保育園で取り入れられる集団遊びにはどんなものがあるでしょうか。3歳児・4歳児・5歳児など年齢に応じて楽しめる遊びが異なることを考慮して、子どもたちにとって効果的な集団遊びについて考えてみましょう。ここでは、保育で効果的な集団遊びのねらいや、集団遊びの種類・遊び方を年齢ごとに室内・戸外に分けて紹介します。
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保育で取り入れる集団遊びのねらい
室内・戸外を問わず、3歳児以上の年齢・クラスで取り入れたい集団遊びは以下のようなねらいをもって実施してみましょう。
- 遊びのルールを覚える
- 遊びを通じてコミュニケーションを学ぶ
- 身体の動きの楽しさや面白さを味わう
- 友だちとスペースやルールを共有する
- 人とかかわる喜びを味わう
- 仲間とゲームを成立させる面白さを知る
子どもが集団の中でルールを守りながら楽しむ、人とかかわり協力し合いながら人間関係について学ぶ、身体を動かしたり自分たちで工夫したりして遊びをすすめることの楽しさを知ることなどは、集団遊びから得られる最たるものと言えるかもしれません。
これらはすべて、遊びの内容が異なってもすべてに共通するねらいと言ってよいでしょう。
子どもの年齢や発達に応じて、効果的に取り入れることが求められます。
3歳児からの集団遊び
3歳児は簡単なルールや繰り返しの動作などでできる遊びを取り入れるとよいでしょう。また、集団遊びを通じて、順番を守ることや遊びのルールを守ることを覚えていけるよう促しましょう。
【3歳児】室内で楽しむ集団遊び
室内で遊べる3歳児向けの集団遊びを紹介します。
宝探し
- 遊び方
1. 絵の描いてあるカードやおもちゃなど「宝物」をいくつか用意します。
2. 宝探しを行なう部屋に、宝物を隠します。
3. 子どもたちに宝物を探してもらいます。
4. 制限時間内にいくつ見つけられるかを競います。
- ポイント
宝物は、もともと部屋にあるものと明確に違うものにして混同しないようにしましょう。おもちゃならマスキングテープを貼るなどして目印をつける工夫が必要かもしれません。
隠す部屋はなるべく一部屋にする、宝物は最低でも子どもの人数分は用意するなどして、探しやすい環境を作りましょう。
じゃんけん電車
- 遊び方
1. 音楽に合わせて自由に歩き回ります。
2. 音楽が止まった時点で、近くにいる友だち(列の先頭)とジャンケンをします。
3. ジャンケンに負けた人は、勝った人(列)の後ろにつき、肩に両手をかけます。
4. 1~3を繰り返して長い電車を作ります。
5. 最後に電車が1両になった時点で、列の先頭にいる人が勝ちとなります。
- ポイント
10人以下など人数が少ないと列車が長く続かずに短時間で終了してしまうので、保護者参加の行事など人数が多い時のレクリエーションにも楽しめる集団遊びです。
保育士さんがピアノなどを弾いて、ランダムにストップさせると盛り上がるでしょう。
まねっこ遊び
- 遊び方
1. 保育士さんが中心に立ち、みんなで輪になって立ちます。
2. 保育士さんがいろいろなポーズを取り、子どもたちが真似をしてポーズをとります。
3. 5秒・10秒など時間を決めて、そのポーズのままキープできるかを楽しみます。
- ポイント
保育士さんは、最初はかんたんなポーズから始めて、だんだん難しいポーズ(ジャンプする、片足で立つなど)にしていきます。
子どもたちが慣れたら、やりたい人!と希望者を募って真ん中に立つ役割を子どもたちに交代でまかせてみても盛り上がりそうです。
色探し
- 遊び方
1. それぞれ違う色のついたカードを何枚か用意します。
2. 保育士さんが選んだカードを見せて、合図で部屋にある同じ色のものを子どもたちが探します(たとえば赤いカードなら、部屋にある赤いブロックを持ってくるなど)。
3. 制限時間内に指定した色と同じ色のものをできるだけ多く集めます。
- ポイント
子どもたちが目当ての色のものを奪い合うことがないよう「たくさん見つけた人が勝ち」ではなく、みんなでできるだけ多く見つけよう!というルールにするのもよいでしょう。
