シフト制で働く保育士さんであれば、「遅番」という言葉を聞いたことがあるでしょう。一般的に、閉園時間まで働くシフトを示すようですが、具体的に何時から何時まで働き、どんな仕事を任されるのでしょうか。今回は、保育士さんの「遅番」について解説します。また、遅番で働くメリットやデメリットもまとめました。
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目次
遅番で働くとは?
保育士さんの働き方として一般的なシフト制。
多くの園では「早番」「中番」「遅番」などを設け、保育士さんはローテーションで勤務しています。
なかでも遅番は、お昼頃あるいは夕方頃に出勤し、子どもが降園する閉園時間まで働くシフトです。
具体的に何時から何時まで働くのかは園によって異なります。また、正社員とパート・アルバイトといった雇用形態によっても変わるでしょう。
正社員は1日8時間勤務が基本となるため、閉園時間が19時だとすると朝10時頃に出勤するイメージです。
一方、パートやアルバイトであれば1日2、3時間程度の勤務が認められている園もあるため、お昼過ぎや夕方からの勤務スタートも可能でしょう。また延長保育を実施している園であれば、夜の数時間のみに働くこともできるかもしれませんね。
今回は、そんな遅番シフトで働く保育士さんの仕事内容や働くメリット・デメリットなどを紹介します。
遅番で働く保育士の仕事内容
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まずは、遅番で働く保育士さんの仕事内容を見ていきましょう。
延長時間の保育
遅番の保育士さんの仕事の一つが、延長保育の対応です。
降園時間を超えて預かる子どもたちと遊んだり、時間によっては軽食や夕食を援助したりします。
延長保育の時間は子どもの人数が少なくなるため、異年齢の合同保育を行うことも多いようです。
子どもの引き渡し
迎えに来た保護者へ子どもを引き渡すのも、遅番の保育士さんの仕事内容です。
引き渡しの際に、連絡帳・おたよりなどの配布や翌日の連絡事項の共有なども行うでしょう。
また、早番や中番の保育士さんから引き継いだ内容をもとに、保護者に対しその日の子どもの様子を伝えるのも遅番の保育士さんの役割です。
明日の早番担当への引き継ぎ準備
翌日の保育士さんへの共有事項をまとめ、引き継ぎの準備を行うのも遅番の保育士さんの仕事です。
翌日の早番保育士さんがスムーズに仕事を始められるよう、その日の子どもの気になる様子や保護者から伝え聞いた内容を記録しておきます。
また、早番保育士さんの負担を減らすために、前日のうちに保育室内の環境を整えたり、翌日の活動の準備をしたりする場合もあるようです。
保育園の閉園準備
子どもたちが全員降園した後に、保育園の閉園準備をするのも遅番の保育士さんの仕事です。
具体的には、園内の清掃や各部屋の戸締り、安全確認などを行います。最終チェックを行い、問題がなければ最後に保育園の鍵を閉めます。
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保育士が遅番で働くメリット・デメリット
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では、保育士さんが遅番で働くのにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。
メリット
ゆっくり出勤できる
遅番で働くメリットの一つが、お昼や夕方などにゆっくり出勤できることです。
何時から働き始めるかによっても変わりますが、延長保育の時間に働く場合であれば夕方や夜から勤務スタートとなるため、午前中を他のことに充てることができます。
たとえば、パートやアルバイトを掛け持ちしたり勉強をしたりと時間の使い方は自由ですね。
また、1日8時間勤務でお昼頃に出勤する場合でも、ラッシュにあわずに通勤できたり早起きする必要がなかったりするので、朝が苦手な方にとってはプラスといえるでしょう。
残業手当がつく・時給がアップする
遅番で働くもう一つのメリットは、残業手当がついたり時給がアップしたりする場合があることです。
園によっては早番と遅番で異なる時給を設定していたり、遅番シフトには手当を支給していたりするケースがあります。
そういった園では、できるだけ短い勤務時間で効率的に稼ぐことができるでしょう。夕方や遅い時間まで働ける方は、求人票の給料欄をしっかりと確認したうえで遅番を希望するのもよいかもしれませんね。
デメリット
帰宅時間が遅くなることも
遅番のデメリットとして、帰宅時間が遅くなることがあります。
何時まで開園しているかはそれぞれ異なりますが、なかには夜8時や9時頃まで延長保育を行っている園もあるようです。
延長保育が終わったあとに片付けや翌日の準備などを行って勤務終了となるため、場合によっては帰宅が10時などになってしまうこともあるかもしれません。
また、保護者が時間までに迎えにこないといったケースもあるようです。すべての子どもを引き渡すまでは帰れないため、日によっては残業になることもあるかもしれませんね。
閉園準備は責任が重い
遅番で働くデメリットとして、閉園準備の責任の重さが挙げられるでしょう。
例えば窓やドアの戸締りを行って防犯対策をするのはもちろん、部屋の電気やエアコンなどの消し忘れがないか入念にチェックし、火事などが起きないように気を配る必要があります。
また鍵の保管にも注意しなければならないため、責任を感じる保育士さんもいるかもしれません。
遅番の働き方について保育士が知っておきたいこと
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最後に、遅番勤務をするうえで保育士さんが知っておくとよいことをまとめました。
園によっては遅番のみを希望することも可能
保育園によっては、パートやアルバイトの場合遅番のみの勤務を希望することもできます。
遅番の時間帯だけで働きたい方は、求人票に「遅番のみOK」といった文言があるか確認してみましょう。
また、夕方からの勤務時間に限定して募集している求人もあるかもしれないので、勤務時間の欄をきちんと確認するとよいですね。
園によっては遅番をせずに働くことも可能
遅番のみで働ける園がある一方で、遅番を避けて働くこともできます。
早番や中番など早い時間帯だけで働きたい方は、固定勤務が可能な園を探してみましょう。
求人に「勤務時間や日数の相談可」といった記載がある園は、柔軟に勤務スタイルを調整してくれる可能性もあるため、面接の際に伝えてみるとよいかもしれません。
また遅番のみ、あるいは遅番以外で働ける保育園を探すのに不安がある方は、転職アドバイザーを利用してみるとよいでしょう。
アドバイザーに働き方の希望を伝えれば、自分に合った園を紹介してもらえます。また相談にも乗ってもらえるので、転職に不安がある方は活用してみるとよいですね。
保育士が遅番で働くメリットやデメリットを知り、働き方の参考にしよう
今回は、遅番で働く保育士さんの仕事内容や、仕事をするうえでのメリットとデメリットなどを紹介しました。
延長保育をしたり保護者への引き渡し、保育園の閉園作業などを行ったりするのが、遅番勤務の保育士さんの主な仕事内容です。
帰宅時間が遅くなりがちといったデメリットがある一方で、朝ゆっくり出勤できたり場合によっては時給がアップしたりといったメリットがあるでしょう。
園によっては「遅番のみ」あるいは「遅番以外」の働き方が可能な場合もあります。今回紹介した内容を参考に、自分が希望する働き方を実現できる園を見つけてみましょう。
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