子どもは幼児クラスになると、自分で工夫したり、友だち同士でかかわりをもちながら遊ぶようになります。そこで今回は、保育園で取り入れやすい手作りおもちゃを、3歳児から5歳児の幼児クラスの年齢別に紹介します。子どもたちといっしょに製作できるものもあるので、無理のない範囲で挑戦させてみましょう。
幼児クラス向けのおもちゃとは
乳児から幼児になると、大人から与えられたものだけではなく、自分自身で考えて工夫するようになります。手作りおもちゃを作るときには、子どもの意志を優先させ、作業ができそうなものには参加させてあげることが大切です。
自分で考えて遊べるもの
幼児クラスの子どもたちには、自分が考えたものを取り入れられるおもちゃを用意してあげるといいかもしれません。3歳児から、少しずつ自我を持つようになる子もいるので、子どもたちに目的に持ってもらいやすくしたほうがいいかもしれません。
友だち同士でかかわりながら遊べるもの
3歳児から5歳児は、自分だけではなく、他人とかかわりを意識し始める時期でもあります。遊びやおもちゃを他人と共有してみたり、子どもたちで簡単なルールを決めて遊ぶようなこともあるでしょう。複数人の子どもたちで遊ぶことができるおもちゃを用意してあげると、教育面としてもいいかもしれませんね。
自分で工夫しながら作れるもの
幼児クラスの子どもたちは、おもちゃを自分なりに工夫したいと思うようになります。おもちゃを作る工程の中でも、子どもができる作業はあるので、挑戦させてみることが大切です。ただ、カッターなどの道具には注意をして、安全に取り組んでもらいましょう。
3歳におすすめの手作りおもちゃ
ここでは、遊びやおもちゃを自主的に考え始める3歳児向けの手作りおもちゃを紹介します。子どもたちの様子を見て、いっしょに作れるところは手伝ってもらいましょう。
とことこ人形
用意するもの
・ミシン糸の芯
・割りばし 1本
・輪ゴム 2本
・ボタン
・紙コップ
・ボビン
作り方
1.割り箸を短く切り、輪ゴムを結ぶ。
2.ボビンに、輪ゴムを結んだ短い割り箸を通します。
3.輪ゴムをボタンの穴へ通します。
4.長い割り箸に、輪ゴムを取り付けます。
5.紙コップに好きな絵を描いて、完成です。
遊び方やポイント
動物やキャラクターを描いた紙コップを、ゴムを巻いたボビンの上に乗せ、動かせます。保育者がボビン部分を作るようにして、子どもたちには紙コップに好きな絵を描いてもらうようにしたほうがいいかもしれません。
ぴょんぴょん動物
用意するもの
・紙コップ 2個
・輪ゴム
・画用紙
・はさみ
・ペン
作り方
1.1つの紙コップの飲み口部分に、4箇所の切り込みを入れます。
2.輪ゴムを切り口に、交差するように引っ掛けます。
3.画用紙で動物や好きなキャラクターの顔などを作ります。
4.輪ゴムを引っ掛けた紙コップに、画用紙を貼り付けて完成です。
遊び方やポイント
動物やキャラクターの紙コップを、紙コップに重ね、飛ばして遊びましょう。子どもたちの好きなものを描くことができるので、喜んでくれそうですね。どこまで飛ばすことができるのか子どもたち同士で競ってみるのも楽しいかもしれません。
海の生き物ジョーロ
用意するもの
・ペットボトル
・ビニールテープ
・ペン
・カッター
・きり
作り方
1.ペットボトルを好きな長さに切ります。
2.ペットボトルの底に、きりを使い、いくつか穴を開けます。
3.ビニールテープを巻きつけたり、絵を描いたりすると完成です。
遊び方やポイント
水をペットボトルの中に入れると、穴から水が出ます。いろいろな海の生き物にアレンジすることができるので、子どもたちは喜んでくれそうです。遊ぶだけではなく、ジョーロとして使うことで、自然勉強の一つになるかもしれませんね。
ビー玉コロコロ落とし
用意するもの
・ペットボトル 1本
・マスキングテープ 1個
・型紙 1枚
・ビー玉
・カッター
・はさみ
・テープ
作り方
1.ペットボトルにマスキングテープを2箇所貼ります。
2.マスキングテープに沿って、ペットボトルを切り、3等分にします。
3.型紙を半分に折り、半円に切り取り、中央にビー玉が入るくらいの穴を開けます。
4.円形の型紙をペットボトルの中に2箇所、取り付けます。
5.ペットボトルのなかにビー玉を入れて、キャップでとめてテープで固定すると、完成です。
遊び方やポイント
子どもたちはどのようにすれば穴をビー玉に入れることができるか、考え始めます。二つ制作し、どちらが先にすべてのビー玉を通すことができるのか、競争させてみることも楽しんでくれそうです。
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4歳におすすめの手作りおもちゃ
