託児所とは子どもを預かる施設を指しますが、保育園や国の一時保育とどのような点が違うのでしょうか。託児所は夜間保育や短時間の預かりなどの保護者の多様なニーズに対して柔軟に応えられるため、需要の増加が予想されます。今回は、託児所の役割や仕事内容などを紹介します。必要な資格や働くメリット、求人の探し方についてもまとめました。
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託児所とは?
「託児所」とは、一般的に認可外保育施設を指す呼称です。
認可外保育施設とは、児童福祉法に基づく都道府県知事からの認可を受けていない施設のことをいい、「無認可保育園」と呼ばれることもあります。
ただ、「認可外保育施設指導監督基準」という設置規定に基づいて設置されている託児所が ほとんどのため、自由に設置してよいというわけではありません。
開設するには基本的に自治体への届け出が必要であり、条例や設置条件に適合していることなどが求められます。 また、認可保育園よりも設置条件に幅があることからマンションの1室や企業内などで設置可能なため、比較的運営の自由度は高いでしょう。
施設によって夜間保育や短時間保育などが行なわれるなど、保護者の事情に合わせて預けやすいというのが特徴のひとつです。 主に0歳児~6歳児まで子どもたちを預かり、認可保育園と同様、子どもたちのお世話や遊びのサポートなどを行なっています。
託児所は主に4つの種類に分けられます。
一般的な託児所
一般的な託児所は、駅の近くなど利便性の高い立地に設置されている場合が多いでしょう。また、歯科医院や商業施設に併設されているもの、企業内の一室で運営されているものなどもあります。
保護者の利用理由を問わず、用事やリフレッシュなど、柔軟に活用できます。
事業所内託児所
事業所内託児所は、企業の従業員が子どもを預けて働くことができるように企業の事業所内やその近くで運営されている保育施設です。病院のスタッフの子どもたちを預かる「院内保育所」も含まれます。
オフィスに併設されていたり、通勤に便利な場所に設置されていたりするため、比較的小規模な託児所が多いのが特徴です。
ベビーホテル
夜間保育を実施する保育施設をベビーホテルと呼びます。夜の時間帯に預かるため、夕食の提供や入浴の介助、寝かしつけなどを行なうことが特徴です。
仕事などで夜間子どもの面倒を見ることができない保護者から強いニーズがあるでしょう。
認証保育園
東京都が認証した託児所のことです。大都市の多様な保育ニーズに応えるために、都独自の制度としてスタートしました。 13時間以上の開所及び0歳児保育の義務化などが行なわれていることから、子育て世帯が利用しやすいでしょう。
託児所の仕事に興味がある託児所・保育園の違い
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続いて、託児所と保育園の違いを確認していきましょう。
利用方法の違い
託児所は月極制や一時的に預かる施設が多い一方、保育園は年間を通して毎日同じ園に通園する施設がほとんどです。買い物や用事などを済ませたい保護者にとって気軽に利用できるのが託児所でしょう。
施設環境の違い
保育園では100名以上が在籍する大規模園がある一方、託児所は定員数十数名など小規模の園が多いようです。
また、園庭や畑など施設面積が広いのは保育園、駅の近くなど通勤しやすい場所で開園しているのが託児所の特徴といえそうです。
働き方の違い
保育園、託児所ともに、子どもの保育を行なうという点は共通しています。
ただ、保育園は大規模な園も多いことから、大人数の子どもの保育を実施するケースがあるかもしれません。
一方、託児所は小規模の園がほとんどなので、一人ひとりとじっくり関わりながら保育ができることが考えられます。
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託児所・国の一時預かりの違い
続いて、託児所と国の一時預かりの違いを紹介します。 国は、一時的に子どもの養育が難しくなった保護者が子どもを預けられる「一時預かり制度」を実施しています。
預かり場所は自治体が指定した認定こども園や幼稚園、保育所などで、申し込み方法は自治体を通じて行なうことがほとんどです。 託児所と一時預かりの大きな違いに「利用料」が挙げられるでしょう。
一時預かり制度は国が行なう子育て支援対策のため、託児所よりも費用を抑えて子どもを預けることができるでしょう。 ただ、定員に限りがあるため、早めに予約しなければ利用できないケースもあります。
その点、託児所は当日の予約を受け入れている場合が多く、気軽に預けやすいかもしれません。
託児所とは~仕事内容~
ここでは、託児所での勤務について詳しく紹介します。
役割・仕事内容
子どものお世話や遊びの提供などがメインとなります。
小規模な施設が多いため、行事やイベントにかかわる仕事は少ないでしょう。
園の方針や立地状況よっては一斉活動や外遊びなどを行わないケースもあります。
また、乳児を預ける保護者が多い託児所では、抱っこしたりミルクをあげたりと、マンツーマンで関わる場面も多いようです。
必要な資格
多くの認可外保育施設では、保育にかかわる職員のおおむね1/3以上が保育士または看護師資格を持っている必要があります。
無資格OKという求人もありますが、保育士資格もしくは看護師免許があると、転職に有利と言えるでしょう。
託児所とは~求人の探し方~
託児所には、独立型の託児所、商業施設に併設されたキッズルームなど、さまざまな形態の施設の求人があります。
正社員で働く場合の月給は、17万〜20万円程度が相場かもしれません。
託児所はパートやアルバイトの求人も豊富で、施設によっては時給1000円以上という好待遇で働けることもあるようです。
求人を探す際は保育士専門の求人サイトを活用する他、地域のフリーペーパーなどをチェックしてみるとよいでしょう。
また、「kidsルームのスタッフ募集」「歯科受付兼保育士スタッフ募集」などと、勤務先によって記載内容に違いがあるため、ひとつひとつの求人を丁寧に見ることがポイントです。
託児所は小規模な施設が多く、大規模な認可保育園などから転職した方は保育の進め方や運営方針が大きく違うことから、戸惑うこともあるかもしれません。
各託児所で特色が大きく違うことから、まずは求人内容をしっかり確認し、施設のホームページなどで雰囲気をチェックしてみるとよいですね。
なお、保育士バンク!では、施設の内情に詳しいキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートいたします。「託児所で働きたいけれど、どんな施設が自分に合っているかわからない」という方もお気軽にご相談ください。
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託児所の求人を紹介してもらう託児所で働くメリット
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託児所で働いた場合にどのようなメリットがあるのかまとめました。
アットホームな雰囲気の中で働ける
小規模な施設が多い託児所は、アットホームでゆったりとした雰囲気のなか働けるという魅力があります。
子ども一人ひとりと余裕をもって関わることができるため、職員も充実感を感じながら働くことができそうです。また、心にゆとりがあると円満な人間関係を築きやすいというメリットもありますね。
行事や書類作成などの業務が少ない
一時的な預かりがメインとなる託児所では、行事やイベントなどが少ない傾向にあります。
おたよりなどの書類作成がない園も多いでしょう。
行事の準備や書類といった保育以外の業務負担を減らしたい保育士さんにぴったりな勤務先ですね。
いろいろな子どもと接することができる
一時預かりが中心となる託児所では、いろいろな子どもと関わることができるでしょう。
同じ子どもと長い期間をかけて接する保育園とはかかわり方のポイントが異なるため、スキルを伸ばせるかもしれません。
託児所の働き方を 詳しく知りたい 出典:令和元年度認可外保育施設現況取りまとめ/厚生労働省 出典:/こども家庭庁
託児所とは保育士が活躍できる現場!求人に興味を持ったら…
託児所は預かる年齢や利用条件などはある程度柔軟に設定されていることが多く、保護者のニーズに寄り添った保育ができるでしょう。
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