保育園の製作遊びで、のりの使い方を伝える方法を説明したい保育士さんもいるでしょう。2歳児・3歳児クラスなどから使いはじめることが多いため、使用方法をわかりやすく説明することが大切です。今回は、のりの使い方や注意点、ねらいや環境構成などもあわせて紹介します。はじめてのりを使うときの製作アイデアもまとめました。
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目次
保育園で「のり」を使った製作遊びを行うのは何歳から?
保育園の製作遊びで「のり」を使うことは多いもの。紙を貼ったり、異素材のものを組み合わせたり、工作中に大活躍するアイテムのひとつですよね。
保育士さんの中には、子どもが何歳からのりを使い始めるべきなのか、気になる方もいるでしょう。
一般的に2歳児や3歳児くらいから使用することが多いようですが、小さな子どもはのりを口に入れてしまう可能性があるかもしれません。
そこで、保育園では安全面を配慮して、主にでんぷんのりを使用しているようです。主原料がとうもろこしやタピオカなど自然由来のものが多いため、安心して活用できそうですね。
また、2歳児クラスまたは3歳児クラスではじめてのりを使う際は、子どもたちに使用方法をわかりやすく説明することが大切です。ねらいや環境構成、導入方法をきちんと考え、スムーズに活動ができるように準備しましょう。
保育園でのりを使った製作遊びをするねらい
保育園でのりを使った製作を行うときのねらいは以下の通りです。
- のりの感触を楽しむ
- のりに興味を持ち、正しく使おうとする
- 身近な材料を使って製作をする楽しさを知る
- 自分で作品を作ることをよろこぶ
子どもたちがのりを使うことでどのような能力を育まれるのかを意識して、ねらいを設定するとよいでしょう。
製作遊びで使用する道具はのりの他にはさみやテープなどさまざまなアイテムがあります。わかりやすく使い方を説明し、道具を正しく使う大切さも伝えていきましょう。
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製作遊びでのりの使い方を伝えるポイント
保育園ではじめてのりを使用する際の伝え方のポイントを紹介します。
のりに興味や関心を持てるような導入方法を考える
子どもたちがのりを使った製作遊びが楽しみになるように、導入を考えることが大切です。ここでは、導入方法の一例を紹介します。
のりを題材にした絵本を用意する
のりの使い方などが記載された絵本や紙芝居を用意して、子どもたちが関心を持てるように工夫しましょう。
読み聞かせの中で、「おうちでのりを使ったことがある子はいるかな?」「何歳からのりを使っていたのかな?どんなものを作ったことがあるかな?」など問いかけるとさまざまな言葉が返ってきて、製作遊びがいっそう楽しみになりそうですね。
のりにはさまざまな用途があることを話す
のりは壁面の製作やおもちゃを作る場合など、保育園で使うことが多いアイテムでしょう。
導入の際は、身近な製作物にのりが使用されていることを伝えると、子どもたちが興味を持つきっかけになるかもしれません。
製作物を見せながら「これはどうやって作られているか知っているかな?」「なにかでくっつけているようだけど、どんなものが使われているのかな?」などと声をかけましょう。子どもたちとのやり取りを楽しみ、のりを使う活動へのワクワクした気持ちを引き出せるとよいですね。
事前に環境構成を整える
のりを扱う際は、事前に環境を整えておくことが大切です。ビニールシートや粘土板、下敷きなどを用意して、作品が他のものと貼りつかないように気をつけましょう。
また、子どもたちが着ている衣服にのりがつかないように、スモックやエプロンを着てから行うとよさそうです。
製作遊びにおけるのりの使い方の説明方法
はじめてのりを扱う際は、子どもたちに使い方をわかりやすく説明することが大切です。
わかりやすい言葉で説明できるように、事前に指導案で教え方のポイントなどを記載するとよいでしょう。
ここでは、でんぷんのりを使った貼り絵を例にして、実際にのりの使い方を伝えるときの説明方法を紹介します。
用意するもの
- 手拭きタオル
- 下敷きや粘土板
- のり
- 画用紙
- 折り紙(5cm×5cm)
説明方法
1.「みんなでのりを使ってみようね。先生がゆっくり説明するから、きちんとお話を聞いてね。」
はじめに、子どもたちへのりの使い方を説明することやお話を聞くことの大切さを伝えましょう。
2.「まず、のりの蓋を開けます。のりはおかあさん指ですくうと使いやすいです。たくさんの指をのりにつけてしまうと、べたべたになるから気をつけようね。」
のりをすくうときに、おかあさん指がどの指かわからない子どもいるでしょう。説明する際に、保育士さんの人差し指に顔を書いたり、マークをつけたりするとわかりやすいかもしれません。
3.「のりを使うときは、おかあさん指の指先に少しずつとって、紙に塗っていこうね。のりが足りないときも、ちょっとずつのりをつけていこうね。」
ここで、保育士さんが一度塗り方の見本を見せるとよいでしょう。のりの量については、紙に少しずつつけていくことを伝えるとスムーズです。
4.「のりを指につけたまま、友だちに触れたり、いろいろな物に触ったりしないように気をつけようね。のりを使ったあとは、手拭きタオルで手をきれいにしようね。」
のりを触った手でさまざまな物に触れないように注意点を話しましょう。手拭きタオルは子どもたちが手の届く場所に配置しておくとよさそうです。
5.「それでは、みんなでのりを使って折り紙を画用紙に貼ってみようね。のりを触ったらどんな感じかな?楽しみだね!わからないことがあったら先生に声をかけてね。」
製作を開始すると、子どもたちから「プリンみたい」「プニプニしてる!」などさまざまな反応が返ってきそうですね。
園児の様子を見守りつつ、「上手に折り紙を貼ることができたね。」「面白い形に折り紙を貼ったね。」など声をかけ、子どもたちの様子を見てサポートできるとよいですね。
このように、園児がのりを扱うことに少しずつ慣れることができるよう、わかりやすく説明するなど配慮していきましょう。
はじめてののり遊びにぴったりな製作アイデア
次に、はじめてのりを使うときの製作アイデアを紹介します。
色鮮やかな魚を作ろう
用意するもの
- 色画用紙
- クレヨン
作り方
1.はさみで色画用紙を魚の形に切ります。
2.はさみで色画用紙を魚のうろこの形に切ります。
3.(1)、(2)を貼り、魚の顔をかくとできあがりです。
製作のポイント
(1)、(2)の工程は保育士さんが作り、準備しておきましょう。
2歳児や3歳児クラスには、のりの量を考えて少しずつ色画用紙につけることを伝え、うろこを好きなように貼ってもらいましょう。
「上手に貼れたね。きれいな色だね。」など、子どもたちに声をかけながら製作をいっしょに楽しみましょう
折り紙でちぎり絵の落ち葉を作ろう!