4歳児になると、周りの人とのかかわりかたを考えるようになり、より想像力が豊かになります。子どもだけで製作できるものもあるので、ぜひとりいれてみてください。
打ち上げ空気砲
用意するもの
・ペットボトル
・画用紙
・ティッシュなどのやわらかい紙
・はさみ
・ビニールテープ
・ペン
作り方
1.四角いペットボトルの蓋をとり、ビニールテープを使って、画用紙の筒をしっかり取り付ける。
2.ティッシュなどのやわらかい紙を丸めて、弾にして、完成です。
遊び方やポイント
子どもたちが手で押せるように、使うペットボトルはできる限りやわらかいものを選んであげてください。また、ビニールテープで画用紙の筒を固定するときには、空気が抜けないよう隙間がないようにしましょう。
ボウリング
用意するもの
・ペットボトル 10本
・装飾用のビニールテープなど
・新聞紙
作り方
1.ペットボトルにビニールテープを巻き、ピンを作ります。
2.新聞紙を丸め、ボールにして、完成です。
遊び方やポイント
新聞紙のボールを使って、ペットボトルを倒して遊びます。ボールがしっかり転がるように、丸めた新聞紙の周りにテープを巻き、型が崩れないようにするといいかもしれませんね。作り方がとても簡単なので、子ども自身で製作することができるはずです。ボーリング大会と題して、子どもたちで競い合わせてみると、楽しんでくれそうですね。
ブーブー鳴くブタさん
用意するもの
・紙コップ 2個
・ストロー 1本
・テープ
・はさみ
・ペン
・千枚通し
作り方
1.紙コップを半分に切ります。
2.ストローの蛇腹部分を伸ばし、口部分に4か所の切り込みを入れ、外側に開きます。
3.半分に切った紙コップの内側に、ストローを付けます。
4.紙コップにブタの顔を描きます。
5.もう1つの紙コップの底に、ストローが通る大きさの穴を開け、色を塗ります。
6.顔部分の紙コップと合わせると、完成です。
遊び方やポイント
ストローを持ち、上下に動かせることで音が鳴ります。このおもちゃをいくつか作り、子どもたちで人形劇をしてみると、楽しんでくれるかもしれません。ブタだけではなく、いろいろな動物を作り、ミニチュア動物園を開園させてみてはいかがでしょうか?
5歳児向けの遊びや手作りおもちゃ
フーフーボール
用意するもの
・ストロー
・発泡スチロールの玉
・はさみ
作り方
1.ストローの先に切り込みを入れ、5枚くらいに広げる
2.発泡スチロールの玉を上に乗せて、完成です。
遊び方やポイント
一定の息を維持させることが難しいかもしれませんが、4歳児くらいの肺活量であれば、軽く息を吹いて玉を浮かせることができるはずでしょう。玉が浮くと、子どもたちはきっと驚いてくれるはずなので、楽しんでくれるでしょう。また、子どもたちに玉が浮く理由も合わせて説明してあげることで、より興味を持ってくれるはずです。
紙コップけん玉
用意するもの
・紙コップ 2個
・セロハンテープ
・新聞紙 1枚
・タコ糸 60cm 1本
・折り紙 1枚
・トイレットペーパーの芯 1本
作り方
1.紙コップの底同士を、テープを使って合わせます。
2.新聞紙の中心に、タコ糸がくるようにして丸め、テープで固定します。
3.折り紙で、丸めた新聞紙を包み、紙コップと繋げます。
4.トイレットペーパーの芯に、2cmずつ切り込みを入れ、のりしろ作ります。
5.紙コップに、トイレットペーパーの芯を固定し取っ手にすると、完成です。
遊び方やポイント
紙コップをプリン容器などに変えることで、一人ひとりに合わせた難易度に調整することができます。何回連続で成功させることができるか競ってみると、子どもたちは盛り上がってくれそうですね。
空き容器で作るフィッシング
用意するもの
・乳酸菌飲料などの空き容器
・PEテープ
・モール
・ビニールテープ
・タコ糸などの紐
・割り箸
・シールなど
作り方
1.乳酸菌飲料の容器にビニールテープを巻きます。
2.PEテープとシールで、お魚に仕上げます。
3.モールとタコ糸、割り箸を繋いで釣竿を作ると、完成です。
遊び方やポイント
使う容器にすることで、口の大きさや重さが変わり、難易度を調整することができます。時間を決め、何匹釣ることができるのか対戦形式にしてみると、子どもたちは夢中になってくれるはずです。
3歳児、4歳児、5歳児、それぞれに合う手作りおもちゃを作ろう
3歳児から5歳児までは、運動能力や想像力が著しく向上する時期でもあります。それぞれの年齢に合った遊びや手作りおもちゃをあたえることは、幼児が健康的に成長するにあたり、大切なことです。ぜひ、今回紹介した手作りおもちゃを参考にして、幼児たちが笑顔で過ごすことができる保育園を目指してください。