最終学歴が中卒でも保育士を目指すことができます。しかし、受験資格を得るためには一定の条件が定められており、それを満たしていなければ試験を受けることができません。今回は、中卒の場合の保育士試験の受験資格についてくわしく解説します。また、実務経験の積み方や勉強法についてもまとめました。
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目次
中卒でも保育士を目指せる!
子ども好きな方に人気のある保育士の仕事。
国家資格である保育士資格を取得すれば、保育士として働くことができます。
現在社会人として働いていたり主婦をしていたりするなかで、「中卒から保育士になれるのか」「大学に行かないと資格を取れないのではないか」など気になる方もいるかもしれません。
結論から言うと、中卒であっても保育士になることはできます。しかし、どんな方法で資格を取得できるのでしょうか。
まずは、保育士資格の取得方法を見ていきましょう。
中卒者が保育士資格を取得する方法
中卒者が保育士資格を取得する方法は2つあります。
指定保育士養成施設を卒業する
1つ目の方法として、厚生労働省が定める指定保育士養成施設を卒業することが挙げられるでしょう。
養成施設として認定されている大学の学部や学科の必要単位を取得し、卒業すれば保育士資格を得られます。
ただし、指定保育士養成施設に入学するためには高校卒業の資格が必要です。
そのため、中卒者はまず高校卒業程度認定試験に合格し、高卒の資格を取得しましょう。
(※高校卒業程度認定試験とは、高校を卒業していない方の学習成果を評価して、高校を卒業した人と同等以上の学力があることを認めるための試験です。)
保育士試験に合格する
2つ目の方法として、保育士試験に合格することが挙げられるでしょう。
しかし、保育士試験は受験資格がある方のみ受けられることになっており、誰でも受けられるわけではありません。中卒者が受験する場合、決められた条件を満たす必要があります。
中卒の場合のくわしい受験資格について、次で見ていきましょう。
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中卒者の保育士試験の受験資格
最終学歴が中卒の場合の保育士試験の受験資格を紹介します。
「児童福祉施設」における5年以上かつ7200時間以上の実務経験
中卒でも「5年以上かつ7200時間以上」児童の養護や保護に携わった経験があれば受験資格が認められます。実務経験として認められる保育施設は以下です。
該当する施設 | |
---|---|
保育所(利用定員20名以上) | 保育所型認定こども園 |
幼保連携型認定こども園 | 児童厚生施設(児童館) |
児童養護施設 | 助産施設 |
乳児院 | 母子生活支援施設 |
障害児入所施設 | 児童発達支援センター |
児童心理治療施設 | 児童自立支援施設 |
児童家庭支援センター |
保育の現場で実務経験を積んだことがある方は、勤めていた施設が該当するかどうか、施設長や都道府県の保育課などに尋ねてみてくださいね。
「特定の施設」における5年以上かつ7200時間以上の実務経験
特定の施設で「5年以上かつ7200時間以上」児童の養護や保護に関わった経験がある場合、受験資格が認められるケースがあります。
受験資格認定基準に該当する施設は以下です。
該当する施設 | |
---|---|
認可外保育施設 (認証保育園、認定保育園 等を含む) |
一時預かり事業 |
小規模保育事業(小規模認可保育所 等) | へき地保育(特例保育) |
幼稚園型認定こども園 | 小規模住居型児童養育事業 (ファミリーホーム) |
地域裁量型認定こども園 | 障害児通所支援事業 (保育所訪問支援事業を除く) |
幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む) | 一時保護施設 |
家庭的保育事業(保育ママ 等) | 放課後等デイサービス (児童デイサービス) |
居宅訪問型保育事業 | 院内保育 |
事業所内保育事業 | 放課後児童健全育成事業 (学童クラブ・放課後児童クラブ・学童保育 等) |
企業主導型保育事業 等 |
上記の施設における勤務がすべて実務経験として認められるわけではないようです。
都道府県や施設によって判断が異なるため、あらかじめ施設長などに確認しておくとよいでしょう。