物だけでなく、青なら「窓から見えている青空」のような答えも受け入れると、より子どもたちが工夫して色探しができるかもしれません。
風船運び
- 遊び方
1. ふくらませた風船と縦長のタオルやてぬぐいを用意します。
2. 布の両端を2人がそれぞれ持ち、上に風船を乗せて、ゴールまで運びます。
3. 落とさずゴールできたら勝ち、落ちてしまってもゴールまで運べたら勝ちとします。
- ポイント
保育士さんはどうしたら落とさずに運べるか、チームで工夫しようと声かけしましょう。
ゆっくり動いたり落としてもすぐに体制を立て直したりするなど、子どもたちがそれぞれ動きを考えながらゴールを目指す楽しさ、協力する楽しさを育みます。
かるた取り
- 遊び方
1. 市販のものでよいので、かるたを用意します。
2. 保育士さんが読み札を読み、子どもたちが絵札を取ります。
3. 絵札をより多く集めた子が勝ちとなります。
- ポイント
3歳児は文字が読めない子がほとんどですので、できるだけ平易な内容のかるたを選びましょう。「ライオン」という言葉が入った読み札を聞いて、ライオンの絵が描いてある絵札をとることで、子どもたちも言葉と絵の関係や、書いてある文字にも興味を持つことができます。
【3歳児】戸外で楽しむ集団遊び
戸外で遊べる3歳児向けの集団遊びを紹介します。
大なみ小なみ
- 遊び方
1. 大縄を用意し、2人の保育士さんが縄の両端を持ちます。
2. 縄を地面に置き、止まっている状態で子どもが縄の横に立ちます。
3. 縄を回す保育士さんは「大なみ小なみ ぐるっと回って にゃんこの目」という掛け声に合わせて縄を回し、子どもはその動きに合わせて縄を跳びます。
- かけ声と飛び方
1.「大なみ 小なみ」
縄を回さず、ブランコのように左右に揺らします。
2.「ぐるっと回って」
縄をゆっくり回す「ぐるっと」で1回転「まわって」で1回転、のようなリズムで。
3.「にゃんこの目」
「にゃんこの」でもう1回転まわし「目」で、飛んでいる子が地面についた縄を両足で挟むようにして止まります。
- ポイント
少し複雑な動きなので、まずは左右に揺れている縄を跳ぶ、回っている縄を跳ぶ、という動きを練習しましょう。縄を跳ぶのは最初は1人ずつ、慣れてきたら人数を増やしながらできるだけ多い人数で跳ぶことを目指してみましょう
おにごっこ
- 遊び方
1. 鬼を1人決めます。最初は保育士さんが鬼になるのがよいでしょう。
2. 鬼が10数える間に、ほかの子たちが逃げます。
3. 鬼は10数え終わったら、逃げている子を追いかけタッチします。
4. タッチされた子が鬼と交代し、最初から始めます。
- ポイント
基本形の鬼ごっこです。鬼ごっこの基本ルールが子どもたちに理解できたら、鬼が交代せずに増える「増え鬼」や、タッチせずに影を踏む「影鬼」などの簡単なルールで遊べるバリエーションを増やしてみましょう。
だるまさんがころんだ
- 遊び方
1. 鬼を1人決めます。最初は保育士さんが鬼になるのがよいでしょう。
2. 鬼は木や壁に向かって立ち、ほかの子は鬼の背後10メートルくらいの距離の場所にスタートラインを決めて立ちます。
3. 「はじめのいっぽ」という掛け声で、鬼以外の全員が鬼に近づくようにして一歩前に出ます。
4. 鬼は後ろを向いたまま「だるまさんがころんだ」と言い、言い終わったら子どもたちの方に振り向きます。
5. 子どもたちは鬼が向こうをむいている間だけ動いて、鬼に近づくことができます。
6. 鬼が振り返った瞬間に動いていたのを見られたら、鬼に捕まります。鬼は動いた子を指名して、名を呼ばれた子は鬼と小指をつなぎます。捕まった子は数珠つなぎに1列につながります。
7. 鬼に捕まらずに鬼に近づけた子は、最初に捕まった子と鬼のつないでいる小指を「切った」と言いながら軽くたたいてほどきます。それを合図に鬼以外は全員逃げます。
8. 鬼は振りむいて10数えてから「ストップ」と声をかけます。全員その場に止まります。
9. 鬼は10歩だけ動いて、一番近い人にタッチします。タッチされた人が次の鬼になります。
- ポイント
「だるまさんがころんだ」などのかけ声を、ゆっくり言ったり早口ですぐ振り向いたりすることで緩急をつけられて盛り上がります。
障害物などがあると危ないので、できるだけ広いスペースがとれる公園で遊ぶようにしましょう。