用意するもの
折り紙
画用紙
でんぷんのり
製作のポイント
保育士さんは、あらかじめ木の幹をかいた画用紙を準備しておきます。
動画ではスティックのりを使用していますが、安全性を考えてでんぷんのりを使うとよいでしょう。
2歳児や3歳児クラスでは折り紙をちぎるときに、力加減が難しい場合もあるでしょう。優しくちぎるように声をかけ、楽しく製作遊びを進められるとよいですね。
ぶどう狩りを味わえる!?壁面ぶどう
用意するもの
- 折り紙
- 画用紙
- でんぷんのり
- はさみ
- 色えんぴつなど
製作のポイント
あらかじめ保育士さんが折り紙を切り、ぶどうの房を作る工程から子どもといっしょに楽しみましょう。
簡単な製作遊びなので、子どもたちがはじめてのりを使う際に取り組みやすいでしょう。でんぷんのりを使用し、それぞれのペースで工作を楽しめるように、製作の時間配分を考えるとよいかもしれません。
色画用紙にいちごさんを貼ってみよう!
用意するもの
- 色画用紙
- はさみ
- でんぷんのり
- 丸シール(黒)
作り方
1.はさみで色画用紙をいちごの形に切ります。
2.はさみで色画用紙をいちごのへたの形に切り、(1)に貼ります。
3.丸シールを貼ってできあがりです。
製作のポイント
のりや丸シールを使い、「貼る」ことを楽しむ製作遊びです。
(1)、(2)の工程は保育士さんが作り、準備しておきましょう。(2)の工程後、手拭きタオルを使って、手をきれいにしてからシールを貼るように伝えるとよさそうです。
葉っぱにあおむしさんがやってきた
用意するもの
- 色画用紙
- はさみ
- でんぷんのり
- クレヨン
作り方
1.はさみで色画用紙を葉っぱの形に切ります。
2.はさみで色画用紙を円形に数枚切ります。
3.(1)に(2)を少しずつずらして貼り、あおむしに見立てます。
4.(3)の先頭の〇に、あおむしの顔をクレヨンでかいたらできあがりです。
製作のポイント
(1)、(2)の工程は保育士さんが作り、準備しておくとよいでしょう。円形の色画用紙はさまざまな色を用意すると、色鮮やかなあおむしさんに仕上がりそうですね!
簡単!帽子づくり
用意するもの
- 画用紙
- はさみ
- でんぷんのり
- クレヨン
- セロテープ
- 平ゴム(あご紐)
作り方
1.画用紙を扇の形に切ります。
2.のりをつける部分と貼り合わせる部分ににえんぴつで〇のマークをつけておきます。
3.(2)の部分以外に好きな絵をかきます。
4.(2)の部分にのりをつけ、帽子の形になるように貼り合わせます。
5.(4)の端にセロテープであごをつけるとできあがりです。
製作ポイント
(1)、(2)の工程は保育士さんが準備して、子どもたちがのりをつける部分がわかりやすいように、マークをつけておくとよいでしょう。
帽子に絵をかくだけでなく、星形やハート型に切った折り紙を貼ったり、シールを貼ったりと、作り方を工夫して楽しんでみてくださいね。
のりの使い方をわかりやすく伝えて製作を楽しもう
はじめてのりを使った製作を行う際は、環境をきちんと整え、のりの使用方法を子どもたちにわかりやすく説明していきましょう。
まだのりの扱いに慣れていない時期は、上記で紹介した簡単な工程の工作を用意するとよさそうです。
「はじめてなのにきれいに画用紙を貼れたね。」「のりはいろいろなものに使えてすごいよね!」など子どもたちにこまめに声をかけて、製作遊びをいっしょに楽しめるように工夫できるとよいですね。