保育士さんが思い描く「理想の保育士像」とはどのような姿でしょうか?子どもたちの成長を支える保育士さん、保護者や同僚と信頼関係を築く保育士さんなどさまざまな理想像があるでしょう。本記事では、理想の保育士像の見つけ方や、日々の保育実践のポイントごとに「理想の保育士像」に近づくためのヒントなどを解説します。
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理想の保育士像とは?
就活や転職の面接の際に聞かれたり、採用の際の作文のテーマになったりすることが多い「あなたの理想の保育士像とは?」という問いに、すぐに答えられるでしょうか。なんとなくはイメージできても、自分なりの理想像をしっかり言葉にできる保育士さんは意外と多くないかもしれません。
理想像は保育士の経験や考え方によって異なります。まずは「自分にとって理想の保育士とは何か?」を明確にすることで、就活や転職だけでなく日々の働き方にも大きな影響があるかもしれません。
【理想の保育士像】自分なりの見つけ方
「理想の保育士像」といっても、決まった正解があるわけではありません。100人の保育士さんがいれば100通りの理想の保育士像があるはずです。
ここでは、自分自身の理想の保育士像を見つけていくための考え方とプロセスを見ていきましょう。
具体的なイメージを持つ
まず、自分が保育士としてどのような存在でありたいか、日々の保育の中で子どもたちや保護者とどのように接したいかを考えてみましょう。たとえば、尊敬する先輩や同僚の保育士、養成校の先生などを参考にするのもひとつの手でしょう。
「こんなふうに子どもたちと接したい」「あの先生のように信頼される存在になりたい」と感じるポイントをリストアップしてみましょう。
また、過去に心に残ったエピソードや、自分自身が「この時の自分はよかったな」と感じた体験を振り返ることで、自分が理想とする保育士像が少しずつ見えてくるかもしれません。
日々の実践からヒントを得る
保育の現場では毎日さまざまな出来事が起こり、その一つひとつが自分の成長の糧となります。そのため、日々の業務の中で「自分はどのような保育士になりたいのか」を意識して過ごすことが大切です。
さらに、保育士の仕事は常に新しい発見や挑戦が求められます。多様なニーズを持つ子どもたちの対応や育児の常識・非常識、保護者の働き方などをはじめとした社会情勢などに柔軟に対応し、日々の経験から学び成長することが、理想の保育士像へ近づくポイントとなるかもしれません。
経験による小さな気づきが積み重なることで、理想の保育士像が具体化され、日々の実践が理想像に近づく第一歩になりそうです。
自分の強みと理想像を結びつける
ほかの保育士と比べるのではなく、自分自身の強みを再発見することも理想の保育士像に近づくポイントかもしれません。
たとえば、優しい声かけが得意なら、そのスキルを活かして子どもたちの心をより豊かにする関わり方を意識することができるでしょう。また、観察力に自信があるなら、子ども一人ひとりの小さな変化に気づいて柔軟に対応することができそうです。
自分の得意分野をさらに磨き、それを理想の保育士像に結びつけることで、独自の保育スタイルの確立につなげていけるとよいですね。
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【理想の保育士像】子どもに対する姿勢
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信頼関係を築くためには、日々の積み重ねが大切です。子どもたちは、保育士の言葉や態度から「この人は信頼できる」と感じます。特に、感情を込めたコミュニケーションや個人を尊重する姿勢などが子どもたちにとっての安心感につながるでしょう。
日々のコミュニケーションを大切に
子どもたちとの信頼関係は、毎日の挨拶や声かけから始まります。保育士は、子どもたち一人ひとりの名前を覚えて呼びかけることで、親しみを持ってもらえるようになります。
また、日々の会話の中で、子どもたちの話をしっかりと聞き、共感する姿勢を示すことが大切です。短い時間でも「〇〇ちゃん、昨日の製作は楽しくできたね」などの声かけを通じて、子どもの心を開くきっかけを作りましょう。
一人ひとりの個性を尊重する
子どもたちは一人ひとり異なるペースで成長していきます。保育士として、画一的な対応ではなく、その子どもの個性や興味に合わせた接し方を心がけることが大切でしょう。
たとえば、静かに遊ぶのが好きな子には無理に外遊びを押しつけたりせず、好きな活動を通じて成長をうながすようにするなど、子どもたちが自分らしくいられる環境を整えることで、安心して過ごせる保育環境が提供できるように意識するとよいかもしれません。
理想のほめ方、しかり方
子どもがよい行動や成長がみられる行ないがあった際には、「すごいね」「できたね」だけではなく、「ひとりで準備ができてすごいね」「お友だちに優しくできたね」など、行動そのものを具体的にほめましょう。
一方、しかる際は感情的にならず、「今の行動がどうしてよくなかったのか」「どうすればよかったのか」を伝え、次の行動につながるよう、子どもに考えるヒントを伝えられるとよいでしょう。
いずれの場合も、子ども自身も自分がどう頑張ったのか、なにが評価されたのかを理解でき、しかられる際にも個人を否定するのではなく次につながるような声かけがよいかもしれません。
【理想の保育士像】保護者・同僚との関係
保護者は子どもを預ける際には「この先生なら安心」と思えることが非常に重要といえるでしょう。そのような信頼感をつくるためには、日々のコミュニケーションの中で、保護者に対して誠実な対応を心がけましょう。
基本のコミュニケーション
保護者にとって、子どもを預ける保育士は「安心して信頼できる存在」であることが最も大切です。保護者とのコミュニケーションを通じて信頼を得るためには、誠実な対応を心がけましょう。
