お泊り保育のねらいとは？　スケジュールや困った時の解決のヒントも

お泊り保育は保育園の一大行事のひとつ。お風呂や泊まりなど、いつもと違う環境で夜を過ごすことになるため、子どもも保護者も緊張していることでしょう。このコラムでは、お泊り保育のねらいや一日のスケジュール、先生が気をつけたいことなどをまとめました。自分のクラスでお泊り保育が控えているときの参考にしてみてくださいね。

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お泊り保育とは

お泊り保育とは、普段通っている保育園や幼稚園などに子どもたちが泊まる行事のことです。当日子どもたちは外泊に必要なものを持参し、夜ごはんやお風呂、睡眠、朝食など、一日の流れを保育園で過ごしながらさまざまな経験をします。

場所

お泊り保育は、園内で行う場合と、外部の宿泊施設で行う場合とがあり、園によってさまざまです。園外で行う場合は、みんなでバスなどに乗って移動します。

開催時期

だいたいの幼稚園、保育園が最終年度の毎年6月～8月に行うため、基本的には5歳児が対象になります。1泊2日のスケジュールが一般的です。

子どもや保護者の様子

子どもたちはお泊り保育のことを聞くと、夏休みのキャンプのようなイベントとしてとても楽しみにしてくれます。ただ、ほとんどの子どもがおそらく初めて保護者の元を離れて一日を過ごすことになるので、当日が近づくにつれて不安が大きくなる子も多いでしょう。

そのため前々から、子どもたちがお泊り保育をスムーズにできるように、絵本やコミュニケーションを通しての気持ち作りを保育士が準備していきます。

また不安なのは保護者も同様で、「寝相が悪い自分の子どもが他の子に迷惑をかけないだろうか……」「夜にちゃんと一人でも寝られるだろうか……」と子どもたちのことが心配でなりません。

送り迎え時の声掛けや連絡帳のやり取りなど、保護者としっかりコミュニケーショを取って安心感をあたえましょう。

お泊り保育のねらいや意味

お泊り保育には子どもの成長のための大切なねらいが込められています。

子ども自身が自立すること

保護者がいない環境でも、自分で身の回りのことをすることが、お泊り保育のひとつのねらいです。いつもは保護者に頼ってしまうことも、がんばって自分で挑戦することで、子どもたちも大きく成長できるでしょう。自分の力で身の回りのことができると、自信にもつながるかもしれません。

規則正しい生活習慣を送る

園の子どもたちみんなでごはんを食べたり、入浴したり、睡眠をとったりなどすることで、規則正しい生活を習慣づけるねらいがあります。

小学校に入学すると、保育園や幼稚園と異なり、一日の決められたスケジュールの中で生活することになります。それを事前に体験しておくという意味でもよい練習になるでしょう。

共同生活において仲間意識や協調性を養う

友だちや先生とごはんやお風呂、睡眠などの共同生活やいつもと違ったイベントなどを経験することで、他の人との協調性を養うことにつながります。

普段の家での生活とは異なり、お泊り保育では他の友だちと協力してごはんの準備をしたり、順番を譲ったりすることもあるでしょう。周りを見て、他の人のことを考えながら行動するという習慣を身につけるというねらいもあります。

お泊り保育のスケジュール

以下がお泊り保育の基本的なスケジュールです。園によって時間や活動内容は異なります。

一日の流れの基本のスケジュールの例

《1日目》——————————————————–

15:00　集合・点呼と健康チェック
15:30　開会式
16:00　買い物体験
17:00　夕食づくり・夕食
19:00　花火・キャンプファイヤー
20:00　お風呂、歯磨き
21:00　就寝

《2日目》———————————————————

6:00　起床、身支度
6:30　ラジオ体操
7:00　朝ごはん
8:00　お片づけ
9:00　閉会式
9:30　解散・帰宅

お泊り保育での活動内容

園によって、園内でお泊り保育をする場合と園外でやる場合とがあります。園内でやる場合は、お昼は水遊びやゲームをしたり、夜には園庭で花火を楽しんだりします。

園外でやる場合は、日中はハイキング、夜にキャンプファイヤーを行ったりする園もあるようです。他にも、スーパーでの買い物体験や、夕食の料理実習なども行うので、初めてのことに子どもたちもワクワクしつつ、一回り成長できる機会になりそうですね。

