8月の中旬に迎えるお盆期間。保育園での過ごし方を工夫して、子どもたちが日本の昔ながらの風習に親しむきっかけづくりをしてみましょう。今回は、子どもたちの理解を深める、保育園でのお盆の過ごし方アイデアを紹介します。あわせて、お盆の意味や由来を子ども向けにわかりやすく説明する言い換え例もまとめました。
kanzilyou/stock.adobe.com
お盆の由来とは?
お盆は、ご先祖様が一年に一度この世に戻ってくる期間と言われており、日本では古くから夏の時期の伝統行事として受け継がれています。
正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言い、お釈迦様の弟子である目連尊者が地獄に落ちてしまった母親を救うために、7月15日に多くの霊を供養したことが始まりとされているようです。
この弟子は、神通力によって亡くなった母親が苦しんでいることを知り、お釈迦様にどうしたら母親を救えるかを相談しました。すると、お釈迦様は「夏の終わりの7月15日(現在の8月中旬)に多くの人を供養すれば、苦しみから救われる」と伝えました。
そして弟子がその教えに従ったところ、弟子の母親が極楽往生を遂げることができたことから、盂蘭盆会という行事が生まれたとされています。
地域によって多少の違いはあるものの、お盆期間は毎年8月の第2週目から第3週目あたりが一般的で、2022年は8月13日~8月16日がお盆です。
お盆の風習と意味
kanzilyou/stock.adobe.com
お盆期間には、迎えたご先祖様のご冥福をお祈りして供養する風習があります。さまざまな慣わしがあるので、一つずつ意味を見ていきましょう。
迎え火・送り火の意味
迎え火は盆の入りの日に行われ、送り火は盆明けに行われます。
迎え火には「道に迷わずに帰ってこれるように」といった意味が込められており、現世に帰ってくるときの目印にもなっています。一方、送り火には「無事にあの世に帰ることができるように」という意味があります。
盆提灯の意味
盆提灯とは、迎え火や送り火として使用する提灯です。
迎え火や送り火を灯すのと同様に、盆提灯を飾るのには「先祖の霊が迷わずに行き来できるように」といった意味があり、目印のような役割を果たしています。
一般的には、玄関や軒先のほか仏壇や盆棚などに飾られ、奇数ではなく一対や二対などセットで飾るのが慣習のようです。
きゅうりとなすをお供えする意味
きゅうりやなすは、先祖の霊があの世とこの世を行き来するときに使う乗り物としての役割があるようです。
一般的に、きゅうりで作った馬は精霊馬と呼ばれ、「馬に乗って早くこの世に帰ってきてほしい」などの願いが込められています。そして、なすで作った牛は精霊牛と呼ばれ、「牛に乗ってこの世を楽しみながらゆっくりと帰ってほしい」といった願いを込めて飾るようです。
盆踊りをする意味
盆踊りは、先祖の霊を盛大に送り出すための風習で、一般的にあの世へ戻る最後の夜に行われるようです。
もともとは、お盆の時期に帰ってきた先祖を供養する念仏踊りが始まりで、鎌倉時代に全国的に盆踊りが広まったとされています。そして徐々に民俗芸能の意味合いが強くなり、室町時代頃には太鼓を叩くなど、華やかな現代の形に近づいたと言われています。
盆踊りには本来、先祖の霊を供養する意味が込められていたのですね。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
保育士資格を活かせる在宅ワークのお仕事特集!保育関係の自宅でできる仕事を徹底解説
保育士資格を活かせる在宅ワークにはどのような仕事があるのでしょうか。保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど自宅でできる仕事は意外に多いもの。今回は、保育士資格を活かして働ける在宅ワークの仕...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
お盆について子ども向けに説明する言い換え例
tatsushi/stock.adobe.com
お盆の由来や意味をふまえ、お盆とはどのような行事なのか、簡単な言葉を用いて子どもたちに説明してみましょう。
ここでは、子ども向けの簡単な言い換え例を紹介します。
「お盆はどんな日なの?」
