チャレンジ精神や好奇心が旺盛な子どもたちは、幼稚園で危険な遊びを行なうことがあるかもしれません。重大事故やケガにつながりそうな場合は未然に防ぐことが大切な一方、「危ないことはすべて禁止すべきなの?」と疑問を抱く方もいるでしょう。今回は、幼稚園における危険な遊びへの対処法や保育士の注意の仕方について詳しく解説します。

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幼稚園での危険な遊びはすべて禁止すべき?
子どもが高い所から飛び降りようとしたり、友だちにぶつかりながら遊んだりと、一目で危険な行為だとわかる場合は、危険性をきちんと伝える必要があるでしょう。
ただ「危険だから」とすべて禁止しては、子どもたちが「なぜ危険なのか」「危ないことをすればどうなるのか」などについて自ら考える機会を奪ってしまうこともありそうです。
幼児期における教育基準を具体的に示した幼稚園教育要領の解説の中では、以下のように「子ども自身が危険を回避する能力を培う大切さ」について記載しています。
幼児が自分で状況に応じて機敏に体を動かし、危険を回避するようになるためには、日常の生活の中で十分に体を動かして遊ぶことを通して、その中で危険な場所、事物、状況などが分かったり、そのときにどうしたらよいかを体験を通して学びとっていくことが大切である」
そのため、幼稚園教諭は子どもたちにただ「危険だからその遊びはだめだよ」と伝えるのではなく、教育と安全性のバランスを考えながら注意の仕方を考える必要があるでしょう。
幼稚園での危険な遊びにおける判断の仕方
幼稚園教諭の方の中には、子どもの危険な遊びについて判断基準が難しいと考える方もいるかもしれません。
園によって危険な遊びについての考え方もさまざまでしょう。
例えば、戦いごっこを禁止する園もあれば、大きな遊具を設置してダイナミックな遊びをOKとする園もあるでしょう。
ただ、危険な遊びに関して職員同士の考え方に違いがあると「〇〇先生は遊びをやっていいと言ったけれど、△△先生には危ないからダメだよと言われた。どっちの先生の言うことを信じればいいのかな?」と子どもが戸惑ってしまうことがあります。
そのため、各幼稚園で危険な遊びについてきちんとルールを作成し、職員同士で共有することが大切になりそうです。
また、危険な遊びに関して職員同士で「子どもたちの主体性を大切にしながら安全性を確保するにはどうしたらよいのか」について話し合う場を定期的に設け、意見交換をしていくことも重要です。
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幼稚園での危険な遊びへの対処法

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続いて、幼稚園で安全管理に気をつけながら、危険な遊びについて対処するにはどのような方法があるのか、詳しく見ていきましょう。
自由活動中の配置人数や見守り当番を決める
自由活動中は子どもたちが好きな遊びを行なうため、特に危険に気づかないことが多いかもしれません。
自由活動の時間はホールや園庭、玄関などの配置人数・見守り当番をきちんと決めておきましょう。
「子どもが高いところでバランスを崩しそうになった」「子どもがブランコの順番を守れずに押し合いになった」などの場合は、重大な事故を招きかねません。
子どもたちの安全性を確保するためにも、適切な配置人数を設置して危険を回避しましょう。
危険ポイントやヒヤリハット事例を共有する
園内にはさまざまな危険が潜んでいます。
誤飲や衝突、転倒などといった重大な事故につながりそうなものは、定期的に体制のチェックを行ない、安全管理を徹底しましょう。
また、幼稚園教諭の方の中には安全管理に努めながらも、ときにはヒヤッとしたり、ハッとしたりすることもあるでしょう。
その際は、今後職員間で気をつけられるようにヒヤリハット事例として報告することも大切です。
特に重大事故を招きかねない内容については具体的に報告し、見守り体制などの検証を行なう必要がありそうですね。
子どもの年齢に応じて注意の仕方を変える
4歳児・5歳児クラスでは言葉への理解が進み、自分で少しずつ危険を回避できるようになることが多いかもしれません。
しかし3歳児クラスの場合は、危ない遊びをしていても予測がつきにくい場面がありそうです。
子どもを見守る側も、子どもが危ない遊びをしていると「危ないよ!」「止まって!」と急に声をかけてしまうことがあるかもしれません。
しかし、その声にびっくりして手を放したり、泣き出してしまったりすることもあるでしょう。
危険な行為をしていたら、注意の仕方を考え、ゆっくりと近づき、身体などを補助しながら声をかけるようにするとよさそうです。
子どもが危険を回避する能力を養う機会を設ける
安全性の確保が必要な一方で、子どもたちが自ら危険を回避する能力を養う機会を設けることが大切になります。
以下のように子どもへの対応法を工夫するとよさそうです。
子どもといっしょにルールを作成する
子どもと危険な遊びについて話し合いを行ない、どうすれば安全に遊べるのか考える機会を設けましょう。
また、以下のような紙芝居を取り入れると、子どもたちが安全に過ごすことの大切さを学ぶきっかけになりそうです。
<紙芝居>
・かみなりごろすけのしっぱい
作:林原玉枝 画:鈴木びんこ 出版社:教育画劇
遊具の事故の防止について考えられる紙芝居です。
・あ、あぶない!
脚本:すとうあさえ 絵:中谷靖彦 監修:全日本交通安全協会 出版社:童心社
信号の意味や交通ルールについての理解が深められる紙芝居です。
紙芝居を読み終えた後で子どもたちといっしょにルールを作ると、意見が出やすいかもしれませんね。
子どもが高い場所にいる時は緊張感をもつことを伝える
子どもの中には、滑り台やジャングルジムのうえなど高い場所にいる時に、つい遊びに夢中になり、自分の状況を把握できなくなってしまう子がいるかもしれません。
まず「わあ!高いところにいるね!」「高いところに登ったんだね!」と本人がどこにいるのかを自覚できるような声かけを行ない、自分自身で安全を確保できるように配慮しましょう。
また、そばで危険な行為を察知できるように見守り、いざという時にはすぐに助けられる体制を整えておくことも重要です。

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幼稚園での危険な遊びについて考えよう
子どもの危ない行動を目にすると、その子の力量に関係なく「危ないからやめなさい!」と声をかけたくなることも多いかもしれません。
重大事故やケガが予測できる場合は声をかける必要がありますが、子ども自身が危険を回避する能力を養えるように対処することも大切になります。
日常的に教育と安全性のバランスを考えながら、対応していきましょう。
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