お泊り保育の持ち物

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お泊り保育の持ち物にはどのようなものが必要なのでしょうか。

必要なもの

必要な持ち物は園によって異なりますが、着替えなどの服、タオルや歯ブラシなどの衛生用品、布団、そしてこれらを入れるかばんなどが一般的には必要になります。布団については、園側で敷布団のみ用意している場合もあれば、掛け布団も敷布団も家庭側に用意をお願いする場合もあるので、状況によって案内を変えましょう。

あると便利なもの

一人で寝るのが心配な場合は、お気に入りの枕やぬいぐるみの持ち込みを許可する園もあるようです。また活動内容によっては、ごはんを作ったり、プールで水遊びをしたりする場合もあるので、それに合わせてエプロンや水着の用意などをアナウンスするようにしてくださいね。

持ち物で気をつけたいこと

子どもたちの持ち物には必ず名前を書くようにお願いしましょう。一度に子どもたちが慣れない環境で同じような見た目のものを広げたり置きわすれなどが起こると、所持品の管理だけでかなりの時間をとってしまいます。

これを防ぐために、子どもたちの所持品には見えやすいところにしっかり名前を記入してもらうよう、保護者に連絡をしておきましょう。また、持ち物をひとまとめにして丈夫な袋に入れておくのも、散らかさないためのアイディアです。

お泊り保育で気をつけたいことや解決のヒント

お泊り保育は普段と違う環境で行われることから、いつも以上にトラブルが発生する可能性があります。事前に気をつけておきたいこと、またそのトラブルに対しての解決のヒントをまとめてみました。

子どもや保護者の心のケア

夜のおねしょ対策や入浴でのマナーなどがまだ身についていない子どもに対して、「お泊り保育までに間に合わせなければ」と焦る保護者もいるかもしれません。

子どももそのプレッシャーを抱えた状態でお泊り保育に臨むことになると、ただでさえいつもと違う環境で不安があるところに、さらにネガティブな気持ちになってしまいかねません。

そういったことに対して保護者から事前に相談を受けた場合は、保護者も子どもも安心させられるように言葉をかけたり、当日は子どもの行動をサポートするなどしてお泊り保育を成功に導きましょう。

体調管理

事前に保護者に配る健康調査用紙で伺う、子どもの平熱や排便の頻度などについて、気掛かりなところがあればしっかり事前にチェックして、当日もサポートをしっかりしていきます。喘息などの持病を持っている子については、普段服用している薬の扱いなどを確認しておきましょう。

また、いつもと違う環境で過ごすことの不安や緊張から、体調不良になってしまう子どももいるかもしれません。ストレスを感じる原因は、子どもによって違います。環境の変化に対応するのに時間がかかる子どもや、完璧を求めてしまう子どもなどさまざまです。

子どもたちをよく観察し、何にストレスを感じているのか、その子の普段の性格などから考えて気持ちのケアができるよう心掛けられるとよいですね。

夜寝るときの過ごし方

普段の家と違う場所で、同じ部屋に友だちもいっしょに寝るという環境に緊張してしまい、眠れないと訴える子どももいるかもしれません。そういった子には、緊張や不安がほぐれるように声をかけて安心させてあげましょう。

またおもらしの心配がある子もいるでしょう。そういった場合には、事前に個別でオムツやおねしょシートを用意してもらったり、寝る前にちゃんとトイレに行ったりすることなどで予防しましょう。

もし翌朝に失敗してしまっても、別室で着替えさせるなどの配慮をして、子どものネガティブな気持ちを落ち着かせたいですね。

お泊り保育を成功させよう

楽しみと不安がいっぱいなお泊り保育について、ねらいや活動内容、気をつけたいことなどを紹介しました。子どもたちにとっては初めてのことがいっぱいで緊張や不安もあるかもしれませんが、終わった後には一回り成長した姿が見れそうですね。子どもはもちろんのこと、保護者のサポートもしっかりして、お泊り保育を成功させましょう。