手塩にかけて育ててきた子どもたちがいよいよ卒園してしまう…おそらく、初めての卒園児を送り出す時、保育士の心中では、子どもたちの笑顔や泣き顔が浮かび、喜びや悲しみや後悔や満足感などがグジャグジャに入り乱れていることでしょう。
卒園まであと数日という日々を、心中穏やかに過ごすことはなかなか難しいかもしれませんが、卒園式は子どもたちにとって小学校への新たな門出のための大切な式典です。立派に送り出してあげたいものですね。そこで今回のコラムでは、卒園式を成功させるコツをお届けします。
卒園式当日まで~日頃の保育を実践!
卒園式まであと数日となると、心揺れることも増えてくるでしょう。しかし、ここは保育士がどんと構え、日頃の保育を着実に実践していくことが大切。今一度、見直しておきましょう。
健康管理
子どもを抱っこしたり、一緒に走ったり、保育士は忍耐と体力勝負の職業。保育士が体調不良では、保育がスムーズに進みません。卒園式当日に体調不良ということのないように、健康管理をして体力維持に努めましょう。
日々の活動報告
最後まで日々の活動報告書は抜かりなく仕上げていきましょう。「もう卒園か~…」と感慨に浸るのもいいのですが、事務仕事もしっかりと。
元気に過ごすこと!
子どもたちは、元気で楽しいことが大好き!卒園だからと保育士がメソメソしていてはいけません。
以下の3つのポイントを押さえ保育士が率先して、元気で楽しいことを発信していきましょう。
・いつもステキな笑顔でいますか?
・いつも大きく元気な声が出てますか?
・いつも子どもと楽しく接してますか?
卒園式を迎える前に
成長した子どもたちの姿を、保護者にしっかり見てもらうためにも、修了児・在園児ともに笑顔が溢れるすばらしい式になるよう、前向きな気持ちで準備をがんばりましょう!
在園児には「卒園」の意味をわかりやすく話そう
初めて卒園式を体験する3歳児にとっては、卒園の意味がよくわからず、キョトンとしていたり、友達とおしゃべりをしたりと、退屈して式に集中できない子もいます。
「自分たちが上の組にあがるのと同じように、年長さんは園を卒園して小学1年生になります。」と、なるべくわかりやすく意味を説明するようにしましょう。
たとえ卒園の意味がちゃんと伝わらない場合でも、式の約束事を守って歌を歌ったり、言葉を伝えたりなど、3歳児なりの参加ができるよう心がけるのも大切ですね。
いずれ在園児たちが卒園を迎え、その時になって初めてうれしいような、寂しいような、複雑な心境を経験することになるでしょう。
子どもたちと過ごした経験を、来年度に活かそう
卒園する子どもたちを前にして、「自分はちゃんとこの子たちに十分な保育ができただろうか…」と自信が持てない保育士もいるかもしれません。責任感の強さからそう思うようになったのであれば、それは保育士としての成長の証。
子どもたちと同じように、保育士も日々成長しているのです。毎日、夢中になって子どもたちと向き合っている間は、なかなか振り返る余裕もなく、日々のことで精一杯ですよね。
卒園式をひとつの区切りとして、今までのことを振り返り、整理をしてみることも大事なことです。課題や反省点をノートにまとめて、今年度できなかったことを来年度の目標にしてみましょう。
きちんと記録を残すことで、自分だけでなく後輩ができた時にも役立ちますよ。卒園式は子どもたちの成長だけでなく、保護者であれば親として、保育士であれば保育士としての成長も感じられる特別な1日です。楽しかったことや大変だったこと、いろいろなできごとは一生の思い出です。
卒園式は子どもたち、保育士にとっても門出
卒園式は、子どもたちにとっても保育士にとっても新たな門出です。それまでの成長を卒園式でしっかりと振り返り、新たな世界へと踏み出していく子どもたちの糧となるよう、卒園式をしっかりと執り行うようにしましょう。
また、卒園までの残された日々を子どもたちとじっくり過ごすことによって、より保育園での思い出が濃くなるはず。卒園時期はちょうど風邪などが流行し、体調が崩れやすい時期ですが、体調管理など抜かりなく行い、万全の体勢で卒園式を迎えられるようにしましょう。