かごめかごめ
- 遊び方
1. 鬼を1人決めます。
2. 鬼は両手で目を隠してしゃがみ、ほかの子たちは輪になり手をつないで周りを囲みます。
3. 「かごめかごめ」を歌いながら手をつないだまま鬼の周りを回り、歌が終わった時点で止まります。
4. 鬼は自分の真後ろにいるのが誰かを、目隠ししたまま当てます。
5. 鬼が正解すれば交代して、当てられた子が鬼になります。当てられるまで続けます。
- 「かごめかごめ」の歌
かごめ かごめ
かごのなかの とりは
いついつ でやる
よあけのばんに
つるとかめとすべった
うしろのしょうめん だあれ
- ポイント
古くから伝わる伝承遊びを楽しむことで、昔遊びや昔の文化に触れる機会を作りましょう。ゲームとしては単純で分かりやすいでしょう。
遊ぶ人数が多すぎると鬼が当てづらいので、保育で取り入れる際には5人~10人以下がのぞましいかもしれません。
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4歳児からの集団遊び
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4歳児はより複雑なルールや展開のあるゲームを楽しみましょう。また、友だちとの協力や社会性を育むことを遊びのベースに取り入れることも大切です。
【4歳児】室内で楽しむ集団遊び
室内で遊べる4歳児向けの集団遊びを紹介します。
震源地ゲーム
- 遊び方
1. 鬼を1人決め、鬼はいったん部屋の外に出ます。
2. ほかの子たちは、鬼に分からないように「震源地」になる子を1人決め、内側を向いて輪になります。
3. 輪になった状態で、震源地の子がする動きを全員がまねします。
4. 最初の動きが始まったら、鬼を部屋に招き入れます。
5. 震源地の子は、左手で右肩をたたく、手を前に出してジャンプするなど、5秒から10秒くらいの間隔で次々に新しい動きをしていき、ほかの子は震源地が誰かを鬼に気づかれないようにまねをします。
5. 鬼は輪の真ん中に立ち、全員の動きや様子を見ながら、誰が震源地なのかを当てます。鬼が正解すれば交代して、当てられた子が鬼になります。
- ポイント
鬼に気づかれないように震源地と同じ動きをすることで、全員が協力してゲームを継続させる楽しさを味わえるゲームです。
鬼がほかの子を見ているうちに震源地が動きを変えるなどの作戦などを考えると、スリルたっぷりで盛り上がりますよ!
ボール送り
- 遊び方
1. 子どもたちを2チームに分け、2列に並びます。
2. 先頭の子はボールを高く持ち上げ、スタートの合図でボールを頭の上を通しながら後ろの子に渡していきます。後ろの子も頭の上からどんどん後ろにボールを送っていきます。
3. 最後尾までボールが送られたら、そのボールを今度は股の下を通しながら前に送っていきます。このとき床を一気に転がさないように、股の下で1人ずつ手渡しするようにしましょう。
4. ボールを送っていき、早く先頭まで戻ってきたチームの勝ちとなります。
- ポイント
走るなどの大きな動きはないですが、全身を使って楽しめる集団遊びです。
何度かプレイすることで子どもたちもコツをつかんできて、だんだん送る速度が早くなったり連携プレイをしたりすることができてくるでしょう。
フルーツバスケット
- 遊び方
1. 1人が鬼になり、ほかの子どもは「いちご」「みかん」などフルーツの名前をつけた3~4種類のグループに均等に分かれます。
2. 全体の人数分から1つ引いた数の椅子を輪にして内向きに並べ、フルーツの子はグループで固まらないようランダムに椅子に座ります。
3. 鬼は円の中央に立って、フルーツのグループ名から1つを選んでみんなに聞こえるように大きな声で伝えます。
4. 鬼に言われたグループの子は立って、座っていた椅子以外の空いている椅子に移動します。このとき、鬼も空いた椅子に座るようにします。
5. 鬼がフルーツ名でなく「フルーツバスケット」と言った場合は、全員が移動します。
6. 座れなかった子が次の鬼になり、3から続けます。
- ポイント
自分のグループではないのに間違って移動した子、自分のグループもしくは「フルーツバスケット」で動けなかった子が次の鬼になるというルールもあります。
