保育園で行なわれる秋のイベントの一つに芋掘り遠足がありますよね。土に直接触れて収穫を体験できる芋掘りは、子どもにとって特別な行事かもしれません。今回は、芋掘り遠足を行なう時期やねらい、指導案を書くときのポイントなどについて紹介します。また、遠足前の導入方法もあわせてまとめたので参考にしてみてくださいね。
petite-usagi-scaled / stock.adobe.com
保育園で行なう芋掘り遠足の時期やねらい
保育園では、秋になると幼児クラスの子どもたちを中心に、芋掘り遠足に出かけることもあるでしょう。
普段の園生活では経験できない収穫体験ができるとあって、子どもたちが好きな行事の一つかもしれません。
ここでは、保育園で芋掘り遠足を行なう時期やねらいについて紹介します。
保育園での芋掘り遠足の時期
収穫する芋によって収穫時期が異なるため一概には言えませんが、だいたい7月から10月下旬頃が芋掘り遠足に適した時期のようです。
多くの保育園では、芋掘り遠足の際にさつまいもを収穫しているでしょう。さつまいもは10月が旬なので、10月の中旬から下旬にかけて芋掘り遠足を予定している保育園も多いかもしれません。
しかし、地域や園によってはじゃがいもや里芋を扱うこともあるようなので、それぞれの旬の時期に芋掘り遠足に出かけるのがよさそうですね。
保育園で行なう芋掘り遠足のねらい
保育園で行う芋掘り遠足は、子どもたちが芋を掘りながら秋を感じ、身体で自然を体感することができます。具体的にはどのようなねらいがあるのでしょうか。
さつまいもやじゃがいもについて知る
芋掘りを経験することで、さつまいもやじゃがいもがどんな姿で土に埋まっているのかを知るというねらいがあるようです。
さつまいもにはひげが生えていたり、いくつもつながって採れたりすることは、芋掘りをして初めて知ることができるでしょう。
普段目にしているさつまいもやじゃがいもが、実はこんな見た目をしているなどという気づきを得られる機会になりそうです。
土や虫に触れて自然を感じる
芋掘り遠足には、土や虫に触れることによって、自然を感じるというねらいがあるようです。
芋掘りでは、普段はあまり見られないさつまいもの葉やつる、土の中にいる虫などを観察できますよね。実際に目で見て触れることで、どんな色や形をしているのか、また匂いなども知ることができるでしょう。
子どもたちが視覚や触覚のほか嗅覚などを使って、全身で自然を感じられる機会となるとよいですね。
農家の方や作物に感謝する
芋掘り遠足には、畑で芋を育ててくれた農家の方や、無事収穫できた作物に対して感謝の気持ちをもつというねらいがあるようです。
先生は芋掘り遠足の前に、子どもたちと畑の農家さんのお話を聞いたり、子どもたちからお礼を伝える機会を作ったりしましょう。そのなかで、農家の方がさつまいもやじゃがいもを育てることの難しさを教えてくれるかもしれません。
先生は、「農家さんが芋を作ってくれるから、先生もみんなも芋を食べることができるんだよ。ありがとうの気持ちを持とうね。」と子どもたちが感謝の気持ちを持てるように声かけしてみましょう。
保育園で行なう芋掘り遠足の指導案作成のポイント
ここでは、芋掘り遠足の指導案を作るときのポイントをまとめました。
芋掘り遠足のねらいをしっかりと理解して、指導案を立てるようにしましょう。
3歳児
3歳児の芋掘り遠足のねらいは、自然に親しむことです。
3歳児は芋を上手に掘り出せないこともあるかもしれないので、そのときは先生がいっしょに手伝いながら芋掘りをしましょう。
ただし、子どもたちが芋掘りの達成感を得られるように、途中まで手伝うなど子どもの状況を見て援助することが大切になります。
4歳児
4歳児の芋掘り遠足のねらいは、芋をよく観察し特徴を知ることです。
4歳児は、友だちと収穫した芋の大きさを比べたり、会話を楽しみながらいっしょに協力したりする姿が見られるかもしれませんね。
芋を掘るときは、つるをひっぱったり土を掘り起こしたりといった力が必要な部分を先生が手伝うようにしましょう。
できるだけ子どもたちが自力で収穫できるように、あらかじめ芋掘りのコツを伝えておくとよさそうですね。
5歳児
5歳児の芋掘り遠足のねらいは、芋の特徴を知り、長さや大きさ、重さを計ってみることです。また、農家さんや食べ物に感謝する気持ちを養うこともねらいと言えるでしょう。
5歳児の場合は、子どもの力だけで収穫できるといいですね。もし上手くできない友だちがいたら、友だち同士で協力して手伝うことも伝えてみるといいかもしれません。
