絵本や昔話などを題材にしたエプロンシアターは保育園でも人気の教材の一つです。エプロンシアターを取り入れてみたいと考えている保育士さんもいることでしょう。このコラムでは手作りエプロンシアターの作り方を紹介していきます。また、既製品や完成品を使うことも視野に入れて、エプロンシアターを簡単に用意するためのポイントも解説していきます。
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手作りエプロンシアターの作り方
まずは、手作りを目指す方向けにどのような手順、材料でエプロンシアターを作っていくのか見ていきましょう。
ねらいとテーマを決める
保育園でエプロンシアターを上演する際には、子どもたちがエプロンシアターを見ることを通して達成したいねらいを最初に決めましょう。
子どもに楽しんでもらうことはもちろん大切ですが、エプロンシアターの時間を通して子どもが成長できたり、興味関心をもつことが増えるといいですよね。指導案に書くようなねらいを最初に設定することによって、話の流れや取り入れる仕掛け、テーマ選びがしやすくなりますよ。
また、ねらいに沿ったテーマ選びも重要です。例えばねらいが行事に興味をもってもらうことであれば、それに関連するお話を作ったり、関連する絵本を用いてエプロンシアターで導入をしてあげましょう。年齢にふさわしいテーマかどうかもポイントです。
取り入れたい仕掛けや見せ場を考える
エプロンシアターの特徴を活かせるようにお話の流れも考えるようにしましょう。エプロンシアターはエプロン自体がいわば劇の背景のようなもの。自然とその背景は物語の場面に合わせて作ることになります。
またエプロンシアターの魅力の一つは、エプロンのポケットから取り出すものに子どもが興味を持つようなワクワク感。ポケットを利用することはもちろん、フェルトの取り外しによって場面展開ができるような仕掛け、キャラクターの表情が変えられる仕掛けなど、工夫によってさまざまな楽しみ方ができるでしょう。
こうした取り入れたい仕掛けや見せ場を中心に考えていくと、作るのに必要な材料や作り方も考えやすくなるでしょう。
自分で考えるのが苦手な方は、型紙や話の例が乗ったアイデア集が出版されていますから、そうした本を参考にしてもいいかもしれません。
一般的に必要とされる材料
保育士さんの工夫や材料選びによって変わってきますが、エプロンシアターを作るのに必要な材料は次のようなものがあります。
・エプロン
・フェルトや布
・綿
・マジックテープ
・裁縫セット
エプロンシアターの背景となるエプロン生地はマジックテープがくっつくような柔らかい素材を使うのが一般的なようです。また、登場キャラクターを作るためのフェルト、キャラクターに立体感を持たせる場合には綿を詰めてぬいぐるみのようにしてもいいでしょう。こうしたエプロン、フェルトをうまく加工するための裁縫道具も必要です。
マジックテープは人形の裏に着けてもいいですし、エプロンにあらかじめ縫い付けておいて、エプロンにフェルトの人形がくっつくようにしてもいいですね。
その他にも、仕掛けの内容によってさまざまな素材が考えられます。
エプロン、人形の作り方
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裁縫道具などを用いてエプロン、人形を作っていきましょう。手縫いだけでも作ることはできます。ミシンがある場合はミシンも使い分けながら作っていきます。
裁縫が苦手な方もいるでしょうから、作るときはケガをしないように自身のペースで作って、作る過程も楽しめるといいですね。
練習
エプロンシアターが完成したら、子どもの前で上演することを想定して練習を始めましょう。鏡の前で流れを確認してみてもいいですし、先輩や同僚に見てもらってアドバイスをもらってもいいですね。
実演する
練習を十分積んだら実演です。子どもの顔がよく見えて、かけ合いもしやすいのがエプロンシアターの特徴。子どもたちの反応を見てアドリブを入れてみたり、適度なかけ合いをいれるといいでしょう。
子どもの反応がよかった仕掛けやかけ合いを多くすることで、同じ話を2回以降でもより楽しめることでしょう。
エプロンシアターを簡単に作る工夫
こうした一連の手作りの方法を見ても、エプロンシアター作りには何かと手間がかかってしまうもの。ここではエプロンシアター作りをできるだけ簡単にする工夫を紹介していきます。
既製品のエプロンシアターを使ってみる
エプロンシアターにはネットの通販サイトなどで既製品、完成品のキットが販売されています。こうした商品は手づくりに比べると費用はかかりますが、エプロンや人形がすでに出来上がった状態で入っているので、次の日からでも使うことができます。作る時間はないけれど、エプロンシアターをやってみたいと考えている保育士さんにおすすめの方法です。
また、既製品までいかなくとも、エプロンシアターのアイデアをまとめた本も出版されているようです。こうした本には、ストーリーの参考例の他に、人形などを作る際の型紙もついている場合が多いので、人形や話を一からつくる手間が省けるでしょう。
ただし、園の方針によっては手作り以外の保育教材を用いないこともあるので注意が必要です。
身近な素材で作れるもので代用
裁縫が苦手、布や裁縫道具がないという方は、一部を身近な素材で代用してみるのも一つの手段です。使っていない軍手や靴下、牛乳パックや余った画用紙など、エプロンシアターの材料は布だけではありません。
フェルトで作った人形の代わりに、画用紙を切りぬいて人形を作ってもいいでしょう。マジックテープの代わりに両面テープを使うこともできます。
また、マジックテープで貼ることを想定せず、保育士が人形を手に持ったままお話を進めることができるのであれば、軍手を使ったぬいぐるみ、靴下を利用して作ったぬいぐるみもあります。
日々の製作のアイデアから工夫してエプロンシアターを作れば、子どもは十分に楽しんでくれるでしょう。
軍手で作れるぬいぐるみはこちらから
靴下で作れるぬいぐるみはこちらから
その他の製作、手遊びのアイデアはこちらから
完璧を目指しすぎないこと
完璧を目指しすぎないということも、エプロンシアターを作るうえで重要なことでしょう。
「話を間違えた」「人形をしまった場所を忘れてしまった」などのアクシデントが起こったとしても子どもにとってはミスにはうつりません。むしろ、「次はどうなるでしょう?」と子どもに問いかけてみたり、「あれー、どこにいるのかな?」などとアドリブを入れれば、そうしたミスさえも子どもは楽しんでくれるでしょう。
練習や製作を完璧にしなくては、と考える保育士さんもいるとは思いますが、むしろ少しのミスなんて気にしないくらいの気持ちでエプロンシアターを作って、上演してあげることで、作る過程だけでなくエプロンシアター全体がうまくいくのではないでしょうか。
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エプロンシアターを作って普段とは違う楽しさを
エプロンシアターは手作りで作ることができます。ねらいやテーマ、仕掛けを考えて作っていくのにある程度の時間はかかってしまいますが、普段の読み聞かせとは少し違うお話に、子どもは喜んでくれるでしょう。
裁縫が苦手という方でも、既製品を利用したり、普段の製作に使っているようなアイデアを利用することで簡単にエプロンシアターを作ることができるでしょう。また、作るときにも実演の際にも肩の力を抜き、アドリブやアレンジを入れて子どもがより楽しめるエプロンシアターを作れるといいですね。
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