大勢の子がいっせいに移動するので、ぶつかるなどのケガには気をつけるようにしましょう。
新聞紙バランスゲーム
- 遊び方
1. 子どもたちに新聞紙を1枚ずつ配り、その新聞紙を広げて床に置きその上に立ちます。
2. 保育士さんが子どもたちと向かいあうように立ち、子どもたちとじゃんけんをします。
3. 負けた子は、自分の新聞紙を半分に折り、上に立ちます。勝ち・あいこはそのままです。これを繰り返します。
4. 新聞紙を折っていき、立つスペースが狭くなって新聞紙の外に手や足をついた子は負けになりその場に座ります。
5. 最後まで残った子が勝ちです。
- ポイント
新聞紙を折っていって、立つスペースが狭くなってきたら片足立ちやつま先立ちでできるだけ長く立てるようにがんばるのが醍醐味のゲームです。
残り2人になったらその2人でじゃんけん対決をしても盛り上がりそうですね。
伝言ゲーム
- 遊び方
1. 子どもたちを5人~8人くらいのグループに分け、1列に並びます。
2. それぞれのグループに違うお題を用意し、先頭の子に耳元で小声で伝えます。
3. お題を聞いた子は、後ろの子の耳元で小声で同じ言葉を伝え、最後尾までそれを繰り返します。
4. すべてのチームが最後まで伝言できたら、1チームずつ最後の子と最初の子が「せーの」で声を合わせてお題を答えます。
5. 2人のお題が合っていたらそのチームが1ポイント獲得です。何問か違うお題を続けて、最終的にポイントを多く獲得したチームの勝ちとなります。
- ポイント
お題は、最初は「かわいいうさぎ」「ブランコゆれた」などの2語文あたりから始めて、じょじょに難易度をあげていきます。
「今日の○○先生のあさごはんはクロワッサンとヨーグルトです」のように長めの文章なども含めたさまざまなお題を事前に準備しておきましょう。
【4歳児】戸外で楽しむ集団遊び
戸外で遊べる4歳児向けの集団遊びを紹介します。
氷鬼
- 遊び方
1. 鬼を1人決めます。最初は保育士さんが鬼になるのがよいでしょう。
2. 鬼が10数える間にほかの子たちが逃げ、鬼は10数え終わったら、逃げている子を追いかけタッチします。
3. タッチされた子は、その場で凍ったという設定でストップします。
4. まだタッチされていない子が、凍った子にタッチすると解凍されてまた逃げられます。
5. 鬼は全員を氷にするまで追いかけます。
- ポイント
鬼を交代するタイミングが難しいため、子どもが鬼になっている場合は「5人(回)タッチしたら交代」などのルールを決めたり、「同じ子は2回連続で解凍させられない」などのルールを追加したりして難易度をあげてみるのも楽しいかもしれません。
高鬼
- 遊び方
1. 鬼を1人決めます。最初は保育士さんが鬼になるのがよいでしょう。
2. 鬼が10数える間にほかの子たちが逃げ、鬼は10数え終わったら、逃げている子を追いかけます。
3. 逃げている子が、地面より高い場所(遊具や縁石の上など)に上っている間は鬼はタッチできません。
4. 逃げている子は、同じ高所には10秒以上とどまれませんので、10数えたら移動します。
5. タッチされた子が鬼と交代し、最初から始めます。
- ポイント
高鬼とは逆に、逃げる子が木や遊具の下など低い位置に入っている間は鬼にタッチされない「低鬼」などのバリエーションもあります。
鬼が交代するたびに高鬼と低鬼を交互にしてみるといったルールを取り入れると「今はどっち?」となって盛り上がるかもしれません。
しっぽ取り
- 遊び方
1. 紙テープやタオルなどで、しっぽを人数分準備します。全員がしっぽをズボンやスカートのウエストに挟み、おしりの上にしっぽの先がでるようにします。
2. スタートの合図で全員が走り回りながら、ほかの子のしっぽを取るようにします。
3. 自分のしっぽを取られてしまった子は、スペースの外に出て座ります。
4. 制限時間内に最もしっぽを集められた子が勝ちとなります。
- ポイント
保育士さんは、子どもたちがしっぽの取り合いによるケガをしたりケンカになったりしないよう、注意して目を配りましょう。また、しっぽを紅白など2色に色分けしてチーム戦にしてみても楽しいかもしれません。
