認定こども園法は日本の子育て問題の解決のために制定されました。この記事では、認定こども園法についてや、幼保連携型認定こども園と保育園、幼稚園の違いなどを紹介します。認定こども園は幼稚園の教育と保育園の保育を兼ね備えた、現代の家庭のニーズに合わせた施設です。
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目次
認定こども園法とは?
認定こども園法の制定目的や内容について調べてみました。
認定こども園法制定の目的
認定こども園法の正式名称は、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」です。また、認定こども園法は少子化や待機児童、子育て家庭の孤立化の課題を解決するために制定されました。
第一条で唱えられている認定こども園法の目的について簡単に解説してみると、急速な少子化と家庭や地域の環境によるさまざまな保育ニーズに応え、子どもに対する教育や保育、保護者に対する子育て支援の総合的な提供を推進する手助けをし、子どもが元気よく成長できる手助けをするという内容になっています。
出典:就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律/文部科学省
認定こども園法が定めるもの
認定こども園法では、幼保連携型認定こども園以外の施設を認定するときの条件や、子どもの成長像を軸に保育に教育を交えることなどが定められています。また、認定こども園の情報を自治体のHPなどで周知させる義務があるということも同時に定められています。
出典:就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律/文部科学省
認定こども園と保育園・幼稚園の違い
認定こども園と保育園、幼稚園の違いは主に、管轄や資格の有無、子どもの対象年齢です。認定こども園の管轄は内閣府、保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省となっています。
また、認定こども園での先生は保育教諭と呼ばれ、基本的に保育士資格と幼稚園教諭の両方を取得しておくことを推奨されています。認定こども園は0歳児から5歳児を対象をしており、保育の観点と幼稚園教育を織り交ぜている施設です。
認定こども園法の改正について
平成24年8月の認定こども園法の改正により以下のような内容で変更が行われました。
・幼児期の教育と保育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることと目的を改正
・幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の充実
・幼保連携型認定こども園の体制や認可の位置づけ
・保育教諭に関する資格取得の特例制度の設置
これらにより、認定こども園の充実が図られました。
特に、それぞれの法体系に基づいていた指導監督の一本化と財政措置が施設給付型になり、保育園と幼稚園の機能が一体化した幼保連携型認定こども園が創設されたことは、大きな変化であるといえるでしょう。
出典:幼保連携型認定こども園、幼稚園型認定こども園/文部科学省
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認定こども園法と保育所保育指針・幼稚園教育要領の違い
認定こども園法と保育所保育指針・幼稚園教育要領の違いは、そもそも認定こども園法は「法律」であり、保育所保育指針と幼稚園教育要領は保育をするにあたって、より具体的な指針となるものであることです。
認定こども園法では、幼保連携型認定こども園の目的や認可基準などが主な内容となっています。一方、保育所保育指針では、保育のガイドラインとして、年齢ごとの保育の内容などが中心となっており、幼稚園教育要領では、教育課程におけるねらいやその内容が中心となっています。
認定こども園法と保育所保育指針・幼稚園教育要領では、そもそもの用途が異なりますが、認定子ども園法で定める「幼保連携型認定こども園」にも、同じように具体的な指針となる「幼保連携型認定こども園教育要領」が存在します。幼保連携型認定こども園教育要領では、教育と保育が一体的に行われるよう、幼稚園教育要領と保育所保育指針との整合性が重視されています。
また、幼稚園教育要領や保育所保育指針に示されていることを基に、教育課程やその他の教育、保育の内容の基準を示すもののようです。
幼稚園教育要領や保育所保育指針と内容は大きく異なりませんが、幼保連携型認定子ども園として、多様な保育のニーズに応え子育て支援をすることなどが、特に配慮すべき点として明示されています。
認定こども園法における保育教諭の位置づけ
ここでは内閣府が提示する保育教諭の位置づけや役割を解説します。
保育教諭とは。資格取得の方法と特例制度
保育教諭とは、幼保連携型認定こども園において配置している保育士資格と幼稚園教諭免許どちらも持っている者のことを言います。また、認定こども園法では、幼保連携型認定こども園には保育士資格と幼稚園教諭免許を併有している保育教諭を配置しなければならないと定められてます。
しかし、令和6年度末までは経過措置により、保育士資格か幼稚園教諭免許のいずれかの資格しか持っていなくても、もう片方を取得しようとした場合に適用される特例制度が設けられています。通常であれば筆記試験などを受けて合格しなければいけませんが、保育士または幼稚園教諭の実務経験が3年かつ4320時間以上であれば試験科目の免除が行われ、資格や免許を取得しやすくなっています。
出典:認定こども園法改正に伴う幼稚園教諭免許状及び保育士資格の取得の特例について/内閣府
保育教諭の役割
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子どもたちの活動の理解者
子どもたちのこれまでの生活や遊びを見て、心情を理解する必要があります。また、子どもたちが集団のなかでどのように行動しているのか把握するといいでしょう。 子どもたちの活動の理解者になるには、保育園や家庭、両方の子どもたちの活動を理解することができます。
子どもたちとの共同作業者
子どもたちの活動を同じようにやってみたり、同じ目線から立ってみたりして子どもたちの思いを理解しましょう。これにより、子どもたちは保育教諭と遊べる楽しさにより、さらに活動に集中することができます。
憧れなどを形成するモデル
保育教諭自ら、楽しんで活動をすることで、子どもたちから「やってみたい」の気持ちを引き出し、次第に子ども立ちは「先生のようにやってみたい」という憧れを抱くようになるでしょう。この気持ちが、子どもたちが積極的に遊びを考えることにつながるかもしれません。
遊びの援助者
子どもたちが活動を思うようにできずにいる場合は、助ける方法も遊びのヒントを伝えるだけなのか、すべてをいっしょにやるのか考える必要があります。
認定こども園法とともに保育・幼児教育を理解しよう
今回の記事では、認定こども園法についてや改正内容、保育所保育指針と幼稚園教育要領の違い、保育教諭について解説しました。認定こども園法とは、日本の保育と幼児教育の重要性が定められたものであり、今後、いろいろな子育て問題を解決するための施策でもあります。
特に、現代の保育ニーズに応えるために国の政策として幼保連携型認定こども園に力をいれており、保育の体制を整えています。また、そこで働く保育教諭は、自身の役割をしっかりと理解していく必要があるでしょう。