保育士さんが転職活動をするうえで重要な面接。自身の人柄を上手にアピールするためには、自己紹介や長所・短所などのよく聞かれる質問例や、回答する際のポイントを押さえておくことが大切です。今回は、保育士の面接で聞かれることや答え方のポイントを紹介します。また、採用試験におけるマナーや持ち物などもまとめました。
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目次
保育士の面接で、採用担当者に見られているところとは?
保育士の採用試験において重要となる面接。
上手く乗り切るためには、採用担当者がどこをチェックしているかを知っておくことが大切でしょう。
新卒・中途採用に関わらず、面接で見られている点は共通しているようです。
採用担当者が、保育士の面接で見ているポイントは以下の通りです。
- 応募者の人柄
- 経験・スキル
- 仕事への熱意
面接時に挨拶やお礼をきちんとしているか、笑顔ではきはきと受け答えしているのかなど、保育士としての適性を確認していることでしょう。
面接の最後に「何か質問はありませんか?」と逆質問の時間を設けることで、応募者の意欲や自園への理解度の深さなどを計っているケースもありそうです。
面接でよく聞かれる質問への対応ポイントを抑えて、自身のよさをアピールできるとよいですね。
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保育士の面接でよく聞かれる質問と回答例
面接でどんな質問をされるのか、不安になる方は多いもの。聞かれやすい質問とともに回答の仕方も知っておけば、リラックスして面接に臨めそうです。
ここでは、保育士の面接でよく聞かれる質問例と回答のポイントを紹介します。
質問例1「自己紹介をしてください」
〇〇〇〇と申します。現在まで△△保育園で6年間働いてまいりました。保育現場のリーダーとしての経験を活かし、貴園で即戦力として活躍できる保育士になりたいと考えています。本日はよろしくお願いいたします。
自己紹介を求められたときは、自身の名前とあわせて今までの経歴を簡潔に伝えましょう。
採用試験に好印象を抱いてもらえるよう、自己紹介は元気よくかつ手短に答えることがポイントです。
質問例2「どうしてこの園を選んだのか教えてください」
貴園の『子ども一人ひとりとのかかわりを大切にする』という運営方針に共感したためです。
前職では全体で100人を超える大規模な園に勤めておりました。1クラスの人数も多く、なるべく全員に目を配るようにしていたものの、どうしても全体を把握しづらい環境で、歯がゆさを感じていました。
貴園は「子どもたちと密接にかかわり個性を尊重し伸ばしていく」という理念のもと、実際に1クラスにつき必ず保育士を2人配置し、1クラスの子どもの人数を少なくして一人ひとりに目が行き届く環境を実現していることを知り魅力を感じました。そのため、子どもたちと近い距離で接し個性を大切にしている貴園で、子どもに寄り添う保育をしていきたいと考えたため志望いたしました。
志望動機を答える際は「どうしてその園で働きたいのか」という具体的な理由を伝えましょう。
「貴園の運営方針に共感している」「自分が所持している〇〇の資格を活かすには貴園しかない」など、園の方針と自身の理想とする保育がマッチしていることをアピールするとよさそうです。
質問例3「なぜ保育士として働くことを選んだのですか?」
保育士を志したのは、子どもの成長をすぐそばで感じたいと思ったからです。
保育士資格を取ってから5年間働いたのち、出産と子育てのために4年間現場を離れていました。子育てをするなかで改めて感じたのは、子どもの成長に対するよろこびでした。同時に、保育士として楽しく働いていた頃の気持ちを再確認することができ、これからも保育に関わっていきたいと強く感じたため保育士として復職することを決意しました。
保育士の仕事を選んだ理由は、面接で聞かれることが多い質問かもしれません。
保育士を目指したいと思った具体的なエピソードがあれば、それについて話すとよいでしょう。
前職での保育士経験の話を織り交ぜ「子どもの成長へのよろこびが仕事をするうえでの糧となった」などとまとめてみるのもよいかもしれませんね。
質問例4「あなたの長所や短所を教えてください」
長所の回答例
私の長所は、子ども全体を見ることができる視野の広さです。
前職で幼児クラスを担当していた際は、子どもたちを広く観察することでケガや事故を起こさないように努めておりました。また、安全面だけでなく、子どもの興味や関心がどこに向いているのかを判断し、適切なタイミングで援助や声かけをすることが大切だと感じています。貴園は園児数が多く、より子どもたちを広く見渡す視野の広さが重要になるため、自身の長所を活かして貴園に貢献できると考えております。
短所の回答例
私の短所は、一つのことに時間をかけすぎてしまうことです。
前職でクラス担任をしていた際、連絡帳の記入やおたより作成に時間がかかっており、時間外の業務が増えてしまいがちでした。また、行事などの準備も細部までやりこんでいたことで、職員全体に迷惑をかけてしまうこともありました。このようなことから、効率的に取り組めるように、業務の中での優先事項を決めて仕事に向き合うようにしています。
長所や短所は面接で聞かれることが多い質問の一つです。この質問では、自身について客観的に理解できているかといった点を問われています。
自身の保育経験と結びつけて、長所を発揮した場面や短所の改善に向けて取り組んでいることを伝えるとよいでしょう。
質問例5「今後、どのような保育士になりたいですか?」
保育士として専門性を高め、自身の得意分野を伸ばしていきたいです。
前職では乳児保育を多く担当していました。乳児とかかわることはとても楽しくやりがいがあったのですが、業務のなかで上司から注意されることも多く、自身の専門性の低さを痛感しました。貴園は乳児保育を専門としているため、貴園に勤めれば保育士として自身のスキルを上げることができると考えました。仕事を通して新たな知識を身につけたり積極的に研修に参加したりして、乳児保育の分野における専門性を備えた保育士になりたいです。
この質問に回答するときは、前職で得た課題を今回の転職でどう解決していくつもりなのかを伝えることがポイントです。
受け答えの際は、前職で感じた課題を具体的なエピソードとともに説明すれば、説得力のある内容になるでしょう。
自分の理想とする保育を実現するためには何をすべきなのかを明確にしたうえで、将来の展望を伝えるとよいかもしれませんね。
質問例6「何か質問はありませんか?」
貴園では〇〇といった保育方針を掲げていますが、これを実現するために具体的にどのようなことを実践していますか?