缶けり
- 遊び方
1. 鬼を1人決めます。地面に円を描いて、中心に空き缶を置きます。
2. 鬼以外の子が缶を蹴り、鬼がその缶を拾って円の中央に戻す間に子どもたちは隠れます。
3. 鬼は隠れている子を探します。見つけた子の名前を「○○みっけ!」と呼びながら、走って缶まで戻り缶を足で踏みます。
4. ここまで鬼ができたら、見つかった子はあらかじめ決めておいた鬼の陣地に入って座ります。
5. 鬼が探しているなどで缶から離れている間に、見つかっていない子は隠れていた場所から出てきて缶を蹴ります。
6. 鬼以外の子が見つからずに缶を蹴れたら、鬼の陣地に捕まっていた子は解放されます。
7. 鬼は缶を蹴られないように守りながら、全員を見つけられたら勝ちとなります。最初に見つかった子が鬼と交代します。
- ポイント
鬼が大変なゲームなので、隠れる場所やスペースを限定することや、制限時間を決めて鬼を交代するなどの進行ルールを作ってあげるとよいでしょう。
鬼が空き缶から離れずゲームが進行しないなどのケースもありますので、保育士さんが声かけなどのサポートができるとよいでしょう。
はないちもんめ
- 遊び方
1. 5人~8人程度で2組に分かれ、代表者がじゃんけんします。
2. 横一列に手をつないだ状態で、2組が向かい合うように立ちます。
3. 勝ったグループがA、負けたグループがBを順番に歌いながら、手をつないだまま相手に向かって3歩ほどすすみ、歌の最後のフレーズにあわせて片足を振り上げる動きをします。
4. Aのグループが歌っている間、Bのグループはその動きにあわせて後ろに下がります。この動きをA・Bを交互に歌い終わるまで繰り返します。
5. 歌の最後「そうしよう」まで歌ったら、グループごとに円陣になって相手チームから欲しい子をひとり決めます。
6. 指名する子を決めたら「きーまった」と呼びかけながら、横一列に戻ります。
7. A・B順番に「○○がほしい」と発表し合い、指名された子は前に出てじゃんけんします。負けた子が相手のチームに合流して、またAから歌い始めます。
- 「はないちもんめ」の歌と動き
(A)勝ってうれしいはないちもんめ
(B)負けてくやしいはないちもんめ
(A)となりのおばさんちょっときておくれ
(B)鬼がこわくていかれない
(A)おかまかぶってちょいときておくれ
(B)おかま底ぬけいかれない
(A)おふとんかぶってちょいときておくれ
(B)おふとんビリビリいかれない
(A)あの子がほしい
(B)あの子じゃわからん
(A)この子がほしい
(B)この子じゃわからん
(A)そうだんしよう
(B)そうしよう
これ以降は、5~7の動きをします。
- ポイント
元気よく声を掛け合うように歌いあうことで、チームごとの一体感を楽しむゲームです。
1回も指名されない子が出ないように、何回かに一回グループをシャッフルする、保育士さんが1人ずつ各チームに入るなどの工夫をしてもよいかもしれません。
伝承遊びのひとつなので「おかま」についての説明もしてあげてくださいね。
5歳児からの集団遊び
5歳児には複雑なルールを理解して遊ぶ、遊び方を工夫するなどの機会を集団遊びのなかで作っていきましょう。身体を大きく使いながら仲間と協力してルールを守ってゲームを成功させたり勝ち負けを楽しむことに面白さを見出したりすることもできるでしょう。
【5歳児】室内で楽しむ集団遊び
室内で遊べる5歳児向けの集団遊びを紹介します。
ジェスチャーゲーム
- 遊び方
1. 子どもたちを3人~5人くらいのチームに分けて、リーダーを決めます。
2. 保育士さんがスケッチブックにあらかじめ書いておいたお題を、リーダーだけに見せます。
3. リーダーは声を出さずに、そのお題をジェスチャーだけでチームメイトに伝えます。
4. チームの子はリーダーの動きを見てお題を当てます。
5. 正解したら1ポイント獲得。当てた子がリーダーになり新しいお題をジェスチャーします。
6. 制限時間内に最も多いポイントを獲得したチームが勝ちとなります。
- ポイント
お題は、くじ引きなどにしてリーダーの子に引いてもらうのでもよいでしょう。1単語などの簡単なものから、「ラーメンを食べているゴリラ」など難しいものまで織り交ぜると盛り上がるでしょう。
