保育園の製作遊びで、子どもにはさみの使い方を伝えたい保育士さんもいるでしょう。一般的に2歳児・3歳児クラスなどから使い始めることが多く、安全性に配慮して説明することが大切になります。今回は、はさみの使い方を伝える際の導入方法、お約束事などを紹介します。一回切りなどステップ別の指導方法や製作アイデアもまとめました。
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目次
保育園ではさみを使うのはいつから?
保育園の製作遊びで「はさみ」を使い、折り紙や画用紙などを切って工作を楽しむことがあるでしょう。
はさみはさまざまな物を切るときに便利なアイテムですが、使い方を間違えると人を傷つけてしまう可能性があります。保育士さんの中には、子どもが何歳からはさみを使い始めるべきなのか、迷う方もいるでしょう。
一般的にはさみは2歳児~3歳児くらいから使用することが多いといわれていますが、「座って先生の話を聞き、落ち着いて活動に参加できる」ことを目安に、使い始める時期を調整するとよさそうです。
また、2歳児~3歳児頃は、子どもによって言葉の語彙力や理解力に違いがあるでしょう。はさみの使い方や約束事を説明しても、どのように対応すべきかわからない園児もいるかもしれません。
はさみを使った活動をする際は、個別に対応できるよう、補助の先生を増やしたり、少人数のグループごとに活動したりと配慮することが大切になります。ねらいや導入方法、援助ポイントをきちんと考え、安全に活動が進められるように準備していきましょう。
保育園ではさみを使った製作遊びをするねらい
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保育園ではさみを使った製作を行うときのねらいは以下の通りです。
- 道具の正しい使い方を知る
- 道具を使って製作遊びをする楽しさを感じる
- 作品の作り方を工夫して創造力や発想力を養う
はさみは使い方次第で危険を招く恐れがありますが、正しい使用方法を覚えれば遊びの幅が広がるアイテムです。子どもたちにどのような能力が育ってほしいのか考えて、ねらいを定めましょう。
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保育園ではさみを使い方を伝えるときの導入方法
保育園ではさみの使い方を伝えるときの導入方法を紹介します。
- はさみを題材にした絵本を読む
- はさみにちなんだクイズを出題する
- はさみでできることを紹介する
製作の前にはさみがいかに便利な道具であることを伝えると、関心が芽生えるとともに、活動に対しての意欲を高めることにつながりそうです。
また、年中・年長クラスの子どもたちにはさみを使った作品を紹介してもらえば、異年齢交流の機会としても楽しめそうですね。
保育園ではさみを使うときのお約束事
保育園ではさみの使い方を伝える際のお約束事は以下の通りです。
- 先生といっしょに座って使いましょう。
- 持ったまま歩かないようにしようね。
- 友だちや先生に向けてはいけません。
- 友だちや先生、自分の「髪」や「指」などを切らないように気をつけようね。
- 使い終わったら、ケースに入れようね。
- 友だちに渡すときはケースに入れてから渡そうね。
はさみを使い始めたばかりの時期は、何度も繰り返し約束事を確認しましょう。子どもたちが理解しやすいよう、イラストで説明したり、〇✕クイズで伝えたりと工夫できるとよいですね。
保育園で使えるはさみの持ち方の指導方法
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はさみの持ち方を伝える順番をまとめました。はさみにはさまざまな種類がありますが、今回は子どもたちがわかりやすいよう、小さい穴と大きい穴が空いたはさみの使用方法を紹介します。
1.小さい穴にお父さん指を入れて、大きい穴にお母さん指とお兄さん指を指が曲がるくらいまで入れます。
2.はさみを閉じたり、開いたりさせる動作を繰り返します。
左利きの園児がいる場合は、左利き用のはさみを用意しましょう。保護者の方にあらかじめどちらが利き手か聞いておくとよいですね。
はさみの使い方の指導に役立つ!3つのステップ
保育園ではさみの使い方を指導する際、3つの段階を用意してステップアップしていくとよいでしょう。各ステップの事前準備や伝え方のポイントを紹介します。
ステップ1:1回切り
「1回切り」とは、はさみを一回で動かして切る練習を行うことです。はさみを初めて使うときは、まず1回切りから練習しましょう。
事前準備
1cm幅のテープ状の長細い画用紙を用意しましょう。はさみの使い方に慣れてきたら、切り取り線としてペンで等間隔に線を引いておいてもよいかもしれません。
伝え方のポイント
子どもたちとはさみの持ち方を確認して「はさみを持っていない方の手で画用紙を持とうね。」「画用紙をはさみで挟んで『チョキッ』と切ってみよう。」と子どもたちがわかる言葉で伝えていきましょう。
指先が上手く動かせない子どももいるかもしれません。その際は保育士さんが手を添えるなどしてサポートしましょう。
ステップ2:連続切り
1回切りに慣れたら、はさみを使う動作を繰り返す「連続切り(連続して切る)」をしてみましょう。
事前準備
はがき程度のサイズの画用紙を用意しましょう。はさみの使い方に慣れてきたら、1回切りと同様、ペンで等間隔の線を引いておくとよさそうです。
伝え方のポイント
「『チョキチョキッ』と続けてはさみで紙を切ってみよう。」と話し、「はさみを持っていない手を切らないように気をつけてね。」など安全面に配慮することも伝えましょう。
ステップ3:曲線切り
曲線切りとは、連続切りの応用で曲線にそって紙を切ることです。はさみを動かすのではなく、紙を動かしながら切ることになるため、子どもの様子を見ながら進めていきましょう。
準備
画用紙にペンで円をかきます。コンパスを使用したり、丸いものを型取ったりしてもよいでしょう。
伝え方のポイント
「はさみを持っていない方の手で、紙を動かしながら切ろうね。」「焦らないで、ゆっくり進めよう。」と伝え、集中して取り組めるように声かけできるとよいですね。
はさみの使い方が苦手な子もいるでしょう。ご家庭でも練習することを考えて、おたよりや連絡帳で「はさみを使い始めました!」などと、伝えられるとよいですね。
【ステップ別】保育園でできる!はさみの練習にぴったりな製作アイデア
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はさみの練習を意識した製作アイデアを紹介します。
ステップ1:1回切り
1回切りの練習になる製作アイデアです。
ピザを作ろう!
