児童館は、地域の子どもたちへの健全な遊び場の提供や子育て家庭の育児相談などを行なう重要な施設です。そんな児童館の職員になるにはどのような資格が必要なのかを解説します。また、児童館の先生の仕事内容や2015年に創設された「放課後児童支援員」についてもまとめました。保育園で働く保育士さんとの違いも見てみましょう。
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児童館職員になるにはどんな資格が必要?
児童館とは、地域において児童に健全な遊びを与え、健康の増進や豊かな心の育成を目的とする児童厚生施設です。
2022年10月時点で全国に4301カ所の児童館があり、小規模なものから大型のものまで規模はさまざまです。
主に小学生以上の子どもたちが放課後や長期休みなどに来館し、読書や運動など好きな遊びを楽しむ他、お祭りや交通安全教室などのイベントも開催しています。
また、子育て中のママやパパが利用できる「子育てサロン」を設け、親同士の交流の場や育児相談の機会などを提供し、地域密着型の子育て支援を行なっています。
このように地域の方々の大切な居場所である児童館で働くためには、どのような資格が必要なのでしょうか。
必要な資格や免許
以下の資格や免許を持っている方は児童館の先生として働くことが可能です。
- 保育士資格
- 幼稚園教諭免許
- 放課後児童支援員
- 社会福祉士資格
- 教員免許(小、中、高)
- 子育て支援員
また、下記の要件を満たしている方も児童館職員として働けます。
学校教育法における高等学校を卒業し、児童福祉事業に2年以上従事した経験がある
大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学もしくは体育学を専修する課程を卒業した
なお、上記で紹介した「放課後児童支援員」という資格は、2015年に新しく創設された資格です。どのような資格か詳しく見ていきましょう。
放課後児童支援員とは
放課後児童支援員とは、放課後児童クラブなどの学童保育施設で働く方の専門資格です。
児童館の中には、放課後や長期休みに仕事で忙しい家庭の小学1年生~6年生の子どもたちを預かる「児童クラブ」を設けている施設もあります。
そのため、この放課後児童支援員の資格者を募集する施設が多いでしょう。
放課後児童支援員の資格は以下のいずれかの要件を満たしたうえで、都道府県知事が実施する研修を修得することでなることができます。
- 保育士の資格がある
- 社会福祉士の資格がある
- 幼稚園・小学校・中学校・高校・特別支援学校のいずれかの教員免許がある
- 大学(短大を除く)や大学院で、社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学・体育学のいずれかの専門課程を修了している
- 高卒以上(高卒相当)で、かつ2年以上児童福祉事業に従事した経験がある
- 高卒以上(高卒相当)で、かつ2年以上学童保育に類似する事業に従事し、市区町村長より適当と認められた
- 学歴問わず、学童保育での実務経験が5年以上あり、市区町村長より適当と認められた
(2000時間以上の勤務経験が目安)
資格研修は、講義や演習をあわせて6分野16科目(1科目90分、合計24時間程度)、1回の研修期間は原則として2〜3カ月以内となっています。
上記のように放課後児童支援員は学歴を問わず、研修を受けたうえで資格を取得できます。
そのため、無資格で児童館職員として働き、経験を積んでから放課後児童支援員の資格を手に入れることも可能でしょう。
なお、資格取得の詳細については以下の記事をご覧ください。
児童館職員になるには~仕事内容~
続いて、具体的に児童館職員の仕事内容を見ていきましょう。保育園で働く保育士との違いについても紹介します。
- 遊びを通じた子どもへの指導・見守り
- 子どもの健康・体力増進のサポート
- 活動計画の作成
- 施設の安全・衛生管理
- 子育て相談への対応
来館する子どもの中には、さまざまな事情を抱える中で児童館で過ごす子もいるでしょう。
そういった子どもの心のケアを行ない、頼りになる存在となるのも大切な役目です。
また、家庭や学校との連携を行うなど、地域の中で密接に関わりながら子育てをサポートしていきます。
保育園で働く保育士との違い
一般的な保育園は毎日登園する子どもが決まっており、保育士さんはクラス運営や連絡帳の作成、行事の準備などを行ないます。一方、児童館には毎日違う子どもが来館するため、クラスはもちろん担任業務などはありません。
また、乳幼児から高校生まで幅広い年齢の子どもと接することができるのも児童館ならではの特徴でしょう。
地域のさまざまな施設と連携しながら子育てのサポートをしていくという点も、保育園で働く保育士さんとの違いといえそうです。
児童館職員になるには~給料~
児童館で働く保育士さんの給料は、正社員・パートともに保育園勤務の保育士さんと大差ないようです。
民営の施設であれば正社員で月給20万円、パートで時給950円~1300円が目安といえそうです。地域や施設の規模によって違いがあるでしょう。
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児童館職員になるには~求人の探し方~
児童館で働く保育士さんの求人は、保育園に比べて数が少ないのが現状のようです。
これは、保育園が全国に3万9000施設以上(※2023年5月1日時点)あるのに対し、児童館は全国で約4300カ所と、施設数の少なさが原因として考えられます。
児童館の求人は公営施設が多く、民営の求人がなかなか見つからないということもあるでしょう。
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児童館の求人を紹介してもらう出典:児童館について/こども家庭庁
出典:児童館に係る法令等の規定内容(目的・機能)/こども家庭庁
出典:保育所等関連状況取りまとめ(令和5年4月1日)/厚生労働省
出典:放課後児童支援員に係る都道府県認定研修ガイドライン(案)の概要/厚生労働省
児童館職員になるために資格や仕事内容を確認してみよう
共働き世帯が増加する中、これからも児童館の需要は高まることが予想されます。
児童館の先生になるために資格や仕事内容を確認したうえで、自身が働きたいと思える職場を探してみましょう。
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