保育士は本当に「誰でもできる仕事」なのか?現場の意見から考える

    以前、「保育士は誰でもできる仕事」という堀江貴文氏の発言を巡って、賛否両論のさまざまな意見が飛び交い話題になりました。この発言について、皆さんはどのような意見をお持ちでしょうか?今回はこの一連の発言を少しずつ紐解きながら、本当に「保育士は誰にでもできる仕事」なのか、しっかり考えてみましょう。

     

    保育士は本当に「誰でもできる仕事」なのか?現場の意見から考える

    保育士は「誰でもできる仕事」…炎上の経緯は?

     


    そもそも、この炎上騒動はどのようにして起こったものなのでしょうか。

     

    炎上の経緯は?

     


    この騒動の発端は朝日新聞デジタルに記載された、『「なんで保育士の給料は低いと思う?」低賃金で負の循環』という記事でした。この記事に対して堀江氏が「誰でもできる仕事だからです」とコメントしたことで、「保育士という職業を差別しているようなものだ」「それなら自分がやってみればいい」などと非難の声が殺到し、炎上に発展しました。

    普段からさまざまな分野において注目的な発言をしている堀江氏ですが、この件に関しては特定の職業が標的になったこと、そして「誰にでもできる」という過激な言葉の表現がここまでの事態にさせてしまった要因と言えそうです。
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    しかし、実際には建設的な意見

     


    保育界隈の仕事に携わる人はもちろんのこと、その他の人をも敵に回したようにも見えるこの一連の発言。しかし堀江氏の発言をよく考えてみると、とても建設的な意見とも捉えることができます。例えば、「給料を高くしたいなら業務の効率化をすべき」というツイート。言葉は少しトゲを感じる部分もありますが、本質をついているとも言えます。

     

    専門家の反応は?

     


    現役保育士でありながらTwitterのフォロワー数約45万人の人気を誇るてぃ先生は、「私は保育士をしていますがその通りだと思います。資格を持たずとも子育てはできる。一方で、国家資格をとり子どもにあたる保育士がいる。この両者の違いであるはずの「専門性」がオープンでないし、当然世間も認知していない。「子どもと遊ぶだけ」の印象を変える努力が必要」と、堀江氏の発言について理解を示しながら、保育業界に問題提起しています。


     

    「保育士は誰にでもできる仕事」というのは本当か

     


    「誰でもできる仕事」発言に加えてツイートされた一連の発言を精査し、そう思われる背景を考えてみました。

     

    「保育士は誰でもできる仕事」…保育の専門性は見えづらい

     


    保育士として働くのに資格が必要なことは世間に知られていても、そこに「専門性」があることは一般的にイメージがないのかもしれません。

    例えば、一般的には「子育て経験」と「保育経験」は混同されがちです。もちろん、子育て経験は保育の現場において、子どものお世話をしたり、歯磨きなどの習慣付けなど、活かせる部分がたくさんあり、とても重宝されることは間違いありません。

    しかし、それは保育の一部分であり、保育の専門性とは別物です。まず大前提として、子育てで見るのは自分の子どもであることと、そして人数が多くないことです。それに対し、保育士は保護者から預かった子どもを大人数見なければなりません。後者の責任の大きさは前者とは比較できないほど大きく、保育士の仕事で最も大変な部分と言っても過言ではないでしょう。

    保育の専門性を表に出していこうとなると、すぐには実現しがたいことですが、保護者に保育の意図を伝えるのに努めることで、現状が少しでも変わっていくきっかけになるかもしれません。

     

    「当たり前のこれまでを改善しようとしないからダメ」…保育士も十分にわかっていること

     


    堀江氏は「当たり前のこれまでを改善しようとしない」ことに関して、「1500字の『手書き』レポートなんて拷問」「壁の装飾とか本当に必要?」「IT化も遅れてる」と補足しています。これは、現場の保育士さんたちも直に感じていることではないでしょうか。

    特に手書きの文化は根強く残っており、PCを取り入れているだけでも、その園の求人の魅力として紹介されることも珍しくありません。近年それに関する見直しは進められつつありますが、業務の効率化を図りたいとは考えているものの、個人的な苦手意識から、なかなかIT化を受け入れられない園長世代も少なくないようです。

    園全体でPC化を推進しようとしなくても、「使いたい人がいた時に、しっかりPCを使える環境を整備する」といった効率化を優先できたらよいかもしれませんね。

     

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    そもそも「なんで保育士は給料が安いと思う?」というその前提への疑問

     


    この騒動の発端となった記事では、「『なんで保育士の給料は安いと思う?』低賃金で負の循環」というタイトルで、保育士の薄給について言及されていたようです(現在は削除されています)。しかし、根本的な話をすると、近年では保育士の給料はすでに言われるほどの低賃金ではありません。そして、「誰でもできる仕事」だから給与が安いわけでもありません。その理由を以下で説明します。

     

    最新の保育士の平均年収は、約342.1万円

     


    2017年の厚生労働省の調査では、常勤のフルタイムで勤務する保育士の給与の全国平均は、月収約22.9万円、年間賞与約66.3万円、合計で年収約342.1万円という結果が出ています。これは、女性全体の平均年収345.5万円と比べるとほとんど差がなく、決して「保育士の給料は安い」とは言えないほど、待遇が改善してきていると言えます。