もし、受験資格認定基準に該当していた場合は、必要な手続きを踏んで受験資格認定を申請し、都道府県によって認められれば受験資格を得ることができます。
▼無資格でまずは実務経験を積みたい!と考えている方はこちら
保育士試験の受験資格に必要な実務経験の積み方
これまで実務経験を積んだことがないという中卒者もいるでしょう。ここでは、どうやって必要な経験を積むとよいのか紹介します。
フルタイムで働き、最短で経験を積む
無資格でも働ける保育補助として保育園などに勤め、フルタイムで働くという方法があります。
1日8時間で年に240日勤務だと仮定した場合、1年間の勤務時間は8×240=1920時間です。フルタイムで5年間働いた場合、1920×5=9600時間となり、十分に条件を満たすことができます。
規定の7200時間よりも2400時間多く働くことになるので、お休みの日を増やしたりたまに勤務時間を短くしたりしても問題なく要件をクリアできそうですね。
パートタイムで働きながら、時間をかけて経験を積む
保育補助としてパートタイムで働きながら、時間をかけて要件を満たす方法もあります。
例えば週20時間勤務として月80時間働くとすると、1年間の勤務時間は80×12=960時間です。
このペースで7年半働くと、960×7.5=7200時間となり、受験資格に必要な勤務時間数ぴったりになります。
この方法であれば、仕事や家事とバランスを取りながら実務経験を積めるかもしれませんね。
現在のライフスタイルや勉強の進め方を考えて、自分に合った方法で実務経験を積んでいきましょう。
▼中卒でもOK!保育士転職エージェントの活用法を知りたい方はこちら
中卒者が保育士試験に合格するための勉強方法
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保育に携わった経験がない場合や、これから保育士試験の勉強を始める場合、どうやって勉強したらよいのかわからないこともあるでしょう。
ここでは、保育士試験を受験する中卒者に向けて、合格に近づくための勉強方法を紹介します。
参考書や通信講座を利用して基礎固めをする
保育士試験を受験する場合の勉強方法として一般的なのは「通信講座」や「独学」です。
どちらの勉強法においても、まずしっかりと基礎固めを行うことが大切です。
年度ごとに試験問題が変わるとはいえ、出題範囲や頻出事項、問題傾向などが大きく変わることはないでしょう。
また、試験内容が幅広いと言われているため、基本的な問題をきちんと押さえておくことが合格へとつながります。
保育士試験用の参考書は受験者向けにわかりやすく要点をまとめているものが多いため、ポイントを把握して臨むことが大切です。
また、通信講座は必要なテキストや教材が送られてきますが、独学の場合は自身で購入する必要があるため、参考書選びも重要になるでしょう。
近年のトレンドや最新情報について把握する
保育に関連するトレンドや制度、法律の改訂などをきちんと把握しておきましょう。
例年、試験範囲や出題傾向に変化はないようですが、試験内容には保育業界のトレンドや時事問題が大きく関係するようです。
特に、児童福祉法や保育所保育指針など重要法令の改訂があった年や、新しい子育て支援制度などが発表された年の翌年度などは、関連分野が出題されることが多いでしょう。
最新情報をキャッチアップできるように日頃からニュースに目を通すことはもちろん、参考書やテキストは最新版を購入するとよさそうですね。
過去問を解いて出題傾向を掴む
基礎をしっかりと押さえて最新情報も把握できたら、保育士試験の過去問を解きましょう。
過去問を解くことで、これまでの出題傾向や頻出事項などを把握し、時間配分や効率的な解答のしかたなどを自分なりに見つけることができるかもしれません。
筆記試験の1カ月前くらいになったら、過去問を繰り返し解いて保育士試験の問題形式に慣れておくことがポイントです。
▼独学で保育士試験合格を目指したい方はこちら
受験資格を得て、中卒から保育士を目指そう
中卒であっても、5年以上かつ7200時間以上の実務経験を積んでいれば保育士試験を受験することができます。
要件として認められる施設は保育園以外にも児童養護施設などさまざまあるので、これから実務経験を積む方は前もって施設長に該当するかどうか尋ねておくとよいでしょう。
自分のライフスタイルとバランスを取りながらコツコツと勉強を進め、保育士資格の取得を目指してくださいね。
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