「こども基本法」について知ろう!理念となる4原則と6つの基本方針を解説

    ニュースで聞いて気になったけど、詳しい内容まではわからないという保育士さんもいるのが、「こども基本法」ではないでしょうか。2023年に発足したこども家庭庁を中心に法整備される今後のこども施策は、この基本法を守ることが前提となっています。今回はそんな施策の基盤となるこども基本法について解説します。


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    こども基本法の概要

    こども基本法は、2022年6月に成立し、2023年4月にこども家庭庁が創設されるのと同時に施行されました。


    こども基本法の意図は「こども施策を社会全体で総合的かつ強力に推進していくための包括的な基本法」 と説明されています。


    これは、こども施策が今後新しく策定される・また既存法が改正される際には、このこども基本法に即していなければならない、ということです。


    つまり、すべての子どもに関する施策の基本の考え方になるものなのです。


    こども家庭庁が発足したことによって、これまで文科省や厚生労働省など各省庁でバラバラに行なわれていた子どもに関する法整備が一元化されることになりました。


    これにより子どもを中心にすえた「こどもまんなか社会」の実現が期待されています。


    こども家庭庁によれば、概要として「こども基本法」について以下のような説明がされています。


    「こども基本法は、日本国憲法および児童の権利に関する条約の精神にのっとり、全てのこどもが、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指し、こども政策を総合的に推進することを目的としています。同法は、こども施策の基本理念のほか、こども大綱の策定やこども等の意見の反映などについて定めています。


    出典:こども基本法/こども家庭庁

    次からは、このこども基本法の柱となる権利の4原則について見ていきましょう。

    こども基本法の基本理念「4原則」

    四葉のクローバー

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    こども基本法の基本理念となる「4原則」は、こども基本法の、ひいては今後の日本で策定される子ども施策のすべての理念のもとになる、大事な柱と考えてよいでしょう。


    この4原則は、1989年に国連が採択し、現在は日本を含めた世界196の国と地域が締結している「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」がもとになっています。


    子どもの権利条約4原則


    • 差別の禁止
    • すべての子どもは、子ども自身だけでなく親の人種・性別・意見・障がい・経済状況などいかなる理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されます。


    • 生命、生存および発達に対する権利
    • すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるように、医療・教育・生活への支援を受けることが保障されます。


    • 児童の意見の尊重
    • 子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、大人は子どもの意見をその子の発達に応じて十分に考慮します。


    • 児童の最善の利益
    • 子どもに関することが行われる時は、「その子どもにとって最もよいこと」を第一に考えます。


    これらがすべて満たされたうえで、子どもに関する法やルール作りが行なわれるべきというのが、こども基本法の理念になります。

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    こども基本法「6つの基本方針」

    こども基本法は以下の「6つの基本方針」から成り立っています。


    これらは前述した「4原則」と同様、子どものために大人や社会が守らなくてはならない方針だということが大事ですね。


    6項目についてひとつずつ内容を見ていきましょう。



    【6つの基本方針】1


    すべてのこどもは大切にされ、基本的な人権が守られ、差別されないこと。


    子どもはすべて個人として尊重され、その基本的人権が保障されなくてはなりません。

    また、差別的なあつかいを受けることもあってはなりません。



    【6つの基本方針】2


    すべてのこどもは、大事に育てられ、生活が守られ、愛され、保護される権利が守られ、平等に教育を受けられること。


    子どもはすべて、適切に養育されるなかで愛され保護される生活を保障されなくてはなりません。

    健やかな成長と発達、自立がはかられること、福祉にかかる権利がすべてにおいて保障されます。


    また、教育基本法の精神にのっとり、教育を受ける機会も等しく与えられなくてはなりません。



    【6つの基本方針】3


    年齢や発達の程度により、自分に直接関係することに意見を言えたり、社会のさまざまな活動に参加できたりすること。


    子どもはすべて、子ども自身に関係するすべての事項に関しては、年齢と発達の程度に応じて意見を表明することができます。


    また、多様な社会的活動に参画する機会も確保されます。



    【6つの基本方針】4


    すべてのこどもは年齢や発達の程度に応じて、意見が尊重され、こどもの今とこれからにとって最もよいことが優先して考えられること。


    子どもが表明した意見はすべて、年齢や発達の程度に応じて尊重され、そのうえで子どもにとっての最善の利益が優先して考慮されなくてはなりません。



    【6つの基本方針】5


    子育ては家庭を基本としながら、そのサポートが十分に行われ、家庭で育つことが難しいこどもも、家庭と同様の環境が確保されること。


    子どもの養育は家庭を基本として行われます。父母その他の保護者が第一義的責任を担うため、これらの養育者に際する十分な支援が行なわれます。


    また、家庭での養育が困難な場合は、子どもが心身ともに健やかに育成されるためにできるかぎり家庭同様の養育環境を確保しなくてはなりません。



    【6つの基本方針】6


    家庭や子育てに夢を持ち、喜びを感じられる社会をつくること


    子どもたちが家庭や子育てに夢を持ち、子育てにともなう喜びを実感できるような社会環境を整備しなくてなりません。



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    こども基本法のこれからと課題

    走る子ども

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    現在は、こども基本法を踏襲して作られる「こども大綱」の策定に向けての準備が進められています。


    この大綱は「こども施策に関する基本的な方針、こども施策に関する重要事項、こども施策を推進するために必要な事項について定めるもの」とされています。


    2023年10月時点では、2023年末にこの「こども大綱」が閣議決定される見通しとされています。


    また、まだ施行されてまもないこども基本法の課題としては、広く周知がなされていない、子ども基本法を遵守するための法整備や制度の強化にまで至っていない部分が挙げられます。


    2023年10月に、埼玉県議会が提出・取り下げにいたった虐待防止条例の改定案が話題になりました。


    この改定案に対して反対署名を行なった市民団体は、「子どもなど当事者の声を聞き、反映しなくてはならないというこども基本法から著しくはずれている」と指摘しました。


    国だけではく自治体の議会などでも、こども基本法についてのさらなる理解と正しい遵守が求められていることが分かります。


    出典:こども基本法/こども家庭庁

    出典:こども基本法説明資料/内閣府

    出典:児童の権利に関する条約/外務省

    出典:こども基本法パンフレット/こども家庭庁

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    子どもに関する施策を定めるうえで大切な「こども基本法」について学んできました。


    これからも、大人の尺度で子どもの権利を阻害したり、大人の利益のために子どもの安全や幸福な生活が妨げられたりすることのないよう、すべての子どもが守られる社会を作っていきたい ですね。


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