子どもたちが芋を食材として捉え、どんな風に食べられるのか考えられるように声かけすれば、食育にもつながりそうですね。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
保育士資格を活かせる在宅ワークのお仕事特集!保育関係の自宅でできる仕事を徹底解説
保育士資格を活かせる在宅ワークにはどのような仕事があるのでしょうか。保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど自宅でできる仕事は意外に多いもの。今回は、保育士資格を活かして働ける在宅ワークの仕...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
保育園の芋掘り遠足に向けて準備すること
yamasan / stock.adobe.com
保育園で芋掘り遠足をする前にしておきたい準備について紹介します。
農家へ依頼する
地域の農家さんに畑を借りる場合は、事前に農家さんと連絡をとり、畑の状況などを教えてもらうようにしましょう。
連絡をとるタイミングは、芋掘り遠足の実施時期が決まる年度始まりの4月頃がいいかもしれません。
また、芋掘り遠足を行なう日程を伝えておき、芋掘りをする前にさつまいものツルを切っておくことをお願いするのも大切になります。
ツルを切っておくことで、子どもたちが掘り起こす作業をしやすくなるので、忘れずにお願いしておきましょう。
必要なものを用意する
保育園の芋掘り遠足に持っていくものを事前に用意しておきましょう。
芋掘り遠足前に揃える必要があるものは、主に以下が挙げられます。
- シャベルやスコップ
- 軍手
- ビニール袋
ビニール袋は持ち手がついているものを準備すると、さつまいもやじゃがいもを持って帰りやすくなります。また、枚数を多めに揃えておけば、万が一破れてしまっても安心ですね。
保育園でできる芋掘り遠足に向けた導入
ここでは、芋掘り遠足に向けて子どもたちの気持ちを高められるような導入のアイデアを紹介します。
芋掘りごっこ
子どもたちに芋掘りがどのようなものかイメージしてもらえるように、芋掘りごっこをしてみましょう。
新聞紙を芋の形にして紫色の画用紙で包み、セロハンテープで巻きます。
緑色のPEテープをつるに見立てて、新聞紙で作った芋をいくつか取り付け、芋がつながっている姿を再現します。
茶色いカラーポリにいくつか穴をあけて新聞紙のさつまいもの上から被せます。
穴からツルを出して、畑に埋まっているさつまいもを表現すれば、芋掘りごっこの準備ができあがりです。
室内だけでなく、園庭の砂場の中に新聞紙のさつまいもを埋め、芋掘りごっことして遊んでみるのも面白そうですね。
焼き芋じゃんけん
手遊び歌を芋掘り遠足に向けた導入として取り入れてみましょう。
芋掘り遠足に行く前に焼き芋じゃんけんの手遊びをすれば、子どもたちの芋掘り遠足に対するワクワク感を高めることができそうですね。
また、手遊び歌を芋掘り遠足のバスレクのなかに取り入れることで、楽しくにぎやかなイベントになるでしょう。
絵本の読み聞かせ
さつまいもやじゃがいもが登場する絵本の読み聞かせをしてみましょう。
絵本を読み聞かせることで、子どもたちは芋がどんなものか知ることができ、芋掘りに興味を持ってくれるかもしれません。
芋が土のなかでご飯を食べたり、歯磨きをしたり、トイレをしたりするといった、人間と同じような生活を送っているユニークなストーリーの絵本もありますよ。
子どもたちが絵本に登場する芋に興味を持ったり共感したりすることで、芋掘りに親しみをもつことにつながるかもしれませんね。
保育園で行う秋の芋掘り遠足を子どもたちと楽しもう
今回は、保育園の芋掘り遠足について、実施する時期やねらい、子どもたちへの導入アイデアなどを紹介しました。
芋掘り遠足には、子どもたちが土や虫に触れることで自然を感じたり、さつまいもやじゃがいもについて知ったりするといったねらいがあるようです。先生は、子どもたちが自ら芋を掘り起こせるように、コツを伝えたり環境を整えたりして援助しましょう。
導入として手遊びやごっこ遊びを取り入れて子どもたちのワクワク感を高め、芋掘り遠足が子どもたちにとって素敵な思い出になるといいですね。
また、保育士バンク!では、日々の保育に使える自然遊びネタや行事ネタなどを配信中!
保育士さんの転職のサポートも実施しているので「もっと楽しく保育できる職場はないかな……。」など、今の働き方に不安がある方はご相談ください。
あなたらしく働ける職場をいっしょに探していきましょう。