保育士資格の実技試験「造形」の練習方法は?過去問や上手に描くポイントも

保育士試験の実技科目は音楽・言語・造形の3種類で、その中から2種類を選んで受験します。その中のひとつである「造形」の受験を検討しているけれど、人を描くのが苦手、どうやって練習したらよいのかわからない、という方もいるのではないでしょうか?このコラムでは、造形の試験対策としての絵の練習方法や、絵を上手に描くポイントをまとめました。

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k_samurkas/shutterstock.com


保育士の実技試験科目、「造形」とはどんな試験?

 


保育士試験の実技試験科目一つである、「造形」とはどのような試験なのでしょうか。保育士試験の流れも含めて、試験内容や問われるポイントについて説明します。

 

まずはおさらい、保育士試験の流れ

 


保育士資格を取得するためには、一次試験の筆記試験に合格し、そのあと二次試験の実技試験にも合格する必要があります。実技試験の科目は3種類で、「音楽」「言語」「造形」があります。


この内の2科目を受験し、合格すれば保育士資格が取得できます。それぞれの合格点は50点満点で、30点以上が合格ラインです。



試験内容や試験時間、使う道具など


造形は、保育活動の一幕を絵で表現する試験です。例えば、保育室内や園庭などで保育士と子どもが遊んでいる様子など、保育活動中のさまざまな瞬間を切り取った情景を描くことがテーマになります。


この試験で問われるのは、「保育士として、情景や人物などを豊かにイメージした描写や色使い=造形表現ができること」です。


そして4つの条件を満たしながら、制限時間45分以内に絵を完成させることです。使う道具は色鉛筆で、解答用紙の枠内全てに色を塗ることが必須になります。

過去問はどんな感じ?



過去に出題された問題


ここで過去に実際に出題された問題を見てみましょう。以下は2016年度の前期試験で出題された造形の問題です。


【事例】を読み、次の4つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。


【事例】

H保育所の5歳児クラスの子ども達は、給食当番が配膳の手伝いをします。子ども達は、それぞれ好きな食べ物、苦手な食べ物があるようですが、みんなで楽しく食事をしています。自分が食べた食器の片付けは、保育士が手伝いながら、子ども自身が行います。


【条件】

1.「給食の準備」、「食事」、「片付け」のうちから一つを選び、その様子がわかるように描くこと。

2.給食時間の保育室の様子がわかるように描くこと。

3.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。

4.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。


このように造形の実技試験では、【事例】に記されている保育園での日常の様子を、4つの【条件】を満たしながら絵で表現するという内容になっています。



過去のテーマ一覧


過去3年間で行われた、造形試験のテーマを並べてみました。

2017年度前期

(1)給食の準備 (2)食事中 (3)片付け から1つを選択

給食時間の保育室

5歳児3名以上、保育士1名以上

2016年度後期

保育士のオルガン演奏で3人の子どもたちが輪になっている様子

保育室内でお遊戯会の練習

4歳児3名以上、保育士1名以上

2016年度前期

水たまりで遊び、保育士が声掛けをしている状況

水たまりのある園庭

子ども3名以上、保育士1名以上

2015年度前期

お年寄りからお手玉やあやとりなどの昔遊びを教わっている様子

保育室内で昔遊び

子ども2名以上、保育士1名以上、お年寄り1名以上

2015年度地域限定

2人の子どもがにらめっこをしている様子と、その周りの様子

保育室内でにらめっこ

4歳児4名以上、保育士1名以上

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どのように練習したらいいか?

造形の試験を突破するためには、日々どのような練習を積めばよいのでしょうか。



STEP1


まずは模写から

「何から始めたらいいのかわからない」という方は、まず模写から始めるのがおすすめです。模写とは、絵をそのままそっくり真似て描くこと。例えば、保育に使う子どもの絵本や、好きな絵画をお手本にしてみてもよいでしょう。


簡単そうに見えるものでも、実際に描いてみるとバランス配分や、シーンの表現の難しさを実感するかもしれません。色の塗り方も勉強になるところがあるかもしれないので、まずは慣れるまで何枚か模写をしてみましょう。



STEP2


背景の練習

模写で状況描写に慣れてきたら、今度は自分で絵を描いてみましょう。まずは、背景を描く練習です。造形の実技試験で出題される背景として、特に多いのが保育室内、次いで園庭です。写真や実際の保育園などを参考に、それぞれの特徴を意識して描きましょう。


例えば保育室内なら、子どもたちのカバンが壁にかかっていたり、棚があったり、明るい色のフローリングだったりと、さまざまな特徴がありますね。これを絵に取り入れて描きましょう。


このとき、少し変わった特徴的な背景を描いた場合、採点者に伝わらないことも考えられるため、できるだけ一般的な保育室のイメージで描きましょう。

人物の練習

背景ができたら、次は人物の描写です。人物を描くのが苦手という方も多いかもしれませんが、上手に描けている絵を真似しつつ、自分の得意なパターンが決まれば大丈夫です。


まずは自分なりに保育士や子どもを描いてみます。そうしたら、上手な絵を参考にしてポーズを変えて描いてみましょう。最初は歩くポーズや走るポーズなどの基本的なものから始め、慣れてきたら手をつなぐ姿や、座ってピアノを弾く姿など、保育園で見られる日常の動作を描けるように練習しましょう。


