近年、共働き世帯の増加にともない、地域での子育て支援が課題となっているようです。保育園でも、子どもたちと地域の人々が交流する「地域交流」をどのように行なえばよいのか考えることがあるでしょう。本記事では、保育における地域交流のねらいや、導入する際のポイントなどをわかりやすく解説します。
silakan / stock.adobe.com
保育における地域交流の具体的な実践例
保育園で行なわれている地域交流とは、保育の一環として子どもたちが地域の大人とふれ合う機会を持つことです。
子どもたちは、地域の人々と関わりを持つことで、さまざまな文化や地域独自の特色に触れ、地域社会とのつながりを実感することができるでしょう。
まずは、保育園で地域交流を実践できる具体的な例を挙げてみました。
行事に参加する・招待する
地域で開催されるお祭りやイベントに参加し、地域の伝統や文化に親しむ機会を作りましょう。
・お祭りに向けた準備をする
・パレードに参加する
・イベントの司会をする
・ゲームや工作を楽しむ
・運動会や発表会に地域住民を招待する
・歌やダンスを発表する
地域のお年寄りと交流する
敬老の日などに老人ホームなどの施設を訪問し、子どもたちと高齢者にとって無理なく楽しめるよう配慮しながら交流の場を持ちましょう。
・伝統文化を教わる
・日本に伝わる昔話を聞く
・歌や手遊びを披露する
・手作りのプレゼントを渡す
地域の農家と連携する
地元の農家と連携することで、自然の大切さを学ぶことができるでしょう。
・収穫した野菜を使って調理する
地域の施設を見学する
地域の施設を見学することで、地域の安全や文化に関心を持つきっかけになるでしょう。
・工場見学で仕事に興味を持つ
・資料館で地域の歴史について学ぶ
・消防署を見学して火災予防について学ぶ
地域の清掃活動に参加する
地域の環境を美化する活動に参加することで、環境保護の大切さを知るでしょう。
・清掃活動に参加する
・ゴミ拾い運動を行なう
保育園で地域交流を行なうねらい
Iigo / stock.adobe.com
保育園で地域交流を行なうことで、子どもにとって多くのメリットが期待できるでしょう。
ここでは、保育園で地域交流を行なうねらいについてまとめました。
子どもたちの成長を促進する
地域の人々と関わりを持つことで、 コミュニケーションや礼儀について学ぶことができるでしょう。
たとえば、地域の高齢者の話に耳を傾けることで、大人を敬う心の育成が期待できそうです。
また、地域の清掃活動に参加することで、自分たちの手で地域をきれいにできたことに対する達成感を得ることができ、地域貢献の喜びを味わえるかもしれません。
実体験を通して学習する機会を設ける
例えば、地元の農家を訪問して農作業を実際に体験することで、 食の大切さや自然との関わりを学ぶことができる機会につながるでしょう。
地域の警察署や消防署を訪問することを通しては、警察官や消防官の方より専門的な知識や対策方法を学ぶことができるので、子どもたちの安全意識の向上が期待できそうです。
また、施設見学では地域の文化を知ることができ、異文化交流イベントに参加することでは外国出身の住民と交わりながら異文化に触れられるなど、子どもたちは園内では経験できない実体験を通してあらゆる文化について学ぶことができるでしょう。
地域への理解が深まる
地域活動に参加することで、子どもたちは地域の一員であることを実感することができ、 地域の一員としての意識を高められるでしょう。
たとえば地元のお祭りに参加することで、地域の伝統や文化にふれて子どもたちの地域に対する理解が深まり、地元への愛着心が育まれるかもしれません。
子育て支援を充実させる
保護者と連携して地域活動を行うことで、 保護者との信頼関係が深まることも期待できそうです。
地域イベントに親子で参加して地域の方と一緒に楽しむことで、家庭と保育園の連携が強化されるかもしれません。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
在宅ワークで保育士資格を活かせる仕事とは?自宅でできる保育関係の仕事を徹底解説
通勤時間なく働ける在宅ワークをしたいと考えても「保育士は無理なんじゃないか……」とあきらめている方はいませんか?保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど、保育士の経験や資格を活かして自宅でで...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
保育に地域交流を導入するポイント
apiox / stock.adobe.com
地域交流の機会を通して子どもたちが豊かな経験を積むことができるように、導入する際のポイントをおさえておきましょう。
余裕を持って事前準備を進める
保育士さんは、地域交流で行なう内容を踏まえ、近郊にある施設や開催されるイベント内容などを前もって調査することが大切です。
余裕を持ったスケジュールで進められれば、子どももいっしょに準備を整えながら当日を楽しみに迎えられるかもしれません。
子どもたちの興味と関心を尊重する
子どもたちが興味を持って参加できるような活動を選定しましょう。
たとえば、子どもに親しみのあるキャラクターを活用したり、好きな動物や乗り物に触れる内容を盛り込んだりと工夫することで、子どもが積極的に参加しようと思えるかもしれません。
子どもたちの安全面に配慮する
地域交流の活動を実施する前に、あらかじめ子どもたちにとって危険を及ぼす要因がないかを確認することが大切です。
活動場所や移動手段の安全確認を行ない、緊急時の連絡方法を共有しておくなど、安全管理を徹底しておきましょう。
地域と継続的に関係を築く
地域交流は 一度限りで終わりにせず、継続的に地域との関係を築けるよう配慮しましょう。
地域との交わりの場を定期的に設けることで、保育園の子どもと地域の方との関係を深めることにつながります。
フィードバックを行なう
地域交流の活動を終えたあとは、子どもたちから感想を聞いたり保護者や地域の方から意見を集めたりし、次回の活動に活かしましょう。
改善点を把握し、今後の地域交流の機会をより良くしようとする意識を持つことが大切です。
ねらいをおさえて保育園で行なう地域交流の機会を大切にしよう
保育園で地域交流を行なうことにより、地域の文化に触れたり実体験を通して学習できたりと、子どもたちの大きな成長につながりそうです。
また、地域交流を通して、地域から保育園への理解を得られることも期待できます。
子どもたちが自主的に参加できるよう配慮しつつ、積極的に地域交流の場を設け、地域全体で子どもたちを温かく見守る空気感が生まれるとよいですね。
保育士バンク!では、保育士さんに向けた情報を発信するほか、保育士資格をいかせる仕事を紹介するサポートも行なっています。
・はじめての就職・転職で不安
・もっと自分の理想とする職場で働きたい
・一人ひとりに寄り添える保育園で働きたい
など、仕事についてお悩みの方は、ぜひ保育士バンク!にご希望をお聞かせくださいね。