社内の研修制度を利用したいと考えているのですが、具体的にどのような内容ですか?
保育士としてどのような意識をもって日々の業務に当たっていますか?
「何か質問はありませんか?」という逆質問は、面接の終盤に聞かれることが多いようです。
逆質問では、調べれば分かるようなことや、すでに説明を受けた内容について質問するのは控えましょう。ホームページや求人票に記載されていることを質問すると、「話を聞いていない」「理解が浅い」といったマイナスな印象を与えるおそれがあります。
逆質問は自身の熱意や志望度の高さをアピールできるチャンスであるため、事前に質問したいことをいくつかピックアップしておくとよいですね。具体的な対応方法を知りたい方はこちら。
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保育士の面接で退職理由を質問されたら
面接では前職を辞めた理由を聞かれることもあるでしょう。
退職理由を伝える際は、後ろ向きな理由をそのまま伝えるのではなく、ポジティブに言い換えることがポイントです。そうすることで、採用担当者に前向きな印象を与えやすくなるでしょう。
では、退職理由をポジティブな内容に言い換える例を紹介します。
退職理由1「人間関係がうまく行かなかったから」
前職を辞めた理由は、風通しのよい職場で働きたいと思ったからです。以前の職場は、職員会議で若手の意見が採用されづらい環境があり、積極的に発言しにくいという現状がありました。一方で貴園は若手の意見も保育に反映し、普段から意見交換しやすい環境を作っているとホームページで拝見しました。職場の風通しがよく、日々の保育業務を改善していける環境で働きたいと思い、貴園への転職を決めました。
保育園も、一般企業と同様に応募者の「コミュニケーション能力」が重要視されるでしょう。
そのため、人間関係を退職理由として伝えると、職員と円滑なコミュニケーションを取ることが難しい人であると判断されてしまうかもしれません。
人間関係が理由で退職した場合は「人間関係をよくするためにこういう努力をしたが、力不足で改善できませんでした。自分はこうなりたいから転職を決意しました。」という形で、ポジティブに言い換えるとよいですね。
退職理由2「給料が低いから」
転職の理由は、自身の頑張りを適切に評価してくれる園で働きたいと感じたからです。前職では、専門性を高めるキャリアアップ制度や、業務効率を可視化する評価制度が導入されていませんでした。貴園はキャリアアップ制度を整備しているとともに、研修や月間表彰など業務改善を積極的に進めるための評価制度を設けていると聞きました。貴園ならば自分の頑張りが適切に評価されている実感を持ちながら働けると感じ、転職を決めました。
よく挙げられる転職理由の一つに、給料の問題があります。
例えば給料面に不満があったとしても、給料や条件のみで園を選んでいるという印象を与えかねないため、ストレートに伝えることは控えましょう。
「自分の能力や技術がしっかりと評価され、給与にも反映される制度を導入しているこの保育園で働きたい」と変換すれば、条件だけで園選びをしている印象を与えにくくなりそうですね。
退職理由3「体を壊したから」
前職を辞めた理由は、体調を崩したためです。半年間の療養を経て、現在は医師からも問題なく働くことができるとの診断も受けております。
また、体調管理は仕事の一部だと実感した経験を踏まえて、生活習慣を見直しました。食生活では肉・魚だけでなく、野菜を汁物やサラダなどで摂るようにし、休日には友人とサイクリングや登山に出掛けて定期的な運動にも取り組んでいます。体調を崩したことで自己管理を徹底するようになり、むしろよいきっかけになったと思います。
保育士は体力勝負の仕事でもあるため、健康面は重要でしょう。
もし体調を崩して退職したのであれば、「きちんと治療して完治し、問題なく働ける」ということをしっかり伝えることが大切です。
退職理由の言い換え方のポイントをしっかり押さえておき、好印象を残す受け答えができるとよいですね。面接時のマナーについての詳しい内容はこちら。
【場面別】保育士の面接を受けるうえでのポイント
では、面接を受けるにあたって保育士さんはどのようなポイントを押さえておくとよいのでしょうか。
面接前
園のホームページや求人票をチェックする
ホームページや求人票には、園の理念や求める人物像、保育内容の特徴など面接の際に話のきっかけになるような情報が多く掲載されてるため、必ずチェックしておきましょう。