また、服装や髪型は自分の得意なものでワンパターンにしてしまえば、時間の節約にもなります。保育士の髪型はポニーテールでエプロンはピンクといったように、予め描きやすいパターンを決め、描くのに慣れておくのがおすすめです。


造形の試験では必ず子どもと保育士の描写が必須になるので、さまざまなパターンのポーズを練習して、テーマに沿った描写ができるようにしましょう。



STEP3


時間を計りながら

一通り絵が描けるようになったら、時間を計って本番を意識して描いてみましょう。そうすることで、どこに時間がかかっているのか把握することができます。


問題文を読み、絵の構成を考え、人物を描き、背景を描き、色を塗るという作業をしているとあっという間に45分が経過してしまいます。苦手・得意を知って回数を重ねるたびに改善していきましょう。

できるだけ毎日練習!

やはり合格するためには、毎日練習したいところです。とはいえ、毎日絵を一枚完成させなくても、子どもの描き方を重点的に練習したり、新しいポーズの描き方に挑戦するだけでもOKです。忙しくて時間がなくても、できるだけ毎日試験対策をするのが、実技試験合格の一歩になりますよ。

上手に描くポイントは?

造形の試験は、単に絵の上手さを問う試験ではありません。では、どこに気をつけて絵を描けば評価されやすいのでしょうか。



問題文の分解


問題文をしっかり理解して、出題者側が求めているポイントを掴んでみましょう。


まずは、【事例】の文を「状況」「場所」「人物」の3つにざっくり分解します。事例で示されているのは園生活のどの部分が切り取られた状況で、場所はどこなのか、登場人物の人数や年齢はどうか、ということを押さえることで、大事なポイントを見失わずに絵に集中することができます。


そして最後に、絵全体の「客観性」をチェックして、採点側に自分が表現したものが十分にわかるような絵を描きましょう。


では、先に紹介した2016年度前期試験の問題文を例にして、上記のポイントに注目してみましょう。


【事例】を読み、次の4つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。


【事例】

H保育所の5歳児クラスの子ども達は、給食当番が配膳の手伝いをします。子ども達は、それぞれ好きな食べ物、苦手な食べ物があるようですが、みんなで楽しく食事をしています。自分が食べた食器の片付けは、保育士が手伝いながら、子ども自身が行います。


【条件】

1.「給食の準備」、「食事」、「片付け」のうちから一つを選び、その様子がわかるように描くこと。

2.給食時間の保育室の様子がわかるように描くこと。

3.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。

4.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。

状況

今回の試験では、「給食の準備」「食事中」「片付け」の3つの状況から自分が描きやすい状況を選ぶことができると言えます。人物が立っているのか座っているのか、食べ物があるのかないのかなど、などの違いから、自分が描きやすい状況を選びましょう。


例えば「食事中」を描く場合は、登場人物が全員着席していることや、皿に盛られた食事が少し減っていることが描かれていると、食事中の状況がわかりやすく表現できますね。また、今回はお弁当ではなく給食がテーマなので、お皿に盛られた料理が全員分同じであることもポイントです。


「片付け」の場合なら、お皿には料理がないことや、エビフライのしっぽだけが残っている様子、またみんなで重ねたお皿を配膳車に戻すところなどが描かれているとよいでしょう。

場所

今回のテーマは「給食」です。そのため、イメージされる場所は保育室内になります。


子どもたちや保育士が食事中に使うイスやテーブルを描いたり、フローリングや窓を描いたり、子どもの描いた絵や持ち物を壁に描いたりすることで、「保育室内」ということがよりわかりやすくなります。

人物

今回テーマになっているのは5歳児で、人数は子どもが3名以上、保育士が1名以上となっています。「給食の準備」「食事中」「片付け」の3つから選択可能なことを踏まえると、食事中のタイミングであれば着席している状態で、上半身だけの描写でも人数としてカウントされるでしょう。


準備もしくは片づけを選択した場合は、立っている状況の方がわかりやすいかもしれません。座った状態・立っている状態に関わらず、ひじやひざの関節が曲がって自然な動きになっていると、子どもや保育士の動きが豊かになり、採点側の評価も高くなるでしょう。

全体の客観性

給食をイメージさせる複数のお皿や、あたたかい料理を連想させる湯気、給食を楽しんでいる子どもたち・保育士の笑顔などを含ませたいですね。採点側から客観的に見てもはっきりわかるように描くことが大切です。


あとは、殺風景な雰囲気にならないように暖色系の色であたたかさなどが表現されているか、塗られていない部分がないかをチェックすることも大切ですね。

読んでおきたいおすすめ記事

練習を重ねて、造形の試験に合格しよう

保育士資格取得のための実技試験「造形」科目について、練習方法や上手に描くポイントについて紹介しました。


造形を受けるにあたって覚えておきたいのは、絵の上手さが問われているのではないということ。大切なのは、問題内容に沿っていて、客観的に見てもすぐにわかるような絵を描くことです。


造形の試験を練習することで培われた、出題者の意図を汲むことや、重要なポイントをつかむ能力は、実際の保育の現場でも重宝されます。日々の練習を重ねて、ぜひ合格を目指してくださいね。

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