運動会や親子参観の中に、親子レクレーションを取り入れている保育園、幼稚園は多いのではないでしょうか。ゲームや工作から料理まで、その内容は実にさまざま。親子レクにはただ楽しむためだけではない、しっかりとした目的があるようです。今回のコラムでは、親子レクを行う際の準備やポイントについてまとめていきます。
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親子レクレーションのねらい
保育園や幼稚園で行われる親子レクレーションには、どのような目的があるのでしょうか。
親と子のリフレッシュ
親子レクレーションの一番のねらいは、親と子がいっしょになって楽しむことです。子どもが「こんなの難しくてできない!」と挫折してしまうことのないよう、年齢に合わせた無理のない内容を選びましょう。
ゲームについてはルールの分かりやすいものを、工作については保護者が手助けをしてちょうど良く仕上がりそうなものを選択すると良さそうです。料理をする場合は大人たちで下準備を行い、子どもには仕上げを担当してもらうのが良いかもしれません。参加した全員が笑顔になれる、楽しい親子レクにしたいですね。
子どもの園での様子を知ってもらうため
子どもの様子は普段、連絡帳や送り迎えの会話を通して伝えていることと思います。ですが人から聞いて知るのと、直接自分の目で見て知るのでは大きな差があります。子どもが今何をがんばっているのか、お友だちとどのように関わっているのか、親子レクを通して保護者にもぜひ見てもらいましょう。園でがんばっていることをお父さんお母さんに褒めてもらうのは、子どもにとってもかけがえのない喜びになるはずです。
親同士のコミュニケーションの場として
たくさんの保護者が集まる親子レクは、親同士のコミュニケーションの場にもなります。クラスの親子が顔見知りになっていると、お友だちの話題を出したときに会話が伝わりやすくなるでしょう。子ども同士、親同士の雰囲気が穏やかだと、クラス全体にもまとまりが出るかもしれません。
子どもの家庭での様子を把握できる
親子レクレーションは、普段の親子の様子を把握できる良い機会です。お父さんやお母さんの前で、子どもは笑顔を浮かべているでしょうか。はしゃいだり愚図ったりする子どもに対し、保護者がどのように声かけをしているかも注目してみましょう。
家庭での親子の接し方は、そのまま保育園の生活にも影響する可能性があります。親子レクレーションは、普段は見えない子どもの内面にふれられる良い機会かもしれません。
親子レクを取り入れる行事
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保育園や幼稚園の行事の中で、親子レクはどのように取り入れられているのでしょうか。
親子参観
親子参観といえば子どものクラス活動を見てもらうのが一般的ですが、せっかく保護者に足を運んでもらう良い機会だからと親子レクを取り入れる園は多いようです。運動をする場合は、親子ペアでできるゲームや、ふれ合い遊びを選ぶのが良いかもしれません。工作をする場合は親子ごとに落ち着いて進められるよう、座ってできる内容にするとスムーズでしょう。衛生面に気をつければ、簡単な料理をするのも良いかもしれません。
運動会
運動会の競技の中に親子レクレーションを取り入れる保育園、幼稚園も多いです。特に0歳の乳児の場合は運動会を成り立たせること自体が難しいので、親子レクレーションという形でふれ合い遊びを実施する園もあるようです。1歳〜2歳も、途中で泣き出してしまったり不測の事態が起きやすいので、保護者にいっしょに参加できるとと進行がスムーズになるでしょう。3歳〜6歳もまだまだ親といっしょが嬉しい年齢です。
レクレーションの内容については、なるべく身体を動かせるものを選びましょう。借り物競走やおんぶ競争など、親子でペアになって競い合うゲームは盛り上がりそうです。クラス対抗のリレーや玉入れをするのも良いでしょう。運動会なら多少のハプニングも良い思い出になります。親子レクレーションを取り入れることで、運動会が盛り上がると良いですね。
親子遠足
遠足の際に親子レクを取り入れるのも良いでしょう。レクレーションを行う場所は行き先によりますが、公園や広場、目的地へ向かうバスの中が多いようです。
公園や広場で親子レクレーションをする場合は、宝物探しや追いかけっこなど、身体を使った内容が良いかもしれません。広々とした場所で思い切り駆け回れば、親子でリフレッシュできそうです。遊ぶ場所はエリアを区切って、ほかの方々のご迷惑にならないように気をつけましょう。
バスレクには、子どもの立ち歩きや車酔いを防ごうというねらいがあります。簡単な手遊びや○×クイズなど、座ったままできるコミュニケーションを中心にした内容が良さそうですね。
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親子レクを楽しく行うための準備
親子レクを楽しくスムーズに行うためには事前の準備が肝心です。
早めに保護者に日程を伝える
親子レクレーションの日程が決まったら、なるべく早く保護者に伝えましょう。年間の予定表を配る4月の段階から呼びかけておくと、忙しい保護者でも調整がつきやすいかもしれません。早く伝えすぎて忘れてしまう場合もあるので、1カ月くらい前にもプリントや連絡帳、張り紙を通して再度お知らせしておきましょう。
なるべく多くの保護者に出席して欲しいところですが、中にはどうしても参加できない場合があります。祖父母や親戚が代わりに参加することは可能なのか、園の方針を事前に確認しておきましょう。どうしても子どもだけになってしまう場合は、加配の先生を頼むなど最大限の配慮ができると良いですね。他の兄弟の参加についても問い合わせが来やすいので確認しておきましょう。
持ち物や服装の注意も忘れずに
運動やゲームをする場合には、「動きやすい格好でお越し下さい」いう旨をプリントなどで伝えておきましょう。料理や絵の具を使った工作など、服が汚れそうな活動をする際も事前に伝えた方が良いでしょう。持ち物をお願いするときも伝え忘れのないよう注意しましょう。
事前の準備は予備も備えてしっかりと
料理や工作をする場合は、参加者の人数分に加えて必ず予備も準備しておきましょう。作り方の見通しが立っていると余裕を持って進行できるので、レシピを黒板に書いておいたり、プリントを渡しておいたりすると良いかもしれません。工作の場合は、一人分の材料をひとまとめに袋などに入れておくと便利です。
親子レク当日は事前の説明を
トラブルを防ぐため、親子レク当日は子どもにも保護者にも、しっかりと保育士のお話を聞いてもらいましょう。中には親御さん同士でおしゃべりに夢中になってしまう場合もあります。直接禁止事項を伝えるのは角が立つかもしれないので、「今日はお父さんお母さんにたくさん遊んでもらいましょうね」「お子さんから目を離さないでいただけると助かります」など親子レクの意義を伝えられると良いですね。SNSや写真撮影のルールについても冒頭で確認をしておきましょう。
ときには親へのプレゼントも
親子レクの招待状や手紙など、事前に子どもにプレゼントを作ってもらうのも良いでしょう。思いがけない贈り物に、保護者はきっと喜んでくれるはずです。形に残るプレゼントを用意することで、後々になっても親子レクレーションのことを思い出してくれると良いですね。
親子レクレーションを楽しむために
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保育園や幼稚園で行われる親子レクレーションには、リフレッシュ以外にも保護者同士のコミュニケーションや家庭の様子を把握するなどさまざまなねらいがあります。ゲームの内容を考えたり材料を用意したり、事前の準備は少し大変かもしれません。ですが子どもにとって、お父さんお母さんと思い切りふれ合える親子レクレーションはきっと良い思い出になるはずです。親子レクレーションを楽しむために、しっかりと計画を立てましょう。