子どもたちの感性や表現力を育むなどの効果が期待できる「造形活動」。お絵描きや粘土遊び、折り紙などがその代表的な例でしょう。さまざまな活動を取り入れて充実した時間を設定できるとよいですね。今回は、保育園で楽しめる造形活動のアイデアや保育のねらいについて詳しく紹介します。
maroke / stock.adobe.com
造形活動とは
造形活動とは、異質なものを組み合わせて新しいものを作り上げることを意味します。
保育園では「造形遊び」とも呼ばれ、絵を描いたり製作をしたりとさまざまな手法が取り入れられています。
保育園で造形活動を楽しむねらいは以下の通りです。
創造力や表現力を育む
造形活動は子どもたちの表現力や想像力を育てるための重要な手段のひとつです。絵を描いたり粘土を使って形を作ったりすることで、子どもたちは自分の感情や考えを表現する練習になるでしょう。
手や指先を使う練習になる
造形活動の中には細かい作業が必要になる場面があります。そのため、子どもたちが手や指を動かすよい機会になるでしょう。
また、手や指先を動かすことで脳が刺激され、運動能力や言語能力の発達によい効果があるといわれています。
社会性・協調性を養う
造形活動は子ども個々に取り組む活動もあれば、グループでひとつの作品を作りあげるものがあります。
子どもたちが協力し合ったりアイデアを共有したりする機会があることで、社会性やコミュニケーション能力が育まれます。
このように造形活動を保育に取り入れると、子どもたちのさまざまな能力を育むことができるでしょう。
子どもたちが充実した園生活を送れるよう、保育園で多様な造形活動を取り入れていきましょう。
保育園で楽しめる造形活動のアイデアを紹介します。
【保育園の造形活動】お絵描き
画用紙に絵を描いたり色を塗ったりすると、子どもたちの感情や表現力を育むことができるでしょう。
お絵描きは0歳児から取り入れることができる遊びで、さまざまな手法があります。さまざまな方法と取り入れてみましょう。
お絵描きのアイデアを紹介します。
指スタンプ
用意するもの
- 画用紙(ピンク/黄色各1枚)
- 絵の具(好きな色)
- のり
ポイント
子どもが色づけを楽しめるように、少し大きめの画用紙を用意しておくとよさそうです。
0歳児クラスでは保育士さんが手を添えてサポートしましょう。
吹き絵
用意するもの
- ストロー(1本)
- 画用紙(白色1枚)
- 工作用紙(新聞紙でも可)
- 絵の具
- 筆
ポイント
さまざまな方向からストローで息を吹き替えると面白い模様ができあがるでしょう。
活動を通して色が混ざり合ったり形が変わったりする様子を楽しめるため、作品を作る面白さを伝えることができそうです。(詳しい作り方はこちら)
【保育園の造形活動】粘土遊び
子どもたちが粘土をさわったり形を作ったりすることで、想像力を養い手の指先の運動能力を育むことにつながるでしょう。
粘土はやわらかく、子どもの手で扱いやすい素材のため、さまざまな形や動物、食べ物などを作って遊ぶことができます。
粘土遊びのアイデアは以下の通りです。
ケーキ
用意するもの
- 紙粘土
- ボールなどの入れ物
- ゴム手袋
- 水
- ホイップの袋
- ゴムベラ
- 牛乳パック
- はさみ
- ビーズなどの飾りつけができるもの
- 絵の具
ポイント
紙粘土をホイップクリームに見立て、ケーキのデコレーションを楽しみましょう。
事前に保育士さんがホイップクリームを作って袋に入れておくとよさそうです。完成後、お店屋さんごっこやおままごとなどのごっこ遊びのアイテムに加えると盛り上がりそうです。(詳しい作り方はこちら)
ペン立て
用意するもの
- 空き瓶
- 麻紐(瓶全体を巻き付けられる量)
- おはじき
- ストーンシール、ジュエリーシールなど
- 紙粘土
- リボン(ビンの直径より10cm~15cmほど長いもの)
- ボンド
ポイント
簡単な工程なので3歳児クラスから楽しめそうです。
事前にデコレーションの材料を箱に入れて分類しておくと使いやすいでしょう。(詳しい作り方はこちら)
【保育園の造形活動】折り紙
折り紙は作品の完成に向けて細かな作業が必要なため、指の動きを練習するよい機会になります。
工程通りに折り進め、完成したときは達成感を味わうことができそうですね。
折り紙のアイデアは以下の通りです。
いぬ・ねこ
用意するもの
- 折り紙(好きな色2枚)
- 鉛筆
ポイント
工程が簡単なので、初めて折り紙を楽しむ2歳児・3歳児クラスから取り入れることができそうです。
低年齢のクラスで取り入れる場合は鉛筆を使って顔を書くことが難しいため、シールを貼るなど簡単な工程に変更しましょう。(詳しい作り方はこちら)
金魚
用意するもの
- 折り紙(赤やオレンジなど1枚)
- はさみ
ポイント
少し工程が難しい折り紙なので、4歳児・5歳児クラスで取り入れるとよさそうです。
完成後は、壁面に飾ったり縁日ごっこの金魚すくいのアイテムにしたりと楽しんでみてくださいね。
その他の折り紙のアイデアはこちらをご覧ください。
【保育園の造形活動】コラージュ
コラージュとは、写真と布や紙などのさまざまな素材を組み合わせて作品を作る技法です。
活動に取り入れると、素材を組み合わせる楽しさやイメージを膨らませて作品を作る面白さを伝えられそうです。
コラージュの製作アイデアを紹介します。
フォトフレーム
用意するもの
- ダンボール(16cm×12cm 2枚)
- 色画用紙(16cm×12cm、12cm×8cm 各1枚)
- 装飾アイテム(デコレーションリボン、モールなど)
- 接着剤
- はさみ
- カッター
- 定規
- 写真(L版)
ポイント
子どもに自宅からお気に入りの写真を持ってきてもらい、フォトフレームを作って保育室に飾ってみましょう。
枝やどんぐり、まつぼっくりなどの自然物を装飾のアイテムに加えるのもよさそうです。自由にデコレーションしてもらうことでオリジナリティー溢れる作品に仕上がりますね。(詳しい作り方はこちら)
メダル
用意するもの
- 紙コップ
- リボン
- 写真
- 鉛筆
- はさみ
- ペン
ポイント
紙コップの形を利用して、メダル作りを楽しみましょう。
鉛筆を使って紙コップに丸みをつける工程は、指先を器用に動かす必要があるので、子どもたちの様子を見ながらサポートしましょう。
装飾時にマスキングテープやシールを貼ると、かわいらしい仕上がりになりそうですね。(詳しい作り方はこちら)
保育園でさまざまな造形活動を取り入れよう
子どもたちは、造形活動を通してオリジナリティー溢れる作品を作り上げることでしょう。
保育士さんは様子を見ながら作品の作り方を提案したり見守ったりしながら、子どもたちの創造力や表現力、自主性が育まれるようにサポートできるとよいですね。
なお、保育士バンクでは年齢別の遊びネタや行事ネタなどを配信中です!
保育士さんの転職もサポートも実施しているので、「もっと製作遊びに力を入れている園に転職したい」などの希望がありましたらご相談ください。
あなたがやりがいをもって働ける職場をいっしょに探していきましょう。