夏至とはなにかご存じでしょうか。保育園や幼稚園では、夏至がいつでどんな意味を持つのか、子どもたちに説明することもあるかもしれません。今回は、夏至についてくわしく解説します。意味や夏至にちなんだ食べ物、冬至の違いのほか、子ども向けに簡単にわかりやすく説明する方法もまとめているので参考にしてみてくださいね。
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夏至とは
夏至という言葉は聞いたことがあっても、くわしい意味や内容については知らない場合もあるでしょう。ここでは、夏至とはどのような意味をもつ日なのか紹介します。
夏至の意味
夏至とは、太陽の中心が夏至点を通過し、北半球では一年の中で昼の時間が最も長く、夜の時間が最も短くなる日のことをいいます。
夏至は、日本の旧暦に用いられていた太陰太陽暦で季節を正しく表すために用いられた二十四節気のうちの一つで、10番目にあたる季節です。二十四節気とは1年を太陽の動きに合わせて24等分し、それぞれに季節の名称を割り当てたものとされており、夏至は太陽の黄経が90度に達する日になります。
つまり、正午における太陽の高度が最も高くなり、北半球において昼の時間が最も長い日を夏至と呼ぶのですね。
夏至はいつ?
2024年の夏至は6月21日です。
夏至は毎年6月21日というわけではなく、年によっては1日前後することもあるようです。これは夏至の日が、太陽と地球との位置関係によって決まるためであるといわれています。
夏至は一日だけを指す場合もあれば、期間を指す場合もあります。
期間を指す場合には、次の二十四節気の「小暑」の前日までが夏至となります。
また、夏至は昼の時間が最も長い日であることから日照時間も最も長い日であると勘違いされることが多いようですが、実際は日本では梅雨の時期にあたるため日照時間が最も長くなる日とはいえないそうです。
さらに、夏至は昼の時間が一番長くなることから日の出の時刻が最も早く、日の入りの時刻が最も遅いと思われがちですが、日の出時刻が最も早く、日の入り時刻が最も遅くなるのは夏至の前後1週間といわれています。
夏至の風習にちなんだ食べ物
夏至の日はかつて田植えで忙しい時期であったことから、全国的に決まった食べ物を食べる風習は残りづらかったといわれています。
しかし、田植えが終わると豊作を祈願して食べ物を供えたり、田植え作業の苦労をいたわる習慣があり、地域ごとにさまざまな食べ物を食べる風習が受け継がれたようです。
地方ごとの夏至にちなんだ食べ物を見ていきましょう。
関東地方・奈良県・和歌山県の一部 小麦餅
関東地方や奈良県、和歌山県の一部地域では小麦餅を食べる風習があるといわれています。
小麦餅とは、小麦粉ともち米を混ぜて作ったものです。
この時期に収穫される旬な小麦粉を使った小麦餅を神様に供えて、お米の豊作を祈願したと言い伝えられています。
関西地方 タコ
関西地方、特に大阪ではタコを食べる風習があるといわれています。
これは、「タコの足のように、稲がしっかりと地面に張り付いてほしい」という願いが込められていたことからタコを食べるようになったようです。
香川県 うどん
香川県ではうどんが食べられていたようです。
田植えが終わる半夏生のころは小麦の刈り入れが終わる時期と重なっていたため、田植え作業の労をねぎらうために、収穫したての小麦を使ったうどんがふるまわれていたことに由来するとされています。
福井県 焼き鯖
福井県の大野市では、焼き鯖を食べる風習があるようです。
これは、江戸時代に、厳しい夏を乗り越えようという意味を込めてスタミナがつくとされている鯖が農民に振舞われていたことが由来といわれています。
このように、日本では地方によってさまざまな夏至の食べ物の風習が残っているのですね。
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夏至と冬至の違い
Maki_Japan/stock.adobe.com夏至と冬至にはどのような違いがあるのでしょうか。
そもそも2024年の冬至は12月21日です。冬至とは二十四節気の22番目にあたる季節で、夏至と同様に日にちは決まっておらず12月22日の前後になることが多いようです。
夏至と冬至にはどのような違いがあるのか紹介します。
夏至と冬至では昼夜の長さが逆転している
先ほども述べた通り、夏至は北半球において昼の時間が最も長くなり、夜の時間が最も短くなる日と説明しました。