声を出してしまったり、正解をうっかり言ってしまったりした場合は、マイナスポイントなどのルールを設けてもよいかもしれませんね。
スピーカーゲーム
- 遊び方
1. 先生がお題を決めて、1人1文字ずつ担当を決めて前に立ちます。
たとえばお題が「ありがとう」であれば、5人に「あ」担当、「り」担当のように1文字ずつ割り振ります。
2. 保育さんの合図で、担当の子たちが自分の文字を声を合わせて1回だけ言います。
3. ほかの子たちは、その声を聞いてお題の言葉を当てます。
- ポイント
人の言葉を聞きとる、聞き取れた声をもとにパズルに挑戦する感覚で、言葉を推理するゲームです。お題に選ぶ言葉は3文字~5文字くらいが適切でしょう。
意外と大人でも当てるのが難しいので、子どもたちのよく知っている言葉を選ぶようにしましょう。
言葉探し
- 遊び方
1. 五十音を1~2枚ずつ書いたカードを用意します。
2. 子どもたちは30秒・1分など制限時間を決めて、カードを組み合わせて単語を作ります。
3. 制限時間内によりたくさん単語を作れた子が勝ちとなります。
- ポイント
5歳児になるとひらがなが読める子も増えてきます。カードを何セットか用意できるのであれば、チーム対抗戦にしてみてもよいでしょう。子どもたちが協力しながらさまざまな単語を作ることができます。
作った単語の数だけでなく「ながいことばをつくれたで賞」なども設定してみると盛り上がりそうです。
紙コップリレー
- 遊び方
1. 部屋の中でスタートとゴール地点を決めます。子どもたちが3人~5人くらいのチームに分かれて、1人1つずつ紙コップを持ちスタートからゴールまで1列に並びます。
2. 各チームのスタート地点に水を入れた1.5L~2Lのペットボトル、ゴール地点に空のバケツを用意します。
3. スタートの合図で、先頭の子がペットボトルから自分の紙コップに水をくみ、自分の列の後ろの子の紙コップに水をうつします。
4. 同様に列の後ろまでひとりずつ水を紙コップにうつしながらリレーしてゴールまで運びます。
5. ペットボトルの水を最初にすべてバケツにうつせたチームが勝ちとなります。
- ポイント
水はこぼしてしまうことが考えられますので、夏などにビニールシートを敷いて遊びましょう。水以外では、ピンポン玉やティッシュを丸めてテープで止めて作ったボールなどでも代用できます。
保育士さんは、急ぎながら動きをあわせて水をリレーする動作を子どもたちが工夫できるよう声かけしましょう。
ハンカチ落とし
- 遊び方
1. 鬼を1人決めます。最初は保育士さんが鬼になるのがよいでしょう。
2. 鬼以外の子は輪になって内側を向いて座り、両手を背中で組みます。
3. 鬼はハンカチを手に持ち、輪の外側をゆっくり歩きながら回ります。
4. 座っている子の後ろを通りながら、そっと1人の手の上にハンカチを落とします。
5. ハンカチを落とされた子はハンカチを持って立ち上がり、歩きながら同じように輪の外側を歩きながら鬼を追いかけます。
6. 鬼はハンカチを落としたらそのまま輪の外側を1周し、落とした子が座っていた位置に座ります。
7. 鬼が1周して座る前に捕まったら、もういちど鬼になり最初から始めます。
8. 鬼が捕まらずに座れた場合や、鬼が1周してくるまでハンカチを落とされた人が気づかなかった場合は、ハンカチを落とされた人が鬼になります。
- ポイント
輪の外側を走るのは子どもには難しいので、鬼や追いかける子は走らないというルールを作っておくのがよいでしょう。慣れてきたら、2の「両手を背中に組む」をなくして、ハンカチを手の上ではなく背後に落とすようにすると、落とされた子が気づきにくく難易度が高まります。
【5歳児】戸外で楽しむ集団遊び
戸外で遊べる5歳児向けの集団遊びを紹介します。
どろけい
- 遊び方
1. 「どろぼうチーム」と「けいさつチーム」に分かれます。地面に大きく円を描いて「ろうや」を作ります。
2. けいさつチームが10数えている間に、どろぼうチームは逃げます。
3. 数え終わったら、けいさつチームはどろぼうチームの子を追いかけてタッチします。
4. タッチされたどろぼうチームの子は、捕まったとして、ろうやに入って座ります。
