子どもたちにとって保育園での楽しみでもある給食ですが、中には食べない子どももいるでしょう。食べる量が少ないと健康や偏食なのではないかと心配になってしまう保育士さん、保護者の方もいるかもしれません。そこで今回は、給食を食べない理由や給食援助術を紹介します。子どもが楽しめる給食の時間をつくっていきましょう。
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保育園で給食を食べない子にはどうするべき?
食事は、子ども一人ひとりによって好みや意欲が異なるため、援助が難しく感じるでしょう。
健康のことを考えると、頑張って食べてほしいと思う保育士さんもいるかもしれませんが、給食を食べない子どもに対して無理に食べさせることは避けましょう。
食べない姿だけを捉えるのではなく、なぜ食べないのかの理由を考え、給食の進め方を工夫してみるとよいかもしれません。
まずは、偏食や好き嫌いだけではない、予想される給食を食べない理由を見ていきましょう。
保育園で給食を食べない理由
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保育士さんはまず、なぜその子が給食を食べないのか、理由を考えてみることが大切です。予想される給食を食べたくない理由を紹介します。
お腹が空いていない
そもそもお腹が空いていないということも考えられるでしょう。
給食までの活動量が物足りなかったり、朝食を食べ過ぎていたりするのかもしれないですね。
眠たい
特に0歳児1歳児クラスには、給食中に眠たい子がいるかもしれません。たくさん活動したあとに着席してゆったりすごしていると、ぼーっとしてしまう子もいるかもしれないですね。
うとうとし始めているときは、誤嚥につながる恐れがあるため、そのままにしておくことは避けましょう。気分転換する、午睡に入るなど、一人ひとりにあった安全なかかわりが必要です。
体調不良
お腹が痛い、発熱しているなど、体調不良が理由となって食べられないこともあるようです。
3歳児以降の幼児クラスでも、言い出せなかったり、体調に違和感があるけど楽しく遊んでいたりする場合もあるでしょう。
保育士さんが予想して汲み取ることが大切ですね。
興味がない
食事自体に興味がない子もいるでしょう。
食べる意欲を育むことは大切ですが、そもそも興味がない場合は援助のやり方も難しいかもしれないですね。空腹を感じたら少しずつ食べられるかもしれません。
環境が落ち着かない
環境も、給食を食べない要因のひとつかもしれません。家だと食事をするけど保育園だと食べない、その逆もあるかもしれないですね。
慣らし保育中の子どもなどは特に、警戒心や落ち着かない雰囲気から、お腹は空いているけど食べない場合もあるでしょう。
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保育園で給食を食べない子にできることとは
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子どもの気持ちは尊重しつつも、どうしたら食べられるようになるかの工夫を考えることは必要です。給食援助のアイデアを紹介します。
食育活動を取り入れる
食材に興味を持つことは、食事への意欲につながるのではないでしょうか。
0歳児、1歳児クラスは食材に触れたりちぎったりすることを取り入れてみるとよいでしょう。
2歳児クラスくらいからは、クッキーなどの型とりなども楽しめるかもしれません。
3歳児以降の幼児クラスは、簡単なクッキングも楽しめるでしょう。
年齢や発達に合わせて活動に取り入れてみるとよいですね。調理員とのふれあいや、作っている姿を見る体験もよいかもしれません。
楽しい雰囲気をつくる
保育所保育指針にも、「食事は、楽しい雰囲気の中でよろこんで食べることが大切」という内容が示されています。
友だちや先生と楽しく食事をし、さまざまな食材を食べる楽しさを味わうことが食育や食事意欲の向上につながるでしょう。
穏やかな雰囲気作りや食べることに対する前向きな声かけなど、保育士さんが工夫していく必要があるのではないでしょうか。
遠足などのイベントも、食事を楽しめるきっかけのひとつとなるかもしれません。
活動量や給食時間を検討する
保育園は、子どもの生活リズムを整える必要があり、心地よい空腹を感じて食事に入れるように計画することが大切でしょう。
しかし、一人ひとりに合わせて行なうことが難しい現状もあるかもしれません。保育士やご家庭と話し合うなどしながら、できる援助を取り入れていきましょう。
食事量を調節する
食べられる量は、一人ひとりによって異なります。少食の子は、毎日給食を残してしまうと給食の時間が楽しいと感じられないかもしれません。
まずは、食べられる分だけの食事量に調節し、達成感が味わえるようにするとよいでしょう。ただしその場合は、ご家庭と相談して進める必要があるので覚えておきましょう。
2歳児クラスの後半や3歳児以降の幼児クラスでは、子どもが配膳することを取り入れている保育園もあるかもしれないですね。
出典:保育所保育士指針解説/厚生労働省保育園の給食を食べない!まずは食事の楽しさを伝えよう
保育園の給食を食べない子どもへの援助法を紹介しました。食事の意欲や量は、子ども一人ひとりで異なります。
偏食など好みの場合もあれば、慣らし保育や雰囲気などの環境が原因の場合もあるでしょう。1歳頃の言葉が出始める時期でも、なかなか気持ちを表現することは難しいものです。
どんな年齢の子どもに対しても、保育士さんが子ども一人ひとりの気持ちを汲み取ることで、適切な援助につながるでしょう。
完食することを目指すのではなく、まずは子どもたちにとって、給食が楽しい時間になるとよいですね!
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あなたが楽しく働ける職場をいっしょに見つけていきましょう。