保育士さんが子どもと関わる中で重要な「保育の質」とは、どのようなことなのでしょうか。子どもを取り巻く環境がめまぐるしく変化する昨今、保育の質の向上を目指す取り組みが求められています。今回は、保育の質の概要や保育の質向上に向けた8つの具体例を紹介します。子どもが健やかに育つ環境を作り上げるために必要なことを考えていきましょう。
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目次
保育の質とは
保育を学ぶ中で「保育の質」という言葉をよく耳にします。
保育の質とは、子どもたちが心身ともに充実し、豊かに生活するための環境や経験のことを指します。
そのため、子どもを預かる保育施設にとって「保育の質の向上を目指す」ためにはどのような取り組みが必要なのか、具体的に考えることが重要です。
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保育の質の向上を目指す理由
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まずは、保育の質の向上を目指す理由について詳しく見ていきましょう。
子どもの健全な成長や発達を促進するため
保育施設の主な目的は、子どもたちの健全な成長と発達を支えることです。
保育施設では、子どもたちに安心できる環境を提供し、年齢に適した教育と遊びを通じて情緒の発達をサポートする必要があります。
質の高い保育を実現させることで、子どもたちが自信をもち、他者とよりよい関係を築く社会性を養うことにつながるでしょう。
保護者の信頼と安心感を得るため
保護者にとって、子どもを安心して預けられる環境はとても大切です。
保護者が仕事や他の活動に専念できるよう保育の質を高め、子どもの保育環境を整備することで、信頼性の高い保育施設となるでしょう。
その評価が世間に認知されると、保育施設の利用者が増えることにつながります。
保育士の専門性と職業満足度を向上させるため
保育の質を高めるうえで欠かせないのが、保育士の専門知識と技術の向上です。
保育士が研修や教育を受けることでスキルアップできる機会が増えると、仕事にやりがいを感じ、満足感が高まります。
その結果、離職率が低下し、質の高い保育サービスの提供につながるでしょう。
また、保育の質の向上が実現できれば、その評判が広まり、施設への勤務希望が増えそうです。そうすることで優秀な人材が集まりやすくなります。
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保育の質の向上に向けたプロセス
保育の質の向上を目指すといっても、具体的にどのような取り組みを行なえばよいのかと悩む保育施設もあるでしょう。
現場の実情をふまえて具体的な計画を立てていきましょう。
以下のようなプロセスを踏むとよさそうです。
1.現場の実情を把握し、課題を確認する
まず、現在の保育環境や教育内容を確認し、どのような改善が必要なのかを明確にします。
重要なのは現場で活躍する保育士からの意見を集めることです。
保育士同士で意見交換を行なう場を設け、保育の質の向上を目指すためには何が必要なのかを話し合いましょう。
2.目標・計画を設定する
現場での改善点が明確になったら具体的な目標を立てていきます。
目標の達成に向けて必要な研修を確認し、その機会を設けることも大切です。
例は以下の通りです。
<目標例1>
・子どもの個性を大切にケアやサポートを行なう
子ども一人ひとりの個性をとらえたうえで、月に一度子どものケアやサポートについて保育士同士で話し合いの場を設ける
研修予定:子どもの心理カウンセラーの講師を呼び、研修の機会を設ける
<目標例2>
・保育環境の安全性と快適性の維持に向けて行動する
施設内の安全点検や衛生管理の方法を半期に一度話し合う
研修予定:地域の消防署との意見交換会を設定、保育施設の安全計画について話し合う
目標を立てたら、達成に向けて計画を立てます。
職員の負担にならないよう、話し合いや研修の日程を調整することが大切です。行事などで多忙な時期を避けるなどの配慮をしましょう。
3.評価と改善を行なう
最後に目標の達成度や改善策への評価を行ないます。
改善策が必ずしも上手く機能するとは限りません。
継続的に保育の質の向上を目指せるよう、内容を再調整することも大切です。
上記のようなプロセスをふめば、保育の質の向上を目指すために何が必要なのかを園全体で考えることができます。
【保育の質の向上に向けた具体例】子どもの環境整備
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保育の質を高めるためには、子どもや保育士の環境整備も重要です。
保育の質を向上させるためにできる、子どもの環境整備を具体的に紹介します。
安全対策を徹底する
園内の安全対策は保育の質の向上を高めるために必要不可欠です。
