士が付き添ってレクリエーションに参加してみるなど、しばらく気をつけて様子を見るようにしましょう。
また、普段とは違う環境に慣れるのに時間がかかる子どもに対しては、保育士が個別に対応して、導入や念入りに理解を深めるように語りかけるなどの対応を考えておきましょう。
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しっかりとした準備でお泊り保育を成功させよう
子どもにとって保育園での大切な思い出の一つになるお泊り保育。保護者と離れてのお泊り体験は、子どもにとって楽しみでもあり、同時に不安でもあります。不安に思うのは子どもだけでなく保護者もです。お風呂や就寝時など不安に思う場面がいくつも考えられます。保育士さんは準備をしっかりすることで、こうした不安を和らげ、子どもにも保護者にもよい思い出になるお泊り保育を成功させましょう。
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