地震や火災が発生したときのための避難訓練。特に保育園という場所では、子どもたちの安全を確保するためにも、日頃からしっかり練習しておくことが大切になります。今回は、保育士バンク!公式Instagram上で、避難訓練についてアンケートを実施。実際に保育士さんたちが現場で気をつけているポイントや子ども向けの説明方法を調査しました。
子どもたちの命を守る「避難訓練」
火事や地震、水害などを想定して、被災時の流れや行動をシミュレーションする避難訓練。
多くの子どもたちを預かる保育園では、子どもたちの安全を確保するために月1回の実施が義務づけられています。
そんな保育園の避難訓練では、以下のようなポイントが大切にされるようです。
- 子どもに避難訓練の大切さを知ってもらう
- 逃げるときの注意点をわかりやすく伝える
- 安全に避難する
では、訓練を行うときは具体的にどんな点に気をつけるべきでしょうか?
保育士バンク!公式Instagramで集まった現役保育士さんからのコメントをもとに、避難訓練について考えてみましょう。
保育園の避難訓練:気をつけることは?
metamorworks/stock.adobe.com
避難訓練を実施するとき、どんなことに注意しているか保育士さんたちに聞いてみました。
職員同士で連携を取る
保育士さん
職員同士で流れを確認します!
保育士さん
子どもを集める人、荷物を取りに行く人、避難経路を確保する人…など役割を分担しています。
被災時にはただ逃げるだけでなく、周囲の安全を確保したり、子どもの人数を確認したりとやるべきことがたくさんありますよね。
なるべくスムーズに避難できるよう、職員同士の連携を大切にするという意見が多く寄せられました。
焦らず落ち着いて周りを見る
保育士さん
子どもの人数を常に把握しています。逃げ遅れる子がいないように!
保育士さん
職員が焦ると子どももパニックになる!落ち着いて声をかけています。
保育士さん
変に緊張させないように、いつもと同じようなトーンでの声かけ・雰囲気作りを心がけます。
安全に避難するには、保育士さんが落ち着いて行動することが大切。
人数や建物の安全、避難経路などをしっかりと確認して、子どもがパニックにならないよう冷静に対処する保育士さんが多いようです。
子どもたちへの声かけにも配慮を
保育士さん
泣きそうな子どもがいたら、「大丈夫だよ」「涙で前が見えなくなってしまうよ」など、安心して避難ができるような声かけをします。
保育士さん
放送が聞こえたら静かにすること、先生の近くに集まることを伝えています。
保育士さん
逃げる場所と、逃げた先にどの先生がいるのか教えます。
保育士さん
訓練だからとふざける子どもには危機感を持たせる声かけをしていました!
緊張感は持たせつつも、過度に不安にならないよう配慮しているという声も。
メリハリを持って取り組めるとよいですね。
実施方法を工夫
保育士さん
シフトによっては職員が少ない時間もあるので、そういうときに被災しても対応できるよう訓練の時間を考慮しています。
遅番の時間や午睡中などイレギュラーな時間での訓練を実施して、いつ何があっても大丈夫なよう準備しているという園があるようです。
園長先生が不在の場合、保護者に連絡が取れない場合なども想定して、いざというとき落ち着いて対応できるよう準備しておきたいですね。
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保育園の避難訓練:どんな説明をする?
maroke /stock.adobe.com
避難訓練では、子どもたちに訓練の大切さや逃げ方をきちんと伝えることが大切です。
ここからは、子ども向けの話し方について、具体例を交えて紹介します!
合言葉でお約束を確認!
「火事はお口マスク」「地震はダンゴムシ」
被災したときの行動については、子どもたちがイメージしやすい言葉で伝えている保育士さんが多数いました!
合言葉として繰り返し説明して、いざというときにサッと行動に移れるように話をしていきましょう。
いかのおすし
「いかのおすし」とは、不審者に遭遇したときの対処法に関する合言葉で、それぞれの頭文字を取ってまとめています。
いか:知らない人についていかない
の:声をかけられても車にのらない
お:おおごえを出す
す:すぐ逃げる
し:先生やお家の人にしらせる
守らないとどうなってしまうかを説明しながら、子どもたちが危機意識を持てるように伝えていくとよいでしょう。
おはしも
「おはしも」とは、避難するときの約束についてまとめた合言葉です。
お:前の人をおさない
は:はしらない(かけない)
し:しゃべらない
も:もどらない
他の約束をプラスして「おはしもよ(よく聞く)」「おかしもな(なかない)」といった変形パターンも使われています。
また、「おかしもきなこ(話をきく、なかない、こわがらない)」とする保育士さんもいました。
説明の仕方を工夫
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視覚教材を使う
保育士さん
紙芝居で避難の流れを視覚的に説明し、それに加えて「おかしも」の重要性を伝えます。
保育士さん
「おかしも」をプラカードで説明しています。
表に「お」の文字、裏に「おさない」の文字とともにイラストを書いたものです!
保育士さん
「おかしも」のペープサートを使って説明しています!
子どもたちがイメージしやすいよう、スケッチブックや絵カードといった視覚教材を取り入れる声が多数!
また、「クイズ形式で逃げるときのポイントを確認する」という方もいました。
日頃から繰り返し伝える
保育士さん
避難訓練に関する絵本を週1で読んでいます。
その後、もしクラスで避難するときはどうするかを説明します。
保育士さん
紙芝居を手作りして、なんでもない日にも読むようにしていました!
日頃から避難訓練に関する話を取り入れるという保育士さんの声が寄せられました。
いざというときに動けるようにするには、繰り返し話をすることが大切なのですね。
具体的な話し方の例
「今日は練習だから落ち着いてしようね!」
「いつもよりも早く並ぼうね。時間を測るよ!」
「自分の命は自分で守るんだよ」
避難訓練の際は上記のような声かけをするという意見がありました。
子どもたちが訓練をする重要性を理解して行動できるよう、わかりやすい言葉で伝えていきましょう。
ノウハウを知って保育園の避難訓練に活かそう!
今回は保育園の避難訓練について、現場の保育士さんに聞いた気をつけるポイントや声かけの例などをまとめました。
いざというときの安全を守る避難訓練。子どもたちに重要性をしっかり伝えて、真剣に参加する雰囲気作りをしていきましょう。
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