    確かに、長時間労働や持ち帰り残業についてはまだ改善の余地がある園も多いため、給与を時給換算した時に「安い」という印象を受けることは否定できないかもしれません。ただ、保育士の人材確保のために国や自治体の対策として手厚い手当の支給を行ったり、2017年度から新たに施行された3つの新役職の導入による処遇改善が行われていることなどによって、「保育士は低賃金」というイメージはいずれ払拭されるかもしれません。

     

    給料が上がりにくい保育業界の賃金構造

     


    保育士の給与が安い(イメージを持たれている)のは、「誰でもできる仕事だから」ではありません。保育業界の財源確保の手段は、一般的な営利企業とは全く異なっており、収入源はほぼ国や自治体からの助成金です。助成金を増やすのは政府が決めることなので、運営法人や会社の一存で決めることはできません。

    また、保育士が保育の質を高めたからといって、保育料は値上げできません。たくさんの子どもを預かれば利益が増えるかというと、法律で保育士1人に対して預かれる子どもの人数が決まっているため、それもできません。したがって、保育士の給与が安いと感じられている場合でも、簡単にベースアップできない構造ができあがってしまっているのです。

    また、保育士の仕事は昇格・昇給に関しても難しいシステムになっています。一般企業のように、数字による明確な目標設定などはなく、個人の努力が給与に反映されにくい状況です。また、キャリアアップ研修による新しい役職が導入される2017年度以前では、一般保育士の次が主任保育士、その次が園長と、とりわけ一般保育士と主任との間に役職がなく、昇格が難しいと考えられていました。そういった環境にあるため、保育士の給与は上がりにくかったのです。

     

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      本当に保育士は「誰でもできる仕事」なのか?

       


      では、これらのことを踏まえて改めて、保育士は本当に「誰でもできる仕事」なのでしょうか?

       

      保育士は良い意味で「誰でもできる仕事」かもしれない

       


      保育士に限らず他の仕事に関しても、時代の流れとともに続いている仕事は、「誰でもできる」から今でもやっている人がいますよね。反対に、誰でもできるような仕事でなければ、後継者が減ってさらに保育士不足は加速するかもしれません。休みが少ない環境で働く保育士がさらに休めないという事態も招きかねません。その点では、保育士という職種について「誰でもできる仕事」というのは肯定してもよいところかもしれません。

       

      誰でもできるような「簡単な」仕事ではない

       


      保育士の仕事の中には、確かに「誰でもできる仕事」が含まれていることも事実です。例えば世間一般のイメージのように、子どもと遊ぶことや、歌をうたったりするのは素人でもできることかもしれません。

      しかし、普通に遊んでいるように見えて、視野を狭めず子ども全員を気に掛けていたり、待つことで子どもの自主性や積極性を引き出したり、年齢や発達の状況に応じて個別に保育内容を変えたりなど、保育を専門的に学んだことがない人にはできないことが多いです。

      事実、国家資格を取得して保育士となっても、うまく保育ができなくて悩む人が一定数いることを考えた場合、専門知識がない一般人が保育をしたらどうなるか、というのは考えるまでもないでしょう。人生において大切な幼児期を預かって育てるということは、けして簡単ではないのです。

       

      保育士自身の「保育の質を高める」努力は必要

       


      ただし、保育士自身の保育の質を高めるための努力は必要です。業種や職種レベルでの「誰でもできる仕事」か否かという話ではなく、一保育士として「自分の保育」を実践する、ということです。

      もちろん、保育のスタイルや価値観はまさに十人十色で、保育士の数だけ保育のやり方があると言えます。その「自分にしかできない保育」によって、子どものよい部分を引き出したり、より大きく育てることができるように、しっかり確立させることが重要なのではないでしょうか。それを目指して日々の保育の中で試行錯誤を繰り返し、自分の保育として実践していくことを目指していきたいですね。

       

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      まとめ これをきっかけに保育の仕事がさらに見直されれば

       


      保育士は「誰でもできる仕事」という発言で炎上したことについて、堀江氏の一連のツイートを紐解きながら、保育業界の実情を踏まえて解説しました。社会が持つイメージの先行などによって、保育士の仕事は時に実際とは違う決めつけをされることもありますが、簡単な仕事という文脈での「誰にでもできる仕事」ではなく、専門性が高く、社会に必要な仕事です。

      一般的には子どもと遊んでいるだけに見える時間も、専門性の高さゆえに一般には理解されない、という見解の方が正しいかもしれません。そしてこういったことをきっかけに保育業界が注目されることをポジティブ捉え、保育士の仕事が見直されることにつながってほしいと思います。


      参照:てぃ先生のTwitter
      https://twitter.com/_HappyBoy/status/919023879363772416?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E919023879363772416&ref_url=https%3A%2F%2Fnews.careerconnection.jp%2F%3Fp%3D41768

      参照:堀江貴文氏のブログ HORIEMON.COM「ホリエモン、”保育士ツイート”の真意『大変だから給料が高くあるべきってのは間違い』」
      http://weblog.horiemon.com/100blog/45087/

       

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