<用意するもの>- 紙皿
- テープ状の細長い画用紙(1cm幅くらい)
- はさみ
- のり
<作り方>
1.画用紙をはさみで切ります。
2.紙皿に(1)をのりで貼ればできあがりです。
<ポイント>
ピザにピーマンやチーズ、トマトに見立てた画用紙を貼ってピザを作りましょう。簡単な製作となるため、はさみの使い始めに取り入れるとよさそうです。
また、1回切り以外にもはさみの使い方を工夫すると、さまざまなピザができあがります。子どもたちの様子を見ながら、楽しんでみてくださいね。
おいしいかき氷♪
<用意するもの>
- PEテープ(扱いが難しい場合は画用紙に変更)
- 色画用紙
- はさみ
- のり
<ポイント>
かき氷の器や白い氷の部分は、保育士さんが事前に用意しておくとよいでしょう。
「いちご味?」「ぶどう味が好きかな?」とシロップの話をして活動を盛り上げられるとよいですね。
(詳しい作り方はこちらステップ2:連続切り
連続切りの練習になる製作アイデアです。
ぶどうの壁面製作
<用意するもの>
- 折り紙
- 画用紙
- 色鉛筆
- はさみ
- のり
<ポイント>
折り紙には保育士さんがあらかじめペンで線を書いておきましょう。
簡単な製作遊びのため、はさみだけでなく、のりの使い方を覚える際も取り入れやすいでしょう。2歳児や3歳児クラスなどの低年齢向けの工作になります。
(詳しい作り方はこちら)紙コップで桜の木を作ろう!
<用意するもの>
- 画用紙(ピンク、茶色)
- 紙コップ
- トイレットペーパーの芯
- 毛糸(赤)
- クリップ
- はさみ
- のり
<ポイント>
土台となる紙コップや桜の木の部分は保育士さんがあらかじめ用意しましょう。
画用紙の折り目にそって切ることを楽しめる工作になります。端を残して切るため、ときには保育士さんがサポートしてくださいね。
(詳しい作り方はこちら)ステップ3:曲線切り
曲線切りの練習になる製作アイデアです。
花火製作!指スタンプ
<用意するもの>
- 黒い画用紙
- 絵の具
<ポイント>
保育士さんがあらかじめ円形を書いておきましょう。
子どもたちが見やすいように白いペンで線を書くとよいですね。夏の壁面製作としても楽しめそうです。
(詳しい作り方はこちら)七夕の装飾にぴったり。簡単モビールの作り方
<用意するもの>
- 色画用紙
- 糸やひもなどつるせるもの
- えんぴつ
- テープ
- はさみ
- のり
<ポイント>
保育士さんがあらかじめ円や星の形の線を書いておきましょう。星の形を切ることが難しい場合は、ハートや三角など違う形にしてもよいかもしれません。
いっしょに願いをこめた短冊もつるすと、かわいい七夕飾りに仕上がりそうですね。
(詳しい作り方はこちら)保育園で正しいはさみの使い方を伝えて製作を楽しもう
保育園ではさみの使い方を教える際は、子ども同士の席の幅を広げるなど、安全面に配慮しましょう。
はさみの使い方に慣れている子どももいれば、一度も使ったことがない子もいるでしょう。
活動の進み具合は保育記録に残して、子どもたちが正しくはさみを使うことができるよう、個別にサポートすることも大切になります。
はさみを使って子どもたちとさまざまな製作遊びにチャレンジしてみてくださいね。