保護者の話に耳を傾け、子どもの成長や変化についてしっかりと伝えることで、信頼関係が築かれます。時には保護者の立場に立って考え、柔軟に対応することで、「この先生なら安心だ」と感じてもらえる保育士を目指しましょう。
また、明るく前向きな笑顔を心がけることも、保護者の印象に大きく影響します。
保育士同士のチームワークの向上
保育の現場では、保育士同士の連携がとても重要です。チームワークがうまく取れていると、保育の質が向上し、結果として子どもたちの成長と安全がより確実なものになるはずです。
また、保育士同士が互いにサポートし合うことで、業務の効率も上がり、よりクオリティの高い保育環境が整うことにつながるでしょう。チーム全体が一つの目標に向かって協力することで、保護者からの信頼も厚くなるといった相乗効果も期待できそうです。
先輩・後輩への接し方
職場での人間関係も、理想の保育士像を築くうえで欠かせない要素です。先輩には感謝の気持ちを忘れず、後輩には丁寧に指導しながらサポートをしていく姿勢が大切といえます。
先輩からは経験に基づいた貴重なアドバイスを得ることができ、後輩には自分が培った知識やスキルを伝えることで、職場全体の成長につながります。職場内の雰囲気が良くなることで、子どもたちにもよりよい保育が提供できるようになるでしょう。
【理想の保育士像】自己成長への高い意識
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理想の保育士になるためには、常に自己研鑽が欠かせません。最新の保育知識を取り入れ、現場に活かすことで、より効果的な保育が可能になるでしょう。
情報のアップデートの重要性を知る
近年、保育の現場では保護者の働き方や環境、家族の在り方などの変化にともない保育ニーズも多様化しており、それらに対応するための知識や環境整備が求められることも多いようです。
たとえば、育児に関する最新の情報や発達心理学の知識など、積極的に学び取り入れることで、より深い理解を持って子どもたちに向き合うことができそうです。また、学んだ知識を職場の仲間と共有し合うことで、チーム全体のスキルアップにもつながるでしょう。
学びをすぐ現場に活かす
セミナーや研修で学んだ知識は、時間が経つと忘れてしまいがちです。そのため「これは現場でどう活かせるか?」を常に意識してみましょう。
日々の保育の中で「このやり方は〇〇ちゃんに合うかもしれない」「このクラスではここまでできるようになったから、次の課題としてこの遊びを取り入れてみよう」と考えながら実践する姿勢が成長につながるかもしれません。
また、新しい学びを実践する際には、トライ&エラーの精神も必要でしょう。新しい試みを実施する際は子どもたちに大きな影響が出ないよう、いくつかのプランを用意しておくなども大切かもしれません。
【理想の保育士像】メンタルケアを怠らない
保育士として働く中で、心身の健康は欠かせません。理想の保育士像として、保育現場で子どもたちに笑顔で接することを目指している方はもちろん、これから保育士として長く働きたいと感じている方も、自分の心と身体の調子を整えることはとても大切な仕事の一部と考えてもよいかもしれません。
心身の不調には早めに対応
保育の仕事は、子どもたちに全力で向き合うエネルギーを必要とします。そのため、忙しい日々の中で体調を崩しても「もう少し頑張ろう」と無理をしてしまうことが少なくありません。
しかし、心身の不調を感じたら、できるだけ早めに対処することが大切です。まずは、日々の業務の中で自分自身の体調や心の状態を振り返る時間を意識的に作りましょう。
早めの休息やリフレッシュが、理想的な保育士として仕事を長く続けるための大切な土台となります。
ストレスを溜めない交流を持つ
保育士同士の交流は、メンタルケアの観点からも非常に有効です。保育の現場は時に孤独を感じることもあり、悩みを一人で抱え込んでしまうことがあるかもしれません。そうならないよう、同じ現場で働く仲間と話しあえる関係性がつくれるとよいでしょう。
たとえば、日々の業務の中で感じた不安や悩みを共有するだけで、自分だけではないと安心できることもありそうです。また、他の保育士と意見交換をすることで、新たな視点やアプローチが見つかり、業務効率が向上することもあるかもしれません。
さらに、定期的に職場内でリフレッシュのためのイベントやミーティングを設けると、コミュニケーションが活性化し、職場の雰囲気もよくなるでしょう。こうした交流は、心の負担を和らげ、勤務園において保育士さんの離職率を下げる効果も期待できそうです。
オフタイムの充実でリフレッシュ
保育士の仕事は多忙であり、時にはプライベートの時間を犠牲にしてしまうこともあります。しかし、仕事に全力で向き合うためには、オフタイムを有効に活用し、心と身体をリフレッシュさせることが重要です。
オフの日には、仕事から離れて友人や家族とのコミュニケーションで心を癒したり、趣味や好きなことに没頭する時間を持ったりすることで、精神的な充電ができるよう心がけるとよいでしょう。
たとえば自然の中で散歩をしたり、カフェで読書を楽しんだりすることで、日常のストレスから解放される効果があるようです。また、ヨガやストレッチなどの軽い運動も、リフレッシュ効果が高く、心身のバランスを整えるのに役立つといわれます。
転職の相談をする日々の心がけで理想の保育士像を叶える
理想の保育士を目指すには、まずは自分にとっての理想の保育士とはどんなイメージなのかを明確にしてみましょう。
それからは、自分がイメージした理想の保育士像に向かって、日々の保育や生活のなかで少しずつその存在に近づけるための努力が必要になることもあるでしょう。保育士さんも子どもと同じように、小さな成功体験を積み重ね、自分を肯定しながら成長を楽しんでいきましょう。
日々の保育を通して、子どもたちや保護者から信頼される「理想の保育士像」に近づくことができるとよいですね。
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