障がい児を受け入れる保育所は年々増加傾向にあります。日々変化するニーズに対応するためには、継続的な学びが欠かせません。障がい児を支援するために研修に参加し、専門的な知識と技術の向上を考える保育士さんもいるでしょう。今回は、障がい児保育の研修について徹底解説します。研修の種類や選び方、効果的な受講方法などをまとめました。
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障がい児保育とは
障がい児保育とは、障がいのある子どもに必要なサポートや支援をしながら保育することをいいます。主に保育所や児童発達支援施設などで行なわれています。
厚生労働省の資料によれば、障がい児を受け入れる保育所や障がい児の人数は以下のように年々増加傾向にあります。
<障がい児受け入れ保育所数及び受け入れ児童数>
このような状況に伴い、障がい児を担当する保育士も増加しています。
よりよい保育サービスを提供するために専門的な技術やスキルが必要になるため、研修への参加を考える保育士さんもいるのではないでしょうか。
障がい児保育に関する研修に参加することは、保育士が障がい児に適切なケアと教育を提供するために重要な機会になります。さまざまな種類があるため、まずはその内容を把握したうえで、参加を考えてみましょう。
【障がい児保育】研修の種類
障がい児保育についての研修にもいくつかの種類があります。
詳しく見ていきましょう。
大学や団体、民間企業が提供する研修
研修には、大学や団体、民間企業が提供するものがあります。
障がい児保育を行なう人材の育成を目的として、以下のような内容で実施されています。
基礎研修:障がい児保育に関する基本的な知識とスキルを学ぶ
専門研修:特定の障がいや支援方法に関する専門的な知識を学ぶ
実践研修:実際の支援場面を想定した実践的なスキルを磨く
オンラインで受講可能な場合や対面で実践的に学べる場合など、受講形式は研修によってさまざまです。
また、受講にかかる費用も研修によって異なり、無料で受講できるものもあります。有料の場合は、より実践的なプログラムを受けられるようになっていることが多いようです。全15講座を約3万円程度で受講できるなど、講座数や料金が研修によってまちまちです。
提供する大学や企業によって研修の内容に違いがあるため、どのようなプログラムがあるのかを確認するとよいでしょう。
また、無料の研修の中には一度きりの講座が多いのですが、実際に障がい児保育に取り組む保育士さんの体験談や対応事例を紹介するセミナーがあるようです。オンライン上で視聴できるものもあるので、隙間時間などに受講してみるとよさそうです。
厚生労働省が定めたキャリアアップ研修
保育士等キャリアアップ研修は、厚生労働省が定めた保育士の専門知識と技術の向上、キャリアアップを目指す研修です。
研修には乳児保育や幼児教育などさまざまな分野があり、障がい児保育も含まれています。
受講費はかかりませんが、テキスト代は自己負担となります。
保育士の経験年数3年以上のリーダー的な役割を担う役職者が対象です。要件を満たしたうえで所定の研修を受講することで、処遇改善を受けられる仕組みです。
研修の実施場所は各都道府県によって異なりますが、近年はオンラインでの受講が増えているようです。
障がい児保育に関する研修の内容は以下の通りです。
- 障がいの理解
- 障がい児保育の環境
- 障がい児の発達の援助
- 家庭及び関係機関との連携
- 障がい児保育の指導計画、記録及び評価
15時間以上の受講が必要で、レポートの提出などがあります。
研修への参加要件を満たす方は各都道府県の実施内容をチェックするとよいでしょう。
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【障がい児保育】研修選びのポイント
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研修の種類がわかったところで、研修を選ぶ際に意識しておきたいポイントをおさえておきましょう。以下にまとめました。
- 目的:研修を通して何を学びたいのか明確にする
- 内容:研修内容が自分のニーズに合致しているか確認する
- 講師:講師の経歴や専門性を確認する
- 開催形式:対面形式、オンライン形式など、自分に合った形式を選ぶ
- 費用:研修費用を確認する
仕事をしながら研修を受けたいという方は、オンライン形式の研修が向いているかもしれません。
オンライン上で無料の講演やセミナーが開催される場合も多いので、情報をこまめにチェックすることが重要です。
また、障がいには「自閉症スペクトラム症」「注意欠陥・多動性障がい」「学習障がい」などさまざまな種類があります。例えば、自閉症傾向にある子どもを担当する保育士さんは、自閉症の児童に対する専門的な対応方法を知りたいと考えるかもしれません。
その場合は研修に参加することも必要ですが、加えてその子が通所している児童発達支援施設や病院などと連携することも大切です。具体的な対応法について、直接アドバイスを受けられるでしょう。
【障がい児保育】研修受講のポイント
参加する研修が決まったら、効果的な受講に向けて以下の点に注意しましょう。
事前準備を行なう
研修内容を事前に理解しておき、しっかり準備しておきましょう。
必要なテキストや文具を用意して当日に備えることが大切です。
テキストを読み込んだりまとめたりして予習をしておくとよいでしょう。
積極的に取り組む
研修は障がい児保育を専門的に学べるチャンスです。
積極的に参加し、質問をしたり意見を述べたりしましょう。
また、研修時は多くの保育士さんと出会える可能性があります。意見交換を行ない、お互いがスキルアップできるような関係を作れるとよいですね。
研修内容を復習し、実践する
研修で学んだ内容を復習し、保育現場に活かしていきましょう。
学んだ内容を活かしきれず、悩むことがあるかもしれません。その際は講師に質問したりいっしょに受講した保育士さんに相談したりしながら、さまざまな支援方法を試していくことが大切です。
学んだ通りに対応できなくても落ち込まず、受講内容を基礎として障がい児保育の経験を積んでいきましょう。
また、研修の選択肢を広げるために定期的に最新の研修情報を収集し、自分に最適な研修を見つけ、繰り返し学んでいくことも大切ですね。
出典:保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ/厚生労働省
障がい児保育の研修に参加して専門的な知識や技術の向上を目指そう
障がい児保育の研修は多数行なわれています。
自身が求めている研修を見つけるためには、情報収集が欠かせません。
研修に参加し、障がい児への理解をより深めたいと考え「児童発達支援管理責任者(児発官)」「児童発達支援士」といった障がい児保育のスペシャリストを目指すというキャリアを選ぶこともできるでしょう。
なお、児童発達支援管理責任者の概要についてはこちらの記事をご覧ください
障がい児保育に関する学びを通して、自身のキャリアアップについても考えてみるとよいでしょう。
保育士バンク!では、障がい児保育の概要や療育に使える遊びの情報も発信しています。
保育士さんの転職のサポートもしているため「保育士資格を活かして児童発達支援施設で働きたい」などの希望がありましたら、お気軽にご相談ください。あなたがやりがいをもって働ける職場をいっしょに探していきましょう。
障がい児保育施設に興味がある