「お盆は、ご先祖様にありがとうを伝える期間だよ。ご先祖様というのは、おじいちゃんやおばあちゃんのパパやママのことを言うんだよ。」
「お盆っていつなの?」
「2021年のお盆は8月13日から16日までだよ。(地域独自の時期があればそれを伝える)」
「お盆はどんなことをするの?」
「お盆はきゅうりを飾ってご先祖様が早く帰ってこれるようにお願いしたり、なすを飾ってゆっくりお見送りしたりするんだよ。」
「どうしてきゅうりやなすを飾るの?」
「きゅうりやなすは夏の野菜だから、昔はたくさん手に入ったんだって。そこで、きゅうりは細くて長いから馬、なすは太くて丸いから牛に見立てられるようになったんだよ。」
先祖、供養などの難しい言葉を聞いてもピンとこない子どももいるかもしれません。そのため、お盆の意味や由来を伝えるときは、子どもたちがイメージしやすいように簡単な言葉で説明することが大切です。
「ママやパパの家族にありがとうを伝えるんだよ」などとかみ砕いて説明すれば、子どもたちも理解しやすくなるでしょう。
▼夏の乳児向け製作アイデアを知りたい方はこちら
保育園でのお盆の過ごし方
子どもたちがお盆について理解を深めるために、保育園でどのように過ごしたらよいのでしょうか。ここでは、簡単に取り入れやすい、お盆にちなんだ保育園での過ごし方アイデアを紹介します。
暑中見舞いをかく
暑中見舞いとは、相手の健康を気遣ったり、こちらの安否を伝えたりするために送る挨拶状のことです。かつて、お盆期間にはお供え物を持参する習慣がありましたが、時代とともに簡素化されて、暑中見舞いとして手紙のやりとりをするようになったと言われています。
ちなみに、正式には7月7日~8月6日の期間に贈るものを「暑中見舞い」、8月7日~9月6日の期間に贈るものを「残暑見舞い」と呼ぶようです。
保育園でも暑中見舞いを作り、先生や保護者、友だちに送ってみてはいかがでしょうか。
夏らしいデザインのハンコといっしょにかき氷や風鈴などの涼しげなイラストがかいてあれば、もらった相手もよろこんでくれるかもしれませんね。
盆踊りをする
保育園で、子どもたちと盆踊りをしてみるのもよいでしょう。ダンボールにちょうちんやのれんなどの簡単な装飾をしてやぐらを作れば、園内が一気に盆踊り会場の雰囲気になりそうです。
ねじりはちまきを巻いたりはっぴを着たりと、盆踊りの装いをすれば準備完了。やぐらを囲んで輪になり、みんなで音楽をかけて踊りましょう。
盆踊りが演出する一体感に、子どもたちのテンションもあがりそうですね。
お供え物をする
お盆には、あの世とこの世を行き来する乗り物として、きゅうりで作った馬(精霊馬)やなすで作った牛(精霊牛)をお供えする風習があります。
そこで、保育園でもきゅうりやなすを飾ってお盆を過ごしてみましょう。
お供え物の意味は地域によって異なるものの、一般的にはきゅうりで作った馬やなすで作った牛には「早くこの世に帰ってきて、無事にあの世へ戻れますように」という願いが込められています。
きゅうりやなすに、短く切った4本の割り箸を刺せば精霊馬と精霊牛のできあがりです。作り方は簡単なので、遊びや工作の気分で子どもたちといっしょに作ってみましょう。
また、本物のなすやきゅうりを用意するのが難しければ、折り紙の製作遊びをして保育園に飾ってみてもよいですね。
関連動画:折り紙なすの折り方/保育士バンク!
▼夏の幼児向け製作アイデアを知りたい方はこちら
保育園でお盆の意味を伝え、子どもたちと夏の風習に親しもう
今回は、お盆の由来や意味とあわせて、子ども向けに説明する方法や保育園での過ごし方を紹介しました。
お盆とは、仏教の言い伝えを由来として生まれた日本の伝統行事で、一年に一度ご先祖様の霊が帰ってくる期間と言われています。
保育園で行事の意味を伝えるときは、簡単な言葉を用いて説明すると子どもたちが理解しやすいでしょう。また、暑中見舞いをかいたり盆踊りを踊ったりして、遊びのように楽しみながらお盆の風習に触れるのもよいかもしれません。
子どもたちがお盆に親しみをもてるよう、行事の伝え方や保育園での過ごし方を工夫してみてくださいね。
保育士バンク!は、保育士さんの転職をサポートするお仕事紹介サービスです。/p>
「製作や運動遊びを重視した保育園で働いてみたい」「自分らしく働ける園を探してみたい」など転職に関する希望やお悩みがある場合は、登録無料の保育士バンク!にご相談ください!
転職に関する情報収集のみでもOK。楽しい保育環境で働ける求人を見つけませんか?