子どもたちにとって安心できる環境を作り上げましょう。
【実践例】
- 必要なおもちゃや備品の仕分けを行ない、物を減らす
- コンセントカバーや角のガードなど、安全装置を適切に配置する
- 掃除や消毒の方法を見直し、子どもたちが清潔な環境で過ごせるようにする
年齢に応じたおもちゃや教材の設置
年齢や発達段階にあわせたおもちゃや教材を用意して、子どもたちが興味をもち、学びやすい環境を整備します。
おもちゃや教材の取りやすさ・片づけやすさを考えたうえで配置していくとよいでしょう。
自発的な活動を促す環境の整備
子どもたちが自発的に遊びを楽しめるように、工作コーナーや読書コーナー、ゲームコーナーなどを設置するとよいかもしれません。
材料や道具を自由に取り出せるよう配置するなど、創造力や想像力を高められるような配慮をしましょう。
心地よい雰囲気作り
保育室を、明るく親しみやすい雰囲気になるように整えましょう。
壁面に子どもの絵や写真を飾ったり、季節にあわせて自然物を吊り下げたりと、さまざまな取り組みを行なうとよさそうです。
また、子どもたちに温かな環境を提供するためには保育士さんが子どもの年齢に合わせてスキンシップを図ったり、主体的に動けるようにサポートしたりとケース別に対応することも大切です。
子ども一人ひとりの個性をとらえ、心地よく過ごせるように配慮していきましょう。
【保育の質の向上に向けた具体例】保育士の環境整備
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保育の質を向上させるためには子どもの環境を整備するだけでなく、子どもを預かる側の保育士の職場環境を整備することも重要です。
保育の質の向上に向けて園側が取り組むべき、具体例を紹介します。
労働環境の整備
現場の労働環境が整備されていなければ、子どもを見守る側の保育士さんは保育の質の向上を目指す気持ちの余裕は持てないかもしれません。
園側は働きやすい環境を作り上げることが大切です。
<改善例>
- 保育士の配置人数を増やす
- 昇給制度を取り入れる
- 資格手当や誕生日休暇などの福利厚生を取り入れる
- 残業時間の削減や持ち帰り残業の禁止に取り組む
- 妊娠や出産、育児と両立できる環境を整える
保育士の人材不足の中で配置人数を増やすというのは難しいかもしれません。
ただ、人手不足が起こると職員一人ひとりの負担が増えてしまいます。
短時間のパートを雇用したり新しい採用手法を導入したりとさまざまな試みを行ない、人材の補充を考えてみましょう。
質の高い人材の育成
園側は保育士自身のスキルアップや成長を支えるための環境を整えましょう。
例えば、経験豊富な保育士と新人保育士をペアにしてサポートするシステムを導入します。
経験豊富な保育士が指導するだけでなく、2人で共同して取り組む課題やプログラムを用意しましょう。
お互いの存在が刺激になり、相互でスキルアップできるような仕組みにすることが大切です。
その際、保育士同士の相性も大切になります。
保育観や保育活動の様子、コミュニケーションの取り方などを総合的に判断して、ペアを決めていきましょう。
リーダーシップ体制の確立
保育の質の向上に向けて、保育士同士の協力体制の確立は重要なポイントになります。
現場の中心人物であるミドルリーダーが園長とのパイプ役や各担任の意見の吸い上げなどを行ない、職員同士の対話の機会も増やしていきましょう。
協力体制が整うと、保育士一人ひとりが「自分は一人で保育をしているわけではない」という安心感を抱きながら働くことができそうです。
保育士の心身がケアできる体制の確立
保育士は、子どもの命を預かり健やかな成長を支える、社会的に重要な存在です。
仕事柄、重責やストレスを抱え、離職してしまう方もいるでしょう。
園側は保育の質の向上を目指すためには、保育士自身の心身のケアを行なう体制を整えることが大切です。
定期的なストレスチェックを行なったり外部からカウンセラーを呼んだりと、悩みを相談できる体制を整えるとよいでしょう。
保育の質の向上に向けた具体例を知り、現場に役立てよう
保育の質の向上を目指すためには、まずそれぞれの園がどのような課題を抱えているのか、明確にする必要があります。
その課題に対して職員同士で意見交換を行ない、改善に向けたプロセスを話し合うことが重要です。
しかし、中には保育の質の向上に向けて取り組めない状況の方もいるかもしれません。
ときには「子どもの主体性を大切にしたくても他の業務に追われて辛い…」などと不満を抱くこともあるでしょう。
そんなときは環境を変えるのもひとつの方法です。
保育士バンク!では、質の高い保育を実践する園を紹介させていただきます。非公開求人や働きやすさ抜群の園も提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。
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