5. 逃げている子は、ろうやに近づき捕まっている子にタッチできれば逃がすことができます。
6. 制限時間終了後に、ろうやに捕まっている人数が多ければけいさつチームの勝ち、捕まっていない子が多ければどろぼうチームの勝ちとなります。
- ポイント
けいさつチーム、どろぼうチームともにチームワークや役割分担が大事になるゲームです。どろぼうチームとけいさつチームは制限時間ごとに入れ替えて、それぞれの役割を楽しめるようにできるとよいでしょう。
線鬼
- 遊び方
1. 遊ぶスペースのなかに、ランダムにたくさんの長い線を引きます。
2. 鬼を1人決めます。最初は保育士さんが鬼になるのがよいでしょう。
3. 鬼は1本の線の端に立ちます。鬼以外の子はそれぞれ鬼から離れた線の上に立ちます。
4. スタートの合図で、鬼は子を追いかけてタッチします。鬼を含めた全員が線の上以外の場所は動けません。線から線へ移動する場合はジャンプで飛びうつります。
5. タッチされた子は外に出て座ります。最後まで残った子の勝ちとなります。
- ポイント
つなわたりのように線の上をバランスを取りながら逃げたり追いかけたり、飛びうつったりする身体能力が必要になる集団遊びです。遊ぶスペースが広く人数が多い場合は、鬼を2人に増やすなどしてみても楽しそうです。
大なわとび
- 遊び方
1. 保育士さん2人が大なわを回す担当になり、子どもたちがなわの横に1列になって立ちます。
2. 保育士さんがなわを回し、子どもたちが動きを合わせて跳びます。
- ポイント
最初は左右に揺らす動きを跳びながら、子どもたちがみんなで協力して動きを合わせることを楽しみましょう。保育士さんは動きを合わせやすいかけ声をかけてあげましょう。
数を数えているときにひっかかった場合は、個人の責任にすることは避け、子どもたちにも誰かのせいにしないよう指導しましょう。
ころころドッジボール
- 遊び方
1. 地面に子どもたちが入れる大きさの円を描きます。
2. 子どもたちを2チームに分け、円の中・外に配置します。
3. 通常のドッジボールの要領で、外チームの子が中チームの子にボールをころがして当てます。
4. 当たった子は外に出て、当てた子は中に入ります。
- ポイント
ドッジボールのように投げずに、ころころ転がすのがルールです。保育士さんは、中の子には逃げるだけでなくジャンプしてよけるなどさまざまな動きを工夫できるように促せるとよいでしょう。
外の子に対しては、危なくないようにうまく転がしている子をほめるようにしましょう。
ろくむし
- 遊び方
1. 数メートルほど離して2カ所に大きな円を描き、鬼を2人決めます。
2. 鬼は2つの円に分かれてそれぞれ立ち、どちらかの鬼はボールを持ちます。
3. 鬼以外の子は片方の円のなかに集まり、スタートの合図とともにもう片方の円に移動し、円と円の間を往復します。1往復したら「いちむし」2往復で「にむし」のように数えます。
4. 鬼は、スタートの合図とともにボールを投げ合います。
5. 往復している子は、移動中にボールにあたったら外に出て座ります。ボールをキャッチした場合はセーフ。鬼にボールを戻してまた移動します。
6. 子はボールをよけながら2つの円を6往復します。5往復半した時点で「ごむしはん」と申告し、ボールに当てられずに6往復が成功したら勝ちとなります。
- ポイント
鬼のチームワークと逃げる子の機転が大事です。円と円の間隔は子の人数や広さによって取り、ケガをしないように注意して見守りましょう。誰かがゴールしたら鬼は交代するようにしましょう。
年齢に応じた集団遊び体験は大事!室内や戸外で楽しもう
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集団遊びは、鬼ごっこのように身体を動かすものから言葉探しのように頭をひねるものまで、それぞれチームワークを発揮して楽しんだり、勝ち負けを競い合ったりしながら楽しめます。
年齢や人数、室内・戸外などに合わせて、効果的に取り入れながら集団遊びのなかで子どもたちの豊かな成長や体験を促せるようにしたいですね。
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