園見学に参加する
園見学に参加して、園や職員の雰囲気、実際の保育のあり方などについて情報収集するのも重要です。園見学に行って感じたことやエピソードは面接の際に活かせるため、積極的に参加してみましょう。
面接中
笑顔ではきはきと受け答えをする
採用試験の面接では、笑顔で元気よく話すよう心がけましょう。
「保育士の仕事に向いている人材である」と評価してもらうためにも、人柄の明るさや快活な様子をアピールできるとよいですね。
質問に対して簡潔に答える
質問に対して答えるときは、まず結論を伝えましょう。また、何を話したいのかがきちんと伝わるよう、回答を簡潔にまとめることもポイントです。
質問内容によっては、具体的なエピソードを求められるかもしれません。
その場合ははじめに理由や結論などを話し、「なぜなら~」といった形で補足するようにエピソードを盛り込みましょう。
エピソードを説明する際は、どのような場面でどういう行動をしたのか、という点に絞ると簡潔に伝わりやすくなりそうですね。
面接対策の相談に乗ってもらう
保育士の面接で注意すべきマナー
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面接には5分〜10分前を目安に面接会場に到着しましょう。
時間を守ることは社会人としての基本です。
遅刻してしまうと採用の評価に影響が出る可能性もあるため、必ず時間は守りましょう。
また、入室時や退出時のマナーを確認しておくことも大切です。
入室時
1.部屋へ入室するよう言われたら必ず3回ノックし、「どうぞ」と言われたら「失礼します」と言って入室します。
2.採用担当者の前に立ち「○○と申します。本日はよろしくお願いします。」と言って一礼します。着席をうながされてから「失礼します」と言って座りましょう。
退室時
1.面接が終了したら、椅子に座ったまま「本日はお時間を頂き、ありがとうございました。」とお礼を述べて席を立ちます。
2.椅子の横で一礼をしてから、ドアの前に立ち面接官の方を向いて「失礼します」と言い、再度お辞儀をします。
入退室時は、ドアに両手を添えて音を立てないようにゆっくりと開け閉めしましょう。
【服装・持ち物】保育士の面接における身だしなみのポイント
面接では、好印象を与えられるような身だしなみを心がけしましょう。
スーツ
面接時の服装は、以下が望ましいでしょう。
- スーツ
- 革靴やパンプス
正社員のみならずパートやアルバイトの面接でも、基本的にはスーツが好ましいようです。
もし私服が指定されている場合は、カジュアルすぎるTシャツやジーンズなどを避け、襟がついてるシャツやブラウスを着用するとよいでしょう。
髪型・化粧
保育士の面接では、清潔感とともに快活な印象を与えられる髪型を意識しましょう。
【女性】
- 長い髪は後ろで一つに結ぶ
- 前髪は分けるかピンでとめる
- ナチュラルメイク
【男性】
- 整髪料で整える
- おでこを出す
園によっては明るい髪色でも問題ない場合もあるかもしれませんが、心配な方は落ち着いた色にしておくとよいでしょう。
当日の持ち物
面接当日の持ち物として、以下が挙げられるでしょう。
- かばん
- クリアファイル
- 履歴書(当日持参の場合)
- 職務経歴書(当日持参の場合)
- 保育士資格証(当日持参の場合)
- 筆記用具
- メモ帳
- 印鑑
保育士の面接では、ビジネス用のかばんを持参するのが基本です。
A4サイズの書類が入る大きさのものだと使い勝手がよいでしょう。
もらった資料や書類を入れられるようなクリアファイルがあると、かばんの中が散らからずにすっきりと持ち運びできそうです。面接時の服装についてはこちら。
保育士の面接のポイントを押さえて、スムーズに転職活動を進めよう
面接では採用担当者に見られているポイントを意識しながら、社会人としての基本的なマナーやはきはきとした受け答えを心がけて、対応することが大切ですね。
ただ「面接への応対が不安…」「きちんと質問に答えられるかな」と悩みを抱く保育士さんもいるでしょう。そんなときは保育士バンク!にご相談ください。
保育士業界に精通した専属のアドバイザーがあなたの転職をサポートいたします。履歴書の書き方や面接への対応法などのお悩みをお聞かせくださいね。
なお、保育士資格を活かせる仕事や保育士から転職しやすい異業種の仕事に興味があるという方は以下の記事を参考にするとよいでしょう。