転職にあたって、中途採用の募集を探しはじめた保育士さんもいるでしょう。転職の時期について、「新卒じゃないからいつでも大丈夫」となんとなく考えていませんか?実は、保育士さんの中途採用にはベストな時期があるのです。今回は、保育士さんの転職に最適なタイミングや、中途採用ならではのキャリアアップについて考えます。
kapinon/stock.adobe.com
保育士の中途採用、需要はあるの?
新卒で保育園に就職した保育士さんのなかには、中途採用について気になっていても「よくわからない…」と気が引けてしまうという方も多いようです。
しかし、さまざまな保育園のサイトを確認すると、私立では全国的に通年で保育士を募集している園が多いことが分かります。
こういったことから、中途採用で勤務できる経験者の保育士さんが重宝される 現状が分かります。
保育士不足の現状から、中途採用の需要について見ていきましょう。
保育士不足の現状は?
現状で保育士不足はどのくらいなのか、全国の保育士の有効求人倍率を比較します。
2023年4月時点での全国の保育士の有効求人倍率は、3.30倍です。
この数字から、保育士1人に対して、2~3件の求人 があるということがわかります。
同じ時期の全職業の平均は1.35倍であることからも、他業種と比べても、保育士の需要は倍以上になっているといえるでしょう。
出典:図表1-2-59 保育士の有効求人倍率の推移(全国)/厚生労働省
上の表では、保育士の有効求人倍率について、2021年までの10年間の推移を見ることができます。
保育士の有効求人倍率は、2019年をピークとして減少傾向にありましたが、依然として他業種より高い数字であることが分かります。
保育士はどれくらい必要とされている?
保育士不足の現状を受けて、厚生労働省では潜在保育士や退職した保育士の確保に向けた「保育を支える保育士の確保に向けた総合的取組」が継続的に行なわれています。
厚生労働省だけでなく、こども家庭庁や全国保育士養成協議会の働きかけによって、ハローワークでの保育士求職者のマッチング事業や、養成校による卒業生のフォロー、また再就職に向けた保育士人材の育成なども行なわれています。
このように、さまざまな角度から保育士獲得に向けた施策が実施されていることからも、保育士さんの中途採用への需要があることが分かります。
転職のベストタイミングは?
Xuejun-Li/stock.adobe.com
中途採用による転職を考えている保育士さんからは、「転職によい時期ってある?」という疑問もよく聞かれます。
サイトなどを通して通年で募集を行なっている保育園も多いですが、それに加えて、保育士さんの需要が高まる時期があります。詳しくは以下で見ていきましょう。
12月~3月
クラス担任を持っている保育士さんはもちろん、そうでない保育士さんにとっても3月の年度末はひとつの区切りの時期でもあり、退職ラッシュとなる園が多い ようです。
そのため、園としても12月あたりから後任の保育士を募集に力を入れることになるのです。
厚生労働省の資料によれば、毎年年度末に向けて、1~2月が保育士求人のピークとなっています。
そのため、12月から中途採用をチェックして新年度に向けた求人を探すのが、最も効率がよく、転職の成功にもつながりやすいと言えます。
7月~9月
年度末に向けた時期に次いで狙い目のタイミングが、7~9月です。
6月から7月にかけて出るボーナスを受け取ってから退職する保育士さんもいることから、この時期に中途採用の需要が高まるようです。
このように、中途採用が出やすい時期、求人の需要があるタイミングを見逃さずに転職にのぞむことで、より希望の転職が実現する可能性も上がると言えるでしょう。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
在宅ワークで保育士資格を活かせる仕事とは?自宅でできる保育関係の仕事を徹底解説
通勤時間なく働ける在宅ワークをしたいと考えても「保育士は無理なんじゃないか……」とあきらめている方はいませんか?保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど、保育士の経験や資格を活かして自宅でで...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
中途採用のメリット
今の職場で長く働いてきたけど、給与や待遇が変わらない保育士さんは、あえて転職することでキャリアアップや待遇改善を狙うことも可能です。ここでは、中途採用のメリットについて見ていきましょう。
給与アップが可能な役職につけることも
これまでは一般保育士で働いていて、入社当時から昇給・昇格がなかった保育士さんもいるでしょう。そんな方が、これまでのキャリアが認められ、中途採用の入職直後から副主任保育士やリーダー職に抜擢されたという例もあるようです。
厚生労働省が発行している保育園の経営者向けの資料では、中途採用者の役職任命について、以下のように認めています。
副主任保育士等として適切な技能・経験を有する職員であれば、中途採用後、直ちに副主任保育士等として発令することも可能です。その際、賃金改善の起点となる給与水準については、当該施設・事業所における同等の職員の基準年度における給与水準に対して改善することとなります。
役職に就くことができれば、手当が加算されることで給与アップも見込まれます。今の職場で長年勤務しているにもかかわらず、役職についての打診がない保育士さんは、思い切って転職 を考えるという手もあるでしょう。
条件や待遇の交渉ができる
保育士さんの再就職について、希望条件を調査した結果が以下の厚生労働省のグラフで分かります。
これによれば、通勤時間などの希望以外にも、勤務日数や給与面など、中途採用にあたって交渉する余地のある条件が多く挙げられています。
こういった条件や待遇面をよりよくしていくために、条件の交渉がしっかりできる転職先を選ぶことが大切です。
面接で待遇や給与の話をしづらいと感じる場合は、転職エージェントを活用してみる のもひとつの手段でしょう。
キャリアや希望にあわせて、直接は話しにくい待遇交渉もしてもらえたり、保育士さんの転職にあたっての希望条件にあう園を見つけてもらったりできるでしょう。
保育士さんへ
「中途採用の募集はどこで探せる?」「効率的に転職情報を集めたい!」など、中途採用を探している保育士さんの心強い味方が保育士バンク!です。あなたの希望の採用条件や理想の働き方を保育士バンク!にご相談ください。
出典:図表1-2-59 保育士の有効求人倍率の推移(全国)/厚生労働省
出典:技能・経験に応じた追加的な処遇改善(処遇改善等加算Ⅱ)に関するFAQ(よくある質問)/内閣府
保育士さんの中途採用はタイミングを狙って成功させよう!
buritora/stock.adobe.com
保育士さんの中途採用の需要は高い傾向にあること、年度末や賞与の時期といった転職に有利なタイミングについても検証してきました。
保育士さんが中途採用を利用して転職することによって、役職アップや待遇改善にもつながる かもしれません。転職エージェントや転職サイトをかしこく使いながら希望が叶う中途採用との出会いを手に入れましょう!
保育士バンク!は、保育士さんの転職に特化した求人サービスです。
豊富な求人の中から、あなたのご希望に合う仕事をご紹介。転職に向けたアドバイスもいたします。もちろん完全無料です!
転職に悩んでいる保育士さんも、なんとなくいつかは…と思っている保育士さんも、まずは情報収集から始めてみませんか?保育士バンク!までお気軽にお問い合わせください。