しかし夏至とは反対に、冬至は北半球では一年の中で昼の長さが最も短くなり、夜の長さが最も長くなる日のことをいいます。
そのため夏至が一年で一番昼の長さが長くなる日であるのに対して、冬至は一年で一番昼の長さが短い日であるという違いがあるのですね。
夏至と冬至には風習の違いがある
夏至には地方によって異なる食べ物を食べる風習がありましたが、冬至の風習にはどのようなものがあるのでしょうか。
まず一つ目に、冬至にはかぼちゃを食べるという風習があります。
これは全国的な風習で、かぼちゃは栄養素が高いとされているため、寒さが厳しい冬の季節に食べることで無病息災を願ったと言われています。
二つ目に、冬至の日には一般的にゆず湯に入る風習があります。
柚子「ゆず」=(融通)と冬至「とうじ」=(湯治)をかけたものといわれていますが、本来は厄除けの意味があったようです。
このように、夏至には全国的に決まった風習はなく、地方によって異なる風習が受け継がれているのに対して、冬至にはかぼちゃを食べることや、ゆず湯に入ることのような全国的な風習があるのですね。
夏至を子ども向けに簡単に説明する方法
子どもたちに夏至とはどんな日なのか聞かれたときに、きちんと説明できるようにしておきたいですよね。ここでは夏至について子どもたちに説明する方法を紹介します。
簡単な言葉に言い換えて説明する
子どもたちに夏至について伝えるときの分かりやすい言い換え例を紹介します。
子どもたちからの質問を想定した簡単な言い換え例を紹介するので、子どもたちに夏至について説明する時の参考にしてみてくださいね。
例文(1)子ども:「夏至ってどんな日?」
先生:「夏至は、一年で一番お外が明るい時間が長い日だよ。」
例文(2)子ども:「夏至はいつなの?」
先生:「夏至は、6月21日になることが多いみたいだよ。」
例文(3)子ども:「夏至の日は何をするの?」
先生:「〇〇(地域)では△△△を食べるんだって」
先生:「お外が明るい時間が長いから、たくさん外遊びをしようね。」
このように、夏至の意味について説明すると難しく感じてしまう子どももいるかもしれないので、「お日さまがいつもより長く出てるよ」などというように簡単な言葉に言い換えて説明すると子どもにも伝わりやすくなりそうです。
視覚的なフォローをしながら説明する
言葉だけでは伝わりづらい場合には、子どもたちが目で見てわかるように夏至について説明しましょう。ここでは、夏至について視覚的に分かりやすく説明する方法を紹介します。
紙皿シアター
夏至について紙皿シアターを使って説明してみましょう。
紙皿を切りぬいて窓を作り、丸い画用紙で昼と夜を半分ずつにすることで、紙皿を回すと1日の景色を楽しむことができる紙皿シアターになります。
これを、夏至にちなんだ紙皿シアターにアレンジしてみましょう。
夏至は昼の時間が一年で最も長くなる日であるので、昼を表す画用紙の面積を大きくし、夜を表す画用紙の面積を小さくするといいかもしれません。
このようにアレンジを加えることで、子どもたちも夏至は昼の時間が長く、夜の時間が短いということが視覚的に理解しやすくなるのではないでしょうか。
この製作は、保育士バンク!で公開している「【工作あそび】くるくるまわる!紙皿シアターを作ってみよう」の動画での作り方を参考に夏至バージョンとして紹介しています。
紙皿シアターの詳しい説明を知りたい方は以下の動画を参考にしてみてくださいね。
ペープサート
夏至にちなんだペープサートを作成して、子どもたちに分かりやすく説明してみましょう。
お日さまやお月さま、子どもなどの登場人物を作り、ペープサートを使って説明してみるといいでしょう。
「いつもよりもお昼の時間が長いからみんなたくさん外遊びができるね」などと説明を加えながら行うと、子どもたちも夏至を身近に感じ、どのようなものか理解しやすくなるかもしれませんね。
夏至とは何かを子どもたちに伝えて、親しみを感じてもらおう
今回は、夏至とは何か、いつ、どのような意味がある日なのかなどを紹介しました。
夏至は、北半球において一年で一番昼の時間が長く、夜の時間が短い日です。
古くは田植えの時期と関連が深かったことから、夏至の時期には地域ごとにさまざまな風習が根付いたのですね。
子どもたちも夏至の意味や地域ごとの文化を知ることで、より夏至というものに親しみを持てるようになるでしょう。
今回紹介した言い換え例や、視覚的なものを使った分かりやすい説明方法を取り入れて、子どもたちにも夏至について理解を深めてもらいたいですね。